広告:まりあ†ほりっく2(MFコミックス)
[携帯Top] [文字サイズ]

■娘たちの収縮(15)

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 
前頁次頁目次

↓ ↑ Bottom Top

さて。。。。
 
第3試合のある5月22日なのだが、困ったことにこの日は青葉の誕生日であった。青葉には眷属の代役が利かないので、千里自身が行く必要がある。おそらく青葉の誕生パーティー自体はお友だちを呼んでその子たちをあまり遅くならない内に送り届けなければならない関係で17時〜18時半頃だろう。しかしその後、家族の団欒が続くので、ちょうど試合時間(19:00-20:30)とぶつかってしまう。
 
桃香からは午後の新幹線で彪志君も一緒に行くよと言われている。
 
東京13:12-14:30越後湯沢14:38-16:48高岡
 
試合の方も当然代役は利かない。
 
どうしたものかと思っていた時、携帯に電話があった。知らない番号である。
 
「もしもし」
「千里ちゃん?私、こないだの“桃香”だけど」
と言っている声は桃香の声にしか聞こえない。
 
↓ ↑ Bottom Top

「何か用事?」
「千里ちゃんには私の正体分かっちゃったみたいね」
「さあ」
「後でまたマンション行ってみたら、私専用の強力な結界貼られているし」
「やはりまた来たのか」
 
きっと何かの仕掛けでもしようとしたのだろう。
 
「それでさ、取引しない?」
「ん?」
 
「私、千里ちゃんの卵子が欲しかったんだけど、お断りみたいだから、代わりに桃香ちゃんの卵子が欲しいなと思ってさ」
「ふーん・・・」
 
「千里ちゃん5月22日に、東京で試合があるのに青葉ちゃんの誕生日で高岡に行かなきゃいけなくて困っているでしょ?」
「よく調べてるね」
「研究不足だってこないだ言われたから少し勉強した」
「それで?」
 
「その高岡に行く方の千里ちゃんを私に代理させてくれない?青葉ちゃんには絶対バレない自信がある」
 
↓ ↑ Bottom Top

千里は確かに元々人間観察力の無い青葉なら、この人(?)になら誤魔化されるかも知れないと思った。
 
「それで桃香と寝ようということなんだ?」
「生殖器を接触させないと、卵子を転送できないんだよ」
「まあ高岡に私と一緒に行ったら、桃香は浮気をしようとするだろうね」
「お互いにメリットがあると思うんだけど」
 
「いいよ。じゃそちらお願い。私は試合に出る」
「ありがとう」
「乗る新幹線は分かっているよね?」
「東京13:12発のMaxとき325号新潟行き」
「さすがさすが。じゃよろしく〜」
 
それで電話を切るが、この掛かってきた電話番号は名前を付けてアドレス帳に登録した方がいいと思った。それで何という名前にしようかなと思ったら《こうちゃん》が『こくう』と“思考した”(のを千里は知覚した)。それで『虚空』という名前で登録すると《こうちゃん》は驚いているようだった。
 
↓ ↑ Bottom Top

そういうことで千里は高岡行きは虚空に代行してもらうことにしたのである。
 

18日(金)、龍虎の小学校では運動会の予行練習があった。
 
ダンスでは他の女子たち!と一緒に『Everydayカチューシャ』を踊り、うまく行ってたくさん拍手をもらい、龍虎も上機嫌であった。
 
徒競走では龍虎は5人で走って2位だった。
 
「田代、だいぶ早くなったな」
とゴール係をしていた“男子”の体育係・伊東君から褒められた。
 
「龍のお父さんは中学時代、陸上部だったんだって」
と先に走り終えていた彩佳が言う。
 
「へー。だったら、田代はもっと練習してればもっと早くなるよ」
ともうひとりの体育係・金野君も言う。
 
「田代さんのタイムは幾らだった?」
と体育の先生・小林先生が訊く。
 
↓ ↑ Bottom Top

「1位の園田さんが34秒で、田代さんはそれより少し遅れていたから36秒くらいだと思います」
と伊東君が言う。
 
「じゃあまだ田代さんは今のままでいいな」
「そうですね。男子の中に入れたら進行に影響が出るレベルだし」
「じゃ田代さんは100m 30秒くらいを切ったら、女子を卒業して男子と一緒に走るということで」
と小林先生は言った。
 
「じゃ女子を卒業できるようにもっと頑張ります」
と龍虎。
「うん。頑張れ、頑張れ」
と小林先生は笑顔で言った。
 
「それともちょっと手術受けて男子を卒業して完全な女子になる?」
と彩佳がからかう。
「それは、やだ」
と龍虎は即答した。
 
ちなみに、この小学校の運動会では、男子の徒競走のゴール係は女子の体育係が、女子の徒競走のゴール係は男子の体育係が務めている。
 
↓ ↑ Bottom Top


5月19日(土)。千里たち日本代表候補一行は朝から新幹線で小山まで行き、会場に入る。午前中は地元の小学生や中学生を招いてのバスケ教室などのイベントをおこなった。そして17:00から試合となったが、結果はこのようになった。
 
SVK×62-65○JPN
 
この相手にこんなに苦戦するのはやばいなと千里は思った。
 
その千里はほとんど出番が無かった。第3ピリオドの前半に少し出してもらっただけで、ずっとベンチを暖めていることになった。他に亜津子も第2ピリオドに少し出してもらっただけ。玲央美も第4ピリオドの前半に少し出ただけ。王子はこの日は全く出番が無かった!
 
千里は彼女たちとどうなってるんだろうね?と言い合った。
 

↓ ↑ Bottom Top

5月20日(日).
 
この日龍虎の小学校では運動会が行われた。田代夫妻はむろん来ているし、福井から出てきた志水照枝、それにこの日は上島茉莉花(春風アルト)が来ていた。茉莉花は龍虎と会うのは初めてで
 
「ボク、幼稚園の頃『象さんの傘』大好きで歌ってました」
と龍虎が言うのを
「あれちょっと恥ずかしい!」
と言って茉莉花は照れていた。
 
幼児番組からヒットした曲で、茉莉花は象さんの着ぐるみを着て歌っていたのである。
 
なお、茉莉花が来ているので、この日は長野支香は遠慮すると言って来ていない。
 
9時から運動会は始まる。
 
最初は開会式で入場行進がある。各学年の1〜3組が各々2分割されていて、1組が白組と青組、2組が赤組と緑組、3組が黄組と黒組になっており6組対抗ということになっている。龍虎は1組で青組に分類され青い鉢巻きをしていた。
 
↓ ↑ Bottom Top

「あれ?龍ちゃん、女子の列に並んでない?」
と茉莉花が訊く。
 
「男子の方が人数が多いから、男子の中から背の低い子が女子の方に回っているんですよ」
と田代幸恵が説明する。
 
「なるほどー。あの子、背が低いもんね」
と茉莉花。
「学年全体でも男女通していちばん背が低いみたいね」
と田代幸恵。
「まあ小学3年生くらいの身長かな」
と田代涼太。
「やはり病気のせいで全体的に成長が遅れている感じなんですよね」
と幸恵。
「勉強はだいぶ取り戻したけど、身体の成長はなかなか追いつかないね」
と志水照枝。
 

↓ ↑ Bottom Top

開会式が終わった後は、学年ごとの徒競走が行われる。1年生は50m, 2年生60m, 3-4年生80m, 5-6年生100m である。1年生から順番に男女別に徒競走は行われていく。やがて5年生になるが、男子が6人ずつスタートし、最後の3組は5人ずつでスタートした所で男子は終わり、女子の組が始まる。
 
「あれ?龍ちゃん出たっけ?」
と茉莉花が訊く。
「これから出ますよ」
と幸恵が言う。
 
それで見ていると、女子はまず6人で3組走った後、5人で5組走り、その最後の組に龍虎は登場した。
 
「女子と一緒なんだ!?」
「龍虎は身体も小さいし、身体的な成長も遅いから男子と一緒に走るとあまりにも大きく離されて可哀相ということで、3年生の時から運動会では女子と一緒に走るようにしたんですよ」
と幸恵が説明する。
 
↓ ↑ Bottom Top

「へー!」
「この学校は予め測定していた100m走の成績から、順に走る組を作っているから、最初に出た6人は速い子たちばかり、最後の組は遅い子たちばかりなんですけどね」
「ああ、そういう学校ってあるんですね」
 
「その女子の中で遅い子たちの中でも、3年生の時は他の子の倍くらいの時間かけてゴールしたんですけど、4年生の時は何とか2位になって」
 
「おお、それは凄い凄い」
「徒競走4年生女子の部8組2位の賞状もらってきましたよ」
「あはは」
 
「今年はどうなるかな」
 
それで見ていると、龍虎は最初2番手を走っていたが、その内先頭を走っていた長身の女子が疲れたのか速度が落ちてきた所に龍虎が追いつくような形になり、最後はほぼ同時にゴールを切った」
 
↓ ↑ Bottom Top

「どちらだろう!?」
 
場内アナウンスが
「ただいまの結果、1位田代さん、2位園田さん、3位南條さん」
と告げる。
 
「やったやった!」
と言って、茉莉花は隣の照絵と手を取り合って喜んだ。
 

↓ ↑ Bottom Top

お昼は一緒にお弁当を食べた。「徒競走5年生女子の部8組1位」の賞状を見せて、龍虎は嬉しそうにしてた。
 
「女子の部で1位になったから、来年からは男子の部に出なさいと言われた」
「いいんじゃない?頑張ろうよ」
「うん。そろそろ女の子も卒業していいよな。ちんちんも少し大きくなってきてるんじゃない?」
と涼太が言うと、龍虎は恥ずかしそうにしている。
 
「立って小便する練習する?」
「まだ無理かも」
などと涼太と龍虎が会話しているので茉莉花は
「龍ちゃん、立ってしないの?」
と尋ねた。
 
「ボクのまだ小さいからズボンから先が出ないんですよ」
などと本人が言っている。
「それは病気だったんだから仕方ないんじゃない?その内大きくなるよ」
と茉莉花は笑顔で言った。
「うん」
と本人も言っている。
 
↓ ↑ Bottom Top

「学校のトイレでも、男子トイレの個室ってどこも1つしかないから、龍虎は女子トイレを使ってもいいと言われているんですよ」
と幸恵。
「まだ小学生の内はそれでもいいでしょうね」
と茉莉花は言った。
 

↓ ↑ Bottom Top

↓ ↑ Bottom Top

前頁次頁目次

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 
娘たちの収縮(15)

広告:月刊熱帯魚-ニューハーフ界トップクラスの美女たち[DVD]