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■娘たちの収縮(4)

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「取り敢えず5月6日福岡市で行われる玄海カップに申し込んだから」
と玉緒が言っている。
 
「おお!九州旅行だ!」
「博多なら、博多ラーメンと明太子食べなければ」
 
「福岡の大会だけど、宮崎とか鹿児島とか広島とかからの参加チームもあるらしいんで問い合わせたら千葉からでもどうぞということだった」
「それならある程度のレベルありそうね」
 
「行くのは1軍スターター格の人以外の希望者ということで」
「1軍スターター枠というと?」
「誠美ちゃん、翠花ちゃん、凪子ちゃん、国香ちゃん、薫さん、の5名」
 
「おお!私は入ってない。行く行く」
と言っているのは桃子である。
 
「じゃ、桃子ちゃん、キャプテンということで」
「うっそー!?」
「身長がいちばん高いから、キャプテンと言われると納得するかも」
 
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「雪子ちゃんとか、揚羽ちゃんとか、ソフィアちゃんとかこそ、スターター枠という気がする」
という声が出るが、
 
「新規加入者だから懇親を兼ねて。但し雪子ちゃんは日本代表だから、そんな選手を出したら申し訳無いから、雪子ちゃんは選手ではなくマネージャーということで」
と玉緒。
 
「それから谷地コーチが顧問をなさっている中学バレー部の大会とぶつかるということで、司紗ちゃんに選手兼任アシスタントコーチをお願いしました」
 
司紗はC-2級コーチと千葉県公認審判の資格を持っている。実は大会参加の条件として、審判のできる人2人、TOのできる人4人がいることというのがあった。司紗が千葉県公認審判、蘭が東京都公認審判の資格を持っていて、今回は九州の大会で管轄外だが、念のため確認したらオープン大会なので「他県の公認審判でもOK」と言われている。TOは得意な子がたくさん居る。一番難しい24秒オペレータも司紗・蘭・玉緒・元代・桃子・岬の6人ができる。
 
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「ただ、ゴールデンウィークでホテルも飛行機も取れなかったから結構ハードスケジュールの行程になるのよね」
と玉緒は言う。
 
「ハードスケジュールというと高速バス往復?」
「一応新幹線往復にする予定。5日の夕方の新幹線で行って、6日夕方の新幹線で帰ってくる。深夜1時千葉駅着」
 
「新幹線ならいいよ」
「寝てればいいもんね」
 
「予約を4月5日と6日の朝10時に入れないといけないから、できたら今すぐ出欠を決めて欲しいんだけど」
 
これについては除外された5名以外の15名全員が参加を希望した。西原監督も入れると16名である。
 

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「旅行代理店に勤めている千里ちゃんのお友だちにチケットの確保をお願いしている」
と玉緒。
 
「1ヶ月前4月5日と6日の朝10時に、即予約を叩いてくれることになっているから、多分取れると思う」
と千里。
 
「すごーい」
「飛行機は2ヶ月前からだからもう埋まっていたのよね」
「ああ」
 
「ただ、当日朝1番の新幹線では試合開始に間に合わないのよ。でも博多で前泊しようとすると、5日に博多ドームでラララグーンのライブがあって、それでホテルが満杯なのよね」
「わっ」
 
「それと何人かに前日の予定を打診したんだけど、やはり夕方まで仕事のある人がいるのよね」
と玉緒が言うと、数人頷いている。
 
「それで前日の東京発21:20発の新大阪行き最終新幹線に乗って23:45着。そのまま新大阪近くのホテルに泊まる。千葉から行くなら20:21千葉発」
 
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千葉20:21-20:59東京21:20-23:45新大阪
 
「まあ屋根のある所で泊まれるのならいいよ」
「屋根だけあってベッドが無かったりして」
「一応ホテルという名前が付いてるからベッドくらいはあると思う。1泊5000円だけど」
「安!」
「新大阪駅から15分くらい歩くんだけどね」
「それはトレーニングだな」
 
「当日は新大阪駅を朝6時の新幹線に乗って8:25博多到着。博多からは地下鉄で会場体育館に直結している駅まで15分」
 
「取り敢えず博多までは寝ていけばいいな」
「これ鹿児島中央行きだから、寝すごすと鹿児島旅行になってしまう」
「きゃー!」
 
「帰りは博多を18:55の新幹線。23:45東京着。秋葉原から総武線に乗り継いで多分千葉到着は1:07。その先はタクシーで帰すから安心してお酒飲んでいいよ」
 
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「飲み過ぎると翌日の会社にこたえる気がする」
「私5月7日は有休取ろう」
 

「博多どんたくは何日までだっけ?」
「5月4日まで」
 
「もう終わってるのか〜!?」
「4日・5日に親戚か友だちの家とかに泊めてもらえる人はそれ以前に行ってもいいけど、その場合は遅くとも明日までに私に連絡して。行く日の便に予約を入れるから」
と玉緒は言っている。
 
「公園で野宿しようかな」
「襲われても知らないよぉ」
「男装しておけば何とかならないかな」
「でも野宿して体調不良だったら罰金だからね」
「それで大阪のホテルに泊まる訳か」
 
最終的に16人の内半数以上の10人が友だちの家に泊めてもらうということで事前移動になった。大阪泊は6人である。玉緒がしっかりと各々の移動希望日と乗りたい便を第5希望!まで出してもらっていた。
 
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「予約は1ヶ月前の同日に入れるから、変更する場合も必ずその前日までに連絡してね」
と玉緒は念押ししていた。
 
なお、司紗・ソフィア・揚羽・蘭・雪子の5人は今宿在住の雅美の家に泊めてもらい、どんたくを見ることにして5月2日に新幹線で移動することにした(司紗は6日8時の代表者会議に出なければならないのでどっちみち事前移動予定だった)。雅美の旦那さんは、雅美がおそるおそる「友だちを5人泊めたいんだけど」と言うと「じゃ僕はその間は泊まりがけで釣りに行ってくる」と言って車で出かけていった。4日間車中泊しながら天草方面で釣りを楽しんだようである。
 

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2012年4月1日(日).
 
バスケット日本女子代表候補の第1次合宿が始まった(先日の顔合わせは回数に数えないらしい)。8日までの8日間である。
 
代表候補20名の内、海外に居る羽良口英子・横山温美・高梁王子の3人は免除で、残りの17名での合宿である。
 
今回の合宿にもまだヘッドコーチのジーモン・ハイネン(74)は出てきておらず、アシスタント・コーチを務める予定のシリル・デハーネ(69)が代わって指導に当たった。
 
ヘッドコーチほどではないが、アシスタントコーチも結構な高齢である。どうも体力が無いようで、一時間おきに休憩を入れようとした。三木エレンがさすがにこれでは練習にならないと思ったようでコーチに進言し、何とかその「休憩」の時間も練習を続けていいことにしてもらった。
 
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「君たち凄い体力あるね!」
などと言っていたが、ほんとに大丈夫か!?
 
なお、ヘッドコーチのハイネンはドイツ人だが、デハーネACはベルギー人である。ちなみにベルギーはドイツより更に弱い。なぜこういう人選になったのかさっぱり分からない。
 
ヘッドコーチもアシスタントコーチもドイツ語を話すらしいが、ドイツ語が分かるのは、三木エレン・横山温美・千里・玲央美の4人だけ(但し温美は現在スペインに居るので今回は参加していない)で、他の子とは通訳を介しての会話になるのでコミュニケーションに結構手間が掛かっていた。
 

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合宿は8日までだったが、7日夜千里は桃香から電話を受ける。
 
「へー。青葉が出てきてるの?」
「今日出てきて彪志君とデートしていたらしいんだけど、明日のお昼を一緒に食べないかと言っているんだけど」
 
「ふたりだけで食べればいいのに」
「と私も思ったが、彪志君が気配りしてくれたんじゃないかね」
「了解。じゃ12時に千葉駅前ね」
 
と言ってから、千里はさてどうしたものかと思った。
 
その時、千里の肩をトントンと叩く者があった。
「千里、俺に任せろ」
 

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そして8日11時半頃。
 
トレーニングセンターの2階のフロアで練習していたら突然電気が消えて真っ暗になる。
 
「何だ何だ?」
「停電?」
「まさか。ここは非常用電源もあるはずなのに」
 
他のフロアは電気がついているようで、どうもバスケットコートやハンドボールコートのある2階だけが電気が消えているようである。スタッフが来てチェックしているようだが、故障箇所は分からない模様。結局電気工事店を呼ぶということで、練習は休みになる。しかし千里は部屋に戻るとシャワーを浴び
 
「じゃ、すーちゃん、後はよろしく」
と言って、《きーちゃん》に転送してもらって千葉駅に行った。
 

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千里が出札を出ると、もう青葉と彪志は来ていた。
 
「お疲れ様〜」
「あれ?雨でも降ってました?」
と彪志が言う。
「ううん。なんで?」
「いや、髪が湿っているみたいだから」
「彪志君観察力があるね〜。ちょっとジムに行って汗流してたんだよ。その後シャワー浴びてから来たからね」
と千里は言いつつ、青葉は全然気付かなかった風なのを見て、やはり青葉の欠点は人間観察力だなと思った。
 
12:05くらいになって桃香が「ごめんごめん」と言って走って来た。
 
それで商店街を適当に歩いて焼肉屋さんに入る。男性2500円・女性2000円と書かれていたので、お代は任せてと言った青葉が悩んでいるようだった。しかしお店の人が「男性1人・女性3人ですね」と言ったので、それで8500円払って中に入った。
 
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「マジで男何人で女何人か悩んじゃった」
と青葉。
 
「戸籍上は男3人・女1人かな」
「実態上は女3人・男1人だろね」
「いや、お店の人はこの中の誰を男と思ったのかという問題について、少し悩んでみる」
 
「うーん・・・・・」
 

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「まあ深く追及しないということで」
「もしかしたら、男女の性別が微妙な人を0.5人ずつ数えたのかも」
と桃香が言うと
「僕も性別曖昧ですか!?」
と彪志が言っている。
 
「数えてみたら1.4人くらいだったから四捨五入して1人とか」
「うーん・・・・」
「まあ深くは追及すまい」
 

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さて、ナショナル・トレーニング・センターで千里から「後はよろしく」と言われて困ってしまった《すーちゃん》だが、部屋で待機していたら2時頃になって
 
「今回の合宿はこれで終了します」
という連絡があり、解散になる。
 
それで荷物をまとめ、掃除をしてから帰ることにする。合宿の荷物を持って下まで降りていくと、ちょうど佐藤玲央美と遭遇した。
 
「あんたも大変ね〜」
と玲央美は声を掛けてくる。
 
「練習再開されたらどうしよう?と思った」
「すーちゃんなら、どうにかなると思うよー」
「ならないよー」
 
結局、玲央美のコルトプラスで葛西のマンションまで送ってもらった。
 
「ああ、やはりここにアジトがあったのか。千里はどうも江戸川区に拠点があるようだなとは思っていた」
「レオちゃん、すごーい!」
 
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「でも、すーちゃんは運転しないの?」
「あまり自信無い」
「少し教えてあげようか?それとも自動車学校に入るとか」
「自動車学校に入るには住民票が必要だし」
「住民票くらい調達できるけど」
「まじ!?」
 

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さて千里たちであるが、焼肉屋さんでは、桃香・千里・彪志の3人が各々2人分くらい食べた一方で青葉はごくごく少食であった。
 
「結果的には男3人分・女1人分の料金でも良かった気がする」
と桃香は言っていた。
 
「ちー姉、けっこう食べていたね」
「まあ身体動かした後だから」
「そうか。ジムで汗を流してたと言ってたっけ」
「そうそう」
 
焼肉屋さんを出た後は、おやつを買って帰って午後いっぱい桃香のアパートでのんびりと過ごした。夕方彪志君と青葉が2人でアパートを出る。青葉を送って一緒に東京駅まで行くということであった。青葉は、新幹線→はくたか、の最終連絡で帰宅する。
 
ふたりが出た後、桃香は季里子の所に行くと言っていたので、スクーターを使っていいよと言ってディオチェスタの鍵を預けた。千里自身は《すーちゃん》と入れ替わって葛西のマンションに入り、作曲の作業に戻った。なお今日はファミレスのバイトは休みなので、《すーちゃん》はこれで上がりである。
 
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なおナショナル・トレーニング・センターの“電気系統の故障”についてはその日はいくら調べても故障箇所を特定できず、暗くなってきたので明日続きの調査をするということになったものの、翌日は朝からちゃんと電気がついていて、電気工事屋さんも首をひねっていた。
 
 
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娘たちの収縮(4)

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