広告:ここはグリーン・ウッド (第1巻) (白泉社文庫)
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■娘たちのムスビ(12)

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青葉と朋子、美由紀・日香理はその日も大船渡に泊まり、早紀・椿妃と遅くまでおしゃべりをしていた。そして翌12日、一昨日千里が花巻で借りたプリウスに4人で乗って一ノ関まで行き、駅前のトヨレンで乗り捨て返却してから、JRで高岡に帰還した。
 
一ノ関18:06-19:58大宮20:36-21:21越後湯沢21:30-23:38高岡
 
さて、菊枝であるが、実は3/11の昼過ぎ、菊枝のパジェロイオに彪志の父と彪志が同乗させてもらい東京に向かったのだが、運転は彪志の父がした!
 
彪志たちは都内は難しいので宇都宮付近で降ろしてもらえればと言っていたのだが、菊枝は、こちらは何も予定は無いからと言って千葉に寄っていきましょうと言った。
 
それで安達太良SAで休んだ後、磐越道で常磐道方面に行き、守谷SAで夕食を取ったあと、更に南下。柏ICで降り国道16号を走って千葉市内に22時すぎに到着した。ちょうど千里と桃香が東京駅に到着した頃である。
 
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(この時期は圏央道がつくばJCT−稲敷ICまでしか出来ておらず、東関東道まで行けないので、稲敷で降りても途方にくれることになる。柏まで来てしまった方が多少16号が混んでも早いだろうと宗司は判断した)
 
予約していた千葉市内のホテルに泊まる。宗司は、こちらでホテル代くらい持ちますからと言って、菊枝にも同じホテルに泊まってもらい、菊枝は翌日のお昼頃!高知に向けて出発した。
 

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彪志と父は翌3月12日朝ホテルをチェックアウトすると、まずはC大学に行き、入学手続きを済ませた。その後、ふたりで千葉市内の不動産屋さんを巡って、4月から住むアパートを探した。
 
「お前、そこで青葉ちゃんと住むんだっけ?」
「まだあの子は中学生だから、一緒に住むとしても、あの子が高校を卒業した後だと思う。まあその時、俺がどこに住んでいるかは分からないけど」
 
「あの子、まだ中学生だったんだっけ?」
「中学2年生だけど」
「高校2年生くらいかと思ってた!」
「あの子は大人びて見えるんだよね。それにあの子、親に虐待されていたので情緒障害を起こしていて表情が乏しいでしょ。だからよけい年上に見られる」
 
「だったら、お前中学生とセックスしてる訳〜?」
「ごめーん!でもそれ7月にも叱られたけど」
「そうだったっけ!?」
 
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3軒目の不動産屋さんで、手頃なものが見つかり契約する。そしてお昼を食べてからJRで一ノ関に戻る。
 
千葉13:40-14:22東京14:40-17:14一ノ関
 
それでちょうど高岡に帰るのに一ノ関に来た青葉たちと一ノ関駅構内で遭遇。青葉たちが帰るのをホームから見送った。
 

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3月12日(月).
 
千里が例によって葛西のマンションで作曲作業をしていたら、緋那から電話がある。いったい何の用事だろうと思い取ると、いきなり
 
「婚約おめでとう」
と言われる。
 
「えっと・・・それ誰から聞いたんだっけ?」
「うちの旦那経由」
 
と言うので、おそらく桃香が、千里が婚約指輪をもらったことを研二に話したので、それを緋那が聞いたという順序だろう。つまり桃香と研二は連絡を取りあっているのか!??
 
「ありがとう。正式な結納はまだなんだけどね。エンゲージリングもらった」
「まあこちらとしては、貴司に干渉することもできなくなるだろうから、ちょっとガッカリしたんだけどね。まあお幸せにね」
 
こいつは結婚しても、貴司にまだ気があったのか!?
 
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「まあそちらはそちらで幸せにやりなよ」
「ありがと。そうそう。私たち九州に転勤になったから」
 
「そうなんだ!」
「発令は4月2日。九州のアメリカ」
 
千里は一瞬考えたがすぐ分かった。
 
「大分県の宇佐(うさ USA)?」
「そうそう。よく知ってるね〜」
「九州の北九州市にはカナダもあるよ」
「まじ!?」
 
「でも九州に行っちゃったらさすがに貴司には干渉できないから、私は貴司からは降りるから」
 
降りるって、結婚してるのに!
 
「お疲れ様とでも言えばいいのかな」
「そうそう。千里ちゃん、気をつけなよ」
「へ?」
 
「貴司こないだ女とデートしようとしてたよ」
「ふーん・・・」
 
「私が奥さんの振りしてぶち壊しておいた」
「ありがとう。あいつ、本当に病気だねぇ」
 
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「でも若い子じゃないんだよ」
「へー」
「あれは貴司より年上だと思う。30歳くらいじゃないかな」
「ふーん。そういう女と」
 
「何か訳ありな雰囲気だったから、あれって既に数回デートしてたと思う」
「情報ありがとう。気をつけておくよ」
 
それで電話を切ったが、千里は腕を組んで考えた。
 
まさか私に婚約指輪くれるとか言っている最中にまで浮気するとは思わなかったな。全く油断も隙もありゃしない。
 

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2012年3月14日(水).
 
千里は朝からインプを運転して、北区のナショナル・トレーニング・センターに出かけて行った。
 
この日は先日発表された日本女子代表候補の顔合わせである。まだヘッドコーチのジーモン・ハイネンが来日していないのと、集まっているのがほぼお互いにおなじみのメンバーなので、この日は強化部長さんのお話があった後、午前中は紅白戦を中心に軽い練習。お昼を取ってから午後はポジション別に別れて基礎練習をする。夕方再度紅白戦をやって、この日の練習を終了。解散した。
 

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3月16日(金).
 
夕方18:20.千葉駅にローキューツのメンバーの7割くらいが集合した。この日の最終便の飛行機で大分に移動する。
 
千葉18:33-19:23品川19:29-19:37京急蒲田19:38-19:49羽田空港20:20-22:10北九州空港
 
京急蒲田駅での乗り換えは1分だが同じホームの向かい側なので問題無い。晩御飯については、チケットの手配を頼んだ旅行代理店の人に空港の手荷物検査場の向こう側でお弁当と飲み物を出してもらえるようにお願いした。それで機内でお弁当を食べていったが、選手達の食欲に配慮して、お弁当は人数の倍!用意しておいた。でもきれいに無くなって「おやつ無いの〜?」という声があがっていた。
 
北九州空港→23:00小倉駅/小倉23:52-1:10別府(泊)
 
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深夜の到着になることをホテルに伝えていたのだが、送迎バスを出してくれた。深夜遅いのに大感謝である。
 
仕事の都合でどうしてもこの連絡に間に合わなかった一部のメンバーはこの行程で移動してもらった。
 
千葉駅4:35(連絡バス)5:42羽田空港6:40-8:30大分空港(バス)9:30別府駅前
 
千葉駅に朝4:20集合だったのだが、無事全員遅刻することなくこの便に乗ることができた。
 

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そういう訳で千葉ローキューツは全日本クラブバスケットボール選手権に参加した。
 
2010年のこの大会では準決勝で金沢の女形ズに負けて3位となったが、秋の全日本社会人選手権に行くことができた。しかし全日本社会人選手権ではジョイフルゴールドに準決勝で敗れてオールジャパンには行くことができなかった。
 
昨年の大会は震災のため中止になったが、前年実績で社会人選手権に選出。準優勝してオールジャパンに出場することができた。
 
そういう訳でこの大会に参加するのは2度目である。
 
17日朝8:45から別府市内で代表者会議が行われたが、これには玉緒とソフィアが出てくれた。
 
試合は10:45からだったが、相手は九州のチームである。やはり今朝到着したメンバーがなかなか調子が出ないようであったので、昨夜来ているメンバーを中心に運用した。それで途中までは競ったものの、最後は何とか10点差で勝つことができた。
 
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この日はこの1試合のみである。そのまま宿に帰って、多くのメンバーがひたすら寝た。千里も熟睡していた。
 

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今回の遠征参加者は、出場する選手16名、監督とコーチ、アシスタントコーチ名目で菜香子、マネージャーの玉緒、そしてベンチ外活動(撮影や連絡・雑用係など)の要員として茜・ソフィア・揚羽・後藤真知・真田雪枝、それにジョイフル・ゴールドの越路永子・湧見昭子、ジョイフルダイヤモンドの夏嶺夜梨子・三田和菜の合計29名である。KL銀行の4名については、どっちみち情報収集はジョイフルゴールドとしてもしておきたいということで、貸してくれたのである。おかげでこの大会の全ての試合を撮影することができた(今大会のコートは2会場6面なので9人いれば、雑用が発生したりトイレに行きたくなった時も安心)。
 
選手登録したのは関東大会の時と同じ下記のメンバーである。
 
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4.浩子ひろこ(PG) 5.麻依子(PF) 8.千里(SG) 15.聡美(SF) 16.凪子(PG) 17.薫(SF) 18.瀬奈(SF) 20.司紗(SF) 22.岬(PF) 23.国香(SF) 24.元代(PF) 25.翠花(PF) 32.夢香(PF) 33.誠美(C) 34.夏美(SF) 35.桃子(C)
 
3月末で退団する、浩子・麻依子・千里・夏美・夢香の5人にとってはローキューツとして最後の大会である。
 
夕方ぼちぼちと宿の食堂に集まり夕食を取ったが
「なんか移動で疲れたね〜」
「今日の試合は何か記憶が飛んでる」
などといった話をしていた。
 
なお今日の全試合は、ベンチ外スタッフ9人の手で全て撮影してもらっている。また彼女たちから、特に注意すべき選手についても情報をもらった。
 

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3月18日は2回戦と3回戦が行われた。今日の試合は男女ともに全て別府アリーナでおこなわれる(大分の会場では交流戦が行われた)。
 
3回戦は昨日と同じ別府アリーナで12:00からであった。ローキューツのメンバーは早朝近くの公園で軽い練習をしてから、多くのメンバーがその後宿で仮眠した。11:00くらいに起きて会場に移動する。そして試合に出た。
 
相手は中国地区から出てきたチームであったが、移動で疲れていた昨日とは違い、みんな休養充分だったので15点差で快勝した。
 
メンバーは試合後、汗を掻いた服を交換。あらためて水分補給して昼食を取ってからまた多くのメンバーが仮眠した。
 
16:30から三回戦に臨む。相手は東海地区のチームで結構強かったが、今のローキューツの敵ではなかった。こちらもかなり本気を出したので12点差で勝った。
 
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また宿に帰って休む。
 
「今日はだいぶ調子出たね〜」
「なんかすんなりBEST4になったけど、これかなり凄いことのような気がする」
「まあ凄い人たちがいるからね〜」
 
「でもその凄い人たちがかなり減る〜」
「全日本クラブ選抜、やばくない?」
「誰かいい子いない〜?」
「女子では心当たりないなあ」
「男子でもいいよ。性転換してくれるなら」
「うちの弟、性転換させようかな」
 
「まあ先のことはこの大会が終わってから考えよう」
 
今年からは全日本社会人選手権に出場するには、新設された全日本クラブバスケットボール選抜大会(9月8日)で上位になることが必要になったのである。この選抜の出場権は関東クラブ選手権3位以内なので、ローキューツ、江戸娘、須賀イラインの3チームが出ることが決まっている。
 
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