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■娘たちよ胴上げを目指せ(6)

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「僕は、あの絵が、どちらが男性か分からなくて、こっちかなと思って入ったら違っていたから慌てて入り直した」
と留実子が言っているが
 
「サーヤが間違って女子トイレに入ったのか、間違って男子トイレに入ったのかは若干興味がある」
という声があがっている。
 
「この遠征中は女子トイレを使いなさいと、高田さんから釘を刺された」
「ふむふむ」
「日本みたいに治安がいい訳じゃ無いから、変なことに巻き込まれたらやばいからって」
「それは確かに恐いなあ」
 
「うん。恐いから、女の子ひとりで行動したら絶対ダメだよ」
とパリさんも強調している。
 
「できるだけ複数で行けとも片平さんが言ってたね」
「まあだいたい複数で行っている気はするが」
「サーヤも覗いたりしないから、他の子と一緒に行くようにしようよ」
「そうだね。気をつける」
と留実子が言うと
「僕に声掛けてよ」
とサクラが言っている。留実子にとってはいちばん声を掛けやすい存在だろう。
 
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「あと鍵が掛かっていて、使う時は管理人さんに言って鍵を開けてもらう所もあるよ」
「へー」
「それ有料なの?」
「有料の所もあるけど、無料でも、鍵を掛けてないと、そこに住む人が出るから」
とパリさん。
 
「トイレに住むのか!?」
「だって雨風がしのげるし」
「それは確かにそうかも知れないが」
 
「昨年のフル代表のアジア選手権で、馬田さんはそれで管理人さんに言ったら男子トイレに案内されそうになったらしい」
と彰恵が言っている。
 
「あぁ・・・」
「それは管理人さんにむしろ同情したい」
 
「プリンもチェコで結構トイレ・トラブル起こしている気がする」
「ああ、するする」
 

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19時前にホテルを出て会場の体育館に向かった。
 
ここはL1の試合が行われる第1体育館が8000人、L2の試合が行われる第2体育館も5000人入る、大体育館である。サッカーや陸上競技に使用されるスタジアムの方は7万人の収容能力を持つ。
 
千里たちが行ってみると、今日は開会式があったせいもあるかも知れないが、観客席が半分くらい埋まっていた。アンダーエイジのしかも女子の大会でこんなに観客がいるのは凄いと思った。千里たちが到着した時、シンガポールと韓国の試合が終わったばかりのようでコートの清掃が行われていた。千里たちは17:40頃アリーナに出て行った。
 
10分間、各々ハーフコートを使って練習をしてよいことになっているが、千里はコートには出て行くものの「練習しているふり」だけして、シュートは1本も撃たなかった。
 
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千里が撃つと全部入ってしまう!ので目立ちすぎるのである。
 
この日の日本のスターターはこのようにした。
早苗/渚紗/星乃/純子/留実子
 
星乃も純子も「よし出番が来た」と言って張り切っていた。留実子は何も言わないが気合いが入っているのは分かる。
 
それで試合が始まるが、日本は終始台湾を圧倒した。今日は控え組中心で運用したが、30点差で快勝した。星乃は水を得た魚のように頑張っていたし、純子もU18得点女王の貫禄を見せて30得点もした。千里は第3ピリオドに出てスリーを5本入れた。
 
本日の結果。
 
26(日) インド36×−○70中国 SG22×−○80韓国 台湾60×−○94日本
 

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26日、千葉県八千代市市民体育館では国体少年女子・成年女子の1回戦が行われた。少年女子で北海道代表(旭川選抜)は不戦勝。1回戦の結果は下記の通りである。
 
静岡○−×山口
神奈川○−×福井
新潟○−×広島
愛媛○−×京都
 
今年は愛知(J学園)も岐阜(F女子高)も出ていない。愛媛はQ女子高主体である。
 
なお、26日の世界選手権は休養日である。
 

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27日のU20アジア選手権は16時からで、相手はシンガポールであった。これも控え組主体で運用した。千里は今日は第2ピリオドに出て、このピリオドだけで8本のスリーを入れた。試合はクァドルプル・スコアで日本が勝った。
 
本日の結果。
 
27(月) 16SG20×−○90日本 18インド30×−○88韓国 20台湾60×−○78中国
 

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国体は27日、準々決勝の4試合が行われた。結果は下記である。
 
北海道○−×静岡
神奈川○−×宮城
千葉○−×新潟
福岡○−×愛媛
 
福岡はC学園・S女子高・W大付属の混成チームであるが、強豪Q女子高主体の愛媛を破ってBEST4に進出した。
 
なお、旭川選抜の構成はこのようになっている。
 
(旭川N高校)
SF.湧見絵津子 PF.黒木不二子 SG.水嶋ソフィア SF.夢野胡蝶 C.山下紅鹿 PG.原口紫 C.松崎由実 SG.宮口花夜 PF.徳宮カスミ
(旭川L女子高)
PF.風谷翠花 PF.黒浜玲麻 PG.姫川夏鈴
 
この日、千里たちが夕食を取っている最中に、世界選手権の二次リーグ初戦(15:30CET=19:00iST)の結果が入ってきた。日本は強豪スペインに大差で敗れた。王子や広川さんもこの強烈な相手の前には、なすすべが無かったようである。亜津子はかなりのスリーを放り込み、最後の方ではダブルチームまで受けたものの、全得点では勝負にならなかった。
 
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28日、U20アジア選手権は16時から韓国との試合である。
 
例によって「よし!韓国を倒すぞ」とテンションの上がっている子が数人居る。おそらく向こうも同様であろう。日本と韓国の力関係はここしばらく韓国が上を行っていたのだが、千里たちの世代はU18アジア選手権で83-70で勝っている。しかしおとなの世代ではまだ韓国の方が上のようである。
 
会場に入ってみると、やはり日本応援団・韓国応援団が異様に盛り上がっている。どうしても日韓戦というのは選手も観客もハイテンションになる。
 
韓国とは決勝トーナメントでも当たる確率がひじょうに高いので、この日篠原監督はこの試合に(負けそうにならない限り)渡辺純子と竹宮星乃を使わない方針を示した。確かに隠し球までする必要はなくても、数日中に再戦する相手に全てを見せるのも賢くない。
 
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むろん星乃と純子はこれまでの台湾戦とシンガポール戦に使ってはいるのだが、相手選手の強さというのは、観戦しているのと、実際にコート上で対決してみるのとではまるで感じられ方が違うのである。
 
この試合では向こうも14番を付けているカン(姜)さんを使わない方針だったようであるが、第4ピリオドに韓国が猛攻を掛けて8点差まで迫った所で、たまらず投入した。
 
背も高いし、確かに“上手い”人だと思った。敢えて数回フリーで通して彼女の動きを見た。彼女の活躍で韓国は4点差まで迫る。応援団の声援が物凄く大きくなる。ここで日本はタイムを取り、百合絵を彼女のマーカーに任命する。百合絵は175cmの背丈があり、体格で相手に負けないし、スピードでは上回っているので、カンさんのプレイをほぼ全て封じることができた。一方こちらは千里と玲央美が頑張って突き放し、最終的には20点差で勝利した。
 
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結局、純子と星乃は使わずに済んだ。
 
この日までの結果
 
26(日) 13インド36×−○70中国 18SG22×−○80韓国 20台湾60×−○94日本
27(月) 16SG20×−○90日本 18インド30×−○88韓国 20台湾60×−○78中国
28(火) 16韓国62×−○82日本 18台湾76○−×32インド 20SG20×−○86中国
 
1位 中国(3勝 2.01) 2位日本(3勝 1.87) 3位韓国(2勝) 4位台湾(1勝) 5位インド(0勝 0.42) 6位SG(0勝 0.24)
 
これで日本と中国は残り2試合とも負けた場合でも5-6位の2国の勝ち点を上回ることになったため、決勝トーナメントへの進出が確定した。韓国もインドとシンガポールの直接対決が残っていて「両者とも2勝」になることはないので4位以上確定でやはり決勝トーナメント進出が決まった。残る1つの席を台湾・インド・シンガポールで争うことになる。
 
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28日の国体は準決勝の2試合が行われた。結果は下記である。
 
北海道○−×神奈川
福岡○−×千葉
 
旭川選抜はインターハイ常連・金沢T高校主体の神奈川代表の序盤からの猛攻に一時は10点差を付けられたものの、絵津子・不二子・ソフィアの三年生3人組がよく頑張ってしのぎ、絵津子や由実が頑張って得点を重ねる。最後は相手エースのスリーポイントシュートを由実が絶妙にブロックした後、胡蝶のスリーが決まって5点差で勝利した。万一相手のスリーが決まっていたらそこで逆転されているところだった。
 
この日も千里たちが夕食を取っている時に世界選手権の結果が報された。日本はブラジルと延長戦にもつれる激戦を演じたものの、最後は2点差で破れたということであった。
 
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「第4ピリオド、3点負けている所から亜津子ちゃんのスリーが決まって同点に追いついて延長。でも最後届かなかったみたい」
「惜しいね」
「あと少しあれば勝てたのに」
「まあ実力が足りないということだろうけどね」
 
結局二次リーグでは日本は全敗。一次リーグの成績と合わせて1勝4敗のグループF最下位となって、決勝トーナメントには行けず。9-12位決定戦に回ることとなった。
 

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29日チェンナイ。
 
今日の相手は16時からインドである。
 
インドチームとは前回のU18アジア選手権の時、とっても仲良くなり、中国攻略のヒントまでもらったのだが、前回と中核選手はそのままであった。
 
前回シューターとしての開花の兆しを見せていたパルプリートは立派なシューターに成長していた。あの当時はけっこう腕が細かったのが、かなり太くなっている。筋力トレーニングをしっかりやってアスリートとして成長したようである。またセンターのステファニーもリバウンドを取るのがひじょうに上手くなっていた。サクラが彼女と試合前からハグしていた。
 
もっとも試合は全く勝負にならない。ほぼ一方的な展開となる。それでも向こうは途中で諦めたりせずに、頑張って得点を重ねる姿が気持ち良かった。
 
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試合はダブルスコアで日本が勝った。むろんこちらが本気を出せば多分クィンタブル・スコアくらいになる所である。
 
試合後はまたお互いにハグしあった。
 
「次はフル代表・アジア選手権とかユニバーシアードとかアジア大会とかで会おうね」
と言い合った。
 

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千葉県八千代市では、この日国体少年女子の決勝戦が行われた。この試合は物凄い熱戦になった。
 
北海道代表も福岡代表もお互い果敢に攻め合い、序盤から激しい攻防が行われた。リードもコロコロと入れ替わる。最後まで息のつけない試合であったが、最後はゴール下での乱戦から紅鹿がダンクを決めて、これが決勝点となり、82-84で北海道代表(旭川選抜)が優勝した。
 
審判が北海道の勝ちを告げた後、お互いのチームのベンチに挨拶に行く。そしてその後、絵津子が「有無を言わさず胴上げするぞ」と言い、最初に宇田先生、それからL女子高監督で今大会はアシスタントコーチとして参加した瑞穂先生、そして主将の絵津子、副主将の風谷翠花(L女子高)、更に不二子・ソフィア・紅鹿・胡蝶・姫川夏鈴と、3年生の選手がどんどん胴上げされた。
 
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宇田先生は
「胴上げとか自分の柄じゃないけど、前回僕が辞退したおかげで、若生君、村山君、溝口君たちも胴上げのチャンスを逸して悪かったと思っていたから、今回は逃げずに受けた」
 
などと言っていたらしい。
 
表彰式では、絵津子は優勝の賞状をもらって満面の笑みで観客に手を振った。
 
かくして北海道代表は2008年から3年連続の国体優勝を達成した(2008と2010は旭川選抜、2009は札幌選抜である)。
 

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