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■女子高校生・3年の冬(13)

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「しかし巫女さんするなら笛も吹いてもらいたいな」
とM大神が言うとA大神の眷属ミミ子(瑞江)が現れる。
 
「大変失礼します。A大神よりお使いで参りました」
 
「夜梨子さん、今使っている龍笛をセリアさんに譲って夜梨子さんはこちらをお使いくださいということです」
と言ってNo.220 の番号と“白雪”という銘が入った龍笛を夜梨子に渡した。それで夜梨子はこれまで使っていたNo.222(花姫)はセリアに渡した。
「なんか高そうな龍笛だ」
とセリアが渡された龍笛を見て言っていた。
 
この手塩工房の最後の付近の作品の材料は初山別村の古民家を解体した時に得られた煤竹で囲炉裏の上に100年あった竹が使用されている。梁瀬さんは値段を付けず「懐とお気持ちで」と言ったが、買った人はだいたい100万円程度以上払った。但し貧乏学生に分割払いで24万で売ったこともある:この人は後に大きな神社の雅楽奏者になった。
 
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なお4月から千葉L神社でバイトすることになるY1ゆきのほうが使うのもセリアに渡したのと同じNo.222(花姫)である。青(ブレンダ)のほうはNo.224(月姫)/No.200(織姫)。L神社にはその時あいている千里が出ているので「千里ちゃんの笛って日によって音色が違うね」ということになる。が、実は使っている笛自体が違っていた。花姫は明るい音色だが、月姫や織姫は哀愁を帯びた音色である。
 
L神社では更にきーちゃん(2番ルミナ)が代理をしていることもあった。そしてルミナ自身2本の龍笛を使っていた。更にきーちゃんの1番ノエル(京都)や6番アンナ・マリア(横浜)が代理していることもあった。ノエルの龍笛は手塩のNo.214である。ルミナのはどちらも花梨製。アンナ・マリアのは安価な合竹(ごうちく:竹の集積材)である。なおBs(ブルーム)も合竹の龍笛を使っていた。これが安価なのに籐巻なので高級品に見えるという面白い笛だった。但しブルームはほとんどL神社には出てない。ブルームが出現するのは基本的に貴司の浮気現場を押さえる時など何かに怒った時である。
 
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BwとY1の使用笛は本当の高級品(樺巻き)。素人目には樺巻も籐巻きも似たように見える。
 
龍笛の巻きは、高級品から順に、樺巻>籐巻>紐巻>巻無し、となる。留萌のQ神社で初心者の巫女さんに練習用に渡していたのがプラスチック製巻無しの5000円の龍笛だった。
 
玲羅の使用笛は白竹(燻製されてない竹)の籐巻き(小春があげた:小春は札幌の楽器店で5万円で買った)で、善美のは合竹の紐巻き(梨花があげた:梨花も先輩からもらったもの。たぶん2〜3万くらいの品。梨花本人は紫檀製・籐巻の8万円ほどのを使っていた)である。ロゼが使っているのはNo.228(中学時代のRが使用していた笛)のコピー。
 
ちなみに“合竹”というのは“ごうちく”と読めば竹の集成材のこと。“あいたけ”と読めば、笙の重音演奏の意味になる。
 
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千里たちは手塩工房の煤竹の龍笛は神社の仕事にのみ使用しており、ポピュラー音楽のライブなどには花凛や合竹の龍笛を使っている。これは洋楽器と合わせやすいドレミ調律で、特に“D09”という楽器は、演奏者(千里)が入れ替わっても音に差が出ないように同じ工房から2009年にグレースがまとめて買って全員に配ったものである。20本買うからといって発注し作ってもらった。花梨製である。この時、管体は全部同じ人が作り、巻きもひとりの人が全ての巻きをしてくれるように頼んでいる。穴の位置は西洋音階(平均律)が出るように機械で正確に空けている。
 
ドレミ調律の龍笛はずっと後2020年頃に千里とローズ+リリーの冬子が共同で物凄く精密なのを制作している(“D20”)が、2009年の制作の時はそこまでの厳密さは要求してない。20セント程度以内の誤差があるが、普通の楽器にもその程度の誤差があるので、セッションするのに支障は無い。千里のフルートなども(わざとだが)平均律と20セント程度異なっている。
 
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一般に人間の耳では10-15セント程度(周波数なら5Hz程度)以下の音程差は分からないと言われるのだが、千里や冬子は0.5Hzの差を聴き分ける(*23)。民謡家で管楽器奏者でもある今田七美花とかヴァイオリニストの鈴木真知子などはもっと精密な感覚を持っている。
 
(*23) 筆者も中学生の頃は0.5Hzの差が分かったが、今はもうだめである。
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なお2009年以前にブレンダがDRKの演奏で使っていたのは小春が渡した、やや怪しげなドレミ調律の花凛製龍笛(“D06”)であった。実際に制作したのは毛猿麻笛(もうざる・まふえ:モーツァルト・まてき?)という美瑛町の横笛制作者で、試作品をA大神眷属のシネさんが5万円で買って小春に渡したものである。試作品なので穴は割と適当に開けている。
 
(東の)千里は高校時代のDRKの制作ではD06を使い、その後のGolden Sixの制作、ローズ+リリーのライブなどではD09を使っていた。KARIONの場合はKARIONがピタゴラス音階を使用していてこれは結果的に尺八や普通の龍笛が使用する日本音階と同じなので普通の龍笛(但し花梨製)で音源制作やライブに参加していた。KARIONの制作では逆にピタゴラス音階のギター・ベースが使用された。これらは移調ができないので調ごとに楽器を交換していた。例えばハ長調(イ短調)用、ト長調(ホ短調)用、変ホ長調(ハ短調)用、ヘ長調(ニ短調)用などの楽器があった。これらの特製のギター・ベースは畠山社長の友人の手作りである、フルートについては、日本音階が設定できるキーボードを使うか、西洋フルートの代わりに篠笛で演奏したりしていた。
 
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ローズ+リリーおよびRed Blossom などの2014年頃から2019年頃まで(『雪月花』から『十二月』まで)の音源制作には“D12”というまた別のドレミ龍笛を使っている。この笛は音源制作のみに使用し、ライブには使っていない。この龍笛を持っていたのは、ゆき・夜梨子・ロビン・グレースの4人だけで、この時期のローズ+リリーの音源制作ではとんどゆきが龍笛を吹いている。
 
D12を(グレースの依頼で)作ったのは、岸本メイの弟子・寺本博美である。女竹の龍笛だが、かなり正確な西洋音階で作られている(代金は120万円/本)。彼女の20代の時の作品で、若い耳で作られているので平均律との誤差が10セント以下である。完成するまでに4本試作品を作ったが、試作品は全て制作者自身の手で廃棄された。完成品は5本(10本作り上げたが5本は不合格として破棄された)でその内の4本をY1,Y2,R,G が取り、あと1本は青葉に渡した。また、この笛は2020年のドレミ龍笛(D20)制作の時の参考楽器にもしている。
 
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3月11日 - 将棋の中原誠十六世永世名人が3月31日付での現役引退、2017年まで日本将棋連盟名誉棋士会長を務める傍ら、将棋評論家として活動することを発表。
 
※将棋の永世名人(家元制から実力制に移行後)
十四世名人 木村義雄
十五世名人 大山康晴
十六世名人 中原誠
十七世名人 谷川浩司
十八世名人 森内俊之
十九世名人 羽生善治
 
中原は名人在位中に九段に昇段したため、ずっとタイトル称号・前名人・永世十段・十六世名人を名乗っており、「九段」の段位を称することが無かった。(段位を称したのは棋聖挑戦時に八段を名乗ったのが最後)。タイトル獲得数64は羽生(99)・大山(80)に次いで歴代3位である。
 

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3月13日、JRグループのダイヤが改訂された。
 
寝台特急「はやぶさ」(東京→熊本)・「富士」(東京→大分)、急行「つやま」
(岡山→津山)がこの日発車の列車を以て廃止。
 
“はやぶさ”は後に東京から東北・北海道に向かう新幹線の名前に転用されることになる。
 

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「シアトルってワシントン州だよね」
と清香はシルビアに訊いた。
「そそ。ワシントン州の経済的な中心地だね」
「州都ではないんだっけ」
「州都はオリンピア」
「へー(知らない名前だ)」
「ワシントンDCつてワシントン州とは全然別の所にあるのね」
「うん。ワシントンDCは東海岸。ワシントン州は西海岸」
s「名前が似てるのに紛らわしい」
v「福岡市と福岡町が全然別のところにあるようなものかな」
s「切符買い間違える外国人があるらしいね」
v「多分日本人でも間違う」
s「そうかも。福岡市は福岡駅じゃなくて博多駅だし」
 
ちなみに福岡市の福岡駅は西鉄の駅で福岡市の中心部天神にある。タクシーの行き先間違いは昔から多い、紛らわしいので近年「福岡(天神)駅」と改名された。
 
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「佐田岬(さだみさき)と佐多岬(さたみさき)も紛らわしい」
とシルビアはホワイトボードに書きながら言った。
 
s「えっと、どちらかが九州の端だ」
と清香は答える。
v「そうそう。佐多岬(さたみさき)は九州の南端、大隅(おおすみ)半島の端。佐田岬(さだみさき)は四国の西端、豊後水道に突き出た細長い半島の先。対岸は佐賀関(さがのせき)」
s「その名前も佐賀県と紛らわしい」
v「北海道の知床(しれとこ)とかも2つあって紛らわしい」
「ああ。;礼文島(れぶんとう)にも知床があるね」
 
これは推理小説のトリックに使われたこともある。元々は土地の端を意味するアイヌ語から来ており、礼文島の知床は島の南端である、
 
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グレースは東京江戸川区の小岩駅から歩いて20分ほどの住宅街に20坪ちょっとの土地を約3000万円で購入、ここに由布たちを使ってユニット工法で家を建て、関東司令室とすることにした。
 
建坪は12坪で1階が2DK、2階が12畳の洋間と4畳半の畳部屋2つで広い洋間を司令室とする。地階に休眠室を置く。家の前面にエブリイを駐めておく。仕事の性質上できるだけ目立たない車をというので、これとN-BOX とどちらがいい?とヴィクトリアに訊いたらヴィクトリアはこちらが好きだと言った。
 
グレースとヴィクトリアは2階の部屋に寝泊まりする。1階の居室には小町とミッキーが入る。サハリンは取り敢えず深川に置き去りである!
 
つまり千里の側近4人の配置はこうなる。
 
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コリン:京都南邸
星子:関西司令室(山崎)
サハリン:深川司令室
ミッキー:関東司令室(江戸川)
 
またグレースは千葉市内、千葉大学の近くにも2DKのマンションを確保して司令室の千葉分室とした。2DKは4.5畳と6畳だが、4.5畳をBw/Y1 の休眠場所、6畳をコントロールする人の居場所とする。グレースは取り敢えずここにミッキーの妹のミニーに入ってもらった。
 

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