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千里は千枝子さんと一緒に新美術館のレイアウトを設計していたのだが
展示物が足りない!!!
というのが問題になった。現在の展示品は新しい建物のせいぜい2フロアで収まってしまう。
今の美術館は建物のデザインが凝っているため実は収容力が無いが、新しい建物は幾何学的な直方体なので物が効率よく収められるので多数の展示物が入る。それでスペースが余ってしまう。
元々個人が趣味で何となく集めていたものを展示しているだけだから仕方無い。
千里は前橋を呼ぶと言った。
「1000万円預けるからさ、日本全国を車で回って、全国の民芸品の人形とかおもちゃの類いをたくさん買い集めてきてよ。娘2人(アイリスとシレーヌ)も連れてさ。あちこちで美味しい物食べていいから」
「ちょうど春休みに入りますね」
大学入試のシーズンなので大学生は施設が使えず休みに入るのである。娘2人もだが、母の前橋自身も女子大生である!
「美味しい物食べる時はその写真もよろしく」
「それも展示するんですね」
「そうそう」
車は機動性の良い小型SUVのキャミ(テリオスのOEM)を与えた。SUVだから少々の凸凹道も平気である。車体が小さいから狭い道も通れる。小さくても女3人なら車中泊も可能である。
でも前橋は「3人の車中泊は辛いです」と言ってアイリスはお留守番になった。前橋とシレーヌの2人で全国を巡ることにした。アイリスについては京都北邸に入り、ネットで情報を集めて母たちに「どこどこに行って何々を見て」と指示してもらい、また通販で買えるものは買ってもらうことにした。
千枝子さんの提案で新館にはショップとレストランを設置することにした。その料理長として前述の青島さんに来てもらうことにした。千里は彼女に言った。
「ここのレストランでは全国の名物料理を出そうと言っているのよ。その取材に全国行ってきてくれない?」
「私そういうの大好きです」
ということで彼女を料理取材のため前橋親子と一緒に全国飛び回らせることにした。それでお留守番を命じられていたアイリスにモビリオスパイクを与えて青島さんを乗せ、前橋・シレーヌのあとを追いかけて人形集め+美味しい物探訪をやってもらうことにした。
お留守番を命じられてぶつぶつ言っていたアイリスが凄く張り切っていた。青島さんも運転できるのでひとりのドライバーがあまり長時間運転しないようにする。また人形集めは結局4人の目でおこなわれることになった。
2月3日。
今年も2月3日が節分で4日が立春であった。2020年まではこのパターンである。
この日は各地の神社で主として夕方から豆まきがおこなわれた。
留萌P神社では常弥、善美、高校生巫女たち、漁協の三泊支部長さん、留萌新鮮産業の専務、桜観光の社長(柳里君)、留萌自然電力会社の社長(木崎さん)、C町とA町の町内会長、市会議員さんなどが豆を撒いた。。漁協の支部長さんが音頭取りをしてくれた。
姫路の立花K神社では警察の指導もあり、豆まきは北町社のみでおこなうことにして、上町社からは送迎のバスを運行した。警備をする警察もたいへんなのである。2ヶ所でやると豆の数の比率も難しいし1ヶ所にまとめてもらうと神社側も助かる。
今年豆を蒔いたのは、和也、まゆり、花絵、越智さん、千里(夜梨子)たち常勤巫女、東北屋・プリンセス・ローソンの店長、立花楽器の店長、立花各町の町内会長、市会議員さんなどである。音頭取りは和弥がした。夜梨子は今年も境内に設置した台の上から撒いた。
引換券の交換は今年も冷水の女性従業員さんたちが事務員を示す松葉色の袴を着けてやってくれた。
豆まきが終わった後、きーちゃんは月夜と小鴨に手伝わせて、今年も段飾りのお雛様を千里の家のリビングに設置した。清香がまた変な替え歌を歌っていた。
2月5日、同志社大学で個別入試があり、千里・公世・双葉が受けて来た。科目は国語・英語・地歴公民である。千里はだいたい良い感じで解答できた。双葉は「落ちたぁ」と言っていた。公世も自信無さそうであった。
しかし千里(ロビン)はやはりここはキリスト教の“気”が強すぎて自分には通えないなと思った。何か排除されてしまうような感覚があり、長居したくないのである。もし他の所全部落ちたら自分は國學院に通い、こちらは代わりにジェーンか誰かに通ってもらおう、とロビンは思った。
多分神道体質が強すぎる夜梨子はこの大学の敷地自体に入れないだろうと思った:夜梨子は教会の建物にも入れない。ロビンは教会に入ることは入れるが居心地が悪い。グレースも同様だが、ヴィクトリアは教会平気だし「アーメン」と発音できる。ロビンやグレースは「アーメン」と言えない。夜梨子はお寺にも入れないと言う。実は青もお寺に入れない。山門ではじき返されるらしい:(実は後に、通用口からは入れることが分かる)。お寺はロビン・グレースは平気である。
2月10日、同志社女子大学で合格発表があり、清香は合格していた。本命は教育大だがここも一応入学手続きはしておく。
「教育大に合格したらここ行かないけど念のためお願い」
「しょうがないね」
それで入学金と授業料60万円を父に出してもらい払って来た。しかし清香はこれで来季は京都の女子大生になることが確定した。
2月10日 - 大阪府警察本部・福岡県警察本部・熊本県警察本部の三者合同捜査本部は、2008年9月に発生した三笠フーズによる『事故米不正転売事件』で、三笠フーズ等を不正競争防止法違反で摘発、三笠フーズ社長ら5名を逮捕した。
2月12日、京都産業大学で合格発表があり、公世も千里も合格していた。
入学手続きで60万円ほど払う必要があるが公世はお父さんにお願いして出してもらい入学手続きをした。これで公世も京都の大学生(女子大生?)になることが確定した。
千里も入学手続きをして千里も京都の女子大生になることが確定した。
2月14日、大阪体育大学で合格発表があり、双葉は合格していた。一応入学手続きをしておく。これで双葉も大学生になることは確定した。親としては姉と同じところというので「ここに行ってもいいよ」と言っていた。ただ本命が国立大学なので、その結果次第である。バンザイシステムではかなり有望だが、これから受ける個別入試に掛かっている。
2月15日、同志社大学で合格発表があり、千里は合格していたが、公世と双葉は落ちていた。千里は入学手続きはしないことにした。
しかし同志社に合格したことは高校の先生にも連絡した。学校の成績として関関同立(*17)に合格した生徒の数というのはとても重要である。
「ここに入学する?」
「いえ、ここはあくまで滑り止めです(でも入学手続きしない!)」
「京大か阪大狙いだったっけ」
「いえ京都教育大に」
「京都教育大より同志社が上でしょ?」
「そ、そうですかね」
このあたりはやや意見が分かれるようである。同志社はトップレベルには凄い学生もいるが、下のほうには微妙な学生もいるようだ。
もっとも剣道では同志社は絶対的な強豪のようである。しかし千里は以前不動産のCM撮影で訪れた家の娘さんが言っていた「強豪でないほうが大会で強豪に挑めてよい」という意見も魅力的に思えた。
(*17) 何度も既出だが、関関同立とは下記の4大学
関西大学(かんさいだいがく)大阪府吹田市
関西学院大学(かん“せい”がくいんだいがく)西宮市
同志社(どうししゃ)京都市
立命館(りつめいかん)京都市
千里たちが同志社を強く意識していたのはここは剣道が無茶苦茶強いからである。しかしもし京都教育大に千里・清香・双葉・公世の4人が入ったらそこは間違い無く強豪になる。公世は女子剣道部には入りたがらないかもしれないが。
しかし公世もそろそろ諦めて女子に来ればいいのに。医学的な検査では女子だと判定されているんだから、と千里は思った。
2月19日、東の千里の親友で札幌P高校の佐藤玲央美が失踪した、東の千里は翌20日彼女を追いかけて九州まで行き、福岡県の矢部村で彼女をキャッチすることに成功した。
グレースは東の千里が見つけきれなかったら電話でもするつもりだったが、東の千里は自分で玲央美の居場所を見つけることができた。それでも玲央美が万一にも自殺したりしないように青が追い付くまでずっと監視していた。
2月21日、東の千里は東京に行き、慶応大学の一次試験を受けた。九州までとんぼ返りした翌日でとても体力が持たずほとんど寝ていた!試験は白虎たちが代わって解答してくれたようである。
2月25日、国立大学前期の個別入試が行われた。東の千里は千葉大学を受けた。一方西の千里たちは京都教育大を受けた。千里は英語、清香は体育、公世は国語、双葉は幼児教育である。
2月26日 - コンビニエンスストア大手ローソン、am/pmの子会社化について親会社のレックス・ホールディングスと合意。3月下旬から4月上旬に株式を取得。
2月26日、慶応大学で一次試験の合格発表があり、千里は合格していた。東の千里は「うっそー」と思った。ほとんど寝てたのに!
2月28日、慶応大学で二次試験が行われ、千里はこれを受けて来た。面接で
「合格したらうちに入りますか」
という質問には
「もちろん入ります」
と堂々と答えてきた。私って凄い嘘つき〜と思った。
しかし慶応の医学部と千葉大の理学部に通ったら、ほとんどの人が慶応の医学部に行きそうなものである。青の行動原理はほんと分からんとグレースは思った。
3月1日 - JR九州が、福岡都市圏・北九州都市圏各駅に、ICカード式乗車券定期券システム「SUGOCA」を導入。