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■夏の日の想い出・砂の城(5)

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2023年3月27日(月)、アクア主演『少年探偵団VI』最終回が放送された。
 
タイトルは『透明怪人』である。
 
いきなり、北里ナナの歌謡ショーから始まる。ナナがヒット曲『若草の少女』を歌い、盛大な拍手の中、幕が下りる。
 
ホールから出てきた少年2人にカメラはズームインする。
 
島田一郎(演:西崎洋一)・木下拓也(演:村田吉信)である。ふたりは歌謡ショーを楽しんでから家に帰ろうと一緒に歩いていた。ふたりが何気なく前方を見ると、灰色スーツを着た男性が骨董屋のショーウィンドウを覗いていた。
 
それ自体は珍しい光景では無い。ふたりはなぜその男性に注目したんだろうと思いながら骨董屋に近づいていく。そしてふたりも骨董屋の中を見ると男性が見ていたのは、古い仏像だった。
 
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「仏像って見てると怖くなる」
「ぼくのお父さん、仏像が趣味なんだよ。写真集がたくさんある」
などとふたりは話していたが、彼らはショーウィンドウに映った男性の顔に気付くと沈黙した。
 
島田が木下の服を引っ張る。木下も頷く。
 
男性の顔は人間では無かったのである。
 
ではゴリラか虎かだったのだろうか?
 
そうではなく、男の顔は蝋人形だった。東京タワーの蝋人形館で見たことがあるような、生気の無い人形の顔だった。
 

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男性が立ち去る。少年達は顔を見合わせたが男の後を尾行し始めた。ふたりがそんなことをしたのは、ふたりが実は少年探偵団の団員だったからである。ただし彼らは小林団長から3つのことを指示されている。
 
・近寄りすぎない。相手は武器などを持っているかも知れない。
・深追いしない。逃げ場のない狭い場所や家の中には入らない。
・メールなどで常に本部に連絡する。
 
この時も木下君がメールで簡単な状況を連絡した。本部にいる花崎マユミ・副団長から改めて深追いしないようにという指示があった。
 
蝋人形男の20mくらい後を少年達が追うが、その少年達の後を別の男性(演:金口則夫)が尾行していることに、少年たちは気付かなかった。彼は茶色のスーツを着ていた。
 
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やがて蝋人形男、少年達、茶色スーツの男はボロ家というより廃墟という雰囲気の家が建つ所に来た。蝋人形男は家に入って行く。少年たちは顔を見合わせる。
 

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「深追いしちゃダメだよ。ここで引き返そう」
と木下君。
「でもちょっと覗くだけ」
と島田君。
 
それで少年たちは家のそばまで寄り、壊れた雨戸の隙間から中を覗いてみた。
 
古い蛍光灯が灯った部屋で、灰色スーツの男性が座卓の前に座っている。やがて男性は立ち上がると上着を脱いだ。着替えるのかな?と思う。
 
男性は向こうを向いている。やがてネクタイを外したようで、それを放り投げる。そしてズボンを脱いだのだが・・・・
 
そこには何も無かった。
 
ズボンを脱いだら見えるはずの足が見えず、向こうの襖(ふすま)が見えている。ふたりは驚きのあまり声をあげそうになったが、お互いの手を握りしめて何とかこらえた。
 
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ズボンの下に穿いていたトランクスは見えるが、トランクスの下方には何も無い。ワイシャツとトランクスだけが蝋人形の首の下に浮いている。
 
やがてそのワイシャツも放り投げられるように飛んでいった。するとアンダーシャツとトランクスだけになる。更にアンダーシャツも放り投げられたが、上半身にも何も無かった。向こうが見えている。蝋人形の首とトランクスだけが空中に浮いていた。そしてトランクスが投げられ、最後は首まで放り投げられてしまった。そして何も無くなった。
 

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少年たちが呆気にとられていると、ふたりの肩を叩く者があった。思わず悲鳴をあげそうになるが、それは茶色スーツの男性だった。彼は唇の前に指を立てると「シー」と言って、ふたりを促し、ボロ家から離れる。そしてふたりに名刺をくれた。
 
《東洋新聞・社会部記者/黒川勝一》
 
と書いてあった。
 
「記者さんですか」
「君たちちょっと話をしないか?おごってあげるから」
「はい」
 
ふたりは記者さんなら安心だろうと思ったので付き合うことにした。一応木下君は本部にメールし、怪人物を見失ったこと、新聞記者さんと遭遇し、一緒に行くことを伝えた。
 

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3人は大通まで戻り、マクドナルドに入る。黒川さんは「チーズバーガー3つにホットコーヒー」とオーダーした。3人分かな?と思ったが、「君たちは?」と訊くので、どうもひとりで3個食べるみたいと思い、島田君はビッグマックのLセット、木下君はてりやきバーガーのMセットを頼んだ。お金は黒川さんが払ってくれた。
 
トレイを持って席に座る。
「あいつは今東京中を騒がせている怪人なんだよ。僕はあいつに“空気男”という名前を付けた」
と黒川記者は話し始めた。
 
「僕が最初にあいつに遭遇したのは1ヶ月くらい前なんだ。街を歩いていたら誰かとぶつかったんで『すみません』と反射的に言ったものの、ぶつかったような人物が見当たらないんだよ。あれ〜?と思ってたら少し後ろのほうでも女の人が誰かにぶつかったみたいで身体を避けるようにしたけど、キョロキョロ見回していた。つまりぼくとぶつかった何者かがその女の人ともぶつかったみたいだった」
 
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「それから2週間くらい前のことだけど、駅の近くに靴磨きが多数並んでいる所があって、僕も靴を磨いてもらっていたんだけど、そこに20歳前後の若い靴磨きさんが居て、やくざっぽい男が靴を磨いてもらってたんだよ。靴磨きが終わって代金払う時にヤクザっぽい男が『細かいの無いから』と言って万札を出したんだよね。それで靴磨きさんがお釣りを渡そうとお金入れた段ボール箱開けたら、ヤクザっぽい男はその段ボールに手を入れて、札束をわしづかみにして自分のポケットに入れ、立ち去ろうとした。靴磨きさんが『何するんですか。返してください』と言って男にすがりつこうとしたけど、突き飛ばされる。その時だった」
 
「何者か目に見えない人物がヤクザ風の男を殴りつけたみたいに見えた。するとヤクザ風の男は『この野郎』とか言って、その見えない相手に掴みかかって行ったんだよ。それからしばらくヤクザ風の男と見えない相手との格闘があってたようだった。ようだったというのは、僕の目にはヤクザ風の男がひとりで暴れてるようにしか見えなかったんだけどね。しかしやがて目に見えない相手が勝ったみたいでヤクザ風の男は伸された。そしてヤクザ男のポケットから札束が出てきて、靴磨きさんの段ボールに戻されたんだよ。僕も含めて周囲みんな拍手でさ、ヤクザ風の男はバツが悪そうな顔で立ち去ったよ」
 
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「ここまでなら、空気男は単なる悪戯好きあるいは正義の味方という所なんだけどあいつはとんでもない犯罪者だった。明日の朝刊に載ると思うけど、あいつはとうとう泥棒をしたんだよ」
 

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「銀座に大宝堂って宝石店があるんだけど、そこに1000万円の大粒真珠の首飾りが展示されていたんだよ。それが誰も人が居ないのにいきなりガチャンとショーケースが割れて、首飾りがひとりで浮きあがって飛んで行ってしまったというんだよ。店員がびっくりして追いかけたけど見失ったらしい。こんなことできるのはあいつしか居ない。空気男の仕業に違い無いと思う」
 
「もちろん宝石店ではすぐ警察に通報したけど、警察も相手が空気男では緊急配備とかのしようも無くてね。この手で荒らし回られたのでは手の打ちようが無いというので、高額商品を扱うお店は困っているようなんだよ」
 
島田君と木下君は何か分かったことがあったら情報交換しましょうと言ってその日は別れた。
 
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数日後、黒川記者から島田君のスマホに電話が掛かって来た。
「先日の骨董店の仏像やられたよ」
「ああ、やられましたか」
「そちらも何かあったら教えてね」
「はい」
 
骨董店の仏像盗難はニュースにもなっていた。ガラスなどは割られておらず、犯人の侵入経路は不明ということだった。空気男ならどうにでもするだろうなと島田君は思った。
 

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初回の視聴者には意味が分からなかったが、マーメイドルックの服を着た女性(演:山崎恵光)が彫刻をしている映像が流れた。
 

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ネットの声
「メグミちゃんじゃん。来期のレギュラーか何か?」
「そうかも」
 

日曜日のことだった。木下君はお母さんと一緒に日本橋のデパートに行った。母が洋服を買うのに付き合い、ついでに本をねだる魂胆である。デパートでは“明治彫刻展”とかがあっていたが、特に興味が無かったので、まっすぐ婦人服売場に行く。
 
母は熱心に見ていたが、女物の服とか見ても仕方無いので、木下君は少し高くなっている丸い段の上に新入学セールとかで多数のドレスとかスーツとか和服とかをマネキン人形が着て立っている界隈を見ていた。
 
彼はぎょっとした。マネキン人形の中にひとつ他と雰囲気の違うものがあった。みんなマネキン人形のプラスチックの顔なのに、その人形だけ妙にリアルである。よく見ると、それは蝋人形のようであった。そして彼はその顔に見覚えがあった。
 
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木下君は通り掛かった店員さん(演:西宮ネオン)を呼び止めた。
「お客様、何でしょうか」
「あの人形少し変ではないですか?」
 
店員も「あれ?」と言う。そもそもここは婦人服売場なので、女物の服が多数展示をされているのに、その人形だけ紳士物のスーツを着ているのである。
「誰だ?こんなの置いたのは?」
と言って人形に近寄る。
 
その時、人形が“動いた”のである。
 
「え?」と言って店員さんが立ち止まる。人形は丸いステージを降りて歩き出す。
「待て!何者だ?」
と言って店員さんが捕まえようとするが、人形は走り出した。
「おーい!来てくれ!変な奴がいる」
と言って店員さんが追いかける。その声を聞いて多数の店員さんが集まってくる。やがて人形はバックヤードに逃げ込んだ。
 
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更に多数の店員が集まってくる。大半の店員は万引きか何かと思ったようである。
 
やがて、人形男はひとつの部屋に飛び込んだ。
「馬鹿め。この部屋には出口は無い」
 
警備員も2人来る。
「万引きですか?」
「いや不審人物を追いかけていたんだよ」
 
警備員のひとりがドアを開けた。すると彼らは空を飛ぶ人形の首を見た。そしてドアの後方で「わっ」「きゃっ」という声があり、制服を著たふたりの店員が倒れた。
 
「今誰かが通って行った」
「しかし何も見えなかったぞ」
 
警備員が部屋の中を覗いたが、そこには誰の姿も無かった。
 

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デパートでは空気男がひょっとして彫刻展を狙っているかもしれないと考え、警備員の数を増やし、防犯カメラも設置した。
 
彫刻展は何事も起きないまま最終日までいったかに思えた。しかし展が終わった後、彫刻を返却するのに梱包していたら、“潮風”というタイトルの高名な彫刻家の女性像が、精巧なニセモノとすり替わっていることに気付いた。ニセモノはよくできた像で結構上手な人が彫ったものと思われた。防犯カメラの映像をチェックしたが特に異常は見られなかった。
 

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島田少年が自宅の縁側を歩いていたら何か音がした。何だろうと思って見ると芝生の上にローラースケートがあった。家政婦か誰かが掃除するのにでも出して、しまい忘れたのかなと思ったのだが、よく見るとそのローラースケートが動いているのである!
 
彼は驚きのあまり腰が抜けてしまった。
 
その場に座り込んで動くローラースケートを見て考えた。そうだ。これは“あいつ”がローラースケート履いてたら、こんな感じになるぞ。彼は思わず叫んでいた。
「お母さーん」
 
その声を聞いて、家政婦の竹田さん(演:丸川悦美)が来てくれた。
「坊ちゃん、どうなさいました?」
「竹田さん、あれ」
と彼が指差すと、竹田さんは手に持っていたホウキをそのローラースケートのある付近目掛けて投げ付けた!
「ぎゃっ」
という声があり、スケートは左右とも放り出されるようにして、何者かが逃げて行くような音がした。(おばちゃん強い!)
「竹田さん、ありがとう」
「お化けはやっつけましたよ」
 
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翌日、夕方島田君のお父さん(演:船田等志)が帰宅し、夕食を取ってから書斎で職場から持ち帰った書類を見ていると、何か気配があった。
 
ん?
 
と思って外のほうに注意を払うと窓に人の影が映った。そしてその影は笑った。
「えへへへへへへへ!」
 
「誰だ!?」
と言って島田氏が窓を開けたが、窓の外には誰も居なかった。
 

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「あなたどうしたの?」
と言って妻(中村静子)が来た。息子も付いてくる。
 
それで島田氏が今起きたことを話すと、息子は
「昨日はこんなことがあったんだよ」
と言ってローラースケートの事件を話した。
 
島田氏が腕を組む。
「何かうちに泥棒とかに狙われるようなものあったっけ?」
と妻が訊く。
 
「心当たりが無いこともないが、あれを盗むのは不可能だから大丈夫だよ」
と島田氏は言った。
 

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竹田が歩いていると前方にコートを着た男が居た、竹田がそちらに歩いて行くと男はコートを開けた。そこには何も無かった。
 
竹田はいきなり蹴り上げた!
 
「ぎゃっ」
という声がしてコート男はうずくまった。
 
「男を廃業したかったらまた来な」
と言い捨てると竹田は歩き去った。
 

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ネットの声
「二十面相もおばちゃんには勝てんのか」
「というか今ので既に男を廃業してたりして」
「分かった!来期の二十面相は女になるんだ」
 

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金曜日、島田君と木下君は学校で、デパートの怪事件、そして島田家の怪事件について話していた。
「これ団長に相談した方がいいんじゃないか?」
「そんな気もする。取り敢えず電話してみよう」
 
そんなことを話していた時、島田君のスマホに着信がある。黒川記者であった。
「その後そちら変わったことない?」
「実は僕の自宅に空気男っほいものが出没してるんですよ」
「何だって?」
 
それで島田君がここ数日のことを話すと黒川は興味深そうに聴いていた。
「それ一度詳しい話を聞きたいな。良かったらお父さんにも」
「たぶん7時頃なら父も帰ってると思います」
 
それで黒川記者が今夜7時すぎに島田家に来ることになったのである。
 
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夏の日の想い出・砂の城(5)

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