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■夏の日の想い出・二足のわらじ(15)

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千里は眷属に命じて高岡市の土地を探させていたのだが、青葉の家の隣の土地が売りに出ていることに気付き、すぐコスモスに連絡を入れた。
 
「広さは?」
「約86坪。道路に面した家の内側だけど、幅2mの取付道路があるから、ちゃんと再建可能物件になってる。その道路を除くと76坪。約19半間×16半間。後面は青葉の家の境界と同一直線で保育所の庭に接している」
「じゃ音を出しても平気ですね」
「わりとそうだね」
「19×16半間ならどのくらいの建物を建てられます?」
「建蔽率を考えて最大11×14半間くらいだと思う」
「そのくらいあれば充分ですね。弁護士を行かせますから買い取ってくれませんか?」
「OKOK。取り敢えず仮押さえしておく。§§ホールディング名義?」
「面倒だから私の個人名義で。建てるスタジオも私の個人名義で。“仕事の早い工務店”にお願いしたいのですが」
「了解。誰かそちらに行かせる」
 
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ということで青葉が熊谷で若杉千代のトリビュートアルバムの編曲作業をしている間に、知らない所で伏木スタジオ建築計画が進行していたのである。
 

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3月9日(水).
 
“北里ナナ”名義の10枚目のシングル『ナチュラル・ルージュ』が発売された。発売日に即100万枚を突破した。
 
2曲(+Karaoke)入りの構成である。
 
『ナチュラル・ルージュ』(加糖珈琲作詞・琴沢幸穂作曲)
 
K化粧品の新しい口紅シリーズのCM曲である。CM映像ではアクア自身がこのルージュを付けて美しくメイクしているところが映っている。この写真のポスターは全国のドラッグストアなどに多数貼られたが、ポスターが欲しいという人が相次ぎ、K化粧品では§§ミュージック側の許可を取り大量に増刷して全国の販売店に配布した。
 
DVDにはこのCMのフルバージョンが収められている。
 
『スクールガール』(夢倉香緒梨作詞・醍醐春海作曲)
 
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北里ナナが中学校・高校の冬制服・夏制服を身につけている、想い出アルバム的な構成のMVが話題になった。「ナナちゃん、まだセーラー服充分行ける」という声が高かった。中高生時代の甘酸っぱい恋の想い出を歌った曲である。
 
アクア自身は
「ぼく恋っていまいちよく分からないんですけどね」
とは言っていたが。
 
(↑半同棲している子がよく言うよ)
 

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3月9日(水).
 
1日にM高校を卒業した篠原倉光が男子寮(303号室)から岩槻の社員寮に引っ越した。これで招き猫のメンバー全員が社員寮に集まったことになる。引越は卒業後すぐしたかったのだが、忙しくて時間が取れなかった。
 
男子寮の3階は満杯だったが1つ空いた。
 
301 三陸セレン
302 山鹿クロム
303 篠原倉光→転出
304 花園裕紀
 
もし花園裕紀が女子寮に引っ越したらもうひとつ空くことになる!
 

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3月10日(木).
 
石川県輪島市の中学校に通う福井貴京(ふくいたかみ)(*32) は、卒業式に臨み中学校を卒業した。彼女は金沢市内の私立高校に既に合格しており、今月中に母と一緒に!金沢市内に新たに建てた家(*33)に引っ越す予定である。
 
彼女は上島雷太と作曲家・福井新一(本名:福井玲花)の間の子供で、木原扇歌・花咲鈴美(本名:花村律子)の妹である。この3人は母は
違っても姉妹という意識を強く持っており、小さい頃から仲が良かった。
 
(木原扇歌が男性的な性格なのもあり(見た目も男性的だが)、特に鈴美と貴京の仲が良い。毎日のようにLINEでおしゃべりしている)
 
また彼女は後のフラワーガーデンズのメンバーのひとりでもある。
 
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福井新一さんは男社会の作曲家の世界で軽く見られないように男名前を名乗っているだけで、FTMではない。
 

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(*32) 貴京(たかみ)の名前を一発で読んだのは、青葉と千里のみである。友人たちからは大抵“ききょうちゃん”とか“きーみん”と呼ばれており、姉の扇歌と律子までキキョウと呼んでいる。
 
(*33) 青葉が家を建てると聞き、自分も建てるつもりなのだがと照会し、“安くて速いけどお勧めしない工務店”に頼んだ。ユニット工法でわずか1200万円だったので即金で払った。土地代は2000万円でこれも即金で払っている。
 

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しかし何よりもあっという間に(約一週間で)できたので、受験の時にもそこに泊まることができてとても助かった。2階建てなのに階段が無かった!のは言ったらすぐ階段ユニットを取り付けてくれた。迷惑掛けたお詫びにといってエレベータまで付けてくれた。東雲はるこの実家に作ったのと同様、降りる時は重力で降り、しかもそのエネルギーをキャパシタに貯めてその電力で上昇するのでとっても省エネなエレベータである。
 
新しい家には祖母(新一の母)の部屋も確保している。新一さんは母にも金沢に一緒に行かないかと言ったものの自分は輪島から動きたくないというので、申し訳無いが置いていく。貴京が高校在学中は分離生活になる。貴京が高校を卒業した後はどうなるか未定である。貴京は東京の大学に行きたいと言っているので(東京の大学を狙うために金沢の進学校に入った)、新一はその時は輪島に戻るかも知れない。
 
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3月12日(土).
 
あけぼのテレビではこの日から昨年もやった桜レポートの番組を開始した。約1ヶ月半にわたり桜前線を追いかけて行く。この日は奄美から開始した。
 
レポーターは昨年春は南田容子、秋は三田雪代が務めたのだが、今回はどちらも予定が入っていたので、山口暢香に交替した。レポーターはこの2組である。
 
山口暢香+山口香里奈カメラ(山口コンビ!親戚とかではない)
柳川裕希カメラと+夫でドライバーの春孝さん
 
山口暢香が3月いっぱいで辞める場合は、三田雪代の予定を何とかして空けて再度やってもらおうと言っていたのだが、続けてくれることになったので、この仕事を依頼した。山口は
 
「辞めないと言ったら、いきなりハードな仕事が来たぁ!」
と悲鳴をあげていた。
 
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山口は退団した後のことを考えて運転免許を取っていたので、今回の仕事では一部運転も担当することになった(若葉マーク持参で全国を走り抜ける)。
 

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例によって、ロケハン担当スタッフが事前に桜の様子を見て、地元の名物をクール宅急便で東京に送り、スタジオでもレポーターと同じものを味わうシステムである。(ロケハン担当も全国を走り抜けることになる)
 
今回スタジオでグルメを味わうのは、松島ふうか+水谷姉妹である。昨年春は常滑舞音と水谷姉妹、秋は夕波もえこ+水谷姉妹だったが、メインキャスターだけ交替した。
 
水谷姉妹はライブではかなりMCに起用されているが、番組放送のメインキャスターにするにはまだ力不足である。
 
この番組は黒猫運輸さんがスポンサーで、舞音withスイスイが歌う『夢運ぶ春のうららの黒猫便』が番組のテーマ曲として使用された。この曲は3月16日に発売予定である。
 
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その日、理史が八王子の龍虎の家に来て泊まり、翌朝おキツネさんたちにお赤飯をあげようとサンルームに行った時、理史は言った。
 
「南の対(たい)ってあんなに大きかったっけ?」
「ああ。ぼくも改築されてたからびっくりした」
と龍虎は言っている。
 
「やはり改築されたんだ!?」
「まあ今までがハリボテの建物置いてたのをきちんと作ったんだけどね」
 
この家は最初九重が“こんな感じで作ります”と言って、本殿と西南北の3つの対(たい)のハリボテを置いてあったのだが、その後、西の対は本気でユニットルームを並べて客用寝室とし、北の対はガレージを設置した。それで南の対のみがハリボテ状態だったのを、やっと本当に作ったのである。
 
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昨年5月からこの家を造り始めて、とうとう4つの中核建物が完成したことになる。
 
(九重は暇な時に唐突に思いついては勝手にこの家を改造している)
 

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「見る?」
「うん」
 
というので、おキツネさんたちと少し交流してから見に行く。
 
「これは凄い」
「縦横高さが全部14mのオペラハウス。音響的にはいちばんいいサイズらしい」
「へー」
 
「今度やる映画『お気に召すまま』のシェイクスピア時代に初演が行われたのはWilton Houseというカントリーハウス(*34) なんだけど、そこにはシングルキューブルーム (The Single Cube Room) という部屋があってね、縦横高さが全部30フィート(約9m)なんだって。こういう立方体というのが最高に音響がいいらしい」
「なるほどー」
 
「たぶんそこに入りきれない客を収納するために作ったんだろうけど、 Wilton House にはダブルキュブルーム (The Double Cube Room) という30ft×30ft×60ft (9m×9m×18m) の部屋もある」
 
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「カントリーハウスって別荘だよね。さすが昔の貴族様の別荘は巨大だね」
「平安時代の日本の“院”とか、近代の皇族の離宮とかの感覚に近いと思う」
「なるほどー」
 
(*34) カントリーハウスは16世紀以降、主として新興市民層が田舎に所有した巨大な別荘である。所有者はむしろ貴族ではなく市民である。多くは16世紀に解体された修道院の建物をそのまま利用、或いはその土地に新たに建て直したりしたもの。Wilton House は東京ディズニーランドのシンデレラ城の倍の面積を持つ立派なお城である。
 
イングランドは修道院の土地を強制的に収用したものの、度重なる戦争で多額の費用がかかり、これらの土地を売却して費用に充てたので、これらの土地が結果的に新興市民層のものとなった。
 
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3月14日(月).
 
この日はホワイトデーである。§§ミュージックのタレント宛てに大量のプレゼントが届く。
 
例年だと2月14日に合わせてアクア宛てのチョコが大量に届いていたのだが、今年アクア宛てのヴァレンタインは例年の半分以下だった。しかしその減った分が倍になってホワイトデーに押し寄せてきた感じだった。
 
熊谷のプレゼント仕分け場は2月21日(月)あたりから荷物が増え始める。
 
コスモスが、今年はヴァレンタインが少ないというのを聞いてスタッフを増やしたので何とかなった感じだった。それでも物凄い数が押し寄せ、その増員したスタッフが2月25日(金)あたりから超多忙になり、
「君たち、お友達でやってくれる人がいたらぜひ連れてきて」
と言って更に増員をした。
 
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それで結局、アクア宛てのホワイトデープレゼントは例年のヴァレンタインプレゼントの倍ある感じだった。やはり紅白歌合戦に紅組から出たこともあり、“アクアは女性タレント”というのが確定した雰囲気である。
 
これに、常滑舞音宛てのプレゼントが凄まじかったし、ラピスラズリ宛て、姫路スピカ・白鳥リズム宛て、水谷姉妹宛、セレン・クロム宛て、鈴鹿あまめ・夕波もえこ・薬王みなみ、水森ビーナ、羽鳥セシルなどに宛てたものも多かった。
 
ファンクラブや、その他雑誌などでも「プレゼントは実物ではなくクーポン券の類いで」と呼びかけていたおかげで7割くらいがクーポンだったが、全部を実物換算したらトラック300台分くらいある感じだった。
 
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これらをいつものように、G450, CRJ200×2, A318 などで全国各地に運び、各地の児童福祉施設などにプレゼントした。これらの費用と、仕分けの費用、実物で送られてきた分の検査費用、検査不合格分の廃棄費用、お礼状の発送費用は全部で2億円を超えている。全くこの手の行事は事務所に多大な費用を掛けさせるイベントである!
 

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この日あけぼのテレビではホワイトデーの特集番組が放送された。
 
前半は信濃町ガールズたち(の内時間の取れる子)が総出演するドラマである。立山煌演じるサッカー部補欠の男の子が好きな女の子(山鹿クロム!)に告白を成功させ、サッカー部でもスターターに使ってもらえるまでを描いている。先月バレンタインで甲斐絵代子演じる主人公が好きな男の子(白鳥リズム)に告白を成功させたドラマの男女逆転版という感じである。
 
信濃町ガールズに男子のメンバーが少ないので、サッカー部のチームメイトを演じたのは、大田区内の中学のサッカー部の皆さんである。撮影もそこの練習場で撮影させてもらった。
 
主人公の幼なじみで彼の告白を後押ししてあげるサッカー部の女子マネージャーとして三陸セレンが出ている。セレンがセーラー服を着ると女の子にしか見えないので
 
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「え〜〜?男の子なんですか?」
とゲスト出演してくれたサッカー部の部員たちが驚いていた。
 

ブレゼント仕分け場からの生中継(レポーター:三田雪代)があり、全国の児童福祉施設にお菓子がプレゼントされる様子が、あけぼのテレビと協力関係にある全国各地の地方ケーブルテレビからレポートされた。
 

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後半は松島ふうか(一部薬王みなみ)が司会を務めて歌謡ショーが行われた。下記が歌った。
 
原町カペラ
姫路スピカ
AT3(鈴鹿あまめ・夕波もえこ・松島ふうか)
VOS(ヴァンドール+大崎忍)
恋珠ルビー&花貝パール
アクア
 

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夏の日の想い出・二足のわらじ(15)

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