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■夏の日の想い出・二足のわらじ(13)

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2022年2月22日(火).
 
アクアは前日のうちに山鹿クロム・千里と一緒に熊本空港に飛び、熊本市内で一泊したのち、この日の早朝、九州横断自動車道および国道210号で“アクアのアクア”ver3 "v
irgo" のCM撮影を行った。
 
“アクアのアクア”は2020年に最初のバージョン(通称:無印 or ver1)が発売され、その後、2021年に ver2 "Leo" が発売されたが今年は ver3 "Virgo" となった。今回は昨年秋に発売された、2代目アクア(MXPK1#型)のZグレード E-Four:電気式四輪駆動、をベースにしている。
 
また今回は2年ぶりの限定車、“舞音のアクア”、“シンデレラのアクア”も同時に発売されている。
 
この新形アクアの前に立つアクアの撮影、助手席にセーラー服姿の山鹿クロムを座らせて運転する(ようなふりをしている)アクア、などを撮影、実際にクロムを助手席に乗せてアクアが車を運転している所をドローンで撮影した。
 
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リハーサルでは運転席に座り実際に運転したのは千里で、アクアはセーラー服を着て!助手席に乗っている。
 
「あのぉ、ぼくがセーラー服を着た意味は?」
「気にしない、気にしない」
 
なお本番でセーラー服のクロムを乗せたのは新バージョン "virgo" にちなんで“乙女”を乗せたこと(*27) 、クロムが乙女座の生まれだからである。セーラー服は衣裳であり、実際に彼女(彼だっけ??)が通っている中学の制服ではない。
 
なお、日田市に江戸時代から残る古い雛人形、慈恩の滝、まさに昭和の生きている化石“ドライブイン古城”(*28) などでも撮影している。
 
(*27) クロムはまだ性体験は無いはず:女かどうかは疑問があるが!
 
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ver3 "virgo"の1号車は博物館に納められ、撮影に使用した2号車はキャンペーンに使用され、3号車をアクアがもらった。それでアクアが所有していた2台の“アクアのアクア”のうち #11 の方は花咲ロンドに譲った。
 
「これアクアが乗ったアクアのアクアとしてオークションに出したら高値で売れるよね」
「そういうことをしない人に譲っている」
「あれ?でもアクアって#11を使ってたんだ?てっきり#1 かと思った」
「アクアは2人居るから1人が#3、もうひとりが#11を使ってた」
「アクアって2人いるの〜?」
「何を今更」
 
なおアクアに渡したvirgo #3はこれまで使っていたのと同様、防弾ガラスを使用したVIP仕様である。
 
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なお特別限定車の舞音のアクアの1号車は常滑舞音に渡された。実際の仕事での移動に使用される。ただしガラスが防弾ガラスに交換されている。
 
シンデレラのアクアの1号車は恋珠ルビーが“シンドルバット2”の中で使用する。撮影が終わった後どうするかは未定である。
 
舞音のアクアのエンブレムは黒招き猫、シンデレラのアクアのエンブレムはガラスの靴である
 

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(*28) “ドライブイン”というのは、1960年代頃のモータリーション黎明期に全国各地に道路沿いに作られた駐車場を持つ飲食店のこと。1980年代以降はロードサイドのファミレスやファーストフードに取って代わられてきた。
 
当時からドライブインとしてやってきた店はかなり少ないものと思われるが、ドライブイン古城(金比羅うどん)はその数少ない生き残りのひとつである。九州横断自動車道ができる時、古城はどうなるだろうと筆者は個人的にかなり心配したのだが、日田IC近くに支店を作ってしっかり生き残っている。
 
2009年に奄美で日食を見るために九州に行った時、インター店ではなく本店のほうに寄ったが、昔と変わらぬ雰囲気で営業中であった。
 
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(奄美に行くのにここを通ったのは、奄美空港に降りるツアーが満杯で鹿児島からフェリーで奄美に入るツアーに申し込んだものの、鹿児島行きの飛行機も満杯で取れなかったので、北九州空港に降りてそこから鹿児島までレンタカーで走って行ったからである。高速代節約で甘木ICまでは下道を走った)
 

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2022年2月26日(土)から3月4日(金)まで長時間ドラマ『陽気なフィドル』の制作を行った。
 
『陽気なフィドル』主な出演者
 
フリック:アクア
馬・王妃:アクア
フリックの父:倉橋礼次郎
木こり:鴨居淳三
農婦:福衣裕子
クマ:樟南
魔法使い:獄楽
大臣:在杢
町人:釜倉
 
斬首人:キャロル前田
役人:メリー川本・ジェーン佐藤
 
商店主:秋風コスモス
商家の下働きの娘:今井葉月
貧乏な女3・女神:花咲ロンド
貧乏な女2:原町カペラ
貧乏な女1:石川ポルカ
魔法使いのメイド:花園裕紀
厩人:木取道雄
町人たち:§§ミュージックの社員
 
王様:太荷馬武
 
“ムーン”:セブンドリーム号
“スノー”:ホワイトスノー号
王様の愛馬:ギャラクシー号
 
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語り手:馬仲敦美
 

王様役で、人間出演者の最後に表示された太荷馬武さんは
 
「ぼくがラストなの?もっとキャリアの長い人いるでしょ?」
と焦っていた。
 

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花園裕紀は撮影現場に行くと最初に“走り幅跳び”をさせられた。3.14m飛んで「体力テスト合格」と言われた。ついでに「円周率だね」と言われた!
 
このドラマでは最初、厩舎の世話人役を王様(太荷馬武)およびフリック(アクア)との会話で演じた。
 
すると監督の美高鏡子さんが腕を組んで難しい顔をしている。ありゃあ不合格かなあ。どの辺が悪かったんだろう?と思ったら
 
「君はうますぎるから、この役にはもったいない」
と言われた。
 
それでメイド役になった!!
 
「ぼく女の子役なんですか〜?」
と不安そうに言う。
 
「できるできる」
と美高さんが言った。それで裕紀はメイド服を着てメイクの人にきれいにお化粧もしてもらって(*29) この役を演じた。
 
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「信濃町ガールズって実力派揃いだねー」
と美高監督が笑顔で言っていたので合格だったようである。
 
それで厩舎の世話人役はコスモス社長の付き添い(実は運転手)で来ていた木取道雄さんが演じた。監督が難しい顔をしていたが、裕紀もこの人あまり上手くないなあと思った。しかし監督は木取さんで妥協したようである。悪役なので“身内”で処理したかったようだ。
 

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(*29) メイク道具は自分専用のを持っている。普段の信濃町ガールズのレッスンの中にお化粧のレッスンもあるので、自分でも一通りお化粧はできる。
 
篠原君や立山煌君などは女役をすることはあり得ないということで、お化粧のレッスンは免除されていた。でも篠原君は『黄金の流星』では美しくメイクされていた!(木下君のメイク道具を借りたらしい)
 

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「でもぼくが厩舎の世話人だった場合、メイドはどなたがする予定だったんですか?」
と裕紀は訊いた。その人の役を取っちゃって悪いかなと思ったからである。
 
「もちろん木取君が女装して」
と監督。
「え〜〜〜〜!?」
と本人。
 
「監督。それはあまりにも見るに堪えないので視聴者から苦情が来ますよ」
とコスモス社長が言っていた。
 
実際には信濃町ガールズの高卒メンバーの誰かを後で呼び出して撮影するつもりだったらしい。裕紀がまだ中学生なので土日の撮影の中で撮ってしまったということのようだ。
 

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日曜日に撮影が終わった所で、今井葉月さんに声を掛けられた。
 
「寮に帰るなら、一緒に帰らない?」
「あ、はい。お願いします」
 
それで鐘崎絢水マネージャーが運転する“アクアのアクア” ver2 "Leo" に同乗して帰ることにする。鐘崎さんが運転席で、後部座席の運転手の後ろに葉月、助手席の後ろに裕紀である。
 
葉月は前席と後席との間のポリカーボネイト板を上げた。これで後席の会話は前席には聞こえない。この状態でもインターホンを使えば運転している人が後部座席の人に話しかけることは可能である。
 
「君、セーラー服着てるね。凄く上手いから高校生かと思ったらまだ中学生なんだ?」
 
スタジオや放送局に出入りする時は制服でというのがルールなので、裕紀はだいたい自分が通っている中学の女子制服で出入りしている。男子制服ではなく女子制服なのは、信濃町ガールズで活動していると、たいてい女性用控室が指定されるからである。
 
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初期の頃は上は女子制服でも下はズボンを穿いていた。しかし最近は下も結構スカートを穿いていたりする。でもこの格好で学校に行く勇気は無い。それはセレン・クロムも同様である。
 

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「はい。今中学3年です」
と裕紀は答えた。
 
「あっ。だったら今度は高校進学だね。今の時期、忙しくなかった?」
「いえ。入試は終わったので」
「あ、そうだよね。もう2月末だもん。公立受ける人はこれからだけど、タレント活動しながら公立高校に通うのは無理だし」
「ぼく、公立に行けるような頭が無いです」
「まああまり勉強する時間も無いしね。どこの高校に行くの?」
「まだ決めて無いんですけど、世田谷区のS学園か葛飾区のL高校に行くつもりです」
「S学園って寮のすぐ近くの?」
「はい。まだどちらにするか決めてないけど、時間が無いから制服は両方作っちゃおうと思っているのですが」
 
「S学園なら私が出た学校だから、良かったら制服あげようか」
「わぁ助かります!」
 
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「まあサイズが合ったらね」
「はい」
「制服も高いもんねー」
「そうなんですよねー」
 

「だけどS学園に通うって、裕紀ちゃん性転換してたのね。元々女の子にしか見えないと思ってたから、そうなるのも自然なことだと思うけど」
 
「いえ性転換はしてません」
「え?でも男の子の身体のまま女子校に入ることはできないよ」
 
(↑葉月は自分のことを棚に上げている)
 
「それが・・・」
と言って、裕紀はここまでの経緯を説明した。
 
・3月末で退団しようと思ってたこと。
・それで実家のある埼玉の高校に行こうかと思っていたこと
・でも思い直して信濃町ガールズを続けることにしたこと
 
・それで都内の高校で今からでも願書を受け付けてくれる所を探したらS学園、多摩市のF学園、葛飾区のL高校しか残っていなかったこと。
 
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・取り敢えずその3つに願書を出して受験した結果、F学園には落ちたが、S学園とL高校に通(とお)ったこと。
 
・それでS学園は女子校だし、L高校は共学だけど男子寮からは通学困難なので女子寮に移ることを勧められていること。
 
・でもS学園に入るには性転換して女の子の身体にならないといけないし、女子寮に入るなら、おっぱいも大きくして割れ目ちゃんも作ってねと、ゆりこ副社長から言われたこと。
 

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葉月は腕を組んだ。
 
「ゆりこ副社長の、女子寮に入るにはおっぱい大きくしてねというのはジョークだと思う」
 
「そうなんですか〜?」
「事務所がタレントに性転換してとか言う訳無いじゃん」
「言われましたけど」
「だからジョークだよ」
 
と言って念のためと言って葉月はコスモス社長に電話して、女子寮に入るのに性転換は必要かと確認してくれた。コスモスの返事は単純である。
 
「女子寮に入れるかどうかの基準は、女子との性交が可能かどうか。裕紀ちゃんは現時点で女子との性交が不可能だから(*30)今の身体のまま女子寮に入れる」
 
コスモスは補足する。
 
「セレン・クロムを女子寮に住まわせないのは、彼らがまだ男性能力を持っているから。あの2人が女子を襲うような子でないのは分かっているけど女子の寮生から逆レイプされる危険があるからね。男女が同じ部屋に入る時は必ず3人以上というルールは“男子”を守るためのメール。裕紀の場合は既に男性能力が無いから逆レイプのしようがない。だから本人さえ希望すれば、別に性転換とかしなくても女子寮に住むのは全然構わない。ま、女子寮生から覗かれたり解剖されるかもしれないけど気にしなければいい」
 
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ということで途中から裕紀本人と代わり、ゆりこのはいつもの冗談だから気にするなと言われた。
 
ということで、性転換するつもりが無ければ裕紀の進学先はL高校の一択で、女子寮に引っ越せばいいということであった。
 
「よかったぁ」
と裕紀は胸をなで下ろした。
 
これで男の子にサヨナラしなくても済む。
 
(↑ほんとうに現在男の子なのか大いに疑問があるのだが。彼はもう1年以上自分のペニスを確認していない)
 

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(*30) コスモスは女子寮生たちの噂から、裕紀が既に陰茎・睾丸を除去済みと思い込んでいる。
 

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夏の日の想い出・二足のわらじ(13)

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