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■夏の日の想い出・戯謔(9)

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(C)Eriko Kawaguchi 2019-01-19
 
2018年の春、私がマンションで「上島問題」の対策を千里・川崎ゆりこと話しあっていた(コスモスがあまりに多忙だったのでゆりこが代理で来ていた)時、若葉が遊びに来た。最近のCDを少し貸してということだったので適当に持って行ってと言ったらリビングの棚を眺めていた。
 
ちょうどその時、テレビ局の人が来訪したが、バスケットチームの支援をしてくれる企業を探しているという話だった。どうも私にも数百万出してもらうことはできないか?のような話だったようである。ローズ+リリーが毎年東北復興支援のライブをやっていることからであろうか。
 
「女子ですか?男子ですか?」
「男子です。東北のチームでBリーグにも所属しているのですが、メインのスポンサーが撤退するので、資金難に陥る危険があるのですよ」
 
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と言っているが、本人はあまりバスケットに詳しくないのだろうか。日本女子代表の千里がここにいることに気付いていないようである。
 
「それどのくらいの支援が必要なんですか?」
「チーム関係者が奔走しているのですが、最低でもあと3000万円くらいないと、チーム解散の危機もあります」
 
「それをポンと出せる企業ってあまり無いですよね」
と私が話していたら、若葉が寄ってきた。
 
「それどこのチームなんですか?」
「福島市を本拠地にするアブクマーズというチームなんですよ」
「あそこは阿武隈交通がメインでしたよね?」
と千里が言う。
「お詳しいですね。それが昨今の鉄道不況で経営が苦しいので撤退することになったんですよ」
とテレビ局の人は言っている。本当に千里を認識していないようだ。
 
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「3000万くらいなら私出そうか?」
と若葉は言った。
 
「あなたは?」
「都内で飲食店のチェーンを経営しているのですが、宮城県の飲食店にも出資している人なんですよ」
と私は若葉を紹介した。
 
「おお。東北にも縁のある方でしたら、ちょっと相談に乗ってもらえませんか?」
「いいですよ」
 
それで若葉はそのチームの人に会うことにしたようであった。
 
それが2018年の春のことだった。
 

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“クロスロード”の集まりは後に結構人数が増えていったのだが、初期メンバーは下記である。これは2011年6月28日に川口市内のビストロに集まった10人である。
 
和実・淳・胡桃、あきら・小夜子、青葉、千里、桃香、冬子、政子
 
この中で天然女性は、胡桃、小夜子、桃香、政子の4人である。
 
それ以外の6人の内、この時点で性転換手術を受けていたのは私だけと、当時は思っていたのだが、実際には、千里は間違い無く手術済みであったし、和実もかなり怪しい。青葉も実は手術済みだった可能性が高い気がする。本人たちは千里と青葉が2012年7月18日、和実が7月25日に手術をしたと主張している。
 
しかしそれでまだ手術をしていないのは、あきら・淳の2人だけになったのだが、淳は2018年9月12日に手術を受けた。そして最後の1本のおちんちん、もとい、最後の1人となっていたあきらが2018年12月3日(月)に国内の病院で性転換手術を受けた。本人は自分は女の子になりたい訳ではないと常々主張していたのだが、周囲に乗せられてしまった感はある。むろん本人も女の身体になるのが嫌という訳ではなかったようなので、手術を受けてお股の形が変わってしまったのを見て「まあいいか」と思ったようであった。
 
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奥さんの小夜子さんとの間に子供も4人作ったし、おちんちん自体はもう2年ほど前から全く勃起しないようになって排尿以外の機能を喪失していたし、その排尿にしても彼女(彼?)は立ってすることはなく、女子トイレしか使っていない状態だったので「無くても困らない」状態ではあった。
 
それでも無くしたくないと言っていたのは本人としては自分は男という意識があったからなのだろうが、手術が終わった後は「これいいかも知れない」と言っていたので、まあ手術して良かったのだろう。
 
なお彼女(彼?)は小夜子さんとの婚姻を維持するため戸籍上の性別は変更しない。これは和実との婚姻状態維持のため性別変更しない淳と同様である。実態上の性別と戸籍の性別が異なるのは様々な不都合を引き起こすが仕方ない。
 
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「姉貴の性別がはっきりしないから、私、長女なのか次女なのか曖昧だったけど、これで正式に次女になった」
 
などと北海道から出てきた妹の紘(ひろ)さんは言っていた。もっともあきらは既に結婚で戸籍を分けているし、そもそもあきらは戸籍上の性別を変更する意志は無いので彼女は、法的には長女のままである。
 
他にあきらのお母さんと従妹も来ていた。
 
お母さんなど
「高校出たらすぐ性転換するかと思っていたのに、随分時間が掛かったね」
などと言っていた。
 
あきらはパートナーが女性なので、最後までヴァギナを造る完全な性転換手術と、ヴァギナは造らず陰裂と陰核のみ作る簡易性転換手術のどちらにするか悩んだようだが「アッキーが女の子になったら入れてみたい」と小夜子が言ったので、侵襲が大きく身体に負担は掛かるものの完全性転換手術を選択した。
 
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手術直後はかなり痛かったようだが、東京で合宿中の青葉がリモートでヒーリングしてくれたので、かなり痛みが緩和されたようである。
 
あきらは1週間入院して12月10日に退院。埼玉の自宅に戻った。私と政子は多忙で富山までは行けなかったものの、帰宅した所で“お祝い”に出かけた。政子は「女の子になったお祝いに」と言って、物凄く可愛いワンピースをプレゼントしたが「こんな可愛いの着て歩く勇気が無い」とあきらは言っていた。
 

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12月上旬、私は姉の萌依から「また赤ちゃんできたー」という連絡を受けた。姉は既に2人子供を産んでいるので、これが3人目になる。
 
2015.06.18 梨乃香
2018.02.25 清代歌
 
現在3ヶ月目に入った所らしく、予定日は7月中旬頃という話であった。学年が2年おきになるのは理想的である。
 
「また女の子だったら『か』の付く名前をつけようかな。今までの2人とは別の字で」
「それもいいかもね。全員同じ字を使うのは、わりと不評なんだよね」
「そうそう。全部違う字を使ってあげた方がいいみたい」
「男の子だったらどういう名前にするの?」
「そうだなあ。それでも『か』の付く名前で」
「男の子の名前になる?」
「『よしたか』とか『むねちか』とか」
「ああ、そういうのもあるか」
「あるいはおちんちん切ってもらって女の子として出生届けを出す手も」
「犯罪にならないようにね〜」
 
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2018年12月29日。今年のRC大賞授賞式が行われた。私は1人だけで行くつもりだったのだが、政子が
 
「アクアちゃんを見たいから行く」
と言うので、何かあった時のために鱒渕さんにも付いてきてもらい、佐良さんにリーフを運転してもらって新国立劇場へ出かけた。会場前で降ろしてもらい佐良さんは車をマンションに戻す。また帰るときに迎えに来てもらう。
 
最初は新人賞の紹介から始まる。今年新人賞を受賞したのは下記4組であった。
 
清原大助『板東追っかけ唄』
松元蘭『影遊び』
Trine Bubble『愛の八高線』
フローズンヨーグルツ『キャロット・ギャロップ』
 
それでこの順に演奏するので、席で聞いている。演歌の人はまあそれなりの歌唱力はある。次に登場した松元蘭は私が仕掛け人だけに注目して聞いていたが、本当に上手くなったなと思った。
 
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そして3組目のTrine Bubbleが『愛の八高線』を歌い出した時、私はギョッとした。
 
「これ私たちの『東へ西へ』じゃん」
と私が言うと
 
「あれ?言ってなかったっけ?この子たちに何かいい曲下さいって、北川さんが言ってきたから、冬は忙しそうだったし『東へ西へ』に新しい歌詞を付けてタイトルも『恋の八高線(はちこうせん)』にして渡したんだよ。東京の高校生は忍路(おしょろ)なんて知らないだろうしと思って」
と政子が言う。
 
「そうだったんだ!」
 
政子が言ったのに私が忘れてしまった可能性とそもそも政子が言い忘れた可能性は50:50だなと思った。
 
「編曲は風花ちゃんにしてもらったよ」
「へー!」
 
「この曲、今年80万枚くらい売れてますよ」
と鱒渕さんが言うので
「うっそー!?」
と私は驚いた。
 
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「この曲聴いたことなかった?」
「知らなかった!」
「どうかした集団アイドルの曲は100万枚売れていても全然聞かないって曲が多いけど、この曲はマジでヒットしてたよ。スーパーとかのBGMでもかなり流れてたよ」
 
「う・・・今年はあまり買物とかにも出てなかったかも」
「ああ、冬はマジで今年忙しすぎたね」
 

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最後に出てきたフローズンヨーグルツは酷かった。自分の名前で楽曲を提供しているのであまり悪く言えないが、この子たちは歌手とか辞めて、バラエティタレントか何か目指した方がいいのでは?と思ったのだが・・・司会者との受け答えを聞いていると、トークのセンスも無いようなので、私は匙を投げた。
 
「でも今年の新人賞は凄いですね。4組の内、3組がケイさん関連じゃないですか」
と鱒渕さんが言う。
 
先日のBH音楽賞では私の作品があまり無く、千里の作品が多くてつい私は嫉妬するような気持ちを持ってしまったのだが、今年のRC大賞の新人賞で自分関連の作品が多いと言われて、私は少し気分が良くなった。
 
確かに松元蘭は私もプロデュースチームに入っている(メインプロデューサーは近藤七星)し、Trine Bubbleとフローズンヨーグルツはマリ&ケイ名義の曲である。但し『キャロット・ギャロップ』を本当に書いたのは丸山アイである。
 
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4組が歌唱を終えた所で、最優秀新人賞が発表された。
 
最優秀新人賞は『板東追っかけ唄』を歌った清原大助が獲得した。
 
まあ演歌は強いよね、などと思いながら拍手をしていたのだが、他の3組を見ると、松元蘭は凄く悔しそうな顔をしている。あれは自分が最優秀新人賞を取るつもりだったんだろうなと思った。これはとても良い傾向である。自分がトップだという自信を持っていないとこの世界では生きていけない。
 
Trine Bubbleはむしろ不快そうな顔で拍手をしていた。自分たちがトップとは思わないものの、選考に不満があるんだろうなという気がした。Trine Bubbleも充分上手いのだが、松元蘭とは比較にならなかったのである。
 
そしてフローズンヨーグルツはというと、全く関心が無いようで、拍手もしていない。それどころかスマホをいじってる! そしてそれを隣に座っている三ノ輪会長が注意もしない。マジで救いようのない感じだなと私は思った。
 
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金賞受賞作品が披露される。今年金賞にノミネートされたのは下記の10作品である。
 
アクア『旅人の休息』
カラー・ボックス『ノックノック』
カトラーズ『バンブーグローブ』
桜野みちる『竹細工の宝石箱』
津島瑤子『冬の月』
ナルカヤ32『アンノウン・フィーリング』
松浦紗雪『大きな海大きな空』
松原珠妃『ロコモコ前奏曲』
三つ葉『檸檬爆弾』
ローズ+リリー『お嫁さんにしてね』
 
今年は何と言っても『ノックノック』と『バンブーグローブ』のヒットが凄かった。特に『ノックノック』は小学生などにも受けて、老弱男女、これにハマっていた。
 
ローズ+リリーの『お嫁さんにしてね』はマリの妊娠というハプニング(?)のおかげで御祝儀的にセールスが伸びた。ここにノミネートされるのが、ちょっと申し訳無いくらいであるが売上げ枚数としては多分、これとナルカヤ32の曲が僅差だろうという気がする。ただナルカヤ32は固定ファンがひとりで10枚20枚と買うから売上げが大きいだけで、世間一般にはほとんど知られていない。
 
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御祝儀という意味では結婚と引退を発表した桜野みちるもだ。桜野みちるのラストシングルとして、紅川さんは『ありがとう』という曲を用意したのだが、みちるはそういう記念碑的な作品は嫌だから普通の曲を歌いたいと言った。それで松本花子作品を特にイリヤさん本人が編曲したものを提供してもらい、『ノックノック』と『バンブーグローブ』に次ぐヒット作となった。
 
私は正直その3つの作品のどれが受賞してもおかしくないと思った。
 
枚数的にはローズ+リリーも可能性はあるのだが、主宰者からマリに出席を求めるような連絡は無かったので、大賞ではないだろうと思っていた。この賞では過去に大賞受賞者が海外に出ていて欠席という事態が起きたことがあり、それ以降、確実に当日出席してくれる人だけを大賞選考の対象曲にするようにになっている。
 
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夏の日の想い出・戯謔(9)

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