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■春葉(8)

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岩戸さんが呆然としている。
 
「一体あなた方は?」
「日本の霊能者の上位10人に入る人が3人集まっている気がします」
と法験が言ったが
 
「いや、瞬法さんと青葉は上位10人だけど私は一般人だから」
と千里。
「瞬葉ちゃんと瞬里ちゃんは多分5本の指に入るけど、僕はありきたりの坊主だから」
と瞬法。
「瞬法さんも千里姉も凄いですけど、私は未熟者だから」
と青葉。
 
「そちらの若いお坊さん(法験)の意見に私は賛成」
と岩戸さんは言った。
 
「岩戸さんも手を貸して下さい。これはできるだけ大きなパワーが無いと恐い」
「はい!」
 

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それで、瞬法が用意してきた水晶の珠を池の周り10ヶ所に埋めた上で、瞬法−法験−青葉−千里−岩戸、と5人で池の周囲を取り囲んだ。
 
神谷内さんは撮影したがっていたが、撮影しようとしたらカメラが壊れますよと瞬法が言ったので諦めた。フリップボードに「作業中です」と書いたものを映して処理しようと言っていた。
 
全員数珠を持つ。青葉がローズクォーツ、千里は藤雲石の数珠である。青葉は千里がその数珠を使っているのを見て、これ3人とも各々ひとつずつ持っているのだろうか?と疑問を感じた。
 
瞬法が**明王の呪文を唱える。全員唱和する。
 
唱え終わった所で大きな力が池の“中”にあるものをギュッと押さえ込んだ感覚があった。
 
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「できたかな?」
と瞬法が言うが
 
「10年くらいは持つかも」
と千里は言った。
 
「10年かぁ!」
と瞬法が嘆くように言う。
 
「これ相手が巨大すぎる気がします」
と法験が言ったが、岩戸さんも頷いていた。
 
「しかし俺は10年後に生きている自信が無い」
と瞬法さんは言っている。
 
「では10年後には青葉と法験さんの2人でメンテを」
と千里が言うので
 
「え〜〜〜!?」
と青葉も法験も声をあげた。
 
しかし実際この“封印”の儀式をした後、この不思議な地震はピタリと鎮まってしまったのである。ただ、千里の見立てでは10年後にメンテをしなければならないらしい。
 

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青葉はこの作業の後、千里の車に乗せてもらって桃香のアパートに行き、ふたりで一緒に大掃除!と食糧の買い出しをしておいた。もっとも千里1が同居しているので、以前よりはかなりマシになっていた。その日は桃香や千里1が帰宅するのを待たずに(実際、桃香が千里3を見たら話がややこしくなる)千里3の車で大宮に移動して彪志のアパートに泊まった。
 
翌日は都心に出て、§§ミュージックやTKR、ケイのマンション、などを訪れる。また大田区の“松本花子”プロジェクトの拠点ものぞいて作業に当たっている人たちをねぎらった。
 
松本花子のプロジェクトはこの“太田ラボ”(プログラミング)、川口市の清原空帆のマンション(作詞)、北海道の“小樽ラボ”(作曲・自動編曲)、豊島区にあるイリヤさんの編曲工房(人力編曲)、沖縄の木ノ下大吉先生の家(受注・納品)という5つの拠点に分散して開発運営が行われている。
 
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その他に移動の多い青葉と千里3、金沢に住んでいる奥村春貴は自分のパソコンからいつでもシステムにアクセスできる。春貴のパソコンは“普通の”生体認証でログインするが、青葉と千里3のパソコンは“霊的認証”である。生体認証なら千里2でも千里3のふりをして認証を突破しログインできるが霊的認証だとそれができない。この時点ではまだ千里2は、千里3が松本花子をやっていることに気付いていないのだが、念のため用心しているのである。
 
12月26日(水)にはアクアのニューシングル『変装合戦/七つ道具の歌』の発売記者会見に出席し、その後はまた仙台に入って和実のそばに29日まで付き添った。
 

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12月30日、3日間の仙台詰めを終えていったん東京に戻った青葉は§§ミュージックでコスモス社長と、TKRで三田原部長と、★★レコードで加藤次長と相次ぎ打合せをしてから大宮の“自宅”に戻ろうといったん東京駅まで出たら、バッタリと左倉ハルと遭遇した。同年代の女子と一緒だが、この人は見たことある。えっとえっとえっと・・・
 
「こんにちは。ハルちゃん、泰美ちゃん」
と青葉は笑顔で挨拶した。
 
「川上さん、こんにちは」
とハル。
「わ、私のこと覚えていてくださいました?」
と驚いたように長丸泰美が言う。
 
「もちろん。泰美ちゃんはW大学だったよね」
「はい。すごーい。所属校まで覚えて下さっているなんて」
「だってW大学のキャプテンの奈々美は私の親友だもん」
「え?そうだったんですか!?全然知らなかった!」
 
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12月16日にインカレが終わり、4年生が引退して、現3年生の中で日本代表もやっている奈々美が新キャプテンに選ばれたのである。
 

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双方時間があることを確認の上、構内のカフェに入る。
 
「ハルちゃんも、ウィンターカップはあと少しでベスト4だったのにね」
「愛知J学園、そうそう何度もは勝たせてくれませんね。悔しかったです。でもフォローして下さっていたんですね」
 
「高校出た後はWリーグのどこか?」
「Wリーグなんて無理です!あれは大会ベスト5とかにでも入るような人くらいですよ。高校出てすぐプロになれるなんて」
 
「じゃクラブチーム?それとも大学進学?」
「実は泰美先輩の居るW大学に行こうかと」
「なるほどー」
 
それで一緒に居る訳だ。きっと大学を訪問してきた所なのだろう。
 
「私の性別も全く問題無いと言われて。学校の先生とお話ししましたけど、ちゃんと女子学生として受け入れてくれるというし」
 
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「良かったね。それにW大学強いもん」
「全日本には出られませんけどね」
と泰美。
 
「全日本は大学生枠とか社会人枠とか無くなっちゃったから辛いよね」
「今年も江戸娘さんに負けました」
「まあ東京は激戦区すぎる」
「江戸娘にしても、40 minutesにしても実質プロチームだもん」
「ジョイフルゴールドにはなかなか勝てないけどね」
「あそこはさっさとWリーグに加盟して欲しいです!」
 

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ハルがトイレに立つが戻ってきたのはアキである! 青葉は一瞬呆れたような顔をしたが、アキはウィンクしている。
 
「そうだ!泰美さん、さっきの話、川上さんに訊いてみたら?」
とアキは言った。
 
「どうかしたの?」
「あ、いや。ちょっと不思議なことがあって」
「うん」
 
「練習が終わった後、床掃除をするんですよ」
「モップ掛け?」
「そうです。そうです。モップを持って板目に沿って掛けるんですが、うちの体育館は板目が横向きだから、サイドラインからサイドラインまで走ってモップを掛けていくんですよね」
 
「あれ、大会で見たことあるけど美しいね」
「全国大会とかは美しく掛けていますね。でもあれができるのはかなり運動能力のある人たちなんですよ」
「あ、そういうもん?」
 
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「モップ持って走るのは物凄くパワーが必要です。全国大会とかは4人並んで同じペースで走ってモップ掛けしてますね。あれ要項にもちゃんと全員同時に出発して同時に終了しなければならないって規定されているんですけど」
 
「厳しい!」
 
「それちゃんとできると美しいですけど、あれやっているのは、トップクラスの選手ですよ」
 
「そうだったんだ?」
 
「県大会くらいだと、レギュラー外の選手とかがやっていたりするから歩いて掛けたり、適当に手を抜いて斜め掛けしてたりしますね」
「ああ」
 

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「それで、バスケットのコートって縦が28mあって、これをだいたい2人の部員が端から各々モップを持って掛けて行くんですが、モップの幅は約1mなんです。ですから14回掛けたらセンターラインまで来るはずなんです」
 
「うん」
 
「ところが私が掛けるとなぜか15回必要なんですよ」
「それは掛けている幅が他の人より短いのでは?」
「そう言われたんですけど。他の子に見ていてもらったんですけど、私がモップ掛けした後、移動する距離は他の子と変わらないというんです」
 
「うーん・・・」
 
「だから私がモップ掛けする時だけ14mのはずの所が15mになっているのでは?などと言われたんですけどね。そんなに床が伸び縮みするわけないし」
 
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アキがにやにやしている。アキはこれが妖怪の類いの仕業ではと疑っているようだ。青葉はこの話は、学校の階段が夜中に行くと1段多いという話と似た話ではないかという気がした。
 
「もしよかったら、そこを見られる?」
「わあ、来て下さるなら歓迎です。見料は払いますから」
と泰美は言った。
 

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それで、泰美・アキ・青葉の3人でW大学の、バスケ部が使用している第3体育館に行くことにしたのである。
 
体育館に入って行くと、4人の選手が練習していた。
 
「ハーイ!」
と青葉が声を掛けると
 
「青葉!どうしたの!?」
と奈々美が驚いたように返事をした。
 
それで青葉は泰美から、彼女がモップ掛けする時だけ1回余分に走ることになっているという件を聞いたことを話した。
 
「それ何か妖怪?」
「どうだろうね」
などと言いながら。青葉はコートを眺めていた。
 
実際に歩き回ってみる。
 
「泰美ちゃんがモップ掛けするのって、どちらのハーフか決まってる?」
「いえ。どちらもしてますよ」
 

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青葉は腕を組んで少し考えた。
 
そしてハッとあることに思いついた。
 
「モップを見せてもらえる?」
「モップですか!?」
 
それで泰美が案内して用具倉庫に入る。そしてモップが並んでいる所に行った瞬間、青葉には原因が分かってしまった。アキが緊張した顔をしている。
 
「泰美ちゃん、どのモップ使ってる?」
「え?モップですか?特に意識してませんけど」
「じゃ、どれか選んでみて」
と青葉が言うので、泰美は8つ並んでいるモップの中で向こうから2番目の物を取った。アキがため息をついた。
 
「そのモップに問題があります」
「え〜〜〜!?」
 
「他のより短いとか?」
と奈々美が訊く。
 
「物理的には同じなんだけどね。泰美ちゃんそのモップを元の所に置いて」
「はい」
「浄化するから、みんな少し離れてて」
 
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それで青葉は“珠”を始動させて、そのモップ、ついでに倉庫内の全体を浄化してしまった。
 

「きれいになったね」
とアキが周囲を見回して言っている。この子は浄化の作用には影響受けないんだな?と青葉はあらためて思った。それはアキが充分強いからか、あるいはもとより珠の作用の対象外だからなのかも知れない。少なくとも“邪”ではないわけだ。
 
「泰美ちゃん、そのモップを持って走ってみよう」
と青葉。
「あ、はい」
「じゃ、半分はアキちゃんやってみよう」
と青葉はアキにも声を掛ける。
 
「まあいいけどね」
とアキは言い、人前で「アキ」と呼ばないでよといった感じの目でこちらを見てから、別のモップを持った。
 
2人でコートの端に立ち、そこからモップ掛けを始める。アキがしっかり走っているので、泰美も負けるものかと頑張って走っている。
 
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ふたりはきれいにセンターラインの所の、同じ側でちゃんと同時に終了した。
 
「ちゃんと14回だった」
と奈々美。
「それで解決したみたいね」
と青葉は言った。
 
「なんかモップが凄い軽い気がした」
と泰美は言った。
 
「まあ余分なもの付けて走っていたからね」
「でも、もしかして私いつも同じモップを持っていたのかな?」
「人って何気ない行動をしている時、結構同じパターンを繰り返しているものだよ」
と青葉は言う。
 
「そして他の人は誰もそのモップを使わなかったということね?」
と奈々美が訊く。
 
「まあ、見るからに怪しげな雰囲気のあるものに、普通の人は手を出さない」
とアキが言うので
「つまり私は、にぶいってことか!?」
と泰美は天を仰いでいた。
 
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