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■春葉(5)

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(C) Eriki Kawaguchi 2019-06-03
 
2018年12月1日(土).
 
青葉は北陸新幹線で大宮まで出て、まずあきらに会って彼女のヒーリングをしてあげた。彼女は青葉と入れ替わりで新幹線で高岡に向かい、射水市の病院に入院した。12月3日(月)に性転換手術を受けることになっているので、手術後遠隔でヒーリングをしてあげるために直前に直接ヒーリングをしてコネクションを作っておいたのである。
 
青葉は12月2日から東京北区のNTCに入り、世界選手権に向けての日本代表の合宿に入った。
 
3日は練習が終わってから手術終了直後のあきらにリモート・ヒーリングを掛けたが、例によってこのヒーリングで物凄く楽になったようである。
 
しかしこれで“クロスロード”の初期メンバーから、おちんちんが全て消滅したことになる。
 
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クロスロードの初期メンバーと当時の物理的性別(本人の主張による)
 
青葉♂ 桃香♀ 千里♂ あきら♂ 小夜子♀ 淳♂ 和実♂ 冬子♀ 政子♀
 
当時は(本人たちの主張を信じれば)性転換手術を終えていたのは冬子だけでPre-Op MTF/MTXが5人いた。しかし2012年に千里・青葉・和実が相次いで手術を受け(*1)、更に今年9月に淳が手術を受け、とうとう最後までおちんちんを残していたあきらが手術を受けて全員完全な女性になった。あきらは「私は別に女の子になりたい訳では無い」と言っていたのだが、やや周囲に乗せられて性転換してしまった感じもある。
 
手術が終わって数日経ってから自分のあそこを見ての感想は「きれーい」ということだったので、後悔はしていないようだ。実際彼女はもう長年タックしていたし、バストはかなり大きくなっていて、ほぼ女性として生活していた。
 
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本人は“女装”も否定していたが、女にしか見えなかった。スカート穿いて女性用ショーツを穿きブラジャーもつけて、髪も長くしお化粧もしていて「女装していない」という主張は苦しい気がする。小夜子さんとの性生活でももう4-5年男性器は使用していないらしいし。ちなみに喉仏は8年前に手術して削ってしまっている。足のむだ毛・ヒゲなどは10年以上前にレーザー脱毛済みである。
 

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(*1)青葉は実際には、2012年の千里の手術はフェイクではないかと疑っている。千里はどう考えてもかなり以前に女体を獲得していた。高校1年の12月から女子選手として大会に出場しているが、当時のIOC基準(2003.10.28)では性別を変更した選手が新たな性別でオリンピックに参加出来るのは次のケースである。
 
(1)必須条件 性腺(精巣・卵巣)の除去後2年以上経過していること。ただし特に男→女の場合、男性時代の筋肉が残っていないか個別審査する場合も。
 
(2)必須条件 性転換手術は既に終了していなければならない。
 
(3)思春期前に性転換した場合は性転換後の性別で参加出来るし、その性別で参加しなければならない。
 
(4)思春期後に性転換した場合は下記の条件が成立していれば性転換後の性別での参加を認める。
-外性器の形成と性腺の除去は完了していること。
-新たな性別が然るべき公的機関により認証されていること。
-新たな性に対応する性ホルモンの投与が適切な期間行われて元の性別による優位性が消失していること。
 
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(この条件を満たさない場合、MTFなら男子として参加可能だがFTMは男性ホルモンがドーピングとみなされるので、どちらにも参加出来ないことになる)
 
この基準を考えてみた場合、まず去勢後2年という条件、千里が高校1年の11月までは男子の試合、12月からは女子の試合に出ているということから、千里は中学2年の11-12月頃に去勢したことが考えられる。そして少なくとも高校1年の12月には性転換手術は完了していたということは、高校1年の夏頃に性転換手術を受けたのではと推測できる。実際千里の友人たちが高1の夏休みに千里がほとんどバスケの練習に出てきていなかったと証言しているし、本人も「性転換手術したのは高1の夏休みということでいいよ」などと言っている。
 
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しかしもうひとつの可能性は、千里が思春期前に性転換手術を受けていたというケースである。通常思春期は小学5年生くらいから始まるから、小学4年生頃までに性転換していた可能性である。
 
実際、千里の骨格は明らかに女性型に発達している。これは青葉自身、そして和実・冬子もそうである。淳やあきら、また呉羽ヒロミ・奥村春貴などは充分女らしいが、骨格は男性型である。
 
これがやはり、千里・青葉・冬子・和実と他の子たちとの大きな違いだ。
 
青葉の場合は自力で睾丸の機能を停止させ、アロマターゼ(*2)の分泌を促して女性ホルモンの量を増やし、女性的な体型を作ってきた。冬子の場合は小5の時にGIDという診断をしてもらい女性ホルモン剤(貼り薬)を処方してもらっていたことを告白している。千里にはその付近のことを何度か尋ねているのだが、全く辻褄の合わないことを言うだけで何だか、はぐらかされている。和実は毎回言うことが違い、全部嘘としか思えない!
 
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(*2)アロマターゼは体内で男性ホルモンを女性ホルモンに転換する物質。アロマターゼは脂肪に多く存在するので、男性でも脂肪質の人は女性化しやすい。またアロマターゼは肝臓で分解されるので肝機能障害の男性が乳房が大きくなり悩むケースもある。逆に女性ホルモンを自主的に摂取している人が内科を受診した場合に、肝機能障害を疑われることがある。アロマターゼ過剰症(AES)といって、思春期頃にアロマターゼが何かの原因で過剰に分泌され、乳房発達・男性器縮小などの症状が出る場合もある。女性にもAESはあり、小学1-2年生で初潮が来たりする例もある。
 

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そういう青葉自身も実は小学生くらいの内に性転換していたのでは?と若葉などから疑われているが、当時は生きて行くのが精一杯の状態で、母・姉ともども餓死寸前の状態で生き延びていた。性転換手術を受けるようなお金は無かった。
 
和実に関しても彼女の男性器を見た人が、淳も含めて全く存在しないので、結構怪しい気もしている。お姉さんの胡桃さんも「赤ちゃんの頃以降見た記憶が無い」と言っているし。だいたい高校の修学旅行で女湯に入り、女子と同じ部屋に泊まっていると高校時代の同級生・照葉さん(クレール店長代行)とかが言っていたので、高校1−2年で密かに手術していた可能性が濃厚だと青葉は思う。高校1年の時からメイド喫茶でバイトしているので、それでお金を貯めて高校2年で手術を受けたのではという気もするのである。しかし彼女が女性型の骨格を持っているということは、去勢だけでも小学生の内に受けていた可能性もあると思っている。
 
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青葉たちの日本国内での合宿は12月7日(金)までで、8日に成田から杭州に渡った。
 
成田(NRT)10:00 (NH929 A320) 12:50 杭州(HGH)
 
時差が1時間あるので3時間50分のフライトである。
 
杭州は日本では「こうしゅう」と読まれているが中国語の発音はハンチョウ(Hangzhou)という感じ。そこの蕭山(シャオシェン Xiaoshan)国際空港に到着した。
 
青葉は今回が性別女性のパスポートの2度目の使用となった(初回はスペイン・シエラネバダでの合宿)が、結構ドキドキしていた。「そんな顔してたら密輸でもしてるかと疑われるよ」などとジャネから言われたが、空港では特に身体検査などは受けなかった。
 
でもホテルに到着してから即、ドーピング検査を受けることになった!
 
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短水路世界選手権は12月11-16日に行われる。
 
青葉が出場する競技は400m個人メドレーと800m自由形である。ジャネは400m,800mの自由形に出場する。なおジャネは800m自由形の日本記録保持者である。南野里美が400m自由形と400m個人メドレーに出る。
 
11日には400mメドレーが行われる。参加選手は30名であるが、午前中に行われた予選(heat (*3))では青葉・南野ともに最終3組に入れられていた。上位8名が決勝に進出するが、青葉が6位・南野が8位でどちらも決勝に進出した。
 
夕方19時から決勝(final)が行われる。予選の成績から青葉は7レーン(*3)、南野は8レーンとなった(決勝では両端の0,9レーンは使用しない)。隣の6レーンはイタリアの選手である。
 
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(*3) 決勝はfinalであるが、予選は heat と呼ばれる。予選1組,2組,3組は heat1, heat2, heat3 である。heatは普通の文脈では「熱」と訳される。英語の辞書を引いても heat に特に予選という意味は書かれておらず「情熱」とか「努力」という意味までは書かれているが、ここから予選という意味が派生している。上位に進出するために頑張るゲームという意味である。野球の“回”のことも heat と呼ぶことがある。
 
水泳でロープとロープに挟まれた泳ぐ領域のことを日本語では“コース”と呼ぶが、英語では Lane である。それに合わせて最近では日本でもレーンと呼ぶ人が増えてきた。国内の大会ではコース、海外の大会ではレーンと呼び分ける人もある。
 
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最初は飛び込み台から飛び込んでバタフライである。ここで隣のイタリアの選手が随分飛ばしたので、青葉は必死にそれに付いて行った。短水路なのでバタフライのまま向こうで折り返して戻って来る。
 
2往復後、背泳ぎに変える。ここで隣の選手のペースが落ちる。あれ〜?と思うが、青葉は彼女の向こう側(5レーン)の選手がかなり先を行っていることに気付き、その人に付いていこうと頑張った。結果的に隣の人を追い抜く。折り返しで少し5レーンの人との距離が縮んだ気がした。頑張って泳ぎ、出発側に戻ってくる。
 
背泳でも2往復してから平泳ぎに変える。5レーンの人が速い!どんどん離される。負けるものかと思って必死で泳ぐ。それで向こう側でターンする頃は少しだけ挽回した気がした。そのまま頑張って泳ぐ。
 
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平泳ぎで2往復して最後は自由形に変える。5レーンの人が無茶苦茶速い!だめだー!と青葉もとうとう諦めたが、それでも何とか自分のペースで泳いでいく。最後の往復に入るところでラストスパート。
 
そしてタッチ。時計を見る。青葉は結局5位であった。
 
これについては実は「7コースの日本人が4位なのでは?」というクレームが入り、ビデオをチェックされたところ、ゴールには確かに青葉の方が先に到達しているものの、6レーンのイタリア選手の方が先にタッチ板にタッチしていることが判明し、自動計測通り青葉は5位ということになった。
 
相変わらず青葉の課題はタッチである。
 
なお南野さんは8位であった。
 

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12月12日朝9:30には女子800m自由形の予選が行われた。
 
参加者は23名で、3,10,10名で予選が行われる。青葉とジャネはふたりとも最終3組目に入れられていた。ジャネが6レーン、青葉は2レーンである。
 
この日は予選だけで決勝は明日である。それで青葉は全力で泳いでいいなと思い、日本記録を突破した時の泳ぎを思い出しながら泳ぐ。
 
最初から隣3コースのドイツの選手とかなり競り合った。途中から彼女のピッチがどんどん上がっていくが、青葉は頑張ってそれに付いて行った。向こうはあるいは予選だから軽く流そうと思っていたのかも知れないが、青葉の泳ぎを見て、やばい!と思い、本気になったのだろう。
 
ゴールしてみると、ドイツの選手が3位、青葉は4位でいづれも決勝進出である。ジャネも8位で決勝進出したが青葉が上位に居るのを見て厳しい顔をしていた。
 
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翌13日19:00に女子800m自由形の決勝が行われる。レーンの割り当てはこうなった。
 
1.トンプソン(米)
2.ウー(中)
3.ハーマン(独)
4.ロン(中)
5.ハリス(米)
6.川上(日)
7.クリモバ(露)
8.幡山(日)
 
青葉にとってはこの大会最後のレースである。
 

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青葉はスタート台に立った時、唐突に小学2年生の時に初めて女子水着を着て水泳の授業に出た時のことを思い出した。当時は早紀たちクラスメイトの女子には、おちんちんが付いていなかったのに自分だけ付いていた。上手に隠していたから、水着の上から見る分には付いているようには見えなかったが、それでも自分にはよけいなものが付いているという負い目があった。
 
今はもうおちんちんは無い。そして自分と一緒にスタート台に立っている他の選手にも(多分)おちんちんは無い。そのことに唐突に感動してしまったのである。
 
このプールにはおちんちんは無いんだ!
 
ここに立っている選手は全員おちんちんが付いてなくて(たぶん)割れ目ちゃんを持っている。自分もそのひとりであることが妙に嬉しかった。
 
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よし!頑張るぞと思った。
 

号砲とともに飛び込むがこのレースでは青葉は最初からラストスパートするような気持ちで泳いだ。800mは25mのプールを16往復もする長丁場である。しかし世界のレベルと戦うには最初から全力でいくしかないと思った。
 
隣のアメリカ・ハリスとかなり競り合いになる。一瞬こちらが向こうを抜いたら向こうは必死に抜き返してくる。それで長丁場とは思えない激しい競り合いが最初から展開した。
 
青葉はこのレースでは全く力を緩めなかった。元々スタミナは1600mメドレーでも平気で泳ぐほどあるし、オープンウォーターも得意なので、800mくらいは全然平気である。それでこのレースは青葉のスピードがどこまで維持出来るかと、ハリスのスタミナがどこまで持つかの勝負となったのである。
 
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激しいデッドヒートが続くので観客席は物凄い歓声だったらしい。
 
やがて最後の往復を終えてタッチ。
 
身体は青葉の方が先を行っていたが、たぶん、タッチと腕の長さで負けたと、青葉は思った。
 
時計を見る。
 
1.Long (CHN) 8:04.35
2.Harris (USA) 8:09.39
3.Kawakami (JPN) 8:09.40
4.Wu (CHN) 8:09.81
5.Hamann (GER) 8:10.54
 
青葉は冷や汗を掻いた。タッチでもっと時間が掛かっていたら次の選手にも抜かれていたところであった。
 
しかし銅メダル取っちゃった!
 
東京で行われたパンパシフィックでも800mで銅メダル、1500mで金メダルを取っているが、レベルはこちらの方がずっと上だと思っていた。短水路とはいえその世界大会でメダルを取ったのは、われながら凄いと思った。
 
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(例によってハリスより川上が早かったのでは?と言われてビデオ鑑定された)
 
表彰式で表彰台の低い所に立ち、プレゼンターから銅メダルを掛けてもらい、青葉は笑顔で1位の龍(ロン)、2位のハリスと握手をした。
 
7位に入ったジャネは・・・そのあたりに居なかった!
 

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14日はジャネと南野が出る400m自由形が行われるので青葉はこれを観戦した。9:30からの予選では南野は最終3組、ジャネは少し記録が低いので2組に入れられていた。ジャネは2組の中でトップでゴールしたが3組の結果待ちである。南野は結局3組の10人中7位で全体では8位になり決勝進出した。ジャネは全体で6位の成績であった。
 
そして19:30に行われた決勝ではジャネが4位と0.01秒差で3位に食い込む健闘を見せた。彼女も銅メダル獲得である。
 
表彰式が終わって戻ってきたジャネに青葉が握手を求めたら、彼女も笑顔で握手に応じてくれた。
 
「また頑張りましょう」
「うん。頑張ろう」
 
とふたりは硬い握手を交わした。
 

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