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■春暁(12)

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翌2日は大阪で行われるイベントにローズクォーツが出演するので、ローズクォーツのメンバーと一緒に新幹線で大阪に行き、30分間演奏した。翌3日は八景島シーパラダイスで、もうすぐデビュー予定の∞∞プロの新人歌手・ビンゴ・アキちゃんの前座(というより前説かも)として出演。たっぷり場を盛り上げて、観客の前では初めて歌うというアキちゃんがリラックスした雰囲気の中で歌うことができるようにした。
 
1月4日の午前中は甲府市で繁華街に立って募金活動、午後からは糸魚川市に行き、警察の1日署長を務めた。この日はどちらもノーギャラである。それどころか、2人とも募金箱に1万円入れてきた(アゴアシは∞∞プロ持ち)。
 
1月5日は宮崎県日向市で行われたNHKのどじまんの収録にゲストとして参加した。実は∞∞プロの演歌歌手さんが出る予定だったのが、急病で行けなくなり、その代理を頼まれたのである。それで2人は夜中に雨宮先生が手配した車に乗って北陸道を走って大阪に移動(移動中はふたりとも寝ていた)し、伊丹から宮崎への朝一番の便(7:10-8:20)で宮崎に飛び、JRで日向市に入った。なかなかハードな移動であった。2人はその演歌歌手の物真似で、その歌手の代表曲を歌って、物凄い拍手をもらった。出場者へのコメントも温かいコメントが多く、この日だけでローザ+リリンのファンが200-300人はできたかも知れない。
 
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1月6日は午前中の飛行機で東京に戻り、午後から体力測定番組にゲスト出演する。“女性出演者の中で最低点”を取り、
「君たち、箸より重いもの持ったことないでしょ?」
と言われる。
 
「日陰者なのでいつも端の方を歩いてます」
「話が噛み合っとらんわ」
 
宮崎への強行軍での往復で疲れていた所に、更にこの番組でくたくたに疲れていたのに、更に夕方からは『少年探偵団』の撮影にローズ+リリー役で出演する。
 
さすがにきついので
「1時間休ませて」
と言って、1時間仮眠してから、お顔の美容液パックした上で撮影に臨んだ。
 

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1月7日の午後からはNHKの教養番組に出演して、司会の三宅行来さんと中南米の地理(高校生向け)の話題を話したのだが、ケイナもマリナもカリブ海の国の名前を地図を見ながら全部言えたので
「あんたたち凄いね」
と本気で褒められた。
 
「松原珠妃さんの『アンティル』を歌えますから」
「あぁ」
 
この曲のサビではアンティル諸島の国の名前が「キューバ、ケイマン、ジャマイカ、ハイチ、ドミニカ共和国、プエルトリコ、・・・」と、ひたすら歌われているのである。この曲がヒットした時には小学生の間で大流行したのだが、これを間違えずに全部歌うのも、ローザ+リリンの芸のひとつになっている。
 
実際に放送時には、ふたりが珠妃とケイ!のものまねで歌う『アンティル』が2分ほど挿入され『ナノとピコだ!』と大いに話題になった。
 
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7日の夕方からは音楽番組にローズクォーツで出演して『Brass Quarts』の中でも特に話題になった『Horn Pipes』を演奏した。普段は裏方に回ることの多いホルンが主役になる珍しい曲である。この日、ホルンは山下ルンバが吹いてくれた。彼女はキーボードも打楽器も上手いが、管楽器もほとんど全ての楽器が吹ける。
 

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1月8日はものまね番組に出演した。
 
一般参加者の女の子2人組がローズ+リリーの『青い豚の伝説』を歌う。それで2コーラス目まで歌ったところで、中央の階段の上の方が明るくなる。多くの人が、本物のローズ+リリーが登場するのを期待する。ところが出てきてサビを歌い出したのはローザ+リリンであった。出演者の女の子たちの物凄くがっかりした顔が見物(みもの)であった。
 
司会者が寄ってきてケイナたちに言う。
 
「おいおい、ここは本物のローズ+リリーが出てくる所やろ?なんでお前らが出てくるんや?」
 
「すみません。マリちゃんが焼肉の食べ放題に行っちゃったので、代わりに出ろと言われて出て来ました」
と言って笑いを取っておく。
 
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でも最後は出演した女の子2人と握手した。彼女たちには自分たちのサインに加えて本物のローズ+リリーのサイン色紙を渡したが、物凄く喜んでいた。(ローザ+リリンのサインは捨てられたかも)
 

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1月9日は『夜はネルネル』の撮影があった。疲れがピークに達しているがこの番組の撮影をしていると、ホームグラウンドに帰ってきたみたいでリラックスして、この日はダジャレなどが調子良く飛び、「お前ら今日は調子いいな」とフラフラにも言われた。
 
女装の芸人クラウドはこの日勝手に芸者クラウドと改名されてしまい、次週からは芸者の格好で出てくるように言われて「えー!?」と困ったような顔をしていた(ここで何か面白いことを言えないのがこの人の困った所)。
 
1月10日は大宮アリーナで全日本バスケットの女子準々決勝が行われたが、その第1試合のゲストとしてローザ+リリンが登場した。ネットでは最初「なんでこいつらが出てくるんだ?」と非難囂々であったが、ふたりのトークがなかなか面白く、しかもバスケット経験者であるケイナ(中学までバスケ部だった)が物凄く的確なコメントをするので次第に「こいつらなかなかうまいじゃん」という評価に変わって行く。それで試合が終わる頃には「またローザ+リリンの解説聞きたいね」という声が多数出ていた。
 
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1月11日は関東ドームでアクアのお正月ツアーのラストライブが行われた。このツアーでは一貫してラピスラズリが幕間ゲストとして出演していたので、この日も多くの観客が、アクアが前半のステージから降りて休憩に入った後、ラピスラズリが出てくることを期待した。
 
実際、ラピスラズリのデビュー予定曲『亜麻い雨』の前奏が流れる。2人組の影が現れる。
 
「はるこちゃーん!」
「あけみちゃーん!」
という声が掛かる。
 
ところが出て来たのはローザ+リリンである。
 
「え〜〜!?」
という戸惑いの声。
 
「帰れ!」
「引っ込め」
「ラピスラズリを出せ」
という非難の声にあふれる。
 
むろんケイナたちはこういう非難をされるのには慣れっこである。
 
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ローザ+リリンが『亜麻い雨』を歌っている最中に町田朱美が出て来て、
 
「ちょっとあんたたち何よ?」
と言う。演奏が中断する。
 
「私たちは新人女子中学生デュオのラピスラズリよ」
とマリナ。
 
「ラピスラズリは私たちよ。はるちゃん、おいで」
と言って、東雲はるこを呼び寄せる。
 
「だったら、どちらが本物か、じゃんけんで決めましょうよ」
とケイナ。
 
「いいわよ。私たちが本物なんだから、私たちが勝つに決まっている」
と言って、朱美は勝負を受けて立つ。
 
それで朱美とマリナがジャンケンをする。
 
朱美がグーでマリナがチョキだった。
 
ほっとしたような空気が観客の間に広がる。
 
「負けちゃったぁ」
「仕方ないわね。じゃ下がるから、あとはよろしく。でも私たちより上手く歌ってよ」
 
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「当然よ。こちらが本物なんだから」
 
それでローザ+リリンは退場する。この時マリナは
「ちなみに今のジャンケンはマジだから」
と言い残して退場した。
 
マリナのこの発言はわりと波紋を呼んだのだが、この件は後述する。
 

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1月11日の夕方には、何と新婚さん紹介番組に呼ばれてしまった。
ケイナはさすがに
「私たち同性婚なのにいいの〜?」
と訊いたのだが、
 
「ケイナちゃんは女装はしているけど男性で、マリナちゃんは本当に女性なんでしょ?だったら普通に男女の夫婦じゃないですか」
とプロデューサーは言った。
 
それで出て行った(2人とも女装)ものの、さすがに2人ともかなり恥ずかしがった。しかしその恥ずかしがっている所が可愛いと言われ、番組はわりと好評であった。
 
1月12日は新潟でFM局の公開収録番組があり、ローズクォーツは前半の演奏者として出演した(後半は松浦紗雪)。
 
1月13日は釧路市の成人式にゲスト出演してトークをした。実は釧路市は慶太の出身地なのである。このため、2人は新潟での収録が終わった後、新潟空港から新千歳空港に移動(新潟19:10-20:35新千歳 NH1115)した後、慶太の高校時代の友人が運転する車で釧路市まで移動している。彼からも結婚祝いをもらってしまった。
 
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「最初、男と結婚したと聞いたから、びっくりしたけど、マリナさん、既に5年前に女性になっていたんだそうですね。それなら普通に女性との結婚だし、マリナさんすごく女らしいから、全然問題ないと思いますよ。可愛い赤ちゃん産んで下さいね」
などと彼は言っていた。
 
5年前に女になっていた?また新しい噂が生まれているようだなとケイナもマリナも思った。
 

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成人式では、どうも主催者が“そういう系統の話”を期待しているようだったので、下ネタをバリバリ使ったトークをして(完全に田舎の温泉旅館での芸)、会場を爆笑の渦にした。“この後のデートで脱がせた後の”振袖の着せ方の解説に始まり、避妊具の“間違った使い方”、性行為の様々なバリエーションから、性転換・去勢のネタも随分入れたし、同性愛ネタ、SMネタも混ぜたが、ウブで意味が分からずにいる新成人も随分いるような気もした。
 
式の後で助役さんが「面白かった。もう笑いっぱなしだった」と言っていたので、あれで良かったのだろう。
 

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その日は市に取ってもらった釧路市内のホテルに泊まったが、もちろんダブルルームである。ケイナもマリナとダブルベッドで寝ることにはもう抵抗感が無くなったしまった。最初は5cmと言いながら10cm近く開けていたお互いの距離も次第に短くなり、ここ数日は疲れていることもあり、お互いの身体が接触するのも気にせず寝ている。マリナは起きた時にケイナの腕が自分の下着の下まで入っているのに気づいてギョッとしたりする。でもケイナはまだ“気づいていない”ようである。
 
この日は、交替でシャワーを浴びて(順序はいつもマリナ→ケイナ)から寝ることにする。マリナはここの所のハード・スケジュールで疲れているのでそのまま寝ようと思っていたのだが、ケイナの方から“振動”が伝わってくる。ああ、オナニーしてから寝るのか、男の子って大変ネ、などと思った。
 
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ところがどうもかなり時間が掛かっているようでる。
 
そしてケイナはひとこと言った。
 
「ダメだぁ。疲れすぎてて逝けない」
「大変ネ」
「学は逝けた?」
「私は疲れたからそのまま寝ようと思ってたけど」
「よくオナニーせずに眠れるな」
 
やはり男の子って大変みたい。
 
(マリナは男だった頃も、オナニーして寝るというのは経験が無い)
 

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「逝かせてあげようか?」
「どうやって?」
「だって、私、慶太の奥さんだし」
と言って、マリナは毛布の中に潜り込むと、慶太のものをつかみ、自分の口に咥えてしまった。
 
「嘘!?」
と慶太が声を挙げる。
 
「女の子にされているつもりになりなよ」
 
「・・・そうしてみようかな」
 
それでマリナは“ソフトクリームを舐めるように”舐めてあげた。慶太はほんの3分ほどで逝ってしまった。マリナの口の中で発射してしまったので、マリナはその粘性のある液体を飲んじゃった!
 
かなり濃い感じがする。たぶん4〜5日出すことができなくて溜まっていたのでは?という気がした。溜まっているのに逝けないので辛かったのだろう。
 
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「ごめん。お前の中で逝っちゃった」
「いいんだよ。私、慶太の奥さんだし」
 
「奥さんかぁ。お前が女だったら、○○コに突っ込んで逝ってみたいけど」
 
「じゃ逝かせてあげる」
「え?」
 
それでマリナは身体を少し浮上させ、慶太の上に乗るようにした。バスト同士がぶつかりレスビアンの気分だ。慶太の器官を手で刺激する。出したばかりなので時間が掛かったものの、やがて彼のものは大きく堅くなった。
 
「女の子に入れているところを想像するといいよ」
とマリナは言い、彼のものを自分の中に入れてしまった。
 
痛い!と入れる瞬間思ったものの、構わず中に入れた。そして自分で腰を動かして彼のものが自分に出入りするようにする。
 
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「気持ちえぇ!」
「良かったね」
「まるで女に入れてるみたいだ。どこに入れてるの?」
「気にしない。気にしない。女の子に入れているつもりになりなよ」
「そうする」
 
彼は2度目であるにも関わらず、5分で逝ってしまった。
 
そして逝ってすぐにそのまま眠ってしまった。
 
「慶太、お疲れ」
と言ってマリナはそっと放出済みの彼のものを自分の身体から抜くと、ティッシュで拭いてあげた。そして眠ってしまった彼の唇に軽くキスして、自分も彼の隣でくっつくようにして寝た。
 
マリナは物凄く幸せな気分のまま、眠りに落ちていった。
 
 
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