広告:ここはグリーン・ウッド (第4巻) (白泉社文庫)
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■春宵(11)

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「海外に・・・写真集撮影か何かですか?」
とマリナが尋ねると
「よくお分かりですね。実はドイツに行って来たんです」
とコスモスが答える。
 
「ローザ+リリンさんは・・・・『ミッドナイトはネルネル』ですか?」
「よく分かりますね!その取材でハワイに行く所なんです」
 
内野音子が一緒なので分かったのだろう。でも新婚旅行ですとまでは言わない。
 
「あの番組、わりと予算あるんですね!」
と桜木ワルツが驚いたように言う。
 
「今回は1時間スペシャルらしくて。年末に放送予定なんですよ」
「ああ。年末の特別番組ですか!」
「アクアもだいぶ年末の番組の撮影こなしてるね」
とスピカ。
「まだ出演したのは3本です。たぶんまだ20本くらいあります」
とアクア本人。
 
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「大変そう!少しお仕事分けてほしいくらい」
とマリナは半分マジで言ってみた。
 
「あら、だったら、まだ出演者が固まっていない番組があったら、おふたりを推薦しておきましょうか」
とコスモスが言うので
 
「はい。ぜひお願いします!」
とマリナは言ったが、そのおかげで、年末年始の番組に8本も出ることになるとは、この時、マリナも思わなかった。その出演を通してローザ+リリンの人気は更に上がることになるのである。
 

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マリナたちは出国手続きをして、その日の夜の飛行機でハワイに向かった。
 
NRT 11/10 22:05 (HA5391 B787) 同日10:00 HNL (6'55)
 
到着した当日は、入国手続きの後、お昼を食べてからカメハメハ大王の像・イオラニ宮殿を見学した後、マノアの滝まで歩いて往復したのだが、この映像はほとんどカットされていた(大王像の前で並ぶケイナとマリナをわずか1秒映しただけ)。そして夕食後、ケイナがマリナをお姫様抱っこしてベッドへというシーンを撮影して1日目を終了した。
 

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2日目はまず2人ともビキニの水着を着て、ワイキキビーチを歩き、水浴びしたり、海で泳いだりした。この映像はまるで女友だち2人でハワイに遊びに来たかのようである(ケイナとマリナは36歳と34歳である、念のため)。
 
水泳はふたりともできるので、少し沖まで泳いで出る所をボートに乗ったカメラマンと内野音子が撮影・レポートした。ちなみに内野音子もケイナに「あなたもビキニになりなさいよ」と言われて、ビキニを着せられた。
 
「私、ビキニ持って来てないもん」
と言ったのだが、カメラマンが
「これ左蔵プロデューサーからのプレゼントです」
と言ってビキニの水着が出てきた。
 
「だけどケイナさんも、マリナさんも、素敵なビキニ姿ですね」
と内野音子は感心したように言う。
 
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「身体をいじめているから」
とマリナ。内野音子のビキニ姿については敢えて論評しない!
 
ケイナもマリナも見た目はウェストがくびれていて、バストもDカップくらいあって、凸凹凸のセクシーボディである。むろん股間には膨らみのようなものは見当たらない。
 
「私たちはひたすらドサ廻りだから、このビキニ姿からビキニも脱いで、更におっぱいも外して、男の身体を露出して、観客のおばちゃんたちに『きゃーっ』て悲鳴あげられるのが定番だったんだけどね」
とマリナは説明する。
 
「でも散々警察に呼ばれて注意されたから、もう5〜6年それやってないね。絶対裸にならないって誓約書を提出しないと興行許可が取れなくてさ」
とケイナ。
 
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「だけどケイナさん、これ付いてるように見えないんですが、本当に付いてるんですよね」
と内野音子はケイナのお股に触りながら!言う。
 
「隠し方があるのよ、って触るのはさすがにやめて」
とケイナ。
 
「本当に付いていないマリナさんと比べても違いが分からないし」
と内野音子は言うが
 
「私も付いてるんだけど」
とマリナ。
 
「マリナさんは手術して取っちゃったんでしょ?」
「取ってないわよ」
「はいはい、そういうことにしておきましょうね」
 
マリナはこの番組は“変な噂”を増殖させてるなと思った。
 

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午後からはケイナ・マリナ、ついでに内野音子まで観光客向けのフラダンス教室に参加した。
 
3人ともフラの衣装を勧められたのだが、内野音子は「お腹が不自由なので遠慮します」と言って、普通の服の上にバウ(ギャザースカート)を穿くことにした。ケイナとマリナは、ココナッツのブラジャーに、ティーリーフのスカートである。これに3人とも手首にはイイ(ハンドタッセル)を付ける。
 
それで先生に付いて習ったのだが、先生がケイナとマリナに
「あんたたち習ったことある?」
と尋ねる。
 
「9月にタヒチアンダンスを習いました」
「それでか。だったらあんたたちはそちらの先生に習いなさい」
と言われ、5分で初心者コースを卒業して、中級コースに進んだ。
 
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カメラは内野音子を放置して中級コースの教室に行く(内野音子が「行っちゃうの?」という顔をする)。
 
それで中級コースの先生に習ったが
「あなたたちスシがいいね」
などと日本語で言われていた。(きっと「筋がいい」の間違い)
 
1時間ほどのレッスンを経て、他の生徒さんたちと一緒に交替でレストランのステージで踊るが、ケイナとマリナのダンスには結構熱い拍手や歓声が送られていた。ふたりとも腰をたくさん動かして踊ることが出来る(ハワイアンの方がタヒチアンよりスローである)ので、かなり様になったようである。内野音子は他の数人の初心者さんと一緒に踊ったが、暖かい拍手送られていた。
 

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夕方近くになって(定員の関係で)ケイナとマリナにカメラマンの3人だけでヘリコプターに乗り、1時間ちょっとのフライトでビッグアイランドの異称もあるハワイ列島最大の島・ハワイ島に到達する(ホノルルがあるのはオアフ島)。途中の窓から見る島々の風景も素敵だったが、ハワイ島の活火山、キラウェアとマウナロアが迫力だった。
 
ハワイの最高峰・マウナケアの山頂(4205m, 休火山)に降り立ち、ここからハワイ諸島の島々に沈んでいく夕日を見たが、物凄く美しくて、レポーター役を任されていたマリナもその時間はしゃべるのを忘れて、ただただ見詰めていた。カメラマンは仕事を忘れずに、夕日を背にして、感動している2人を撮していた。(夕日自体は固定カメラでも撮っている)
 
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「だけどそもそもハワイまでの往復運賃も掛かっているし、ヘリコプターツアーとか、いつからこの番組こんなに予算が潤沢になったんですかね?」
とマリナが尋ねる。
 
「あ、そうそう。この番組、1月からゴールデンに移動するらしいですよ」
「嘘!?」
「それを機会に、ローザ+リリンのお2人もレギュラーになってもらえたらとプロデューサーが言ってました」
「ホントに?やるやる!」
と2人は乗り気である。
 
「後で左蔵からお話があると思います。でもゴールデンに行くと、下ネタとかあまり出せなくなるかも知れないけど」
「ああ。この番組の持ち味が死なないといいね」
「チャンネルさんもそれを少し心配してました」
「まあ一部危険な芸人はいるな」
 
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揚浜フラフラとか、健康バッドとか、芸人クラウドとか、とマリナは考えてからこの番組の主力じゃん!と思った。
 
「あいつら全員女装させる?女装じゃあまり下ネタできないでしょ」
「女装させると別の苦情が来る人もありそうで」
「芸人クラウドの女装は私、あの夜、悪夢に見たよ」
とケイナが言っている。
 
「それで制作費が増額されるので、今回はおふたりにチャペルで結婚式をあげてもらおうという意見もあったんですが、信者さん以外は挙式料10万円かかるということだったんでそれはギブアップしたんですよ」
 
「それ本当に困ってるんだけど、私たち結婚とかしてないから」
とマリナは本当に困ったように言ったがカメラマンは
 
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「だから結婚式を挙げるんでしょう?」
などと言った。
 
マリナは後日「あの時は七山さんに完全に欺された」と言っていた。
 

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3日目は、午前中、ハワイ最大のショッピングモール、アラモアナ・センターに行き、ショッピングを楽しむ。おなじみのマカダミア・ナッツ、ハワイコナコーヒー、アカカフォールズファームのリリコイ・ジャム、など食品のお土産など買う。
 
内野音子が2人を乗せて、1着1200ドル(約13万円)もする素敵な絹のドレスを購入させた。青いドレスと白いドレスのペアで、ケイナ用が青、マリナ用が白である。代金は2着まとめてマリナのカード(Marina Mizusaki名義)で払った。
 
「自腹なのか」
「さすがにそこまで番組予算がありません」
「まあいいけどね」
 
この時、パスポートの提示を求められたので提示する。店員さんは名義を見比べただけで頷いていた。マリナはクレカの名義変更が間に合って良かったと思った。カメラはカードやパスポートを撮していない。
 
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お昼前にアラモアナ・センターを出て、近くのBuncan Jewelry と書かれたお店に行く。名前の読み方はバンカンだろうか、ビュンカンだろうか。
 
「ねぇ、ここでもまた自腹で買物させる気?」
「新婚旅行でしょ?景気よく行きましょう」
「だから結婚してないってのに」
 
取り敢えず入ろうとするが、鍵が掛かっていて入れない。
 
「お休みかな。良かったね」
とケイナ。
「いえ、ここはセキュリティのためいつも鍵が掛かっているんです」
と内野音子。
「ちょっと待って、それ、凄く高い店なのでは?」
とマリナ。
 

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でも内野音子はベルを鳴らしてドアを開けてもらう。
 
カメラマンの入店が断られる!
 
それでこの先は映像無しで、内野音子がポケットに入れていたICレコーダーによる音声録音だけの放送になった。ちなみにケイナは男装(アロハ+ホワイトスラックス)でマリナか女装(ムームー)なのでふたりはカップルに見える。内野音子(アロハ+絞り染め(タイダイ tie-dye)のスカート)はその2人のメイドか何かと思われた感じもある。
 
「これは・・・素敵なアクセサリーが並んでいる」
とマリナはマジで声を挙げた。
 
「きれいだね」
とケイナも並んでいる指輪やペンダント、ブレスレットなどに見とれている。手頃なシルバー製から、ハワイ固有種・コア(Acacia koa)の木を使用したもの、結構なお値段のするゴールド製まで色々である。
 
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店員さんがマリナとケイナを歓迎するように日本語で話しかけてきた。
 
「新婚さんですか?ハワイ旅行の記念にこれなどどうです?」
と言って指し示すのは、豪華な装飾が施されたダイヤモンドのゴールドリンクである。お値段は3万ドル(327万円)だ。
 
こんなの自腹で買わされててはたまらんと思ったマリナが
「Beautiful! but, no thank you. We are poor」
と言う。
 
すると店員さんは
「だったら、これはどうです。コアの木のリングです。コアはハワイでしか育たない木で、年間の伐採量が制限されているんですよ」
と言う。
 
見ると、どうもマリッジリング仕様のようだ。2つ並べてある。彫刻が豪華だ。
 
「What is the stone on the ring?」
とマリナは尋ねてみた。
 
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「男性用のに載っている大きな石はターコイズ、女性用のに載っているのは“ハワイのダイヤモンド”と呼ばれるペリドットです」
 

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「I heard Peridot in Hawaii has exhausted?」
とマリナが訊く。
 
「よくご存じですね。現在ではほとんど産出されません。うちも僅かに在庫を持っていますが店頭には出していません。オーダー頂ければ特別に指輪に致しますが」
「No thank you. It seems too expensive」
 
「このターコイスもペリドットもアメリカのアリゾナ州で産出されたものです」
と店員さんは言った。
 
正直に説明してくれたことに、マリナは好感を持った。
 

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「さあさあ、マリナさん、買いますか?買いませんか?」
と内野音子が煽る。
 
「じゃサイズが合ったら」
とマリナは言った。木製リングは延ばしたり継いだりできないからサイズ調整は困難なはずだ。
 
「合わせてみましょう」
と内野音子が言い、店員さんがショーケースの鍵を開けて指輪を取り出す。まず女性用の指輪をマリナの左手薬指に入れると、きれいに填まる。この瞬間、マリナは「やられた!」と思った。
 
続けて男性用をケイナの左手薬指に填める。きれいに填まる!
 
「嘘。なんでこんなにピタリと填まるの?」
とケイナは驚いている。
 
マリナは予め自分たち用に用意させていたようだと思ったが、まだケイナは気づいていないようだ。しかしわざわざ用意してくれていたものを買わないわけにもいかない。取材先に迷惑を掛けないのが、芸人魂だ。
 
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「だったらドレス代は私が出したから、これはケイナが買ってよ」
と言う。
 
「え〜?買うの?」
と言っているケイナは全く気づいていないようである。
 
「まあいいか。こないだのツアーのギャラももらったし」
と言って、ケイナが自分のVISAカード(Keita Hino名義)でそのペアリングを買った。お値段は2個セット、メッセージ入れ込みで1800ドル(19.6万円)である。
 
もっともドル表示なので、ケイナは金額をよく理解していないかも、とマリナは思った。海外ではそれでわりと買物しすぎたりする。
 
指輪はメッセージ(from K with love, from M with faith)を入れるので、今日の夕方以降に取りに来てということで、控えをもらった。内野音子が「スタッフに取りに行かせますよ」というので彼女に控えを渡した。
 
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