広告:まりあ†ほりっく 第2巻 [DVD]
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■春宵(9)

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(C)Eriko Kawaguchi 2020-06-28
 
2019年9月30日、青葉はこの日“大きな買物”をしたのだが、その夜、スマホにメールがある。見ると8月に示野で遭遇した高浜アリスである。折り入ってご相談があるのだが、お時間は取れないでしょうか?ということである。今日の大きな買物の件だろうか、などとも思いながら、連絡を取ってみる。
 
青葉が彼女に電話して、短時間であれば明日でもいいですよ、と言うと「参ります」ということであったので、彼女の便を考えて、氷見市内で会うことにした。
 
高岡市に住む青葉にとっては氷見は隣町である。R415を少し北上すればよい。
 
志賀町に住むアリスは、
 
西山IC(のと里山海道)徳田大津JCT(能越自動車道)氷見IC
 
と走ってくれば良い。1時間も掛からないであろう。
 
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それで氷見市内の、うどん屋さん(氷見うどんの店:わりと高級感がある)で会ったのだが、アリスは
 
「実はドイル先生のお姉さんに四国で会ったんですよ」
と言った。
「千里姉ですか?」
「はい、そうです。それで色々相談事に乗ってくださって、私たくさん泣いたんですけど、随分心が晴れました」
 
四国で会ったとすれば、それは1番だろうなと思う。
 
「それは良かったです」
 
「亡くなった彼が、私の守護に入っていると言われました」
 
ああ、言っちゃったかと青葉は思う。お遍路を満願した時に別れが辛くなるからと思い、敢えて言わなかったのに。
 
「でも満願したら、彼は私の所から居なくなるだろうと言われました」
 
そこまて言っちゃったのか!
 
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「でも私は四国を歩こうと思います。彼が次の段階に進むために私が役に立つのなら頑張ります」
 
「そこまで覚悟なさったのなら、迷わず先に進みましょう」
と青葉が言うと
 
「ああ、やはりドイル先生もご存じだったんですね」
と彼女は言う。
 
「先日ご相談させていただいた時に、ドイル先生、彼が私の守護に入っているとお考えなのではという気はしたのですが」
 
青葉は苦笑した。
 
「あなたには嘘がつけないようですね」
 
(千里や《姫様》に言わせれば、青葉の隠すのが下手なだけ!)
 
「それで今回は鳴門市から高知市まで歩いたんですが、11月くらいに今度は高知市から西予市くらいまで歩こうと思っています」
 
「頑張りますね」
 
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「そして春になってから残りを歩いて、彼の命日までには満願したいなと思っているんですよ」
 
「彼の命日は、こないだ私がお会いした日?」
 
「どうして分かるんですか!?ほんとに凄い方たちですね」
とアリスは本当に驚いたように言った。
 

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「それと、ご報告なんですけど、私、突然女になっちゃったんですよ」
 
青葉は頭を抱えたくなった。千里姉ったら、やっちゃったな?
 
しかし青葉は表情を変えずに笑顔で言った。
 
「それは良かったです。きっと、あなたに彼の忘れ形見を産むようにという天の思し召しかも知れませんね」
 
「先生、私が女になったと聞いても驚かれないんですか?」
 
「ええ。性別が自然に変わるって、たまにあることなんですよ。変わったのは何日ですか?」
「ちょうど千里先生にお会いした翌日、9月22日ですね」
 
青葉は手帳を見た。そして言った。
 
「だったら、きっと10月6日くらいに、初潮が来ますよ」
 
「しょちょうって」
「初めての生理ですね」
 
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「やはり、私、生理が来ると思います?」
 
「来ると思いますよ。だから赤ちゃん産めますよ」
 
と青葉は答えた。千里姉のせいであれば、アリスは完全に性転換しているはずで、当然妊娠能力もあるはずなのである。
 
「でも私、何だか春の宵の夢でも見ているみたいで」
「夢なら夢でもいいじゃないですか。夢を見ている間に幸せをたっぷり味わいましょう」
「そうですね!そうします」
と高浜アリスは明るく答えた。
 

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西湖たちはお昼休みに雑談をしていた。
 
「同音異義語って紛らわしいよね」
と伊代は言った。
 
「“喜捨した記者が貴社に汽車で帰社する”の世界ね」
と水希が言う。
 
「“こうしょう”とか多いよ」
と文佳が言って紙に書き始めた。
 
口承文学の口承
論功行賞の行賞
時代考証の考証
金鉱とかの鉱床
学校のマーク、校章
難しい話、高尚
匠(たくみ)の工匠
その中で特にうまい人は巧匠
士農工商の工商
海軍工廠の工廠
貴族や大臣の公相
厚生大臣の厚相
工業大臣とか鉱業大臣とかいたら、きっと工相、鉱相
公(おおやけ)に称する公称
公認の売春婦、公娼
公証人の公証
昔の高等商業学校、高商
高く飛ぶこと、高翔
高く歌うこと、高唱
相手の承諾のことを言う尊敬語、高承
公務中に怪我をした公傷
動物に噛まれた傷、咬傷
お話し合いの交渉
中国音階の音名、黄鐘
中国で使われていた紙幣の一種、交鈔
中国の昔の行政機関、行省
中国の昔の国の名前、高昌
日本で15世紀に使われた年号、康正。太田道灌が江戸城を作ったのが康正年間。
平安時代の仏師の名前、康尚
17世紀の中国の作家、洪昇
作り笑いのこと、巧笑
大笑いのこと、洪笑
大きな鐘、洪鐘
投降した将軍、降将
お坊さんの役職のひとつ、綱掌
 
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と文佳は30個以上の“こうしょう”を書きながら解説した。
 
「聞いたことも見たこともない単語が多い」
と多くの子の意見。
 
「しかし随分あるね」
「多分まだある」
「高松(たかまつ)の中国語読みとか」
「おぉ凄い!」
 
「実際には音読みかもね。現代中国語なら多分カオソンくらいかな」
と瀬梨香。
「ほほぉ」
「中国語できるんだ?」
「いや、こないだ番組の撮影で台湾に行ったから」
「行ってたね!」
「あの食事代は本当に自腹?」
「自腹。今月のお給料半分になっちゃった」
「あれマジで払わされるんだ?」
「可哀想。せっかく台湾まで行って」
「負けちゃったし」
と瀬梨香は言っている。高校生に8人分の食事代をマジで払わせるとは凄い番組だな、と西湖は思った。
 
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「でも到着した松山空港が、ソンシャン空港で、高雄はカオションだったから、その組合せなら高松はカオソンかなと」
「なるほどぉ」
 

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「こないだ私も同音異義語でやられた」
と紀子が発言した時、多くの子が“警戒”した。この子は概して“下ネタ”が多い。
 
「“鹿島市”にある有名神社は?というからさ」
と紀子は市の名前を字で書いてみせる。
 
「ああ、分かった」
と瀬梨香が言った。
 
「鹿島なら鹿島神宮でしょ?」
と伊代が言うと
「ブッブッー」
と紀子は不正解音を発音する。
 
「祐徳(ゆうとく)稲荷だよね?」
と瀬梨香が言う。
 
「それが正解。鹿島神宮のあるのは鹿嶋市、鹿島市は佐賀県で、そちらは祐徳稲荷がある」
と紀子は解説した。
 
「それで罰ゲームは自腹でここに行ってラーメン食べてこいと言われたのよ」
と言って紀子は
“大田市”
と書く。
 
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「のりちゃんも自腹か!」
と瀬梨香。
「あ、分かった」
と文佳。
 
「大田区くらい別にいいやと思って同意したらさぁ」
「大田区(おおたく)じゃなくて大田市(おおだし)なのね?」
「そうだったのよ。大田市って島根県だったのよね」
「ああ、それは大変だったね」
 
「もう私の今月お給料飛んじゃったよ」
「ああ、可哀想に。給料安いのに」
 
「ちなみに大田市に代官山動物園ってあったよ」
「へー!」
 

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紀子はここでやめておけば良かった。
 
「ケンネルさんったら、しゃせい大会でもいいぞと言ったのよね」
「写生のほうが楽だったのでは?のりちゃん、わりと絵がうまいし」
と伊代は言っているが、文佳は頭を抱えている。
 
「『お前しゃせいできるのか?』と言うから『わりと好きですよ』と
言ったらさぁ」
 
「のりちゃん、そのあたりでやめなさい」
と優美が言うが、紀子は続ける。
 
「『そうか。お前ちんこ付いてたのか?ニューハーフだったのか?』と言われた」
と紀子。
 
「“しゃせい”は“しゃせい”でも、男の子専用の機能ね」
とわざわざ水希が解説する。
 
「だけど、番組撮影終了後、ケンネルさんと話してたら、男の子って、毎日しゃせいして、溜まった精子を体外に排出しないと、精子が溜まりすぎてちんちんが詰まって死んじゃうんだって?」
 
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「死なない、死なない」
と瀬梨香。
 
「余った分は体内に吸収されるだけだよ」
と優美。
「え?そうなの?てっきり信じちゃったよ」
と紀子。
 
「あまりちゃんと性教育受けてなさそうな女の子をからかったんだな」
と文佳。
 
「毎日やってる子は少ないよ。普通は1週間に1回くらいらしいよ」
「週に2〜3回じゃないの?」
「いや、実際毎日してる子がほとんどらしいよ」
「あれ?そうなの?」
と女子たちの意見は分かれる。
 
「1日に2〜3回する子も結構いるらしいよ」
「そんな毎日何度もしたくなるほど楽しいものなの?」
「あれってせずにいようと思っても、してしまうらしいね。男の子はちんちんの奴隷なんだよ」
「可哀想」
「奴隷から解放してあげたいね」
「どうやって」
「支配者を身体から切り離してしまうとか?」
「まあ過激ね」
「つまり男の子辞めないと無理ということか」
 
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「男の娘ってのは、ちんちんの奴隷から解放されて自由になりたいのかも」
「アクアちゃんなら週に1回くらいかもね」
「アクアちゃんは、しゃせいしないと思うな」
「男の子なら、しゃせいくらいするのでは?」
「アクアちゃんは、ちんちん付いてないはず」
「ああ、その説が有力だよね」
 
なんか凄い会話してるなという気もする。
 
西湖も、アクアさんの真実はどうなんだろう?と疑問を感じた。ちなみに西湖は今は女の子になっているので、しゃせいのしようもないが、男の子だった中学生時代にも実はほとんどしていない。それはずっとタックしていて、物理的に不可能だったからである。西湖が最後に自慰したのは小学6年生の時「念のため」と言われて精液の冷凍を作った時で、その前は、まだ§§プロと契約する前の5年生の時である。6年生の時はその精液採取以外では射精していない。
 
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「射精って凄く楽しいね」
と佐理がほんとに楽しそうに言うので、真倫も
「よかったね」
と言った。
 
「まりりんもしてたんでしょ?」
「私は射精の経験は無いよ」
と真倫。
「オナニーしてなかった?」
と佐理が尋ねる。
 
「私は自分は女の子だから男の子の機能は使わないことにしようと決めてからしなくなった。実はまだ小学4年生の頃に数回したことがあったけど、当時は精液は出なかったんだよ。でも物凄く罪悪感を感じた。私、女の子なのにこんなことしてしまってと。だからしないことにしたから、それ以降1度も自慰はしていない。こないだ女の子になってから初めて女の子の自慰を経験して解放された気分だった」
 
夢精では時々出ていて、物凄く気持ち良かったことは取り敢えず内緒にしておく。
 
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「女の自慰なんて大して気持ち良くないよ。男のオナニーは最高だよ」
と佐理は言う。
「私と毎日3〜4回セックスしてるのに、オナニーもするんだ?」
と真倫は呆れ気味に言う。
 
「オナニーとセックスは別だよ」
「そんなに射精してよく体力持つね。ちんちん痛くならない?」
「ちんちんは平気。まりりんが良ければ日に10回くらいしたいけど」
「やめてー。私、壊れる」
「うん。やりすぎるとまりりんが辛いかもと思って、セックスはせいぜい5回くらいにして、あとはオナニーしてる」
 
「すけちゃん、ちんちんの奴隷になってる」
「奴隷結構。ちんちんを使って使って使いまくる」
「ちんちんに使われている気がする」
 

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「射精気持ちいいよぉ、嬉しいよぉ」
などと言うケイナに
「良かったね」
とマリナは微笑んで答えた。
 
「お前もしてるだろう?」
とケイナが尋ねるが
「私はオナニーあまりしないよ」
とマリナは答えておく。
 
「そうか?たくさんすればいいのに。俺たちどうせ女とは付き合えないしさ」
とケイナは言った。
 

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「射精したいよぉ」
と貴司はその日も“逝く”ことができずに、嘆いた。
 
10月18日に千里から(と思っている)久しぶりに、ちんちんを返してもらったものの、睾丸は返してもらえなかった(と思っている)ので、自分で触っていても逝くことも射精することもできない。そもそも勃起しないのである。実はローターも所有しているものの、ローターの振動では確かに気持ち良くはなるものの、やはり逝くことが出来ない。
 
美映は貴司がEDだと思っているので、美映自身、そんなに性欲も無いし、貴司に求めたりもしない。貴司は夜間、市川ラボで練習した後、居室でシャワーを浴びてから寝る前にオナニーしてみる。しかし全く逝くことができずに辛い思いをしていた。
 
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「やはり僕が浮気しすぎたのが悪いんだろうな」
などと独りごとを言ったりする。(その通り!)
 
「もうずっと浮気してないのに」
などとも貴司は呟いていた。
 
貴司と阿倍子の結婚は千里が貴司の浮気を悉く潰したので維持されていたが、貴司と美映の結婚は千里が貴司の男性器を取り上げたので維持されている、と《きーちゃん》は考えていた。
 

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