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■春宵(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2020-06-21
 
「産めばいいんじゃない?私ちゃんと認知するよ」
と紗希は軽く言った。
 
「だけど男名前で産婦人科に入院したら何と言われるか」
「だったら、女名前に改名する?ついでに性別変更する?現に妊娠しているのなら確実に女だと思ってもらえて、裁判所も性別変更認めてくれるよ」
「それやったら紗希との婚姻を破棄されちゃうよ」
「それは嫌だな」
と紗希も言った。
 
そしてしばらく考えてから紗希はこういう提案をした。
「しばらく入れ替わらない?」
「は?」
 
「私が満彦になって、みっちゃんが紗希になればいい」
「え〜〜?」
 
「だから、みっちゃんは武石紗希の保険証で産婦人科を受診して、それで赤ちゃんを産む。私は男装してその父親のふりをする」
「さっちゃんの男装は充分行ける気がする。でもボク女装するの?」
と満彦は心細そうに言う。
 
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満彦としても女装はさんざんしているが、女装して産婦人科に通うなんて、というのが正直恥ずかしいというより恐い。
 
「女装好きなくせに。それとも世界初の男性出産とか世界中に報道されたい?」
「やだ」
「だったら出産まで入れ替わりね」
と言う紗希はとても楽しそうだった。
 

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「だけどボク会社はどうしよう?」
と満彦は心配そうに言ったが
 
「産休取ればいいじゃん」
と紗希は軽く答えた。
 

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夏樹は10/26は季里子と合流して、季里子がたまたま鍵を預かっていたという都内に住む友人のアパートにいったん避難した。来紗・伊鈴および季里子の両親も一緒である。会社は27日まで臨時休業で28日から営業ということだったので、27日は季里子と夏樹、季里子の父が手分けして買い出しに出た。季里子の母が子供たちの面倒は見ている。
 
それで洋服なども全部無くなってしまったので新たに買うのだが、季里子に唆されて、夏樹は女物の服しか買わなかった。会社に出ていくのに男物が要るよと言ったのだが、季里子は、会社にも女の服で出て行けばいいじゃんと言った。
 
それで10/28は、女性用のスカートスーツを着て出社したのだが、女子の同僚たちは何も言わなかった。それどころか女子更衣室を使えばいいよと言われ、夏樹は男子更衣室にあった荷物を女子更衣室に置いた段ボール箱に移し、結局その後、スカートで出勤してきては、女子更衣室で男子制服に着替え、一応社内では男子制服で勤務するという中途半端なことになってしまった。でも夏樹は女子社員たちの、お茶当番のローテーションに組み込まれ、電話にも“女声で”出るように唆された。
 
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女声で
「YY楽器でございます」
と出た後で、自分の担当の顧客だったような場合
 
「はい、古庄でございますね。少々お待ちください」
と女声で言った所で男声に切り換え
 
「古庄です。おはようございます」
などとやったりするので、周囲の社員が呆れていた。
 
夏樹は会社が終わった後、スカート姿に着替えてから、他の女子社員と一緒におやつを食べに行ったりもするようになった。
 

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ところで生理であるが、夏樹は9/27に道後温泉で初潮になり、すぐ松山市内で30枚入りのナプキンのパックを買っておいた。
 
(夏樹は9/24に性転換しているので本来なら14日後の10/8に初潮が来る所だったのだが、9/24に5回も性転換したので、夏樹の卵子や子宮が混乱して早く生理が来てしまったのだろう、というのが《くうちゃん》の推測である)
 
ロシア出張には、向こうではナプキンが入手できないかもとは思った(欧米はタンポン派が多くナプキンの使用者が少ないので田舎などでは売っている所が少ないとも聞いた)が1パック丸ごと持って行くのは、かさばるので、10枚だけ持って行っていた。帰国中の機内で2度目の生理が来たが、そろそろだろうとも思っていたし、用意していたナプキンで処理した。しかしアパートが流されてそこに置いていた分が無くなったので補充が必要になる。10枚あれば一応2日目くらいまでは持ちそうな気がしたが、3日目が怪しい気がした。
 
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それでその3日目になる10月27日に買い出しに出た時、既に残り1枚になっていたのでナプキンも買っていたら、季里子が見とがめる。
「生理ごっこ?」
などと訊かれた。“ごっこ”ではなく本当に生理が来ているのだが、説明するのも面倒なので
「うん、見逃して」
と言っておいた。
 

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“出勤のみ女装”と女子更衣室の使用を始めて一週間ほどしてから、課長に呼ばれた。
 
「ねえ、君、もしかして女性になったんだっけ?」
「はい、女性になりました。でもできたらこのままこの会社に勤めさせてください。男としてでいいですから」
 
課長は考えているようだった。
 
「僕は男女差別とかするつもりもないし、性的少数者に対する理解もある程度持っているつもりだ。それに僕にしても社長にしても、君の仕事ぶりも才能も高く評価している。僕個人としては、君が女性になったのなら、女性社員として働いたほうがいいと思う。戸籍はどうなってるの?」
 
「いづれ女性に変更するつもりですが、現時点ではまだ男のままです」
「変更はできるんだ?」
 
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「できるはすです。裁判所の認可を取らないといけないので、色々大変ですけど」
「だったら、そちらは進めてもらうことにして、君の社員証とか健康保険証の性別切り換えは、戸籍の修正が終わってから考えればいいのかな」
 
夏樹は課長が自分の性別変更を理解してくれているようなので、感動した。
 
「ありがとうございます。それでいいです」
「制服はどうする?女子制服を着たいなら着てもいいよ」
「そうですね。それは少し考えさせてください」
「うん。女子制服を着たいなら、若松君にでも言ってね。用意するように言っておくから」
「ありがとうございます」
 

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10月30日に桃香が高岡から戻ってきて桃香は仰天するが(夏樹もここが桃香のアパートだったと知ってびっくりした)、住んでいた所が流されたというと、だったらしばらく居ていいよと言ってくれた。夏樹は桃香と以前一度ガールズオンリーバーで会っているのだが、こちらのことを覚えていないようであった。あの時は深夜だったし、桃香さん酔ってたしなとも思った。
 
(本当は夏樹が完全な女性になってしまったので、桃香の“男の娘と女の子を見分ける”目が作動せず、男の娘だったはずの季里子の元夫とは認識されなかったので、桃香は季里子の別のガールフレンドなのだろうと思ったのである)
 
30日は居候している6人に加えて桃香と彼女の娘2人の合計9人が1DKのアパートに泊まったのだが、季里子は11/2には子供4人(来紗・伊鈴・早月・由美)を連れて、千里さんの旦那さんの実家(千葉市内)に移動した。そちらも床上浸水して大変だったらしいが、知り合いのツテ(千里さんの友人のバスケチームのメンバーらしい)で畳交換と床下清掃をしてもらえて、何とか住めるようになったということだった。
 
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崩壊した夏樹のアパートに関しては、不動産屋さんとの話し合いで契約解除ということになり、敷金を返還してくれた。
 
夏樹は千葉市内に新たにアパートを借りようと思ったのだが、どうも物件が完璧に不足しているようである。
 
「千葉市内は無理だと思うよ。しばらく東京から通勤した方がいいかも」
と季里子も言うので、都内で探すことにした。
 
夏樹は11/2-4の連休に(女の格好で)都内の不動産屋さんをまわり物件を探したが、何とか千葉への通勤に比較的便利な江東区に1Kのアパートを見つけた。実は敷金と最初の2ヶ月分の家賃を払うお金が無かったのだが、季里子のお父さんが出してくれた。夏樹は「ボーナスでお返ししますね」と言ったのだが、お父さんは「君は私の娘同然なんだから、返却は不要だよ」と言った。
 
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“娘”と言ってもらったのは嬉しかった。
 
それで夏樹は11月9日(土)に桃香のアパートから江東区のアパートに引越。11日(月)からは、そのアパートから千葉市内の会社に(OLとして?)出勤するようにした。
 

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もっともアパートは借りたものの、物が全く無い!
 
寝具は桃香のアパートに居候している間に買っておいたものを持ち込んだのだが、最低でも洗濯機と冷蔵庫は必要なのだが、それを買うお金が無い。それで困っていたら桃香さんが「大変だろうから貸してあげるよ」と言って、返済は出世払いでいいと言って、100万円も貸してくれた。夏樹は借用証書を書いたのだが、桃香さんは「こんなの持ってても無くすし」と言って受け取らなかった。
 
(季里子によると多分実際に出してくれたのは桃香さんの元ガールフレンドの千里さんだろうということだった:ちなみに夏樹はこちらで千里に会ったことがないし、水害の後も全く会っていない!)
 
でもこの100万円のお陰で、夏樹は、冷蔵庫(280L Sharp 9万円)・洗濯機(5.5kg Sharp 7万円)・掃除機(紙パック式 日立2万円)・オーブンレンジ(Panasonic 3万円)・炊飯器(5合 Panasonic 4万円)・IHヒーター(Panasonic 1万円×2台)・ケトル(T-fal 0.7万円)・鍋やヤカン(全部で3万円)・まな板(桧製 0.5万円)・包丁(三徳・ペティナイフ・パン切り 3本で1.2万円)・ボウルや食器など(100円ショップで 0.5万円)・エアコン(6畳用 Sharp 6万円)・シーリングライト(LED式 NEC 0.6万円)・アイロン(Panasonic 0.6万円)・中古パソコン(富士通 2万円)・液タブ(Wacom 6万)・外付けハードディスク(Buffalo 1万円)に冬用の寝具(2万円)まで買いそろえることができた。
 
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しかしこれだけ買っても50万円ちょっとである。残額はボーナスが出るまでリザーブしておくことにした。
 
パソコンのソフトは大半はフリーウェアだし、ATOK, オフィス, Adobeのソフトはサブスクリプションだから再ダウンロードで済み、全く費用がかからなかった、ID/Pass関係はUSBメモリに入れてロシアにも持って行っていたので無事だった。実はGoogle Keepに書いておいたものもあったのだが、スマホからも見られるので助かった。
 
季里子の方は、11/18にやっとアパートを見つけたが、こちらは子供2人に両親と5人で住むので、千葉への通勤に便利な江戸川区や江東区では確保できず、結局、北区になった。自宅を再建(保険で再建できるらしい)するまではしばらく大変そうである。引越は11/23(土祝)にあこなったが、この引越作業は、夏樹も桃香も手伝った。千里さんが借りてきてくれた2トントラックを夏樹が運転して物を運んだ。ほんの半月ほど居候していただけなのに、結構な荷物があった。
 
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(この時も千里さんは朝トラックを持って来ただけで「忙しいからごめん」と言って帰ってしまったので、夏樹とは会っていない)
 
(夏樹は2000年に普通免許を取ったので現在は“中型8t限定”になっていて4トン車まで運転することができる(4t車は総重量8t)。季里子も免許を取ったのが2006年で夏樹同様“中型8t限定”だが、大型車は自信が無いと言った。桃香は“準中型5t限定”なので2トン車は運転できるが(2t車は総重量が4〜5t)、桃香には絶対に運転させられない!)
 

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四国への新婚旅行中に双方性転換してしまった真倫と佐理の夫婦だが、新婚旅行中はお互い新しい性になったのが嬉しくて、観光もせずにひたすらセックスしまくっていた。
 
「まりりんは性も姓も変わったね」
などと佐理はダジャレを飛ばしていた。
 
とっても満足して10月19日(土)に米子に帰還。両親に戻って来たことの報告をして、20日(日)は松江のアパートに戻って休んだ。(休んだといっても1日中セックスしまくり、スポーツマンの佐理でもさすがに腰が痛くなった)
 
「俺たちセックスしすぎかなあ」
とさすがに佐理が言ったが
「新婚さんってこんなものだと思うよ。今夜は焼き肉ね」
と真倫は楽しそうに言った。
 
21日(月)からは元気に大学に行く。真倫は大学に改姓の届けを提出した。
 
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