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どういう所を歩いていたのかは分からないが、とにかく私は歩いていた。ひょっとしたら狭い地下通路だったかも知れないが、よく分からない。
右手に箪笥があったので開いてみたら、ワンピースやスーツ、スカートなどがかかっていた。
「早く着なさいよ」と誰かが言った。
私はなんだか少しどきどきしながら、黒と緑のジョーゼットのワンピースを身につけると、裾がひらひらする感触を楽しみながら、その先に歩いて行った。
向こうになにやら明かりが見えてきた。
(2005.2.28)