[*
前頁][0
目次][#
次頁]
白い服の男が最近唐突に夜の町に現れているという。
そして彼に付いていった人は気付いた時は女性になっている。
貴史は1年前に飲み屋の帰りその男を見つけた。今彼は女優になっている。今や水着写真集が爆発的に売れている彼女が1年前はごつい身体をした男であったとは誰も想像できないであろう。
博之は半年前に彼女とのデートの帰りにその男を見た。今彼はその元の彼女が経営している女性だけの会社の専務である。元の彼女は博之に仕事を手伝ってもらえるようになって嬉しがっている。
昨夜私は白い服の男を見た。そして付いていったような気がする。
記憶がはっきりしない。ただ金色の光に覆われていたような気だけがする。そしてその金色の光はいつしか朝の光に変わっていた。
私はゆっくり起きあがると静かにネグリジェの裾をめくった。
(2001.8.7)