[*
前頁][0
目次][#
次頁]
わたしはコンピュータルームで徹夜で仕事をしていた。なんとかメドが 付いてきた。納期に間に合ったな。
事務室でガヤガヤ音がする。朝出勤してきた人たちだろう。そろそろ私も 向こうに行って朝礼に出なければ、と思い、自動テストのジョブを掛けて 端末の前を離れる。そしてコンピュータ室のドアを開けようとして、私は 自分がスカートを履いていることに気が付いた。
どうしよう。でもいつスカートにしたんだっけ。記憶が定かでなかった。 たぶん机のところに行けば制服があるから、それに着替えればいいのだろ うけど、机の回りにはとうぜんたくさん人がいる。
私は困ったまま、ドアの前に立ちつくしていた。
(1990年頃の作品。2000.5.30改変)