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■娘たちのフィータス(11)

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「だったら、(M)を更新すればいいわけ?」
と千里は訊いた。
 
「いや就労許可はFで取ってるからFを更新する必要がある」
「あっそうか」
 
「千里さぁ、この機会に両方とも更新しちゃわない? 千里こんなに頻繁に日本とスペインを往復していたら、どこかでパスポートがやばいことになるよ」
と《きーちゃん》は言う。
 
「なるほど。日本から急な用事でどこかに行くことになったら、日本にいることになっているほうのパスポートで移動すればいい訳か」
「そういうこと」
 
「でも私が2度続けてパスポート更新に行ったら、変に思われるよ」
「だから別の都道府県でやればいいんだよ」
「今その2つに紐付けされている住所は?」
 
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住民票には本籍が記載されるし、戸籍付票には住所の履歴が全て記載されているので、両者は紐付けされている。
 
「留萠の戸籍は元々留萠の住民票と紐付けされていた。千里はそのあと旭川、千葉と引っ越して、玲羅は札幌に引っ越しているから各々移動している」
 
「そちらが普通使っている住民票か」
 
「旭川の戸籍と住民票は元々は美輪子さんのアパートに置かれていたけど、2011年に美輪子さんたちが引っ越してしまったので、その時、一家丸ごと葛西のマンションに引っ越したことにした」
 
「だったら、うちの一家は東京都民なのか!」
 
しかし千里は考える。
 
「でも私千葉から東京に引っ越しちゃうよ」
「だから住所変更前にパスポート更新すればいいね」
「10年後は?」
「きっと別の都道府県に移動しているよ」
「そうかもね。埼玉と兵庫なら問題無いね」
「・・・・」
 
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「私、埼玉とか兵庫に住んでるの!?」
「今千里がそう言った」
 

●留萠戸籍の千里の住所
 1991留萠→(高校進学)2006旭川→(大学進学)2009千葉市稲毛区→(アパート崩壊)2011区内移動→(就職?)2015世田谷区→(結婚?)2018.2千葉市緑区→(信次転勤)2018.5名古屋→(信次死亡)2018.7千葉市緑区→(桃香と同居)2019世田谷区→(京平同居)2020.6浦和区→(緩菜同居)2020.12区内移動
 
2019年は由美が千里と信次の戸籍に入れられ、いったん千葉市の住所になった後、世田谷区に引っ越したことにした。千葉市に一時的にも住んでいたことにしたのは康子の希望である。
 
2018の結婚でパスポートも川島千里に変更。2020にいったん村山千里に戻した後、2021年に細川千里に変更。これは細川千里の前姓を川島ではなく村山にするため。
 
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●旭川戸籍の千里の住所
 2010旭川→(美輪子が引越)2011江戸川区→(住宅登記のため)2017姫路市
 
●その他不動産関係のイベント
2008.03 千葉市稲毛区にアパートを借りる
2008.04 江戸川区葛西に駐車場を借りる
2010.12 房総百貨店体育館を借りて改修
2011.01 アパート崩壊し桃香のアパートに同居
2011.02 葛西の駐車場近くにワンルームを借りる
2012.09 常総ラボ完成
2012.10 市川ラボ完成
2014.03 青葉が千葉市玉依姫神社建立
2014.06 玉依姫神社に招き猫設置
2014.08 玉依姫神社の市営駐車場完成。地下に勝手にバスケット練習室設置
2014.08 市川にアパート購入
2015.02 経堂と用賀にアパートを借りて引越
2015.10 玉依姫神社にシーサー設置
2016___ 市川のアパートを建て替え
2017___ 姫路市に戸建てを建設
2017.07 千城台体育館が竣工(16年12月買い取り。2月改築開始)
2017.07 川崎市に千里3用のマンション確保
2018.04 用賀のアパートに西湖が入居
2018.12 小浜ラボ完成(3月に移転)
2019___ 小浜市で若葉と共同で大規模な開発をする
2019.05 千里1が板橋区内にシュート練習場作成
2019.06 熊谷市の郷愁村に50mプール完成(7月アクアリゾート営業開始)
2019.07 貴司と美映が姫路に引っ越し
2020.03 貴司と美映が埼玉県川口市に引っ越し
2020.12 浦和区内に中古住宅購入。改造。
 
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それで千里はパスポートの更新に必要な戸籍謄本を取るため留萠まで往復して来た。
 
HND 3/5 6:40 (HD81 737-500) 8:20 AKJ
 
空港のレンタカーでヴィッツを借りてまずは旭川市役所に行き、ここで“旭川戸籍”の戸籍謄本を取る。戸籍を見ると、自分が長女、玲羅が二女と記載されているので「すごーい」と思う。
 
そのあと留萠市役所までヴィッツで走って行き、今度は“留萠戸籍”の謄本を取った。これは千里単独の戸籍である。分籍後性別変更したので、性別は男から女に変更されている。
 
そのあと実家に行った。母は仕事に出ていて、父が在宅していたが、千里は
 
「お父ちゃん、近くまで来たから寄った。これお土産ね」
と言って、剣菱(兵庫県の酒蔵)の瑞祥黒松剣菱を1本置くと、父が目を丸くしていた。
 
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「それからこれ卒業祝い。お父ちゃん、よく卒業まで頑張ったね」
と言って、千里はミラン(スペインの文具メーカー)の金色ボディの3色ボールペン(ケース・リフィル付き)を入れたリボンの掛かった包み(包み紙はスペインのデパート、エル・コルテ・イングレスのもの)を渡した。
 
「あ、千里・・・」
と父が何か言おうとしているのを放置して、千里はヴィッツに飛び乗り、実家を後にした。
 
その後、貴司の実家にも行くが誰も居なかったので、お土産のスペインのフルーツケーキを郵便受けに押し込んだ。その後、車で旭川まで戻り、美輪子叔母の家に行くがここもお留守だったので、やはりフルーツケーキを郵便受けに押し込み、旭川空港まで戻った。車を返却して羽田に戻った。
 
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AKJ 3/5 15:30 (JL1112 737-800) 17:20 HND
 
《すーちゃん》も翌朝、成田に戻ってくる。
 
CDG 3/5(Thu) 13:40 (AF276 777-300) 3/6(Fri) 9:40 NRT
 

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●公的書類の紐付け(2015.3現在)
留萠戸籍:住民票は現在千葉市稲毛区−パスポート(M)
旭川戸籍:住民票は現在東京都江戸川区−パスポート(F)
 

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千里は6日は朝いちばんに稲毛区役所に行って住民票を取った上で、千葉駅近くにある県旅券事務所に行き、“留萠戸籍”、千葉市の住民票、失効したパスポート(M)と共に新規パスポート発行の申請をした。
 
6日(金)に申し込んだので、受け取りは13日以降になる(新(M))。
 
その後、千葉駅から電車で移動して、葛西駅で降り、江戸川区役所葛西事務所に行って住民票を取る。その間に《すーちゃん》は成田に到着し、パスポート(F)を使って入国、スカイライナーで東京に移動する。
 
千里は池袋で《すーちゃん》と合流し、彼女からパスポートを受け取り、池袋のパスポートセンターに入り、“旭川戸籍”、江戸川区の住民票、現在使用中のパスポート(F)とともに、パスポートの更新を申請した。
 
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こちらも受け取りは13日以降である(新(F))。
 
《すーちゃん》にはそれまでの間、休暇をあげて、羽根を休ませてもらった(そもそも彼女は鳥族)。彼女はその間、群馬県の山奥の温泉で1週間ボーっとして過ごしたらしい。
 
そして新しいパスポート(F)を持って、16日にスペインに戻ってもらった。
 
NRT 3/16(Mon) 12:10 (AF275 737-300) 16:55 CDG
 
この場合、千里のビザ(就労ビザ)は旧旅券(F)に記載されているので、パリでの入国の際には、新旧両方のパスポートを提示した。これはスペインの移民局で手続きをすれば新パスポートにビザを転記してくれるはずである。
 

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3月4日、バスケット JAPAN TASK FORCE の第2回会合が開かれた。ここで川淵らは、一部参入の目安として、「年間収入2億5千万円以上」という条件を追加した。
 
サッカーのJリーグを作った時は、チーム名に企業名は入れない、あくまで地域に根ざしたチームにするという条件を堅持し、読売新聞系のヴェルディと対立、結果的に読売新聞がヴェルディの運営から撤退することになっていったのだが、今回のバスケットの新リーグ設立では「企業名を残してもいい」と最初から妥協案を提示した。川淵は企業名を残す条件として、
 
・企業名をチーム名に残す場合はリーグに毎年3000万円を拠出する
 
というのを付けたのである。するとこの時点で企業名を残したいと言っていた5チームから1億5000万円が得られることになり、初期段階での運転資金に苦労しそうなリーグ運営にも助かると川淵は考えたのである。
 
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しかしこの条件を聞いたトヨタ社長・豊田章男は「企業名無しで行け」とチーム幹部に指示した。するとトヨタさんが名前を出さないのならと、他の企業チームも「企業名無しでいい」と言ってくれたので、結局Jリーグ同様、企業名を入れない、純粋なプロクラブチームとしてスタートすることができるようになった。
 
この時点で、NBL, bj のほぼ全チームが新リーグに移行できるメドが立ったのである。
 
川淵は後日この時のことを振り返って、最初から「企業名はNG」という線を提示していたら、幾つかのチームが反発してリーグを統一できなかったかも知れないと述べている。最初に敢えて妥協案を提示したことが、結果的に成功につながったのである。このあたりは、川淵は、そして日本のバスケット界は運が良かったとしか言いようがない。
 
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2015年3月18日(水)、FIBAから日本バスケットボール協会に、7月18-26日にロシアで開かれる U19女子世界選手権に、日本は資格停止中であるので出場はできないという連絡が届いた(アジア選手権4位の台湾が繰り上げ出場することになる)。
 
この決定は日本のバスケット関係者にかなりの衝撃を与えた。資格停止といっても実際には大会には出してくれるんじゃないか?と甘い考えの者も、特に守旧派には多かったのが、この参加不可決定は、FIBAの本気度を日本に再認識させる結果となった。結果的にはそれで男子リーグの統一を推進することにもなった。
 
しかし、おとなの男子リーグの問題が元で資格停止をくらったのに、女子のジュニアが犠牲になるという、極めて理不尽な結果となり、国内の女子バスケットボール関係者の間からは怒りの声が多数あがった。
 
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この通知が公表された日、旭川N高校2年生でU19女子日本代表の中心選手でもあった福井英美は千里の所に電話して来て、半分は怒りながら半分は泣きながら3時間も千里と話した。千里は、彼女をなだめたりはせず、自分も怒っていると言って、この場限りということで、お互い憤懣を随分ぶつけ合ったら、彼女も少しはスッキリしたようであった。
 
「2年後イタリアでのU19世界選手権でリベンジして、リバウンド世界女王になろう」
 
「はい、私また頑張ります」
と最後は英美も元気に言った。
 

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