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■娘たちのフィータス(10)

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出席者の中で顔を見合わせている者もある。それで川崎ゆりこが
 
「そうですね。アクアは美少女と言われるほどの美少年だし、こんなに可愛かったら男でもいいから嫁に欲しいという声もありますし、“彼”と呼ぶには可愛すぎて、つい“彼女”と呼びたくなるかもね」
 
とフォローになっているのかなってないのか、よく分からないことを言う。しかし、ゆりこの言葉に今度は鱒渕が戸惑っているようである。
 
それで小野寺イルザが言った。
 
「あのぉ、もしかして鱒渕さん、アクアちゃんのこと、女の子と誤解してません?」
 
「へ!?」
 
「あのぉ、ボク一応男なんですけどぉ」
とアクアは言った。
 
「うっそー!?」
と鱒渕は叫んだ。
 
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「で、でもセーラー服着てませんでした?」
と鱒渕。
「ああ。広島のローズ+リリーのライブの時、セーラー服で来たから、私嬉しくて狂いそうになった」
とマリが言っている。
 
「あれは偽装工作だったんだけどね。でもアクアは男の子だとしても、セーラー服くらいは普通に着るよ」
とコスモス。
 
変な言い方だ。「男の子だとしても」ではまるで本当は女の子かもという感じの言葉である。本当は男の子であるなら「男の子ではあっても」と言うべき所だ。
 
「でも女子トイレ使っていたし」
 
「アクアは外見が女の子にしか見えないから、男子トイレ使うとトラブルになるんで、女子トイレを使うことになる場合が多いですね。まあアクアが女子トイレや女子更衣室にいても誰も変には思わない」
とケイ。
 
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「だけどうっかり胸触ってしまった時、おっぱいがある気がした」
と鱒渕。
 
「『ときめき病院物語』で女役をするから、胸にブレストフォームを貼り付けて、あれって外すのが大変だから、ずっと貼り付けっぱなしになっていること多いね」
と沢村。
 
「男の子だなんて、思いもよらなかった!」
と鱒渕は言った。
 
「まあ美少女と見紛う美少年ということになっているけど、本当は男の子のふりしている女の子なのでは?という疑惑は若干ある」
と小風。
 
「ネットの『私はロボットではありません』テストで、女の子の写真を選べという問題にアクアの写真が混じっていたら、それをちゃんと選択しなかったらロボットとみなされると思う」
と光帆。
 
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「そういう訳でアクアは戸籍上は男子で、本人も自分は男子であると主張しているし、男性器が付いている可能性もあるけど、女の子に準じて扱った方が揉め事は少ないし、女の子の服を着せて、女子トイレ・女子更衣室を使わせ、女湯に入れても構わない」
とマリ。
 
「女湯は無茶です!」
とアクア。
 
「まあ20歳までには性転換手術受けさせちゃって女の子に変えてあげてもいいよね」
 
と松浦紗雪。
 
「結局女の子になりたい男の子?」
と鱒渕は尋ねる。
 
「女の子にはなりたくないですー」
とアクア。
 
「でもちんちん無くなってもいいんだよね?」
とマリ。
 
「無いと困ります」
とアクア。
 
「でも性転換手術しちゃったら、それでも生きていけるでしょ?」
と音羽。
 
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「性転換手術は勘弁してください」
 
「でも中学生でしょ。この声ってまだ声変わりがしてないんですよね。もしかして去勢だけしてる?」
 
「この子小さい頃大病をしたから、成長が遅いんですよ。それでまだ第2次性徴が来ていないんですよね。中学卒業する頃までには来るんじゃないかと思うけどね」
と春風アルト。
 
鱒渕は考えた。そして言った。
 
「アクアちゃん、声変わりするなんてもったいない。女の子になりたくないのならちんちんは取らないにしても、睾丸は取ってもらえば?」
 
「嫌です」
とアクアは言ったが、多くの人が
 
「睾丸取るの賛成!」
と言った。
 
「まあこの子が20歳まで睾丸をつけたままでいる確率はマイナス200%くらいかな」
とマリ。
 
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「そもそも現在もう既に睾丸は無いのではないかという可能性も92%くらいあるね」
とコスモス。
 
しかしそういう訳で翌々日3月8日のイベントでは鱒渕は
「つい2日前まで、私アクアさんのことを女の子とばかり思い込んでいました。ごめんなさい」
と述べて、会場から爆笑が起きていた。そして会場からは
 
「アクアちゃん、女の子になっちゃってもいいよ」
という声も多数あがっていた。
 

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千里と桃香は大学2年の年末頃から千葉市内の同じアパートで共同生活(?)していたのだが、3月に大学院を卒業するのを機に“味噌汁の冷めない距離”の別々のアパートに住むことにし、桃香は小田急・経堂駅の南側、千里は東急・用賀駅の北側にアパートを確保した。東急のこの付近だけがなぜか北側に膨らんでいるため経堂駅と用賀駅は直線距離で2.7kmくらいしか離れていない。
 
2人は12月末に別れて済むこと、経堂・用賀の近くに住むことを決め、2月中に都合の良い所を見つけて契約した。桃香は家賃を二重に払うのはもったいないから3月になってから探せばいいと言っていたのだが、それでは埋まってしまうよと言って2月上旬に探したので、うまい所を見つけることができた。
 
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もっとも二重払いといっても、新しいアパートの家賃は桃香の所が49,000円、千里の所が15,000円であるのに対して今住んでいる所は6000円である。
 
各々の新しいアパート間の距離は2kmを割り込む。
 
千里は各々のアパート近くに駐車場も1枠ずつ契約した。片方にミラ、片方にインプレッサを置いておこうという魂胆である。
 
『これで用賀から経堂へはインプで、経堂から用賀へはミラで移動できるね』
と考えたのだが、《りくちゃん》が指摘する。
 
『千里、それ用賀に駐めているミラで経堂に行ったらどこに駐めるんだ?』
『・・・・』
 
『何も考えてなかったのか!?』
『小学生でもこのくらい分かるぞ』
 
『仕方ない。俺がもう一方の車は回送してやるよ』
と《こうちゃん》が言った。
 
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『ごめーん』
 

桃香が契約した経堂のアパートは、色々怪しい所はあるものの、実はかなり良い物件であった。しかし千里が契約した所は元お稲荷さんだったのを借金のかたに取られて、神社を崩してアパートを建てたという、とんでもない代物だった。祟りっぽい死人も出ていたのだが、ここを実は千里は“京平の神殿”にするつもりだったので、元神社というのは絶好のロケーションだった。
 
千里が桃香と別れて住むことにした1つの理由は、この“神社を建てる”場所が欲しかったからである。
 
千里は京平に頼んで大狐様を紹介してもらい、その人の協力で、神社を壊されて怒っていたお狐様たちには伏見にお帰り頂いた。その上で、土地をリセットした上で、京平の“神霊部分”を鎮めるための神社を霊的に建立した。さすがの千里にもこの作業には1ヶ月以上の時間を要している。普通の怪しいマンションなどの浄化のように一瞬というわけには行かなかった。最終的に浄化が完了して神殿建立したのはユニバ合宿が終わった3月29日であった。入居の前日である。
 
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そして桃香のアパートには南向きの神棚を置き、ここにお参りするだけで用賀の神殿を拝めるようになっている。
 
これで京平をこの世に迎える準備はできたのである。
 

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千里は2013年4月以降、“コラ”の選手名でスペイン・グラナダのレオパルダで日々練習する一方、ほぼ毎日日本にも戻ってきて、市川ラボで貴司との生活?もしていた(2017年以降フランスのマルセイユで使用する選手名“キュー”(Queue)は、この"Cola"をスペイン語→フランス語に直訳したものである!)。
 
スペインでの練習・試合の時間はだいたいこんな感じである(下記は冬時間)。
 
●試合のある日
試合時間 18:00-20:00 (日本時間26:00-28:00)
但し、17時開始、19時開始の試合もある。
 
●試合の無い日
練習時間 13:00-18:00 (日本時間21:00-26:00)
夏時間の場合は日本時間20:00-27:00に相当する。
 
(育成チームは練習時間18:00-21:00の練習で、日本では26:00-29:00)
 
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●貴司の市川ラボでの
練習時間 21:00-24:00
睡眠時間 1:00-4:30 (甘地駅始発5:11)
 
千里はスペインに行った年(2013年)の10月1日付けでトップチームに昇格したが、その後、レオパルダに練習に行く前に軽食を作って市川ラボの部屋に置いていき、練習が終わった後も少し仮眠してから朝御飯を作り、市川ラボに届けるというパターンで生活している。。
 
届けるついでに、眠っている貴司に“悪戯”してあげることもある。貴司が目を開けたら姿を消すので、貴司は千里の《影》だけを感じている。最近は逆に《快楽を貪るために》目が覚めても4:30くらいまで眠っているふりをしている。千里も貴司が目を覚ましていることに気付いても、目を瞑っている限りは、してあげるので、これは2人のゲームのようなものである。
 
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3月4日(水)、千里はチーム事務所に呼ばれた(スペインでは昼だが日本では同日夕方)。もうシーズンも終わり近くだから、首にでもされるのだろうか?などと思いながら出て行くと、意外なことを言われた。
 
「うっかりしていたんだけど(スペインでは日常である)、君のパスポートの期限が来月切れるようなんだよ。更新しといてくれる?」
 
更新してと言われるということは、取り敢えず来期もこのまま契約継続なのかな〜?と思いながら千里は返事をした。
 
「あら、切れますか? じゃ8日の次の試合は21日で2週間空くから、その間に一時帰国して更新しておきます。ありがとうございました」
 
千里はそういえばユニバーシアード監督の篠原さんからも、パスポートがもし切れてたら更新しておいてねと言われていたよな、と思い、パスポートセンターに行ってこようと思った。
 
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ところがそこで《たいちゃん》が指摘する。
 
「千里、そのパスポートでは2013年11月にフランスでシェンゲン圏に入国したまま、ずっとシェンゲン圏内にいることになっている」
 
「嘘!?」
「つまり千里は頻繁に日本に密入国しているんだな」
「あはは」
 
実際には千里が日本にいる間は《すーちゃん》がスペインに居て、千里がスペインに居る間は彼女が日本に居る。《きーちゃん》の能力による位置交換である。
 
それで、面倒なのだが、《すーちゃん》に頼んで、パリのシャルルドゴール空港から成田への飛行機に乗ってもらって“帰国”することにした。千里が球団事務所に言ったように、8日から21日までの間は試合が無いので、スペインを離れることができるのである。
 
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(この時期は成田−マドリッドの直行便は運行されていなかった)
 

ここで千里は唐突に“その問題”に気付いて、ひとりごとのように声に出した。
 
「私、最初にパスポート取ったのは2008年春だよね?それは未成年で5年有効だったと思うから、2013年春までの有効期限だったはず。実際、いつだったか記憶が定かじゃないけど「すみません。パスポートの期限が切れているので、プリンスエドワード島(南極に近いインド洋の孤島)までは行けません」って、雨宮先生に言った記憶があるもん。それで2015年4月で切れるって変じゃない?2013年に期限が切れて更新したら2023年まで期限はあるはずだし」
 
すると《きーちゃん》が
「ごめーん」
と言って、
 
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「千里のパスポートは2つあるんだよ」
と教えた。
 
「なんで?」
「千里の戸籍が2つあるから、それに乗じてもう1個作っておいたんだよ」
「戸籍が2つ!?」
と千里は声をあげたが
 
「実は千里が2人居るんだったりしてな」
と《こうちゃん》が言った。
 
それで《きーちゃん》はここまでの経緯を説明した。
 
●2008.05 U18アジア選手権の代表候補になったのでパスポートを作る(M)。千里は戸籍上男だったが、本人確認に使用した健康保険証が女になっていたこと、生徒手帳も女と記載されていたこと、そして本人が女子にしか見えないことから、受付の人の勘違いで「性別F」で作られてしまった。(パスポート(M))
 
●2010.04 千里が戸籍謄本を取った時に、美鳳が悪戯して千里が長女、玲羅が二女と記載されている戸籍をでっちあげた。本来の村山家の戸籍は留萠にあるのだが、この戸籍は旭川に作られたので、両者を区別して“留萠戸籍”“旭川戸籍”と呼ぶ。きーちゃんは美鳳の悪戯に乗じて、この旭川戸籍に基づくパスポートを作ってしまった。(パスポート(F))
 
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●2012.05 千里が(留萠戸籍)から分籍して自分単独の戸籍を作る。これも留萠に置く。
 
●2012.09 千里の(留萠戸籍上の)性別が女性に変更され、戸籍はどちらも女性になる。 本来なら性別を変更したらパスポートも更新が必要だが(記載事項変更でもよい!)、 千里のパスポートは元々性別Fになっていたので変更の必要は無い。
 
●2013.04 突然スペインに渡航してくれと言われる。(M)のパスポートはまもなく期限が切れるので使えない。更新している時間がなかったので、きーちゃんが(F)のパスポートを渡した。
 
●2013.05 パスポート(M)失効。
 
●2015.04 パスポート(F)失効予定。
 

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