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■夏の日の想い出・第三章(11)

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ところでこのローズクォーツの新曲キャンペーンの最中の7日、ローズ+リリーと昔から交流のあったユニットのひとつであるパラコンズがメジャーデビューを果たした。
 
あくまで大阪を中心に活動していくということで、デビューの記者会見は大阪、イベントも大阪を中心に関西地区をメインにやるという方針であったが、私と政子もローズクォーツのキャンペーンの合間を縫って、7日に大阪で行われたイベントに顔を出した。
 
この日はローズクォーツも10時と12時に大阪市内2箇所、14時に神戸で新曲のキャンペーンをしたのだが、その合間の11時に大阪市内でパラコンズのデビューイベントをした。お昼を食べる時間が無くなる!と政子は主張したが、夕食に神戸牛のステーキを食べさせてあげる、というので妥協してくれた。
 
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パラコンズのデビュー曲は『彼を取り戻せ/二股はギロチン』で、12月に私と政子で全国をキャンペーンで走り回った時、大阪と金沢で出来た曲である。
 
「パラコンズはローズ+リリーと昔から交流があったんですか?」
とイベントに先立つ記者会見で訊かれた。
「くっくは、私のファーストキスの相手なんです」と私が答えると、記者や観客の間に戸惑うような空気が漂う。
 
「あの・・・恋愛関係にあったのでしょうか?」と記者さん。
 
「いえ。ローズ+リリーがまだメジャーデビューする前、大阪のフェスティバルに参加したことがありまして、多数のアーテイストが出演したのですが、ちょうど、ローズ+リリーの次がパラコンズだったんです。その時、ローズ+リリーが歌って舞台袖に引き上げてきたら、くっくが『うまい!声がいい!』
と言って、その場でいきなりキスされまして」と私が説明すると
 
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「くっくは、その筋では有名なキス魔でして被害者多数です」
とのんのが補足してくれた。記者や観客の間に安堵感が広がる。
 
しかしこの『キス告白』のおかげで、記者会見はとても明るくのどやかな雰囲気で進行した。パラコンズのふたりが漫才のようなやりとりをするので、会場は笑いの渦であった。そしてその後、私のエレクトーン演奏にあわせてパラコンズがデビュー曲2曲を歌うと観客は手拍子を打ってくれて、とても盛り上がったのであった。
 
翌日の大阪版のスポーツ新聞には『ケイのファーストキスの相手デビュー』
というのが1面タイトルに書かれていた。
 
しかしその日、twitterの私のアカウント宛に「ケイさんとくっくさんのキスって、それはマリさんとのキスより先だったんですか?」という質問が何通も寄せられた。それに対して私は美智子と政子に承認を取った上で「くっくとキスしたのは2008年8月10日、マリと初めてキスしたのはメジャーデビュー直前の9月24日です」というコメントを返した。この日付が、私たちのあちこちのファンサイトに速攻で転載されていた。
 
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沖縄でのシークレットライブから4日たった2012年4月18日。『神様お願い/A Young Maiden』のCDが発売された。ローズ+リリーにしてもローズクォーツにしても「シングル」と言いつつ、4曲から多いものでは7曲くらい収録されていることが多いが、このCDは珍しくこの2曲のみの700円という設定であった。
 
どちらも既に配信では公開されている音源なので(但し『神様お願い』は演奏を再収録したし、『A Young Maiden』はボーカルを今の私たちの声で再録し、伴奏もリミックスを行なった)、聴く人は既にダウンロードしているから、CDとしてはそんなに売れないだろうと思っていたのだが、結構な売れ行きになっているようであった。
 
翌週、4月25日には私と政子が「第二自主制作アルバム」と呼んでいた、『Rose+Lily after 1 year, 私の可愛い人』が発売になった。これはローズ+リリーを始めてから、高校3年の秋までに作り溜めた曲を受検勉強中の2009年11〜12月に録音したものだが、先月発売した『Month before Rose+Lily』同様、楽器演奏部分は、新たにローズクォーツに演奏してもらったものに差し替えての発売である。
 
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その後、ローズ+リリーでは、5月23日に『夢舞空・風龍祭』、6月20日に『影たちの夜/天使に逢えたら』のドラマ版、そして8月3日には3回目のメモリアル・アルバムである『Rose+Lily after 4 years, wake up』が発売された。
 
『夢舞空・風龍祭』にしても、『after 1 year』『after 4 years』にしても100万枚には到達しなかったものの、かなりの売上を上げて、あちこちのFM局からもお声が掛かり、私はひとりで全国飛び回ってあちこちのパーソナリティさんと会話をしてきた。
 
8月11日には、また夏フェスが行われたが、主催者側からパンド中心のAステージにローズクォーツ、歌手中心のBステージにローズ+リリーの出演が打診されたものの、政子に聞いてみたところ「私見てる」などというので、ローズ+リリーの方は辞退して、ローズクォーツの方だけ参加することになった。
 
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しかし、この夏フェスも関わるのは今年で4回目だ。
 
高校3年の時はただ見ただけだった。大学1年の時は観客として来ていたのにスカイヤーズのボーカルBunBunが出番の直前に倒れて、そのピンチヒッターとしてスカイヤーズの曲を歌った。そして昨年大学2年の時はローズクォーツで正式に出場した。
 
今年も(ローズ+リリーは辞退したので)、ローズクォーツだけの出演になる。
 
出番はAステージ、午後の2番目。ちなみに午後のトップは実力派のバンド、バインディング・スクリューである。今年はスカイヤーズがヘッドライナーで、スイート・ヴァニラズは朝一番のトップバッターである。
 
今回ローズクォーツで演奏する曲目は『あなたとお散歩』『起承転決』『ダイアナ』
『南十字星』『春を待つ』『コンドルは飛んでいく』を予定していた。
 
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大ヒット曲『夏の日の想い出』や春にリリースして好評だった『闇の女王』
などを使いたかったのだが、今年から規則が変わってマウスシンクの類が禁止されると共に、コーラスを含めて一部のボーカルや楽器の音を音源を使って流す行為も禁止された。あくまで全て生で演奏しなければならないということになったのである。
 
昨年一部のバンドが、ステージでは全然演奏せずにパフォーマンスに徹して音は全部音源で流すということをしたので「あれはロックではない」という意見が強く出されて、音源使用が禁止されることになった。
 
『夏の日の想い出』は私と政子のツインボーカルの曲なので、昨年は政子が歌っている部分を音源で流して私の部分だけ生で歌ったのだが、そういう演奏の仕方ができなくなってしまった。念のため政子に「一緒に歌わない?」と訊いたのだが「ごめーん」ということであった。
 
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しかし昨年夏以降のローズクォーツの歌には、政子の参加が前提となっている曲が多く『闇の女王』など、売れた曲ほどそうなので、政子が歌わないとなると使える曲が限定されてしまい、曲目も軽量ラインナップになってしまった。
 
また、Bステージの午前中ラストにスリファーズが入るが、ローズクォーツはその伴奏も務めることにしていた。Bステージは歌手中心で、ほとんどの歌手が伴奏を音源で流すつもりで準備していたのに、8月になってから音源使用禁止という方針が打ち出されて、どの歌手も伴奏者を確保するのに大慌てであった。強烈な電気的加工をして歌っていたため、生演奏が不能というユニットが出場を辞退する騒ぎにもなった。
 
ローズクォーツは元々スリファーズの音源制作で伴奏をしていたので、フェスでも「時間帯が重ならないし」ということで、スリファーズの伴奏をすることになったのである。
 
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今年はローズクォーツ同様にAステージに自分たちの演奏で出て、Bステージに出る歌手の伴奏を務めるというバンドが他にも幾つかあった。
 

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私と政子はその日会場に入ると、まずBステージの方に行った。トップにAYAが歌うので(伴奏はいつもAYAのライブで伴奏をしてくれているポーラスター)、まずはそれを見た。ステージ脇で見ていたが、慣れている伴奏者との演奏なので、伴奏者側も歌う側も、気分良く歌っている感じであった。小春がAYAのファンなので呼んで一緒に見ていたが(仁恵たちはAステージを見ている)、AYAが歌い終わった所で私がAYAに、この子がAYAの熱烈なファンと言うと、AYAは小春と握手してあげた。小春はもう大感激という様子であった。
 
そういう訳でAYAは伴奏者とうまくやったのだが、AYAの次に出て来た歌手は、どうも伴奏者との事前練習が不足していたようであった。歌手が歌の出だしを間違ってみたり、伴奏とずれてしまったり(生バンドの音は実はステージ上でとっても聞こえにくい)、更には伴奏している側が譜面の一部を見落として歌手が「え?」という顔をしたりする場面もあった。わあ、可哀想という感じで私たちは見ていた。
 
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「私たちはローズクォーツともスターキッズとも、いつも一緒にやってるからどちらかとの演奏なら、問題無いね」などと政子は言っている。
「うん。スカイヤーズやスイート・ヴァニラズとも一緒に歌ったね」
 
「でも知らないバンドの伴奏だったら、私は冬が頼りだなあ。バンドの音は無視して冬の歌を聴きながらなら歌える気がする。だから私、やはり冬以外とのデュエットは出来ない気がするよ」と政子。
 
「冬は音感が凄いから、たぶん誰とでもデュエットできるよね?」と小春。
「ううん。私は政子以外とはデュエットしない。ってか、多分できない」
「えー?なんで?」と小春。
 
「ソロなら、多分どんなバンドとでも合わせられると思うんだよね。でもデュエットって歌を合わせるだけじゃなくて、魂が呼び合ってないと、うまく調和しないんだ。上手な歌手とのデュエットなら音は合うだろうけど、政子以外の人とは音として合っても魂は呼び合わないから、プロ歌手として歌う場面で、私は政子以外とのデュエットはしたくない。お遊びでなら歌うけど」
と私は言った。
 
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政子がふーん、といった感じの顔をしている。小春は妙に納得したような様子であった。
 

やがてローズクォーツの面々がBステージ脇までやってきた。スリファーズも先程いったん姿を見せたのだが、控室にいると言って、離れていった。
 
今演奏している歌手の次の次がスリファーズである。
 
その時、Bステージの進行係をしていた★★レコードの吾妻さんが何か焦った顔をして、電話をあちこちに掛けている様子である。吾妻さんとは旧知の仲なので「どうかしましたか?」と声を掛けた。
 
「緊急事態なんです。この次に歌う予定の MURASAKI が、どうもまだ来てないみたいで」
「えー!?」
「伴奏のバンドは来ているけど本人が来ていないのではどうにもならない。今控室のスタッフに連絡して、その次の出番のスリファーズに急いでこちらに来てもらうよう言ったところですが、ケイさん、ローズクォーツの方はすぐスタンバイできます?」
 
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私が振り返ると、そばで話を聞いていたサトが頷いてOKサインを出す。「行けますよ」と私は吾妻さんに言った。
「助かります。 MURASAKI 飛ばしますから、この後、すぐスリファーズ withローズクォーツ行きます」
「はい」
 
スリファーズの3人が走ってステージ脇までやってきた。私は3人に水を飲ませて落ち着かせる。慌てたりしてミスってはいけない。
 
「ここで水が出てくるところは、さすがフェスのベテランですね。ケイさん」
などと吾妻さんが言っている。
「そうですね。私ももう3年目ですから」と私は笑顔で言った。
 
演奏していた歌手が終わったところで、司会者がステージに上がり MURASAKIが遅れているようなので、順番を変更して、先にスリファーズが歌います、という案内をする。またこの順序変更のお知らせが、会場内の各所の掲示板に表示された。
 
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演奏開始は、その案内を見てこちらにやってくるスリファーズのファンを待つため、10分間の休憩を置いてから始めることにした。その間に前のバンドが使っていた機材を片付け、ローズクォーツが使う機材を設置する。
 
伴奏だけなので、ボーカルの私は入らず、マキ・タカ・サト・ヤスの4人での演奏になる。やがて時間になり、ローズクォーツの4人がステージに上がりスタンバイ。そこにスリファーズの3人が駆け上がった。
 
黄色い歓声が上がる。サトの合図で前奏がスタートし、やがてスリファーズが歌い始めた。
 
吾妻さんは、まだ電話で連絡を取っているようであるが、頭を振っている。
 
「どうですか?」
「MURASAKI、全然連絡が取れません。単純に遅れていて、もうすぐここに到着するなら、スリファーズの次に歌ってもらってもいいんですけどね・・・・」
「大きく遅れた場合は午後に割り込ませるんですか?」
 
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「無理です。ABステージの掛け持ちが多いから、順序変更や時間のずれは問題が大きくなります」
 
そんなことを言っていたら、主催者の立木さんと★★レコードの町添部長とが場内カートでこちらにやってきた。
 
「MURASAKI がこのまま来なかった場合はどうしますか?」
「スリファーズのステージは今始まって何分?」
「7分ですね。あと23分です」
「あと8分以内に MURASAKI が来ない場合は、MURASAKIのステージはキャンセル」
と町添さん。
 
「はい」
「スリファーズの後、そのまま昼休みに突入させるしかないね。それでいいですよね?立木さん」
「仕方ないですね。MURASAKIのファンには申し訳無いけど、本人来てないんじゃ、どうしようもない。しかし、Bステージはそもそも少し早めの進行になっちゃったんですね」
 
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「そうなんですよ。伴奏者と合わない歌手が続出で。それで演奏時間がみんな短めになってしまいまして。アンコールやったのは最初に歌ったAYAだけ、という状態。純粋な生演奏をバックに歌うのに慣れてないんですよ。今時の歌手って」と吾妻さん。
 
「困ったもんだな」と町添さん。
 
「結果的に今日のBステージ午前の部は11:20で終わってしまいますね」と吾妻さん。「うーん。誰か臨時徴用して、ワンステージ入れたいくらいですね」と立木さん。
 
その時唐突に政子が言い出した。
「ケイって、ピンチヒッター・代役、大得意じゃん。時間の穴埋めに何かパフォーマンスしてあげたら?」
 
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■夏の日の想い出・第三章(11)

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