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■夏の日の想い出・止まれ進め(21)

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筆者も混乱してきたので、ガールズたちの兄弟姉妹のまとめ。
 
水巻イビザの兄弟姉妹(水戸@茨城)
 
杜屋月夜(つきよ♀大1)
杜屋鈴世(りんぜ△高1 水巻アバサ)
杜屋幸代(さちよ♀中2 水巻イビザ)
杜屋和誉(かずほ♂小6)
 
ここの家では月夜→鈴世→幸代と服のサイクルが成立していて、鈴世の服の大半は、月夜のお下がりである。結果的に鈴世は学校の制服以外、男物の服を持っていない。小学校までは普通にスカートを穿いて登校していたし、髪もいつも美容室で切っている。
 

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入瀬ホルンの兄姉(氷見@富山)
 
吉川空海(そらうみ♂大1)
吉川日和(ひより♀高1 入瀬コルネ)
吉川萌花(もえか♀中2 入瀬ホルン)
 
この家では姉の日和ちゃんが妹の萌花ちゃんより身体が小さいので、萌花ちゃんのお下がりを日和ちゃんが着るらしい。
 

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川泉パフェの兄姉(川内かわうち@青森県)
 
湯谷武(たけし♂22)
湯谷晃(あきら♂20)
湯谷恵(めぐみ♀高3)
湯谷紡(つむぎ♀高2 川泉スピン)
湯谷薫(かおる△中3 川泉パフェ)
 
上の2人の兄には女性傾向などは無い(と思う)。特に武はお父さんとよく似た体格の立派な男性である。晃は兄ほど体格はよくないが、普通に男性としての生活を送っている(と思う)。長女は青森市の高校に行っており、今回紡と薫が東京に出て行ったので、川内町の家は夫婦のみになった。
 
紡は青森か八戸に出て行きたかったが、都会の高校に進学するほどの頭が無かった。下手すると自分だけ田舎に残されて保守的で前時代的な家庭思想の男と結婚させられ、ずっと閉塞的な田舎町で一生を送ることになるぞと警戒していたので、コスモスに勧誘されたのを絶好の機会と捉え東京に出て来たのが実情である。
 
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月城たみよの兄弟(川内せんだい@鹿児島)
 
松崎貴美(たかよし♂184大3月城朝陽)野球部
松崎元紀(もとのり/もとき△167大1月城硯文)英語部/法学生
松崎真和(まさかず/まな△166高1月城利海)コーラス部
松崎典佳(のりか♀172中2月城たみよ)バレー部
松崎春世(はるとし♂171小6)サッカー部
 
ここの5“兄弟”は運動をしていた3人が男らしく育ち、運動が苦手だった2人が女の子らしく育った!
 

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広瀬みづほの兄姉妹(都城@宮崎)
 
藤井寿海(いずみ♂大2)
藤弥日古(やひこ♀高3広瀬のぞみ)
藤真理奈(まりな♀高1広瀬みづほ)
藤留依香(るいか♀中2)
 
藤弥日古は元々半分女の子のようなものだったが、この夏完全な女の子になってしまった可能性がある。女の子にはなっちゃったけど、10月の時代劇では男役をしてくれるらしい。
 
これで藤兄妹は4人とも女子になったので、生まれた時は男2女2だったはずが4姉妹となった、女の子が増えるのはいいことだ。
 
(あれ?いずみちゃん男の子だっけ?分からなくなった)
 

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9月1日(木).
 
吉川日和(入瀬コルネ)はやっと到着した、妹から送ってもらった女子用スラックスを穿いて登校した。和菜ちゃんが気付いて
「あ、日和ちゃん、ズボンが届いたんだ?」
と言う。
「うん、やっと届いた。やはり東京から氷見まで2日かかるんだね」
 
実際は8/29の昼間連絡を受けた萌花がわざと集荷時刻後に荷物をコンビニ(寮内にある)に持ち込んだので、一応8/29の受付印になったものの、8/30に集荷され、8/31に到着したというのが真相である。
 
「お姉ちゃんもいいかげん諦めて素直にスカート登校すればいいのに」
と思っているので、わざと遅らせた。
 

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その日の朝のSHR(ショートホームルーム)では
「今日は身体測定がありますので、連絡があったら、女子・男子の順で保健室に行って下さい」
と保健委員から連絡があった。
 
2時間目の途中で1組女子の子が「2組の女子は保健室に来てください」と言ってくる。1組が男子→女子の順に測定されるので、2組は女子→男子の順になる。
 
日和は、ぼくはまた個別検査してもらえばいいな、と思って座っていた。ところが五月が「ひよちゃん行くよ」と声を掛ける。
 
「ぼくは個別検査で」
「それ個別で検査する意味ないからもう今月からひよちゃんは女子と一緒でいいということになったから」
「え〜〜?女子と一緒はまずいよぉ」
「いや、部活の時の着替えで見てる限りには全く問題無い」
 
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ということで五月と和菜に連行されるように連れられ、日和は他の女子たちと一緒に保健室に行った。
 

保健室では取り敢えず着衣のまま並ぶ。そして3人前になった所で制服の夏服ブラウスとスカート(日和はスラックス)を脱いで入口で配られたビニール袋に入れる。日和はブラジャーとパンティーだけの状態になる。
 
日和は女子たちの前で下着だけになるなんて恥ずかしーと思っている。でも女子たちは日和の下着姿を見て頷いている。絶対に男子の目には曝せない姿だと思った。そして全員確信した。やはり日和ちゃんは女の子だ、と。
 
元から女の子だったのか、女の子になったのかは分からないけど、少なくとも現在は確実に女の子てある。
 
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それで日和は身長と体重を測定された。
 
「147.8cm」
「34.2kg」
 
「34って何かの間違いということは?」
「日和ちゃん、もう一度体重計に載ってみて」
「うん」
「34.1kg」
 
「あり得ない」
「郷香ちゃんの半分だ」
「誰?私の名前を勝手に引き合いに出してるのは?」
と遠くから声がする!
 
「軽すぎるよ」
「台風で飛んでくよ」
「もっと御飯食べなきゃだめだよ」
とみんなから言われた。
 
そういう訳で日和の最初の女子と一緒の身体測定は、恥ずかしさとかいうより、体重が低すぎることを話題にされた時間となった
 

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その日、松崎真和(まつざき・まな)に電話した藤弥日古(ふじ・やひこ)は説明した。
 
こちらに帰ってきたら自分はもう性転換“した”ことになっていて、男子制服もワイシャツも既に捨てられていた。学校にも自分は性転換したとして女子として通学させてほしいと申請して認められていたという。
 
それで仕方なく女子制服で学校に出て行き1日過ごしたけど、自分が性転換したことがクラス全員に既に告知されていて、普通に女子として扱うことが了承されていた。それで女子トイレを使い、お弁当を女子たちと一緒に食べた。
 
明日は体育があって水泳だけど、女子と一緒に着替えるように言われている。そのくらいはどうにかなると思うけど、月曜日には身体測定、心電図検査、内科検診がある。身体測定はいいとして、心電図はブレストフォームでは機械が反応しない気がするし、もしそれが何とかなったとしても、内科検診でお医者さんに見られたらさすがに身体偽装がバレると思う。
 
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でも今更、女になったというのは間違いで、私本当はまだ男なんですなどと言ったら、1日女として過ごしてしまっただけに、みんなに袋叩きになりそうな気がする。どうしたらいいか悩んでる、ということだった。
 

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「ヤコちゃん、どこまで身体をいじったんだっけ?」
 
この子、たぶん去勢手術くらいはしてるよねと真和は思っていた。
 
「何もしてない。顔のむだ毛と足のむだ毛は脱毛したし、喉仏は山村さんに消してもらったけど、お股はタックしてるだけだし、胸はブレストフォームを貼り付けてるだけだし」
 
「ブレストフォームか!」
「凄いリアルだよ。安いシリコンパッドとは違ってかなり本格的なものだし、境目も分かりにくいんだよ」
「へー。じゃ去勢しただけ?」
「去勢もしてない」
「嘘!?去勢はさすがに済んでると思ったのに」
「実は去勢くらいしちゃおうかと思ったけど、8月いっぱい精液の採取と冷凍をやってたんで、するわけにはいかなかった」
「ああ」
「ほんとぼくこの後、どうしよう?」
 
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真和は少し考えた。
 

「ねえ、ヤコちゃん“魔女っ子千里ちゃん”知ってる?」
「あれ?マナちゃんも会ったの?」
 
きっと可愛い男の娘を見たら声掛けてくるんだ!
 
「今夜わたし“魔女っ子千里ちゃん”と会うことになってるんだよ。もし会えたらそちらにも行ってあげるように言おうか」
 
「お願い!あの子と話し合ってみたい。あの子、1日だけお試しで女の子になってみない?とかも言ってたけど、1日体験したらもう男に戻りたくなくなる気がして怖いから断ったんだよ。この状況はそのくらいしてもらわないと解決方法が無い気がする」
 
「1日女の子体験か・・・」
 
私はそんなこと言われてない。各々の女性化の進行度に合わせていろいろ誘惑してるのかなあという気がした。あの子はきっと夢魔みたいなものなんだろうけど、今は魔でも何でも彼女に頼るしかない気がした。
 
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でもやはりヤコちゃん実際は去勢くらいは済ませている気がする。きっと恥ずかしがってまだ手術しててないことにしてるんだ。
 
「じゃもし会えたら、彼女に会える呪符をそちらに送るようにするよ」
「分かった。お願い」
 

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電話を終えてから、真和はイオリさんに言った。
 
「お稲荷さん作ってあげるから、明日の朝くらいまでここで休んでかない?」
「大歓迎!」
 
それで真和は
「ちょっと買い物してきます」
というホワイトボードのメモを置くと、スーパーに再度行って、寿司揚げたくさん、餅米を買ってきた。帰ると母がもう帰宅していた。
 
「あ、少しは元気になった?」
「まだ。ちょっと、お稲荷さんが食べたくなって。たくさん作ろうと思って寿司揚げと餅米買ってきた」
「へー!」
 

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さて水戸の杜屋鈴世は「女子制服着たい、女子制服着たい」と思いながらも不本意に男子制服を着て、ピンクの可愛いお弁当箱を持ち、学校に出掛けて行った。教室に入りクラスメイトたちと
 
「おはよう」
「おはよう」
と挨拶を交わす。
 
「すずちゃん、ドラマに出てたね」
「なんで男役だったの?すずちゃんなら女役だと思ったのに」
 
鈴世の名前は本当は“りんぜ”と読むが、多くの友人は“すずよ”ちゃん、あるいは“すず”ちゃんと呼ぶ。
 
「妹が信濃町ガールズに入って、男の兄弟居たら端役を頼むと言われて出ていった。一応、私まだちんちん付いてるし」
「へー。すずちゃんは夏休みのうちに性転換手術を受けたらしいという噂が流れてたけど」
「性転換したいけど、まだできない。お金も無いし」
「ああ、あれ高いみたいだよね」
 
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夏の日の想い出・止まれ進め(21)

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