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■夏の日の想い出・止まれ進め(5)
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CDの発売は続く。
放送翌日の8月21日にはアクアのシングルがオンラインストアで公開されたがCDの発売は8月31日になったので、そこでコメントする。
放送翌週、8月24日には坂出モナのシングル『再会』が発売された。下記の4曲入りである。
『再会』
『朝霞』(アクアのカバー)
『八個目の鉢に蜂が来た』
『ぼくお嫁さんになっちゃった』
今回のモナのシングルは代理歌唱を集めたものという感じになった。『再会』は七浜宇菜が歌いたい所だが、彼女は歌が下手なので親友のモナが代わった。『八個目の鉢に蜂が来た』と『ぼくお嫁さんになっちゃった』は弘田ルキアの代理である。ルキアも割と歌うが、今回のドラマでは歌の上手い人の歌がとても多かったので「ぼくの歌だと視聴者がガクッと来るからモナ歌って」と言われて歌ったもの。最後の『朝霞』は放送では使用されなかった。万一アクアの音源制作が放送に間に合わなかった時のために、モナに代理で歌ってもらっていたものである。
同日、キャロル前田とアドベンチャーのアルバム『楽しい鍛冶屋グーグー』が発売された。これまで発表の機会が無かったコミックソング6曲に下記の4曲を加えて10曲入りアルバムにしたものである。
『愛しいかぐやちゃん』
『山の鍛冶屋』(『村の鍛冶屋』の替え歌)
『金銀パールをプレゼント』
『しろがねも、くがねも、たまも、*んだまも』(舞音のカバー)
“鍛冶屋グーグー”はもちろんイングランドの音楽ユニット“カジャグーグー(Kajagoogoo)”を意識したもの。
『しろがねも、くがねも』は舞音版と同じ譜面で演奏しているが、アドベンチャーは元々ポップロック系だし、ボーカルがソプラノの舞音とハイテノールのキャロルでは結構雰囲気が違っている。
なお舞音版で歌詞カードに「めんたま」とあり、実際の舞音の声は「きんたま」に聞こえる部分は、こちらでは歌詞カード・実際の歌ともに“けんだま”になっている。
キャロル曰く
「男の娘は*んたまなんて言っちゃダメよ」
だそうである。彼は時々女言葉になる。
ルキアが半分女の子的な扱いをしてもらえるのに、キャロルはほぼ男扱いされるのは多分本人の人格の問題。彼はきっと性転換手術を受けても男湯に放り込まれる。
(でもキャロル前田とアドベンチャーは★★レコードの付属スタジオに行くと、いつも女性アーティスト専用フロアに案内されている。たぶん女性フロアで何も問題を起こしていない、品行方正なバンドなので、そのままになっているのだろう。彼らはいつもスカートを穿いているし、女顔の人が多いので、世間的には普通に全員女に見える)
8月31日(水) アクア29枚目のシングル『竹取物語』が発売され、即日100万枚を越えて29枚目のミリオンとなった。下記の曲が収録されている。
『菅原の市(すがわらのいち)(スカーバラ・フェア)』イングランド古謡・未来居住超訳版
『ごめんね』水野歌絵作詞・大宮万葉作曲
『朝霞』森之和泉作詞・水沢歌月作曲
『竹取物語』鴨乃清見作詞作曲
『Scarborough Fair (Original English version)』イングランド古謡
今回『ごめんね』『朝霞』『竹取物語』ととても美しい歌の競演になったことも話題になった。大宮万葉(青葉)・水沢歌月(ケイ)・鴨乃清見(千里)と高品質の作品が多い3人の競作である。3曲とも音楽の専門家の評価が高かった。
アクアもハードスケジュールのドラマ撮影の後で、わずか3日で音源制作したとは思えない、ひじょぅにしっかりした歌唱を見せていた。
大宮万葉はアクアのアルバム(8.17発売)に関する作業を終えた後、この曲を書いてくれた(書いたのは青葉L(妊娠しているほう):Rが東京で直接アクアを指導していた時期に、伏木でゆっくりと書いた)。
今回楽曲を練る段階では、夕波もえこが代理歌唱してかなり歌い込んでおり、このシングルには「協力:夕波もえこ」というクレジットも入っていた。
8月31日にはパシフィックのシングル『蓬莱』も発売された。
パシフィック『蓬莱』
『蓬莱』
『スコール』
TKRとの“仮契約”に基づきTKRのプロレーベル“ヴェール・ド・サンドリヨン”からリリースされたが、パシフィックはメジャーなレコード会社からCDを出すのは初めてである。
ただしサンドリヨン(シンデレラ)には維持のための基準があり、年間売上が低いと、その下の“ヴェール・ダルジャン”(銀のハイヒール)に自動降格される。ここの基準にも満たないと最下層の“ヴェール・ブロンズ”(銅のスリッパ)に落とされる。ブロンズにはノルマが無いので年間売上1枚とか2枚でもここの所属を維持することができる。
ブロンズはダウンロード販売のみだが、会費を払うとアルジャンと同等のサービスを受けることができて、CDのリリースができるし、ライブしたいと言ったら手配してくれる。
9月7日(水)には常滑舞音16枚目のシングル(?)『竹の中のかぐやちゃん』が発売された。舞音は8月3日に15枚目のシングルを出したばかりだが、舞音はどんどんシングルを出さないと音源が溜まりすぎるのである。アルバムも出したいのだが、取り敢えずシングルで精一杯である。
下記8曲入り(ほんとにシングルか?)
『竹の中に見ぃ付けた!』未来居住作詞・福沢聖子作曲
『菅原の市(すがわらのいち)(スカーバラ・フェア)』イングランド古謡・未来居住超訳版
『素敵な山の秘密基地』(『山のワルツ』の替え歌)湯山昭作曲・未来居住作詞
『ねずみの火遊び火事の元』未来居住作詞・福沢聖子作曲
『つばめのお宿』(『すずめのお宿』の替え歌)アメリカ民謡・未来居住作詞
『唱歌・ふじの山』巖谷小波作詞・文部省唱歌
『しろがねも、くがねも、たまも、*んたまも』未来居住作詞・福沢聖子作曲
『朝のスクーター、夕方のスクーター』夢倉香緒梨作詞作曲
8曲中6曲が『竹取物語』で使用された曲である。
『菅原の市(スカーバラ・フェア)』はアクアの音源制作が間に合わなかった時のために、舞音版も制作された。アクアは『ごめんね』だけは曲の性質上代理が歌うわけにはいかないので、最低『ごめんね』だけは歌うということで作業を進めた(*2)。結果的にはアクアに予定していた曲は全部アクアが自分で歌った。
(*2) という建前で、実は密かに今井葉月版が製作された。どうしても間に合わない場合は使うつもりだった。アクアのシリアスな代理ができるのは葉月だけである。しかしアクアが間に合ったのでこれはボツとすることにした。
『すずめのお宿』は前述の通り、アメリカ民謡の『Children, Go, To And Fro』を翻訳した幼稚園唱歌『進め進め』に別の歌詞を乗せた替え歌である(進め→雀、というダジャレ)。それに今回未来居住が「つばめ」版の歌詞を乗せた。未来居住(舞音)は替え歌に天才的な才能がある。この歌詞もほぼ即興で歌った。
つばめ、つばめ、お宿はどこだ?
ちゅぴちゅん、ちゅんちゅんちゅん、こちらでござる
たまごを産む時は、尻尾を上げて
七回ぐーるぐる、回って産むよ。
『朝のスクーター、夕方のスクーター』はいつものスクーターのCM曲である。今回の撮影は7月下旬に高知県で行なっている。例によってHonda-Jet
Orangeで前日夕方に現地入りし、早朝撮影してとんぼ返り。
今回リハーサル役はFlower Sunshineの山道秋乃が務めた。現地の天文薄明は3時半、夜明けは4時半頃。午前2時に起こされて撮影現場に行き、空は明るくなってきたもののまだ周囲が暗い中でリハーサルをした彼女は
「マミちゃん、毎回こんなハードな撮影やってるの?」
と悲鳴をあげていた。
(実は18歳未満はこの時間帯に使用できないので高卒で暇そうな人が使われた。舞音本人は光GENJI通達の対象に該当し規制が緩い)
この日は他に、WADOのシングル『荒波を越えて/夢を運ぶ船』も出ている。
収録曲
『荒波を越えて』
『夢を運ぶ船』
『ぼくたち女の子2022』
またこの日、9月7日には『竹取物語』のサウンドトラック(2枚組)も発売された。
9月14日(水)には、ラピスラズリ13枚目のシングル『月よりの使者/伽婢子/まぁるいマール』が発売された。下記5曲入りである。常滑舞音の凄い曲数入り“シングル”があると、5曲入りとかは目立たない。
『プロポーズ・ラプソディ』
『月よりの使者』
『竹取物語』
『伽婢子(おとぎぼうこ)』
『まぁるいマール』
上2曲がドラマ『竹取物語』で使用されたもの。主題歌『竹取物語』は放送ではアクアの音源制作が間に合った(ことにした)のでアクア版が流されたが、もし間に合わなかったらこちらが使用されることになっていた。
『伽婢子(おとぎぼうこ)』は実は9月3日に放送された昔話シリーズ『牡丹灯籠』の主題歌である。『竹取物語』関係の発売ラッシュが続いているので、次の作品とクロスオーバーしてしまった。
『まぁるいマール』は同日発売の写真集『ラピス・イン・オガ“まぁるいマール”』のテーマ曲となっている。これはラピスラズリが6月に男鹿半島で撮影してきた写真をメインとした写真集である。一部スタジオで撮影した写真、ライブの写真なども含まれる。
ちなみに男鹿半島は“おが”半島で秋田県、牡鹿半島は“おじか”半島で宮城県である。古くは男鹿島という独立した島だったが、砂州でつながってしまった陸繋島である(福岡の志賀島(しかのしま)などと同じ)。
“まぁるいマール”というのはその男鹿半島の先端付近に並んでいる3つの湖、一ノ目潟・二ノ目潟・三ノ目潟のことで、火山の水蒸気爆発によって生まれた円形の火口湖のことである。マール (Naar) というのは、ドイツのアイフェル地方の方言で同地方には、こういう円形の湖が多数あり、マールと呼ばれていたことに由来する。宮崎県の霧島東神社近くにある御池(みいけ)なども美しいマールである。実は東北地方にはここの3つ以外にはマールが無く、東北ではとても珍しいものである。
一ノ目潟が長径約600m・二ノ目潟が長径約370mでどちらも“目”のような形をしており、三ノ目潟は直径約350mくらいのほぼ円形である。写真集には展望台でラピスを写した写真の他、この3つの湖の空撮写真も含まれる。
そのほか、孔雀の窟・カンカネ洞・ゴジラ岩などをバックにした写真、ちょぅど見頃だった雲昌寺のあじさいを背景にした写真、男鹿半島なら外せない、なまはげと並んだラピスの写真などが入っている。
9月21日(水) には、薬王みなみ3枚目のシングル『狼煙(のろし)を上げよう/西海の真珠』が発売された。下記5曲入りである。
『狼煙(のろし)をあげよう』蜂矢仁美作詞・鹿賀カノン作曲
『西海の真珠』蜂矢仁美作詞・上杉光世作曲
『姫狩り』加糖珈琲作詞・醍醐春海作曲
『恋する天使』波斯魔琴作詞・蜂矢仁美補作詞・波斯魔琴作曲
『南国讃歌』(with 夕波もえこ) 芦滝峰世作詞・川内峰花作曲
伴奏は“金平糖スペシャル”が務めている。コスモスが音楽の専門家ではなくこういう若い子に伴奏させるのは“若い音”が欲しいからである。正確な伴奏が欲しければMIDIでいいじゃんとコスモスは言う。
今回の伴奏者:
Gt.山鹿クロム B.三陸セレン Dr.花園裕紀 KB.鈴原さくら Vn.早幡そら Fl.月城たみよ Cla.川泉パフェ ASax.広瀬のぞみ Ch.長浜夢夜・月城利海
元々“金平糖”はセレンとクロムを中心とするユニットの名前だが、薬王みなみ自身この金平糖のメンバーとして参加したこともある。その縁で彼らが伴奏をしてくれた。
「あれ?たみよちゃん女子寮に住んでるんだ?性転換手術もう終わってるの?」
と早幡そらが訊く。
「うん。ぼく、去年の夏休みに福岡の病院で手術受けた」
「へー。最近は早く手術する子多いね。でも女の子の声出すのもうまいね」
「ぼく声変わりする前から女性ホルモン飲んでたから」
「すごーい!」
(↑セレン・クロム、たみよの兄・利海以外は信じてる。長身で腕も太い、スポーツ少女の彼女が『ぼく、元・男の子』といえば、多くの人が信じる。のぞみ・パフェ・利海が性転換手術という単語に反応してドキドキしている)
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