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■夏の日の想い出・やまと(18)

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結局私は理歌たちにことわって、食事の間、京平のお世話をしてあげることにした。席を変えてもらい、貴司さんの両親の望信・保志絵、そして貴司さんと理歌・美姫の間に入れてもらって、私と理歌さんで京平をサンドイッチする形にした(私と貴司さんではない!)。
 
実際、貴司さんは他の男性招待客にうまく勧められてかなりお酒を飲んでいたので、こりゃ子供の世話は無理だね、という感じになっていた。京平は何でも食べるようで、餃子に春巻きに、青椒肉絲に酢豚にと「美味しい美味しい」と言って食べていた。着ている服が悲惨なことにならないように紙製のエプロンを付けているが、当然そのエプロンは悲惨なことになっている。
 
今日の披露宴は面倒な挨拶とか式辞といったものはなく、最初に紹興酒で乾杯した後は、みんな自由にということになってしまっているので、小さな子供のいる人たちも気兼ねなく会場に連れ込んでいる(みんな紙のエプロンを着けてもらっている)。このレストランもファミレス色の強いお店なので、お店のスタッフさんも子供の扱いに慣れている感じであった。
 
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そして・・・・披露宴が始まって5分もしない内に“民謡大会”が始まる。
 
「めでたやるから、あんたも来なさい」と、若山流鶴派代表でもある乙女伯母(若山鶴音)が来る。
 
「ここに来ている若山流名取りの女、全員でやるから」
「えー。でも私の名取りは《仮免》だから」
「名取りのお披露目もしてるんだから、仮免とは言わせない。あんた女だよね?」
「女のつもりですよー」
「じゃ、問題無い。おいでおいで」
 
(仮免というのは本来私の名前は若山鶴冬であるべき所を現在暫定的に冬鶴と名乗っていることを表す。私が民謡に転向したら自分で鶴冬にしなさいと言われているが、私は民謡に転向するつもりは毛頭無い)
 
それで伯母たちの世代が乙女・風帆・清香の3人(さすがに新婦の母の里美は免除)、従姉世代が、友見・聖見、恵麻・美耶、鹿鳴・千鳥・歌衣・佳楽、そして私の9人(新婦の妹の明奈も免除)、従姪世代が、三千花・小都花・七美花、月子の4人、と総勢16人で若山流の「めでた」を唄った。
 
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(中学1年生の月子はこの夏休みに名取り披露をした。この子もひじょうに上手い子で、七美花が物凄いライバル心を燃やしている)
 
《めでた、めでたの若松様よ、若松様よ、枝も栄える、葉も茂る》
《咲いた杯、中見てあがれ、中は鶴亀、五葉の松》
《飲めや大黒、唄えや恵比寿、愛の酌取り、福の神》
 
(正確には各々の後に『あ〜』という小節(こぶし)が入る)
 
若山流「めでた」は私の祖母・若山鶴乃の出身地・富山県福光の「めでた」の流れを汲むもので、博多の「祝いめでた」とはメロディーも歌詞も違うので、参列している人たちが「へー!」という顔をしていた。それでこれに応えて博多からの参加者の有志が、博多の「祝いめでた」(博多祝い歌)を唄ってくれた。
 
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《祝いめでたの若松様よ、若松様よ、枝も栄えりゃ葉も茂る》
《エーイッショウエ、エーイッショウエ、ショウエ、ショウエ、ションガネ。アレワイサーのエッサーソエーのションガネ》※
《こちの座敷は祝いの座敷、祝いの座敷、鶴と亀とが舞い遊ぶ》
※繰り返し
《旦那大黒、御寮さんな恵比寿、御寮さんな恵比寿、できた子供は福の神》※繰り返し
《あんた百まで、わしゃ九十九まで、わしゃ九十九まで、共に白髪の生えるまで》※繰り返し
 
この歌は全国的に同系統のものが流布しているが、先頭を「祝いめでたの」と唄うのは、博多だけではなかろうかと私は思っている。
 

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「誰か高砂やりなよ」
「じゃ私が謡おう」
 
などと言って、これも美耶の能管(のうかん)と恵麻の鼓(つつみ)に合わせて風帆伯母が高砂を、いわゆる「翳し」(歌詞の書き換え)をせずに本来の歌詞で謡った。若山流鶴派では基本的に翳しはしないことにしている。
 
しかし・・・尺八や篠笛なら分かるが、能管のような特殊な楽器まで用意しているというのは、最初からやる気満々だったということだ!
 
こちらで『高砂』をやったら、当地の友人たちが『黒田武士』をやっていた。
 
この唄では「酒は飲め飲め」と唄った所で、当然新郎は大きな杯に酒を飲まされる。結婚式の時の様子を見ていても、あまりお酒に強そうではなかったので、この後、初夜は大丈夫か?と心配になった。
 
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母の姉妹5人は団結力が強いので、どうも色々計画していたようで、よどみなく出し物が披露される。
 
「あ、布施家のほうもどうぞ」
「いえいえ、そちらでどうぞ」
 
という感じで、この日は新郎側の余興1に対して、新婦側の余興が3くらいある感じであった! 私も三味線を弾いたり、胡弓を弾いたり(この2つは愛用の楽器を持って行っていた)、太鼓を叩いたりした。
 
風帆伯母が持っていた計画表!にきちんと誰が何を演奏するというのが細かく書き込まれていた。
 
「ここで次は冬ちゃんの余興が入る」
「なんかその計画表凄いですね!」
 
私は民謡ばかり続いて、疲れている人もあるだろうと思い、愛用のヴァイオリンRosmarinを使ってクライスラーの『愛の喜び』を演奏した。
 
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貴司さんが酔ってほぼダウンしていて(この人もかなりお酒に弱いようである)、伯母や従姉たちの民謡唄合戦が続いている中、私は理歌とふたりで京平と色々お話をした。1歳半にもなると、かなりしゃべってくれる。
 
それでひとつ分かったことは、京平はほぼ毎日千里と会っているということである。私は千里がかなり頻繁に、ひょっとしたら週に1回くらい京平に会っているのではと思っていたのだが、毎日会っているというのは思いも寄らなかった。しかし試合で全国飛び回っているのにどうやって会いに行ってるんだ??東京からだって大変なのに。
 
また京平は「千里のおっぱい」をまだ完全には卒業していないことも分かる。阿部子さんはおっぱいが出ず、千里はおっぱいが出るらしい。これは以前にも千里がそのことを示唆していたが、どうも本当のようだ。
 
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京平は千里のことを基本的には「おかあさん」と呼ぶものの、阿部子がいる前では「千里おばちゃん」と呼ぶようにしていることも判明する。ちなみに阿部子のことは「ママ」と呼ぶらしい。しかし1歳半で、このような高度な判断まで出来るというのは、この子、すごく頭がいいぞと私は思った。
 
しかし同時に、1歳半の子供がそんな気の回し方をしなければならないのは可哀相だという気もした。
 

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トイレに立った時に理歌が一緒に来て(京平は美姫に見ててもらう)、会場の外で彼女が言った。
 
「千里姉さんがオリンピックでしばらく南米に行ってましたでしょ?」
「うん」
「その隙に兄はこれまでで最大級の浮気をしたらしくて」
「え〜〜〜!?」
と言って私は眉をひそめる。
 
「どうも3〜4回ホテルに行ったらしいです。これには阿部子さんも千里姉さんも物凄く怒って、今2人双方からセックス拒否されているし、阿部子さんは京平を連れて一時家を出てホテルに泊まりこんでいたんですよ」
 
「あぁ・・・」
 
もっとも千里の言うことを信じれば、貴司さんと阿部子さんは結婚しているにも関わらず1度もセックスしたことがないはずである。千里と貴司さんも2012年の婚約破棄以降セックスは多分3回くらいしかしていない。千里は貴司さんとデートしても「風俗程度」しかサービスしていないらしい。果たしてその浮気相手とはセックスできたのだろうか。
 
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「あれ?阿部子さん、ご実家とかは?」
「神戸なんですけどね。なんか権利関係で揉めてて、その実家の家に入れないらしくて」
「お母さんはまだ名古屋ですか?」
「ええ。もう名古屋から動きたくないみたい」
「それでホテル暮らしか・・・」
 
「土下座して謝って今回はマンションに戻ってくれたようです。むろん相手とは、千里姉が中に入って、きっちり別れさせましたが」
 
「理歌ちゃんのお兄さんなのにこんなこと言ったらなんだけど」
「いいですよ」
「ほんとに懲りない人ですね」
「全くです。相手は30歳くらいのニューハーフさんだったみたいですよ。まだ手術してなくて、ちんちん付いてる人。タマタマは既に取ってたらしいけど」
「うーん・・・・」
「兄もさすがにニューハーフさんに本気になったりはしないと思うんですけどね」
「そうですね」
 
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いや、貴司さんはニューハーフさんこそストライクなんじゃないかと私は疑惑を感じた。千里とここ4年程こじれているのは、千里が完全な女になってしまったからだったりして!?
 
「でも・・・」
「はい?」
「どうせなら、怒って阿部子さん離婚してくれたら良かったのに」
 
と理歌が言うので、私はうっかり吹き出してしまったが、彼女も笑っていた。
 

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披露宴は13時から15時まで。その後16時から18時まで今度はカフェに移動して二次会をして解散するが、千里はその二次会の終わり頃に戻って来た。千里は白ロリータのドレスを着ていた。京平が「おかあちゃん、かわいい」などと言って、千里も思わず顔がほころんでいた。
 
「わ。京平、冬子さんと遊んでたんだ」
「ふゆおねえさん、おもしろいよ」
「そう、良かった、良かった」
 
「試合どうだった?」
と私は訊く。
「勝ったよ。まあ負けるような相手ではなかったんだけどね」
「へー」
「でも昨日がちょっと懐かしかった」
「昨日?」
「昨日の試合があった会場が、高校3年の時に国体に出た時の会場だったんだよ」
「・・・優勝した時だっけ?」
「うん。胴上げしようとしたら、宇田先生が恥ずかしがって胴上げ無し。後で本人もしてもらえば良かったと悔やんでいた。私にとっても高校時代、国内の全国大会で唯一の胴上げチャンスだったんだけどね」
 
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その話に隣で、飲み過ぎて半分意識が飛んでいるふうの貴司さんも
「ああ・・・あそこの会場か」
と懐かしそうな顔をした。
 
「今日やった会場は貴司が国体で使った会場だよ」
「わぁ・・・ほんとに懐かしい」
 
「しかし貴司がこんなに酔っていたら、帰り道、貴司はとても京平の保護者にならないな」
「ごめーん」
 
「理歌ちゃん、悪いけど、京平を千里(せんり)のマンションまで連れて行ってくれない?私が行くのはさすがに面倒なことになりそうだし。チケットはこのカードで買って」
と言って、千里が理歌に渡すのは貴司さんのカードだ!
 
「うん。OKOK」
と言って、理歌もそのカードを受け取る。
 
「飲んべえさんはそこら辺に放置しといていいから」
「当然」
 
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2次会も終わりのほうになって、やっと新婦の妹・明奈と少し話が出来た。
 
「お疲れ様!大変そう」
「うん。なんかひたすら挨拶してまわって、ひたすら雑用で走り回っている感じだよ」
 
「しかしとうとう若山系従姉妹連の中で、未婚は私と明奈と薙彦君の3人になっちゃったね」
「薙彦君、彼女紹介してやるから飲めと言われて、大量に飲まされてた」
「ああ、可哀相に」
 
姿が見えないのは、たぶんどこかで休んでいるのだろう。
 
「あの子、同性愛とかじゃないよね?」
「むしろ女装には興味あるみたいだけどね」
「ほお」
「ナギちゃんの振袖姿は割と可愛い」
「ほほお」
 
「でも私もお姉ちゃんが行かないからという言い訳が使えなくなったからやばい」
と明奈は言う。
 
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「ボーイフレンドは居ないの?」
と千里が訊く。
「いたらいいんだけどね〜。ああ、私いっそ女の子と結婚しようかな」
「それもいいと思うよー」
「あれ女の子同士で結婚するのもいいし、性転換して女の子と結婚するのもいいと思わない?」
「いっそ男の娘と結婚して、結婚した後で揃って性転換するとかは?」
とやや酔っ払い気味の佳楽が言うと
「あ、それはいい手かも」
などと明奈は言っていた。
 
「冬ちゃんは彼氏連れてくれば良かったのに」
「あれはその内婚約しようと約束しているだけで、別に婚約者ではないから」
「そのあたりがよく分からない」
 
「まあ後2年は契約上、結婚も出産も婚約もできないのもある」
「歌手ってたいへんね〜」
 
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「それに彼、今司法修習をやってる最中だから、とても時間が取れないしね」
「わあ。それ終えたら、弁護士になるの?裁判官?検察官?」
「弁護士志望で、就職先の弁護士事務所に行くのに付き合ってとか言われて、一緒にそこの所長さんに挨拶してきたよ」
「おぉ」
「もっとも卒業試験に落ちたら就職も取り消しだけどね」
「弁護士さんも大変だなあ」
 

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「だけどうちの父ちゃん、直前までかなり不機嫌な顔してたけど、さすがに今日はひたすら笑顔だったね」
と明奈が言う。
 
「何かあったの?」
「いやあ、花嫁のお腹の中に赤ちゃんいるからさあ」
「そうだったんだ!」
「なんでちゃんと避妊しないんだって、かなり怒ってたから」
「それは当然怒るね」
 
「だから今日は三三九度も姉貴は飲むふりで、新郎が全部飲んだ」
 
「あ・・・」
 
私はやっと分かった。
 
「それで新郎さん、三三九度が終わった後、ふらふらだったんだ?」
「ふたり分飲んだからね。でもちゃんと避妊しない本人たちが悪い」
 
「まあそうだね」
 

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