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■夏の日の想い出・やまと(8)

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2016年のローズ+リリーの活動は、1月に『The City』の海外版(『振袖』とセットの2枚組、あるいはPVを収録したDVDまで入れた3枚組)を出した後、2月には福島で震災復興ライブ、4月に23枚目のシングル『ちゃんぽん』をリリース、その後4〜5月の1ヶ月を掛けてローズ+リリーの全国ツアー実施、その後、新しいアルバム『やまと』の制作に取りかかった。途中、7月下旬と8月上旬に夏フェスに出た他は、メディアへの露出もほとんどせずにずっとアルバム制作に専念していた。最初はKARIONのアルバム制作と並行作業だったのだが、和泉が「次のローズ+リリーのアルバムは勝負所」と言って、私を外してくれたので、その後はアクア、貝瀬日南という超例外を除いては他のアーティストの制作には関わらずに作業を進めた。
 
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こんなに時間が取れるのは『Flower Garden』を作った時以来だと思った。『雪月花』は評価はされたものの、短期間にかなり集中して作ったもので、自分としてはもう少しリファインしたかったのだが、あれ以上発売を遅らせるのは世間が許さなかった。昨年の『The City』はあまりにも忙しい中での制作であった。
 
例によって麻布先生のスタジオを5月から12月まで半年ちょっと押さえている。そして今回は『Flower Garden』を作った時と同じ方式で制作を進めることにした。
 
この制作全てに関わるのは、私とマリ、事実上のプロデューサーの七星さん、事実上のスコア係の風花の4人だけである。
 
選択した楽曲を見て、最適のアレンジを考えて構成し、そのアレンジを演奏できる人を集めて制作する。スターキッズも毎回関わるとは限らないし、全員を使うとは限らない。
 
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なお★★レコードの氷川さんは、この年は、北川さんの入院でローズ+リリー以外のアーティストも一時的に抱えていたため、結構スタジオに居ない日もあったが、予算取り、アーティストの手配、PV撮影用セットや衣装の手配、撮影隊の編成などはきめ細かくやってくれた。
 

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収録する曲を大まかに決めたのは6月の上旬であった。一部は既にスコアを書き上げているのだが、残りは進行しながら書くつもりだった。
 
この時点で予定した楽曲は下記10曲である。
 
『行き交う船たち』(北海道)2014.10 
『秘密のかまくら』(秋田:東北) 
『だるま恋愛・かもしか恋愛』(前橋:関東)2015.8 
『トンネルを抜けたら』(新潟:甲信越)2013.12 
『若狭湾の夕日』(福井:北陸) 
『祇園祭の夜』(京都:近畿) 
『日御碕の夕日』(島根:山陰)2013.11 
『同行三人』(四国) 
『コスモスの園』(宮崎:九州) 
『その角を曲がればニルヤカナヤ』(沖縄)2015.6 
 
北海道から沖縄まで地域別に10個の曲を選んだ。山陽と東海が無いが、何かいいのができたら追加も考えることにした。
 
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この他に、上島先生・千里(醍醐春海)・青葉(大宮万葉)・鮎川ゆまから1曲ずつ計4曲頂くことにしていた。千里からもらった曲はゴールデンシックスに伴奏を頼み、ゆまからもらった曲はレッドブロッサムに伴奏を頼むことにして、各々承諾を得ている。
 

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最初に制作した曲は『だるま恋愛・かもしか恋愛』という曲で、5月下旬のことだった。
 
昨年8月に夏フェスに行く途中の三浦半島で危うく事故に巻き込まれそうになった時に政子が書いた詩に私が曲を付けたものである。
 
政子が「だろう運転・かもしれない運転」を「だるま運転・かもしか運転」と誤って覚えていて、そこから恋愛でも「だろう」「かもしれない」はあるよねと言って書いたものだが、タイトルはそのまま「だるま・かもしか」が残ってしまった。
 
スターキッズ&フレンズをベースに演奏したが、この曲ではキーボードを詩津紅に弾いてもらい、月丘さんには木琴を弾いてもらった(月丘さんは本来マリンバ奏者)。この木琴の音でだるまの木質な雰囲気を出す。かもしかの鳴き声は弛めたヴァイオリンの弦を弾く(はじく)音で表現している。このヴァイオリンを弾いたのは、偶然スタジオに来たアクアである。彼は小さい頃からヴァイオリンを習っていたので結構本格的に弾くのだが「人に聴かせられるほどのものではないので」と言っていた。しかし「弾く(ひく)んじゃなくて弾く(はじく)だけだから」と言ってやってもらった。
 
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「でも今日のアクアちゃんの格好をマリちゃんが見なくて良かった」
などと七星さんが笑いながら言っていた。
 
この日は演奏収録だけなので、マリはマンションで休んでいるのである(監視係は琴絵)。
 
「今日は仕事無い予定だったから、友だちと駅前のサンドイッチ屋さんでおしゃべりしてたんですよ。サンドイッチが108円で、中学生のお小遣いでも辛くないから中学生の溜まり場になっていて。その時うまく乗せられて着替えさせられちゃったんですけど、急にTKR(アクアのレコード会社)から呼び出しがあって。急ぐと言われたから着替える暇が無くて。それで三田原課長と話していたら、ケイ先生にこれ見てもらってと言われたので」
 
とアクアは言い訳する。
 
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「その格好見て三田原さん何か言った?」
「何も」
「誰か何か言った?」
「誰も」
 
「やはり、それアクアの普段の格好とみんな思っているんだな」
 
「ボク何だかみなさんから誤解されている気がします」
「いや。たぶんみんなの認識の方が正しい」
 
「ところでそういう格好の時、トイレはどちら使うの?」
「この格好で男子トイレには入れません」
「だよね〜」
 
「アクアちゃんって、結構そういう格好で出歩いている気がするのに、その手の写真ってめったに流出しないよね」
と氷川さんが不思議そうに言っている。
 
「たぶんアクアの普段の格好と思うからわざわざネットにあげたりしないんですよ」
と鷹野さんは言っていた。
 
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念のため「帰りはタクシーで帰りなさい」と言ってタクシーを呼んであげた。
 
なお、この曲は氷川さんからの提案で『だるまさんのように』と改題することにした。映像も若葉が数年前の高崎だるま市を撮影していた映像があったので、それと私とマリが実際に高崎の街を振袖を着て歩いている所、だるま屋さんで可愛い姫だるまを買うところなどを撮影したものとを繋いで構成した。
 

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6月上旬には千里が醍醐春海名義で書いてくれた『やまとなでしこ恋する乙女』の音源製作をゴールデンシックス(KB.カノン Gt.リノン B.美空 Dr.長丸香奈絵 Vn.長尾泰華 Fl.大波布留子)と一緒に進めた。
 
この時期になったのは、千里がオリンピック代表の活動で忙しく、6月下旬から8月の本番までは全く時間が無くなるのでPVは後で改めて撮るとしても音源製作だけでもその前に一通りしておきたかったからである。
 
箏(いわゆる琴)、胡弓、篠笛、和太鼓などの音も加えているが、これは私の親戚を動員した。箏は風帆、胡弓は美耶、篠笛は七美花、和太鼓は里美といったメンツである。
 
スターキッズはこの曲の伴奏には全く参加していない。七星さんにフルートを吹いてもらってもよかったのだが、ゴールデンシックスを主体とする方針から「ゴールデンシックスと愉快な仲間たち」のメンツを起用した。
 
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なお千里本人には6月14日にスタジオに来てもらい、仕上がりを見てもらった。
 
「千里先生も笛吹きません?」
と千里に龍笛を習っている七美花が言うが
「今回時間が無いからパスね」
と言って、聴く側に徹していた。
 

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6月後半は鮎川ゆまからもらった『かぐや姫と手鞠』という曲の制作をした。とても美しい曲で彼女の『童話シリーズ』の続きのようである。
 
レッドブロッサムのメンバーと一緒に制作を進めた。
 
この曲には、篠笛、龍笛、明笛、笙と様々な日本の笛をフィーチャーしている。ここで笙はまた七美花を動員したのだが、他の笛の吹き手については悩んだ。千里が使えたらいいのだが、海外に合宿で行っているし、そもそもオリンピックまでは時間が無い。青葉も天津子も時間が取れないようであった。
 
私は千里に国際通話で「春のツアーに参加してもらった謎の男の娘さんに頼めない?」と訊いてみた。するとあっさり「いいよ」と言ったので、その人に来てもらった。
 
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「こんにちは。謎の男の娘です」
と彼女は今回は素顔を曝して笑顔で挨拶した。
 
「普通に女性にしか見えん」
と鷹野さんが言う。
 
「まあ、女になってから25年ほど経ちますし」
と本人。
 
「あのぉ、何歳ですか?」
 
見た目はまだ23-24歳くらいに見える。ツアーの時に声だけ聴いたのでは40歳くらいかとも思ったのだが、今日は声もあの時より若い気がする。
 
「人間の年齢だと100歳くらいかなあ」
「人間じゃ無いの!?」
「私、キツネですけど。キツネに見えません?」
「うーん。。。キツネが人間に化けてるんなら、気付かないかもなあ」
 
「キツネでもいいのでお名前教えて下さい」
「じゃ深草小春ということで。小春でいいですよ」
「じゃ、小春ちゃんで」
 
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「物理的な年齢は?」
「この世界に生まれてからは25年くらいかな」
 
「ちょっと待って。女になってから25年と言ってたし、もしかして生まれた時から女の子?」
 
すると彼女はニコッと笑って言った。
 
「これ『かぐや姫』の歌なんでしょ? かぐや姫は月の世界で悪いことして地球の女の子に転生させられたけど、私も前世では悪い男で、たくさんの女を泣かせたんです。それで罰として女に変えられて赤ちゃんからリスタートさせられたのよね」
 
「かぐや姫って前世では男だったんだっけ?」
「さぁ。そこまでは・・・」
 
「よし、だったらそのように歌詞を少し書き換えよう」
と作詞作曲者のゆまが言い出す。
 
「いいの〜?」
「マリが喜びそうだけど」
 
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「じゃ、小春ちゃんって男の人だったのに強制的に女の子にされちゃったの?」
 
と割と物に動じない七美花が訊く。
 
「そうそう。意識は継続してるから、ちんちんが無くなった自分の股間を見た時は、もうこの世の終わりかと思った」
「ああ」
 
「俺、何かあそこがむずかゆくなってきた」
などと鷹野さんが言う。
 
「鷹野さん、女の子になってみます?いいお医者さん紹介できますよ」
と笑顔で小春が訊く。
 
「いや、遠慮しとく」
 

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実際に、龍笛担当の小春、笙担当の七美花、明笛担当の七星さん、篠笛担当の三千花が合わせてみると物凄い演奏になった。例によって今日はスピーカーが1個壊れた。
 
「ローズ+リリーの収録で物が壊れるのはもう想定範囲内だ」
 
などと録音担当の有咲が言いながら、スピーカーを交換していた。むろんローズ+リリーの収録では、作業を始める前に全てのデータをバックアップして、そのディスクはシステムから切り離し電源の入ってない状態にし、更に1日単位のバックアップをスタジオではなく、保管庫に最低10世代置いている。また週に1度程度私がコピーをマンションに持ち帰っている。
 
「なんかこの4つの合奏だけで、もう他の楽器入れなくてもいい気がしてきた」
と作曲者のゆま(サックスを吹いている)が言う。
 
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「私、この人たちと一緒に演奏できるレベルじゃない」
と三千花(槇原愛)が言い出す。
 
「秋乃さん、代わってもらえません?」
「うーん。愛ちゃんの演奏も充分上手いと思うけど、まあ代わってもいいよ」
と言って結局、風花が篠笛担当になった。
 
「私、お茶くみで頑張ります!」
と三千花は言っていた。
 

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6月下旬に大阪でロックフェスタに出た後、奈良県のE村を訪れた際『神の里』という神秘的な歌ができた。これは「神」という言葉は軽々しく使わない方がいいと考え直して『神秘の里』というタイトルでアルバムに入れることにし、代わりに『トンネルを抜けたら』を外すことにした。
 
『神秘の里』はリズム楽器を入れずに制作した。ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスという弦楽器多重奏を背景に、ミュートしたトランペット、トロンボーン、ホルンなどで美しい情景の描写をする。
 
この演奏には渡辺賢一グランドオーケストラに協力してもらった。私と風花でまとめあげたスコアに沿って、グランドオーケストラのメンバーにに演奏してもらった音の上に、私とマリの歌を乗せている。
 
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「すごく美しい曲にしあがったけど、これライブの時はどうすんの?」
「そこまでは考えてません」
 
 
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■夏の日の想い出・やまと(8)

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