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■夏の日の想い出・やまと(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2017-02-18
 
テレビでのフェイの妊娠記者会見を見ていた政子が
 
「残念だなあ」
と言っている。
 
「何が残念なの?」
「だってフェイちゃん、絶対可愛い男の娘だと思っていたのに、本当は女の子だったなんて」
「遺伝子上は男だって言ってたじゃん。性染色体はXYだって。それで出生時の検査の結果は男の子ということになったんじゃないの?」
 
「そんなこと言ってたっけ?」
「最初の方で言ったよ。だから性別決定手術する時に、おちんちんや睾丸を取らずに、逆に卵巣の方を取ってヴァギナは塞いでしまっていたら、男性的に発達して、父親になっていたかもね」
 
「じゃ完璧に両性体だったんだ?」
「おそらくそういうことだと思う。両性体で、肉体的にはやや男に近かったものの、精神的な発達は女の子だったということだろうね」
 
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「その精神的な発達って何で決まるの?」
「それは分からない。私も物心ついた時から女の子と思っていたし、あれは環境とかで変わるものではなく、生まれつきのものだと思う」
 
「だけど染色体がXYなのに妊娠の維持が可能なの?」
「あの子はたぶんモザイクなんだと思う。だからたまたま検査した細胞はXYだったかも知れないけど、たぶんXXの細胞も存在している。その女の部分が妊娠システムを維持してくれるんだと思う」
 
「そういうこともあるのか」
 

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記者会見場から控室に引き上げてきた所に、ハイライトセブンスターズのヒロシが待機していた。フェイはヒロシにキスをする。ポールや野坂社長も少し渋い顔ながらそれを黙認する。
 
「ぼくの会見、どうだった?」
とフェイが訊く。
 
「よくまああれだけ堂々と嘘言えるなと感心していたよ」
とヒロシが言う。
 
「ところで、お腹の中の子供だけど」
「昨日も言ったように、君さえよければぼくが認知したい」
「いいの?」
「別に公開する訳で無ければ構わないよ」
 
「でもぼくとヒロシって赤ちゃんできるようなことしたっけ?」
 
「それは微妙だけど、ぼく、君の赤ちゃんの父親になりたいから。ぼくもフェイも契約上まだ結婚できないけどさ、認知までは禁止されてないから。これはうちの事務所の社長に確認した。渋い顔してたけど」
 
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「そうだなあ。どうしようかなぁ」
とフェイはヒロシをわざとじらすような言い方をした。
 
「君たちが結婚したいのなら、僕もそちらの鈴木社長と話し合って、適当な発表の仕方を考える。でも勝手に発表するのだけは勘弁してくれない?」
と野坂社長は言う。
 
「分かりました。それはお任せしますが、実際問題としてフェイは“奥さん”なんて絶対しないと言っているので、結婚する必要もない気もするんですけどね」
とヒロシ。
 
「ぼくは自分のことは男の子だと思っているから、男の子のヒロシと結婚する気はないし、主婦とかもする気無いけど、もし指輪くれるならもらう」
とフェイ。
 
「いいよ。国内で買うと目立つから、今度アメリカに行った時に買ってくるよ」
とヒロシも答える。
 
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「じゃ楽しみにしてる。あ、アメリカに行くならね」
「うん」
「ティファニーとかハリーウィンストンとか・・・」
「が、いいの?」
「は、やめて」
「はいはい。フェイにしては珍しく高級ブランドを要求するなと思ったら」
「そういうセレブが選ぶようなブランドは好きじゃない。庶民の男女が選ぶようなものがいい」
「その方がフェイらしいね」
 
「それと野坂社長、フェイは多分違約金を課せられますよね。それをぼくが払いたいんですが」
とヒロシは言うが
「それヒロシが払う必要無いよ。だってヒロシはこの妊娠には責任無いもん。ぼくが自分で払うから大丈夫だよ」
とフェイは言う。
 
「そうハッキリ言ってくれるなよ。もしかしたらぼくの子供かもという気持ちでいるんだからさ」
「うーん。だったらいいよ。あの時ので妊娠したかも知れないということにしておく」
などとふたりが言っていると、ポールが
 
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「セックスしなくても身体的な接触をした以上、妊娠する可能性はあるよ」
と明快に言った。
 
「その違約金の件はまた後で話そう」
と社長は言う。
 
「分かりました」
とヒロシ。
 
「ところでヒロシちゃん。レインボウ・フルート・バンズの音源制作の件なんだけど」
と野坂社長が言う。
 
「はい。協力させてください。妊娠中のフェイにあまり負荷を掛けたくないから、ぼくがフェイの代わりに色々楽器やりますよ。これも鈴木の許可を取りました」
 
「ありがとう。助かるよ」
とポールも言った。
 

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「ところでひとつフェイに訊きたいことがあるんだけど」
とヒロシは言った。
 
「どこから産む気?」
「帝王切開」
「するしかないよね〜?」
「まあそれは仕方ない。赤ちゃんが出てこられるようなルートが存在しないし」
 
「あと本当に性別、女に直せるの?だってさぁ・・・」
 
とヒロシが言うと、フェイは「クククク」と苦しそうに笑ってから言った。
 
「性同一性障害なら外性器が当該性別のものに酷似してないと審判が通らないらしいけどさ、半陰陽の場合は、そんな条件は無いんだよ。病院の先生はぼくが女だという診断書書いてくれたし、妊娠は事実だから、裁判官は妊娠した以上女だと思ってくれるよ。男の戸籍を放棄するのは惜しいけど、お母ちゃんは諦めていた孫の顔が見られるって喜んでいるし、まあ仕方無いから女になることにするよ」
 
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「フェイ、戸籍を女に変えても気持ちとしては男の子だよね?」
「当然。正確には男の娘を演じる男の子。ぼくの心のレベルではね」
「それを聞いて安心した」
「結局、ヒロシってゲイなのかな」
「ぼくはゲイのつもりはないし、男の子には興味無いけど、フェイにだけは興味がある」
「ふふふ」
 

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2人は深夜のマンションで密会していた。
 
「ねぇ、真琴、本当に妊娠してるの?」
「してるよ。何なら妊娠検査薬、早紀の前で使ってみせようか?」
 
「いやいいよ。あれ高いし。父親については調整中って言ってたけど、もし実際の父親があまり認知に前向きじゃなかったら、ぼくが認知しようか?」
 
「大丈夫。それはひとりもう認知すると言ってくれている子がいるから。だいたい早紀は睾丸無いんだから、ぼくを妊娠させられる訳が無い」
 
「それはありえないとは思うけど、セックスはしてるし、ぼくは戸籍上は男だから、認知は可能だと思うよ。それにぼく、真琴のことけっこう好きだから、真琴と夫婦になってもいいよ」
 
「早紀との結婚生活は悪くない気もするなあ。だってぼく、男の子とも女の子とも結婚したくないから。早紀となら結婚できる気もする。でもごめん。認知はその子にしてもらうから。彼女はまだ睾丸があるんだよ。でもその子と結婚したりはしないから心配しないで」
 
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「彼女って、男の娘なの?」
「世間的にはふつうの男の子として通してるけど、かなり怪しい」
 
「真琴って男の子にも女の子にも興味無いくせに、実は男の娘が好きだもんね〜」
「それはお互い様。だから早紀とは恋人じゃなくてずっと友だちでいたいんだよ。セックスは気が向いたらするかも知れない友だちという線で」
 
「まあいいけどね。真琴とぼくのセックスって、絶対他の子とは体験できないすごい世界だから」
 
「くたくたに疲れるけどね〜」
「体力は必要だよね〜」
 
「お互いに恋愛感情がある訳でもないし、性欲を解消するためにする訳でもないし、不思議なセックスだよね」
「あれは多分スポーツの一種」
「ああ、ぼくもその感覚に近い」
 
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「ええ?妊娠したの!?」
「うん。出産予定日は5月」
 
「ゆきちゃん、女の子だったの〜?」
 
私は驚愕して言った。
 
「私は女の子だよ」
とXANFUSのyukiこと黒井由妃は答えた。
 
「ケイが騙されたのも無理は無い。織絵まで騙されていたらしいから」
と“XANFUSのリーダー”mikeこと美紀子が言う。
 
「私は完全に騙されてた」
とその織絵(音羽)は頭を抱え込んでいる。
 
「じゃゆきちゃんは、1年くらいお休み?」
「うん。取り敢えずそのくらい休ませて。その間は代わりに、ゆきがドラムス打つから」
「へ!?」
 
「ゆき、出ておいでよ」
と由妃が声を掛けると、由妃そっくりの子で、服まで同じ子が出てきた。
 
「え〜〜〜!? まさか双子だったの?」
 
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「実はそう」
とふたりの“ゆき”は声をそろえて言った。ふたりは背丈も同じである。
 
「基本的に絶対にふたり並んでは顔を出さないようにコントロールしてる」
「そうだったのか」
「ツアーとかにも2人とも行くけど、他のメンバーの前にも1人ずつしか顔を出さない」
「計画的犯行だ!」
 
「私たち、男女の双子だったんですよ」
「生まれた時はね」
 
とふたりは同じ声で言っている。
 
「でも私はゆきと同じ女の子になりたかった」
と今出てきた方の由妃が言う。
 
「だからいつもふたりとも女の子の服を着てたね」
「親も最初は、ゆきには男の子の服を着せようとしていたけど、その内諦めた」
「そして私たちは顔がそっくりなのをいいことに、しばしば入れ替わっていた」
「母ちゃんにも気付かれないことよくあったね」
 
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「しかし男女のふたごでここまで似てるって珍しいね」
「いわゆる半一卵性双生児なんだと思う」
「あぁ」
「DNA検査とかしてないけど、おそらく私たちは受精前の卵子が分裂して、各々別の精子と結合したんだと思う。母ちゃんから受け継いだ遺伝子が同じだからこんな似ているんだと思う」
 
「体型が同じになるように、子供の頃からけっこうお互い努力してたしね」
「私たち身長も体重も同じ」
「スリーサイズも同じ」
「髪の長さもいつも同じにしてたし」
「服も必ず同じものを着てたし」
 
「でも中学や高校は〜?」
「ふたりとも女子制服を着てましたよ」
「着られたんだ?」
「母ちゃんが頑張って学校を説得してくれたから」
「いいお母さんだね」
 
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「小学6年生の内に去勢しちゃったから、睾丸が無いんだから女子生徒ということにしても問題無いはずと力説してくれて」
 
「凄い。でもよく小学生で手術してくれたね」
「中国で手術したんです」
「わぉ」
「ということにして、実は国内だけどね」
「うん。あくまで秘密に手術してもらった」
「うーん。。。」
 
「じゃ男の子の方のゆきちゃんが、早い時期に性転換したんだ?」
「高校3年の夏休みに性転換手術を受けた」
「すごーい」
「18歳以上ならしてくれる所はあるから」
「実はまだ17歳だったけどね、当時」
「うん。私たち12月生まれだから」
「そのあたりは誕生日を誤魔化して」
「だってあんな手術、夏休みでないと受けられないもん」
 
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「そうなんだよね〜」
 
「ケイさんは、小学4年生の夏休みに性転換手術を受けたと聞きましたが」
 
「みんなからそう言われるから、自分でも分からなくなって来た」
 

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「そういう訳で、女の子のゆきは産休で1年間休みますけど、男の娘のゆきはその間、代わりにドラムス叩きますから、ご心配なく」
 
「ただ、体力使うよね」
「うん。これまでは1日交代で叩いていたりしてたけど」
「全然気付かなかった!」
 
「このふたりはメイクも工夫して、完全に同じ顔に見えるようにしているから、私たちにも区別が付かないのよ」
と美紀子は言っている。
 
「実は黒美(noir)だけには、私たちの区別が付いているみたい」
「まあ小学校の時からの付き合いだから」
と黒美は言っている。
 
「お母さんも間違えるのに、noirちゃんは見分けられるんだ?」
「ほとんど勘ですけどね」
「ああ、そういうことか」
 
きっと青葉や千里もふたりを見分けられるだろう。
 
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「ちなみにギャラは2人で1人分しかもらってない」
「2人で1人分しか働いてないけどね」
などと本人たちは言っている。
「ごはんとかは2人分食べてるし、航空券とかも2人分だから、実はギャラはもらいすぎかも」
「健康保険とか年金は自分たちで払ってるけどね」
 
「打ち上げには基本的にその日演奏した方が参加。もうひとりの食料は黒美か(白浜)藍子さんが取り分けて持って来てくれるから、部屋で食べてる」
「あくまで1人しか居ないように装う」
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