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■夏の日の想い出・やまと(6)

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「それで8年間も騙されていたんだよ」
と織絵は言っている。
「織絵は素直な性格だからわりと騙されやすい」
と美来(光帆)。
 
「でも私もこれまで気付いてなかった」
と貴子(kiji)。
 
「私たちも知らなかった」
と浜名と神崎が言っている。
 
「8人中4人に気付かれないま8年やってきたというのは、私たちも大したもんだね」
などと2人の“ゆき”は言っている。
 
「実は契約書も1人分」
 
「同じ学校を出て、同じコンテストに出たし、ずっと一緒に住んでいるから住所も同じだし」
「実は出る声域も同じ」
「ドラムスの腕はお互い切磋琢磨してるから、ほぼ同じ」
「ただし歌自体はゆきの方がうまい」
「歌だけはかなわない」
 
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などと言っているが、私はもうどちらがどちらか分からなくなって来た。2人はさっきから何度も立つ位置を入れ替わっている。
 
「だから履歴書はひとつでいいよね〜」
「私が法的にも女になったから、性別欄も同じだし」
 
今発言した方が男の娘か!ということは、男の娘のゆきちゃんの方が歌はうまいということなのだろう。
 
「運転免許も同じ日に試験受けて一緒に合格したから、運転免許証でも区別はつかない」
「時々うっかり逆に持っていることもある」
「うん。あれは単純ミスだけどね」
「でも警察に見られてもどうせ分からない」
 
「本名はどうなってんの?」
「生まれた時は由紀子と由紀夫だったんです」
「うーん・・・」
「でも私が性転換したから由紀夫を由紀絵に変えた」
「結局、どちらもゆきちゃんなんだ!」
 
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「でも結婚するんでしょ?そしたら苗字は別々?」
と私は尋ねた。
 
「結婚はしませーん」
「結婚してとは言われたね」
「ゆきがね」
 
「もしかして彼氏は間違って、男の娘のほうのゆきちゃんにプロポーズしちゃった?」
「ゆきが結婚する気ないなら、私が結婚してもいいかなとは思ったけど」
 
「2人ともデートはしたことあるけどね」
「2人ともセックスもしたことあるけどね」
「セックスしてもバレなかったね」
「え〜〜〜!?」
「私たち、おっぱいも同じ大きさだし」
「デートの途中で入れ替わったこともあった」
「うっそー!?」
「3Pしてもいいよと言っているけど、それは嫌だって」
「彼のことふたりとも好きだしね」
「でも実際どちらと寝ているのか彼には区別が付かないみたい」
「うむむ」
 
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「生理の時はゆきにセックスしてもらう」
「えっと・・・」
「でもゆきが生理の時は私もナプキン付けてる」
「あぁ・・」
「ゆきもナプキン付けてくれていると生理痛が緩和される気がする」
「へー!」
 
「どっちみち奥さんなんてする気は無いし」
「子育ては2人で頑張るから大丈夫ですよ」
「認知だけしてくれたら問題無いと言ってます」
「まあ子供の顔を見に来るのは自由だけどね」
「養育費も要らないよと言ったけど、ちゃんと払うとか言ってたね」
「生活費くれるんなら、ありがたくもらっておく」
 

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「ええ?妊娠したの!?」
「うん。出産予定日は5月」
 
と桃香が言うのに、私は本当に驚いた。
 
「だってだって、桃香、彼氏とかいたの?」
「私が男と恋愛するわけない」
 
「私が去勢する前に精子を冷凍しておいたんだよ。その精子で妊娠したらしい」
と千里が説明する。
 
「らしいって・・・」
「私も昨日その話を聞いて、少し怒っているとこ。その精子は確かに桃香が子供が欲しくなった時に使わせてと言われて冷凍保存したものではあるけど、人工授精するなら、事前に私にも言ってほしいよ」
と千里。
「いや、すまんすまん」
と桃香。
 
「それどうなんの?千里、その子を認知するの?」
「色々調べてみたけど、私は女だから認知できないようだ」
 
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「うーん。。。。」
 
フェイは戸籍上男性なのに妊娠したようだし、千里は戸籍上女性なのに、自分を父親とする子供が生まれることになるようだ。そういえば、桃川春美は3人の娘の「遺伝子上の母親」と主張していたが、そのあたりはどうなっているのか?
 
「桃香仕事はどうすんの?」
「出産の前後に産休を取るよ。前後半年くらい。12月から1年間休ませてもらえば何とかなると思う」
 
「でも桃香、去年入社したばかりでしょ?そんなに休める?」
「産休は労働者の権利だ」
 
「それはそうだけど、会社はいい顔しないと思うよ」
と私が言うと
 
「私もそれ心配してるんだけどね」
と千里も言った。
 

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私は桃香の妊娠について疑問があったので、翌日の夕方、千里が所属しているレッドインパルスの練習場(川崎市内)を訪れた。
 
練習が終わるのを待ち、彼女を近郊の料亭に誘う。
 
「料亭で密談なんて、政治家みたいだね」
などと千里は笑って言う。
 
「川崎に行くべきか、二子玉川に行くべきか、一瞬だけ悩んだんだけど、千里が居るのはたぶんこちらだろうと思ったから」
 
「二子玉川に行っても私に会えたのに」
「千里ってもしかして双子?」
「ケイは三つ子だという説もあるけど」
「そのあたりはお互い様かな」
 

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「桃香の妊娠だけど、精液を保存したというのは確かに聞いたことあったけどさ、千里に精液があった訳が無い気がするんだけど」
と私は率直に自分の疑問をぶつけた。
 
「どうしてそう思う?」
「千里って小学4年生の頃から女性ホルモンに身体を曝していたと言っていた気がする。だったら、男の子としての二次性徴なども無かったはずで、それなら精子が生産できる睾丸も存在しなかったと思うんだよね」
 
千里は微笑んでいた。
 
「私も随分性別検査受けさせられたけど、私の骨格は二次性徴が発現する前から、女性ホルモンの影響下にあったとしか考えられない骨格らしい。だから私はIOCの特例で、女子選手としての資格があるんだよ」
 
「まあ思春期前から女性ホルモンの影響下にあったのなら本物の女子と同じだろうね」
 
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「クロスロードの仲間で、私と青葉、冬子と和実、この4人がこの条件を満たしていると思う。各々様々な偶然と幸運に恵まれてね」
 
「・・・・」
 

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「いちばん明快なのが青葉だよね。あの子は魔術的な手法で自分の睾丸の機能をほぼ停止させるとともに、アロマターゼの分泌を促して自分を女性ホルモン優位の状態に改造してしまった。でもそれだけではあの子の身体付きは説明できない。いくら青葉が小さい頃から凄かったとしても、小学生の頃のあの子の技術で、逆の性別のホルモンを支配的にできるほどの状態を長期間維持できたとは思えない。どうしてもホルモンの分泌が不安定になる。あの子は私たちには隠しているけど、多分何らかのルートで女性ホルモン剤を調達していたと思う」
と千里は言った。
 
「それはそんな気がしたことはある」
「みんな嘘つきだからねぇ」
「全くだね」
 
と言って私たちは微妙な視線を交わす。
 
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「和実がいちばん分からない。あの子はかなりの隠しごとをしている」
「隠すのって、助けてくれた人に迷惑が掛かるからだと思う。絶対違法なことをしてるもん」
と私は言う。
 
「それか自分でも分からないかだよね」
「それはあるかもね」
 
「龍虎はみんなが女性ホルモンを渡すもんだから、それに騙された振りして、かなりあからさまに女性ホルモンを摂っている。でもあの子は巧妙で男性機能が消滅しない程度、身体が女性化してしまわない程度に摂っている」
と千里。
 
「あの子は女の子になりたい訳ではないんだよ」
と私。
 
「それは同意」
 

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「まあそれで私の場合は、多分信じてもらえないだろうけど、小学4年生の時に卵巣を移植されている」
と千里は言った。
 
「卵巣移植か・・・・」
「ついでに睾丸は取り外された」
 
「やはりその時期に去勢してしまったのか」
 
「私も青葉も和美も冬も、この4人は全員小学4−5年生で去勢してないと説明がつかないと思わない?」
「まあ、自分を棚に上げていえば、男性的発達を全くしていないからね。腰の付近を触った感じが、この4人は、ふつうの男の娘とは違うんだよ。腰の骨格が女性の骨格なんだ」
 
「冬はドミノ移植って分かるよね」
「もちろん」
 
「小学4年生の時に、複雑なドミノ移植が行われたんだよ。私もよくよく考えないと分からなくなるんだけど、結果的に私の身体には卵巣が移植されて、私の身体にくっついていた睾丸は別の人に移植された」
 
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「・・・・」
 
「実はここにリダンリダンの信子ちゃんも関わっているのさ」
「え〜〜!?」
 
「時空を越えた移植が行われた。だから信子ちゃんの身体に付いていた睾丸は今別の人の身体にくっついてる」
 
「うーん・・・・」
 
「この人はもう子作りを終えていて、浮気などもしない人だから、信子ちゃんを遺伝子的父親とする子供が生まれる可能性は無い。でもその気になったら、その人から精子を搾り取ってくると、信子ちゃんを父親とする子供が作れないことはない」
 
「つまり千里の睾丸もそういう状態にあるわけ?」
 
千里は日本酒を手酌で萩焼のグイ呑みに注ぐとそれを一気に飲み、それから真剣な表情で、こちらに顔を近づけ、小さな声で言った。
 
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「京平の件だけどさ。最終的には私の卵子と貴司の精子を結合させて受精卵を作った。でもその前に実は私の精子と阿部子さんの卵子でも、かなりうまく行きかけた。受精卵自体はできたけど、数日で成長が止まってしまった」
 
「やはり千里の卵子だったのか」
 
「阿部子さんの不妊の原因の大半は脳下垂体が壊れていてhCGホルモンがしっかり分泌されないことにある。でも卵子にもかなり問題があるんだよ」
 
「大変そうだ。あれは本当に色々試行錯誤したみたいね」
「その精子は、実は私の睾丸がくっついている人から搾り取ってきた」
「うーん・・・」
 
「私と桃香で採取した冷凍精子は4本しかないし、それを使ったら桃香にバレるから。貴司との子供を作るのにそれを使うのは桃香との約束にも反するし、桃香との信頼も裏切るしね」
 
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「桃香以外の人と子供作ること自体はいいわけ〜?」
「京平は、桃香と出会う前から存在していたから。ただ、この世に連れてくる方法を模索していた」
 
「生まれる前に会っていたと、細川さんも言ってた」
「うん」
 
「貴司の2人目の子供も既に存在している」
「その子も体外受精で阿部子さんに産んでもらうの?」
 
「まだ分からない。私も教えてもらってない。でもたぶん阿部子さんではない人が産んだことになるんじゃないかと思う」
「細川さんを別の女性と浮気させる?」
 
「ここだけの話」
「うん」
「貴司はたぶん来年末くらいに離婚して別の女性と再婚する。その人が産んだことになる気がする」
 
「せっかく離婚するなら、千里が結婚すればいいじゃん」
「私が妊娠したことにはできないから」
「でもそれ寂しくない?辛くない?」
 
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「私は貴司の2人の子供の、遺伝子上の母になるし、実際に妊娠して出産するのも私だから全然問題無い。ただ世の中の物理法則上の母親になってくれる人が欲しいだけだから。でも同じ人が2人も産んだら、その人は貴司にとって重要な人になってしまう。だから1人ずつ2人の女性に名目上の母になってもらう。もちろん各々の母親になってくれる人にはそれなりの御礼をするよ。彼女たちが幸せになれるようにね。阿部子さんも次の夫との間にはふつうに子供ができるはず」
 
と千里は言ったが、私はあらためて尋ねた。
 
「ほんとに千里、辛くないの?」
 
すると千里はまた日本酒をグイ飲みに注ぐと、一気に飲んで言った。
 
「どうして私も冬も、女の子として生まれてくることができなかったんだろうね」
 
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そんなことを言う千里は泣いていた。
 

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■夏の日の想い出・やまと(6)

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