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■春逃(12)

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19:00.
 
ステージが始まる。
 
基本的にはお正月のライブと似た楽曲だが、何曲か入れ替わっている。但しアレンジは原則として同じである。また、今回は単独ライブではなく、他のアーティストとの共用ステージなので、大がかりな仕掛けなどは省略されている。また時間帯が夜なので、幼稚園児たちや、信濃町ガールズたちの出演もカットされていた。
 
冒頭、『いつも太陽があるように』について、ケイが
 
「なんでこんな時にロシア語で歌うんだ?とお怒りの方もあるかも知れませんが、私たちは、ロシア語を理解する人にこそ、この平和を訴える歌を聞いて欲しいからロシア語で歌うんです」
 
とコメントしてから始まった。背景に、お正月のイベントで早月ちゃんが描いた絵と、歌詞の日本語訳が表示されていた。
 
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更にケイとマリは「Dona nobis pacem(平和を私たちに与えたまえ)」をラテン語で歌い、これもバックに日本語訳が表示された。この曲は知っている人も多く、唱和する声が会場に響き渡った。
 
この2曲のピアノ伴奏を務めたのは“くまのプーさん”である!
 

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その後、前半はこのような曲を演奏していった。
 
『虹の願い』
『ぼくたちの秘密基地』
『歯磨き味のイチゴ』
『Atoll-愛の調べ』★
『Multiply』
『金目鯛』★
『白い雪・愛のテーマ』
『ガラスの靴・愛のテーマ』
『湖より・愛のテーマ』
『Burning Snow』
 
★が、お正月には無かった曲で、邦生はどちらもトロンボーンを吹いたが、無事ノーミスで吹くことができてホッとした。
 
出演者がいったんステージから下がり、Flower Sunshineの桜井真理子と安原祥子が2人ともアルトサックスを持って出て来て、サックスの“曲芸二重奏”を披露した。
 
吹きながら背中合わせで回転したり、足でサッカーのボールをリフティングしながら吹いたり、安原の肩の上に桜井が飛び乗って“二段吹き”をしたり、吹きながらバク転したり!
 
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こういうアクロバット的なことをするため、サックスはストラップではなく、身体に棒のようなもので固定しているようである。
 
これは充分“芸”になっていると思い、控室で休んでいた邦生たちも大きな拍手を贈った。
 

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後半は下記のような曲を演奏した。後半は全部お正月にも演奏した曲なので安心して吹くことができた。
 
『君に届け』
『H教授』
『青い豚の伝説』
『コーンフレークの花』
『フック船長』
『ピンザンティン』
 
ここまで演奏した所て、スターキッズ以外は出番終了である。時刻は20:43である。千里さんが、邦生、久美子、世梨奈に声を掛けた。
 
「帰るよ」
 
「もういいんですか?まだ少しパフォーマンスは続きますが」
「君たちの出番は終わったからね。できるだけ早く帰らないと、明日に響く」
「確かに」
 
なおこの後ライブは“サービスステージ”(リアルライブのアンコール相当)と、イベント・ラストの08年組全員・観客全員による『花は咲く』が演奏されるはずである。
 
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それで邦生たちは荷物を持って楽屋を出た。服はステージ衣装のままである。つまりスカートのままである!邦生の楽器は、信濃町ガールズの太田芳絵ちゃんと、夢島きららちゃんが持ってくれた。
 
織姫の表に、大きな車が駐まっている。
 
「日産キャラバン?」
「そうそう。定員4名の」
「4人しか乗らないんですか!?」
「これは特別仕様車なんだよ」
と言って、千里さんがドアを開けると、ほぼフラットに近い状態になった座席?が3つだけある(助手席は最も前まで押されている)。
 
「このキャラバンは車中泊専用の車で、フルフラットにした状態で3人寝ることができる。但し、フルフラットの状態で走行すると、シートベルト違反になるから、違反にならないギリギリの角度まで起こしてある」
 
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「へー!」
 
「いちばん奥、運転席の後ろに邦生(くにお)ちゃんが寝て。真ん中に久美子ちゃん、ドアのそば、いちばん手前に世梨奈ちゃん」
「分かりました」
 
「それと冷えないようにこれ穿いて」
と言って、千里さんはスウェットのパンツ(ズボン)を3人に配った。全員スカートは穿いたままパンツを穿いた。裏フリースで、凄く温かく感じる。
 
それで3人は寝たが、かなりフラットに近い状態ではあるものの、しっかりシートベルトが締められたし、更に足元に ┗┛ のような形の足押さえがあるので、そこに足を入れると、隣の人を蹴ったくらなくて済むし、身体も安定する感じだった(実際には世梨奈は久美子にかなり蹴られた模様)。
 
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(邦生を最も奥にしたのは後述の降りる順序の問題と、女子の足を邦生が見る形にしないためである))
 
千里さんは3人に毛布を掛けてくれた。
 
「じゃ6時間ノンストップで走るから」
「大丈夫ですか?」
「平気平気。私はライブ中寝てたから」
「出演なさってたじゃないですか!」
「出演してたのはミーシャだよ」
「プーさんということは?」
「あ、そうか。プーさんだった」
 
それで車は太田芳絵・夢島きららに見送られて、出発したのである。
 
(出演したのは2番で。今ここにいる千里4番は本当に寝ていた)
 

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邦生は疲れていたので、そのまますぐ眠ってしまった。
 
車が駐まる。
 
「トイレ休憩〜」
というので、全員いったん降りてトイレに行く。むろん4人とも女子トイレに入る。
 
「ここは・・・?」
「上川PA。ちょうど道の途中だね」
 
「千里さん短区間でも運転代わりましょうか?」
と邦生は言った。
 
「大丈夫だよ。君たちはお仕事のために寝てて」
「はい」
 
「でも眠くなりませんか?」
と世梨奈が訊く。
「その時は寝ながら運転するから平気」
「え〜〜〜!?」
 
冗談だよね?ね?ね?
 

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ともかくも全員座席に就き、千里さんが毛布を掛けてくれて出発した。
 
後で考えると、みんな眠かったこともあり、この上川PAでは誰も時計を見なかったのである。
 
邦生はまたすぐ眠ってしまった。かなり深く寝た気がする。
 
やがて車が駐まる。世梨奈の自宅前だったようで、世梨奈が
「ありがとうございました。お疲れ様でした」
と言って、降りた(邦生は夢うつつ)。
 
それから少し走って、また駐まる。久美子の家だったようで、久美子が降りた。
 
そうか。座席は降りる順序だったのか。
 
「じゃ後はくにちゃんだね。30分くらい掛かるから寝てて」
「はい」
 
実際邦生はまたすぐ眠ってしまった。そして
 
「あと10分くらいで着くよ」
という声に起こされる。
 
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「真珠を呼びます」
「それがいいね。ひとりじゃ荷物持てないもん」
 
それで邦生は真珠に電話を掛けた。深夜だから熟睡してるだろうと思ったのだが、真珠はすぐ出た。
 
「もうすぐ着くけど、荷物が多いから、降りてきて手伝ってくれる?」
「了解了解」
 
やがて千里さんが運転するキャラバンは邦生のマンション前に到着した。
 
「本当にありがとうございました」
「朝までまだ少しあるから寝てるといいよ」
「はい」
 
それで降りる。真珠と明恵!が荷物を持つのを手伝ってくれた。
 
それで千里さんにお礼をしてから、3人はマンションに入った。
 

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取り敢えず3人で7階まで上がり、荷物を部屋の中に入れた。
 
「でも早かったね。出番は午後だった?」
「いや、21時までだよ。正確には20:45くらいだったかな。最後のアンコールには出なかったから」
 
真珠と明恵が顔を見合わせている。
 
「だって、まだ11時すぎた所なのに」
「嘘!?」
と思って、居間のデジタル時計を見ると23:15である。
 
まさかわずか2時間半で、仙台から金沢まで来たの〜〜〜!?
 
平均速度240km/h??
 
「まあいいや。寝よう寝よう」
「うん」
 

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「でもスカートとパンツを重ね着してるのね」
「足が冷えないようにズボン穿いた」
「ああ、なるほどね」
 
明恵たちは“スカート”の方にツッコミたかったのだが、いいことにした。
 
明恵がピザを解凍してくれたので、それを食べた。
 
「疲れてる時はこれがいいよ」
と言って、真珠が一番搾りを渡すので、たまにはいいかと思い飲むと完璧に酔った(疲れている所に飲んだら当然そうなる)。その後の記憶が飛んでいるのだが、真珠とセックスしたような気がする。
 
目が覚めたらもう7時近くである。
 
でもぐっすり寝た感じだった。
 
トイレに行く。ずっと後ろの方からおしっこが出るのはもう気にしない。かなりの量が出た。でも便座に座っていて、疲れも充分取れているのを感じた。
 
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しかし・・・・タックが更に強固に補正されている気がするんですけど!?
 

「くーにん、今日は自分でバイク運転するの危ないよ。ぼくが送るよ」
と真珠が言うので、朝御飯を2人で一緒に食べて(明恵はライブと往復の疲れで、まだ寝ている)から、真珠に送ってもらって銀行に出社した。
 
かくして、邦生は金曜の夜から月曜の朝?まで掛けて仙台まで車で往復したのに、勤めを1日も休まなかったのである。(世梨奈と久美子は月曜日休ませてもらったらしい)
 

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なお、明恵は、日曜日16時に(東京での)オリーブレモンのステージが終わった後
 
「明日学校があるよね?」
 
と言って、アイが熊谷まで送ってくれた。そしてそこからエキュレイユ2(ヘリコプター)に乗せて津幡火牛タウン!まで運んでもらった(能登空港はこんな遅い時間はもう閉まっている)。津幡火牛タウンのヘリポートが使用されたのはこれが初めてかも?若葉が「あると格好いいから」と言って作っただけで、特に使用のあては無かったのだが。
 
熊谷に着いたのが17時半くらいで、そこから1時間半ほどのフライトで津幡に到着した。それで明恵は真珠を呼び出して、金沢の“宿泊所”に一緒に戻った?のである(荷物があるのでNinja1000使用)。
 
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明恵を迎えに行き、そのあとコンビニでおやつなどを買ったりしていたので、真珠は結局リアルタイムではローズ+リリーのライブを見逃した。でもタイムシフトで見ればいいやと思った。
 
そして
「くーにんが帰ってくるのはきっと朝だよ」
 
などと言いながら、真珠はビール、明恵もチューハイを飲みおやつを食べていたら、23時すぎに邦生が戻って来たので、びっくりしたのであった。
 
明恵は疲れが出て朝8時半近くまで寝ていたが、真珠に起こされ、結局、真珠のバイクに相乗りして大学まで行った。(明恵は自分のアパートに戻っていたら、多分お昼過ぎまで寝ていたと思う)
 

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青葉たち津幡組は3月2-5日に、辰巳国際水泳場で、国際大会日本代表選手選考会に臨んだ。日本水連はその結果を受けて、3月7日(月)、下記のように、ブダペスト世界水泳の代表選手を発表した(↓は津幡組関連分のみ)。
 
1500m 川上青葉、竹下リル
800m 川上青葉、金堂多江
400m 竹下リル、金堂多江
400iM 金堂多江、川上青葉
200iM 金堂多江、竹下リル
 
男子
400m 筒石君康、山先龍男(ST)
1500m 星田英市(ST)、筒石君康
 

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男子の山先さん、星田さんは大手のSTスイミングクラブ東京教場の所属である。実は金堂多江もSTスイミングクラブ仙台教場に所属しているのだが、2020年以降、自分のクラブでは全く泳がず、ずっと津幡で泳いでいる。これは自分のクラブでは多数の人と施設を共用するため、感染確率も高いし、そもそも長距離選手は充分な練習時間が確保できないからである。
 
ちなみに南野里美も大学を出たらSTスイミングクラブ東京教場に就職する予定だったのだが、練習を優先して大学を留年したため、入社の話がキャンセルになってしまった。それで結局、〒〒スイミングクラブに就職した。しかし彼女は津幡に来ていなかったら、東京五輪の代表には、なれなかったろう。大量の会員がいるクラブと少数精鋭(というか本来は青葉とジャネの個人的練習場!)のクラブでは練習環境が違いすぎる。
 
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津幡プライベートプールでは、青葉・ジャネ・金堂・竹下・南野・筒石の6人は、専用レーンが設定されていて24時間好きな時に好きなだけ泳ぐことができるし、原則としてそのレーンは空いていても他の人は使わない。
 
(但し青葉が高岡に居ない時は千里が結構青葉のレーンを使っている。また、竹下リルの妹・ハネはしばしば土日には姉に付いてきて、姉の休憩中に泳いでいる。ハネは昨年のインターハイでは800mで3位に入っている:優勝はリルで、姉妹で金と銅を取った)
 
永井蒔恵は準大手のZZスイミングクラブ東京の所属である。スポーツ用品メーカーZZ社の関連クラブである。
 
 
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