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■春逃(2)

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青葉は人形美術館のヒーリング処理が落ち着いた1月30日の夕方、S市内のホテルから邦生に電話して言った。
 
「津幡パークの敷地に隣接してね、第三期工事ということになるけど、昇降式のサッカー場・陸上競技場を建設しようという計画が進んでるんだよ。その資金をH銀行に借りられないかと思って。梨田さんに話してくれない?」
 
「それいくらくらい?」
「土地は200m×200mの4万平米で6億円で大したことないけど、建設費が今の所80億円の見積もり」
 
6億円は大したことないのか。さすがだなと思う。しかし・・・
 
「80億程度借りる必要無いんじゃないの?自己資金で行けるでしょ?」
「まあでも『ワンザナドゥ』の制作の件で、お世話になったしね。少しくらい借りようかなと思って」
「了解、了解。話しておくよ」
 
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それで邦生がまずは自分の上司の森田課長に上げ、森田と邦生で一緒に融資課に行き、梨田課長に話すと、早速
 
“川上さんがこちらに居る内に”
 
ということで、2月1日(火)、青葉・千里と、H銀行の渉外課:森田課長と邦生、融資課:梨田課長が、津幡火牛アリーナの会議室で会ったのである。
 

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話は極めてスムーズに進んだ。
 
「借主の主体はどちらになりますか?」
「私の会社グリーン・リーフと、姉の会社フェニックス・トラインの共同出資会社である、GPC (Green Phoenix corporatioion)」になるかと思います」
「すみません。その会社の実績は」
 
「現在火牛アリーナの南側に立つ、屋内テニス場と、屋内グラウンドゴルフ場はこの会社の所有物件です。これを津幡町と共同で運営しています」
「その会社の資本金は?」
 
「20億円てすね。ただサッカー場建設前に100億円に増資しようかと思っています」
 
「あのぉ〜。ひょっとしてお金を借りる必要無いということは?」
 
「いや、銀行さんとのお付き合いは色々しておきたいですし。第一期開発ではR銀行さんにお世話になりましたが、やはり複数の銀行さんとの関係を作っておきたいですし」
 
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(R銀行の当時の津幡支店長は転勤で他店に移動しており、青葉が今回H銀行と契約したことで、現津幡支店長は注意をくらったらしい。しかし異動が激しい銀行の人事システムは、常に異動により顧客を失う危険を伴う。またライバル行の担当者交替を狙って営業するのが逆に各銀行の常套戦術でもある)
 
「分かりました!工事費の見積もりとかはありますか」
「はい、こちらに」
と言って、分厚い書類を渡す。
 
「すみません。一応これ持ち帰って、本部の専門家にチェックさせていいですか」
「どうぞどうぞ」
 
邦生が言った。
「川上も村山さんも人が悪いから、そのことに触れてないけど、グリーン・フェニックスというのは、今音楽業界で評判の“松本花子”の運営会社“結実”とほぼ同じ資本構成の会社ですよ」
 
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「え〜〜!?松本花子って、年間数百曲の音楽を作って、年間1000万枚のCDを売っているという、あの作曲家集団ですか?」
 
(多くの人には作曲家集団と思われている)
 
「はい。今回のプロジェクトは松本花子とは無関係ですけどね」
 
「まあテニス場を建てる時に、火牛アリーナを作ったSPC (Summer-girl Phoenix corporation) で作ろうと思ったら、サマーガールズ出版側が、テニス場には興味が無いというので、代わりに妹を引き込んで、結果的には松本花子と似た資本構成になっただけというのが実態ですね」
 
(結実は96%の株式を青葉と千里で所有している)
 
梨田課長は、出資者のグリーン・リーフおよび、フェニックス・トラインの企業資料が無いかと求めた。グリーン・リーフはほぼ青葉の資産管理会社に等しく多数の出資はしていても本体としての営業実績はあまり無いものの(一応財務諸表のコピーを渡した)、フェニックス・トラインは、きれいに印刷されたIR資料を渡した。
 
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全国に多数の森林と製材所、化学工場・製紙工場、体育館、牧場・農園・養殖場を所有。関連事業として、スポーツ用品店、アクセサリーショップ、布製品・宝石・紅茶の輸入、きのこの生産販売、野菜・食肉・魚介缶詰などの生産販売もしているというので、そんな大きな企業だったのかと驚かれた。
 
(青葉にも初耳の事業も多く、青葉は“この千里”はどの千里だ?と悩んだ)
 
「フェニックス・トラインさんのメインバンクはどちらですか?」
「特にメインバンクというのは無いですね。ほぼ無借金経営ですので」
「それは凄い!」
 
「会社設立の時は###銀行札幌支店のお世話になったのですが、北海道での事務的な処理以外にはほとんど関わっていません。むしろ小切手帳などは山形の荘内銀行さんに発行してもらっています」
 
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「山形ですか!ではぜひ北陸方面では、当行のご利用を」
「じゃ取り敢えずH銀行さんにも当座預金の口座を作ろうかな」
「はい、よろしくお願いします。小切手帳も発行致しますので。じゃそれは吉田さん、手続きを」
「分かりました」
 
「ではぜひこの機会にうちともぜひ色々お付き合いを」
「はいはい。あれこれ銀行さんと付き合っていれば何かの時に助かりますよね」
「そういってくださるお客様が多いです」
 
と言いながら、梨田はもしかして、この会社、H銀行より巨大なのでは?などと考えていた。
 
(H銀行と青葉の契約に驚き、頭取からも注意されたR銀行の津幡支店長は慌てて、この月の下旬高岡の青葉宅を訪れた。青葉は不在だったが、朋子に電話で指示して1億円の定期を作ってあげたら、涙を流して喜んでいたらしい。それでR銀行とも今後付き合っていくことになった)
 
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2月2日(水).
 
この日、邦生は銀行には出社せず、火牛アリーナに行き真珠および千里さんの友人という、五島節子さんという女性??と3人で、“機関車”の改造と走行実験に取り組んでいた。
 
(千里・真珠・五島・邦生という組合せは凄い。女4人に見えるのに全員染色体はXYである。内実は完全女性?、性別が変わっちゃった人、女装者、普通の?男子)
 
センサーで線路を見分けて走る機関車のおもちゃは市販品もあるが、勝手な改造はライセンス問題を引き起こしかねないので、ごく一般的な模型機関車にセンサーを取り付ける形で改造を進めた。カラーフィルターを入れることで特定の色の線路にだけ反応するようにする。これによって数種類の色違いの線路を描いた時に、混線が生じないようになる。また、前方に障害物があったら衝突する前に停止し、その状態が30秒以上続く場合はアラームを出すなどの機能を組み込んだ。もし機関車同士がお見合いになった場合もそれで事故を防げる。線路の障害物は恐らくはゴミか人形が風などで倒れたものだろう。
 
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あれこれ試行錯誤と実験を繰り返した結果、夕方にはわりと満足できる状態になった。
 
邦生はこの日は有休を取るつもりだったのだが「川上さんの案件の手伝いなら業務でよい」と言われ、仕事の一環としてこの日は作業した。
 
邦生が関わったのはこの日だけだが、真珠と後藤さんは2月3-4日も実験を続けて回路やプログラムを微調整したようである。
 
そして2月5-6日(土日)にはまた邦生も入って、W神社に“社内鉄道”を設置したのである。
 

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2月3日(木).
 
人形美術館では、この日までに人形の退避がだいたい終了したのだが、その作業が終わりかけの夕方、〒〒テレビの石崎制作部長が美術館オーナーの渡辺さんを訪ねて来た。
 
大半の人形が移動されているS高校の人形たちを見て
「凄い量ですね」
と部長は言っていた。
 
その後、ほぼ空っぽになりつつある、美術館の観覧席で、打合せをした。
 
事前の電話による話し合いで、3月19日から4月24日までの約5週間、金沢市内のALショッピングプラザ特別展示場で、ビスクドール展を開くことになっている。入場料は税込み500円、展示する人形は、アンティークドールを含む400体程度、という線で話がまとまっている。
 
この日は、早急にまとめた、展示方法の詳細と、契約書類の交換が目的だった。
 
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「展示区域を4つに分けようと思っているのですよ」
と石崎は言った。
 
「はい」
「それぞれ、春の小川、夏のビーチ、秋の紅葉林、冬の子供部屋、というのをテーマにしてセットを作り、それを背景に人形を並べて展示します」
 
「面白いですね。それ、むしろ本館をそういう構成に改造したいくらい」
「ああ。いいんじゃないですか。アイデア料とか取りませんし」
「考えてみます!」
 
実を言うと、これは真珠と明恵からの提案だったのである。
 
「アンティークドールは入口付近の特別展示台ですね」
「そうなるでしょうね。目玉だもん」
「万が一にも人形たちに危害が加えられることがないよう、観覧通路と人形たちの間にはアクリルの板を設置します」
「そういう賑やかな所で展示するなら、それが安心です」
 
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この他、ビスクドールの歴史、製法、などについて説明パネルを作って設置したいとし、これは後日PDFで送るのでチェックして欲しいということになった。(これは明恵・真珠・初海・双葉の4人で作った!)
 
ということで話は簡単にまとまったのである。
 
両者は契約書にサインし、握手を交わした。
 

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2月4日(金・ひらく・立春).
 
昨年4月以来、“火牛タウン”第2期工事として整備が進められていた、“火牛パーク”が完成し、開園した。
 
これは火牛スポーツセンター(火牛アリーナ・アクアゾーン・屋内テニスコート・屋内グラウンドゴルフ場)に隣接する、ほぼ同程度の広さの土地に、公園を作ったものである。
 
自然の樹木(ブナ・トチノキ・カツラ・オニグルミなど)に加えて、桜を多数植樹しており、これから4月に掛けて、お花見に良い感じになりそうである。このほか、すみれ、ツツジ、あじさい、ばら、ゆり、ひまわり、サルビア、コスモス、4色の彼岸花、などを植えた領域もあり、季節ごとに目を楽しませてくれるはずである。
 
このあたりは仙台の若林植物公園と似ているが、こちらはより自然な植生を活かしているし、地下にスポーツ施設を造り込んだりはしていない。
 
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緊急時の避難のことを考え、道は縦横10本ずつ、まっすぐの道を通している。公園の縦横の長さが各300mあり、約33mごとに道路が1本ある形である。友人や家族が離れ離れになってしまった時の目印に、縦の通路は縁石の色を
 
赤・橙・黄・黄緑・緑・青・菫・黒・灰・白
 
にしており、横の通路は縁石の形を
 
三角・四角・五角・星・月・土星・家・車・特急・人
 
と形を変えている。また交差する道によって区切られる各部分に、縦の通路には
 
A1-9, B1-9, C1-9, E1-9, F1-9, G1-9, H1-9, J1-9, K1-9, L1-9
 
といった記号を付け(Dを飛ばしたのは発音しにくいから。I(アイ)を飛ばしたのは1(いち)と紛らわしいから)、
 
横の通路には
 
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あ1-9, う1-9, お1-9, か1-9, く1-9, こ1-9, さ1-9, す1-9, せ1-9, そ1-9
 
を振っている。
 
(「い」は「E」と紛らわしい、「え」は「A」と紛らわしい、「け」は「K」と紛らわしい、「し」は「C」と紛らわしい)
 
これらの区域表示のプレートは夜間は周囲のLEDライトで照らされるようになっている。
 

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道路の総延長は 300m×20=6000m ある。道路は原則として車両乗り入れ禁止(車椅子・ベビーカーのみ許可)だが、緊急時には車止めを外せば消防車・救急車は通れる。
 
なお、コロナが終息するまでは密回避のため入場者数制限を行う。
 
道路の表面は、透水性ブロックであり、雨が降っても水たまりはできないし、ヒールのある靴が引っかかる恐れも無い。降った雨水は、後述の水路に導かれる。
 
道路に沿って、ジョギングコースが空中に屋根付きで作られており、散歩道とはエレベータで行き来できる。屋根と壁があるので、天候に左右されずにジョギングできる。縦方向と横方向は高さが変えてあり、両者は立体交差する(階段で行き来可能)。外縁部は2段構造になっている。コースをジグサグに走ると一周 300mx10+300mx2 = 3600m を走ることになる。適当に間引きするともっと短くなる。外縁のみ走ると 300mx4=1200m で済む。縦ジグザグと横ジグザグを続けて走ると7200m(+階段の上下)を走ることになる。
 
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ジョギングコースには矢印が入っており、その方向に走らなければならない。逆走は危険なので緊急時以外は原則として禁止である。
 
ジョギングコースの屋根には合計4万個ほどの太陽光パネル(K製作所の“アマテラス”)が載っていて、生み出す電力は6万kwh/day。一般家庭6000軒分くらいの電力を生み出す。もはや小型の内燃力発電所並みのパワーである。
 

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散歩道に沿って多くの屋根付きベンチがあり、また多数のトイレ付き休憩所とお店が設置されている。飲食店や食品販売店の無い休憩所には飲み物の自動販売機が並んでいる。
 
結局この公園は全く採算を度外視している!
 
所有者のGMP(青葉・若葉・千里)としては『特に儲ける必要も無いし』という所である。
 
結局、火牛スポーツセンターのジョギングコース(1200m)が混むので、拡張して欲しいという要望が強かったので、それを広げてついでに散歩道も作ったというのが実態である。そして散歩してたらお腹が空くので、飲食店や食品の売店を誘致したという所で、最初から採算とかは考えていない。
 

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公園は24時間開けており、昼間は制服を着た騎馬!警備員(*2)が巡回しているが、夜間は人間の警備員は詰め所に居るだけで、代わりに“巡回ロボット”10台(+ジョギングコースに4台×2段)が動き回る。夜間に散歩やウォーキングしている人たちは、このロボットが近くに見えるのだけで結構安心するし、悲鳴や防犯ブザーの音を聞きつけると、近くのロボットが集まってきて写真を撮った上で警告。人間の警備員も駆け付ける。しかし夜間はできるだけ、複数人で入って欲しいと呼びかけている。むろん多数の防犯カメラが設置されている。
 
なお、性犯罪との見分けが付きにくいので?園内では合意の上でのセックスも禁止である!(ホテルに行きなさい)
 
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巡回ロボットは18台で運用しているが、実際は24台(*3)存在し、交替で“勤務”するようになっている。故障したりした時にも戦力を落とさなくて済むフェイルセーフである。
 
公園の道路に沿って水路も流れており、鯉が放流されている。この水路は公園の植物に水を与えること、また公園内に降った雨水を集めることにも利用されているし、夏は気温を下げ、冬は寒さを和らげるのにも使用される。また、水路と並行して、ビニールのシートが貼られ、そこに線路が描かれていて、その描かれた線路の上を列車が走っていく。
 
このシステムはW神社に導入したもののと同様のもので、実はこちらが実験線だった、W神社に設置したのは火牛パーク開園後の2月5-6日で、パーク開園日の2/4は「実験中」の看板を立てて走らせていた。
 
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最初は実験線だったので、2月4日の開園時にはほんの30m程度だったのが、後にH銀行女子行員たちの協力で、3月中には、公園全体を周回する大規模鉄道になった。道路を横切る時は地面の下を走るが、透明ブロックで屋根が作られているので、足元を通過して行く様子も見ることができる。
 
公園全体を走る列車は最終的に3編成になった。走行経路はH銀行女子行員たちが考えてくれた複雑な一筆書きである。列車には監視カメラも付いており、これも“見張り”の役割を果たす。
 
(*2) この制服が格好良いので、記念撮影を希望する客が多く、警備員さんたちも、なかなか大変だったようである。そもそも騎馬警備員というのがインスタ映えする!
 
(*3) 24台の警備ロボットには、線路設置に協力したH銀行女子行員たちにより各々の固有名が付けられ、各命名者の手で名前が記入された。
 
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公園の入口には更衣室!?も設けられていて、そばには貸衣装屋さんもあり、侍・お姫様・着ぐるみなどのコスプレ衣裳での散策もできる(貸した衣裳は感染予防のため洗濯してから次の客に貸す。それで洗濯代で1着100〜1000円を徴収する)。持ち込み衣裳でのコスプレもOKである。男装・女装もOKだが、更衣室は自分の“日常生活上の”性別のものを使用するよう呼びかけている。なお更衣室は男性用・中性用・女性用が並んでいる。女性用更衣室には監視カメラがあり、場合によってはお声をお掛けしますとしていたが、河合さくらは、声掛けられ第1号になった!邦生は女子更衣室に連れ込まれたが、声を掛けられることは無かった。
 

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