広告:オトコの娘コミックアンソロジー- ~強制編~ (ミリオンコミックス75)
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■春化(15)

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少しパンティを下げられる。
 
あ、そこはちょっとまずい。
 
パンティを下げた所にもジェルを塗られる。
 
医師がレムニスカート(∞)みたいな形の機器を持ち、ジェルを塗った下腹部にそれを付ける。どうもそのレムニスカート型の器具がカメラになっていて、映像がモニターに映るようである。この時点でやっと早百合は「やばい」と思った。
 
「あれ?」
と言って医師が首をひねっている。
 
「どうかしました?」
 
「子宮が見当たらない」
 
あはは・・・・
 
医師はしばらく機器をあちこち動かしながらモニターを見ていたが、やがて「ハッ」としたようにして、早百合のパンティの上に触った。
 
触られちゃった!!
 

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「ああ、これはいけない。こんなものが付いてたら子宮が写らないはずだ」
と女医さんは言った。
 
えっと・・・
 
「そのお股にあるものを取り外してもらえません?」
「取り外すと言っても」
 
「最近の若い人は取り外し方も知らないのかなあ。じゃ私が外してもいい?」
「お願いします!」
 
医師は「あまり他人には見られたくないだろうし」と言い、室内に居た女性看護師2名に席を外すように言った。2人が部屋を出て行く。医師は早百合のパンティを下げた。
 
「婦人科検診に来る時は、ちゃんとディルドーは取り外しておいてくださいね」
と医師は言ったが、早百合は“ディルドー”って何だろうと思った。
 
「IIS - International Industrial Standard の基準で作られたディルドーは全て外し方が共通なんですよ。これは国際規格だから、誰の身体に付いているものでも取り外せますよ。まずはこの場所を握って」
 
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と言って医師は早百合のポールの下から3分の1付近を強く握ると、ネジでもはずすかもように右に回した。
 
「これを右に3回まわします。そしてぐいっと引きます」
と言って医師がそれを引っ張るとカタッという何かが外れるような音がした。
 
「そのあと左に4回まわします」
と言って、医師は早百合のポールを左に回した。
 
「これ円周率は3.14と覚えておいて」
「はい」
 
「もっと詳しく言うと、おっぱい(π)=3.14159265 産医師異国に向こう 3589793238462 産後厄無く産婦御社に 643383279 虫散々闇に鳴く5028841971 これには早よ行くない 6939937510 六組九区皆五島 58209749445 小屋に置くな良くしし碁 9230781 国見を七杯 64062862089986 虫・オームに止むにお役悔やむ 28034 庭を見よ 82534 初高三よ 2117 再びいいな」
 
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早百合は目をぱちくりさせて聞いていた。
 
「これはおっぱいを育てて、赤ちゃんを産む体勢を作る呪文なんですよ」
 
「五島(ごとう)って五島列島ですか?」
「そうですよ。国見(くにみ)は国見岳ね」
「私はそれ分かりますけど、すっごくローカルな地名ですね」
「これ考えた人は世知原町の生まれらしいのよ」
 
「へー!」
「ちなみに“ごとう”だから510だけど、五島列島知らない東京の人が“ごしま”と誤読して 540 にしちゃったことある」
 
「読み間違うと語呂合わせはまずいですね」
「そうそう。周期律表で希ガス類をHe Na Ar Kr Xe Rn “変な姉ちゃんある日狂ってキスの連続”とすべき所を、“変な姉ちゃん頭が狂ってキスの連発”と覚えてて ArアルゴンじゃなくてうっかりAtにしちゃった子もいた」
 
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「Atは85番アスタチンでハロゲンですね。ラドン(Rn)の1つ前」
「おお、さすが現役の学生さんだね」
「受験でだいぶ覚えました」
 
「はい。まずはポールが外れたよ」
と言って、医師は“外れてしまった”ポールを手に持っている。すごーい。これって外れるものだったの??
 
「ポールが外れたら、そこに出来た穴に指を入れて、ボールを掻き出す」
と言って、女医さんは本当にそこに指を突っ込み、中のボールを取り出してしまった。
 
「このポールとボールは後で袋に入れて渡すから自分で取り付けてね」
「はい」
 
取り外したポールと、取り出した2個のボールは取り敢えずプラスチックのトレイの上に置かれている。
 
この時、2個ならんだボールが、「OO」のようになっていて、これもまるでレムニスカート(∞)みたい!と思った。
 
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「ボールはOでゼロ。それ自体では何も生み出さないけど、ポールの力でIOまたはIOOで10にも100にもなる」
 
「へー!」
 
「1と0がくっついたのがbあるいは6でこれは卵巣と卵管の形も表している。ここで6以下の素数の二乗を合計すると 22+ 32+ 52= 4 + 9 + 25 = 38.これは赤ちゃんが胎内に留まる週数になっている」
 
「40週じゃないんですか?」
と早百合は質問した。
 
「40週という数え方は最後の月経があってから出産までの週数。実際には月経の2週間後に受精が起きているから、受精から出産までは38週なんだよ」
 
「へー!」
 
「あんたもその内赤ちゃん産むんだから、ちゃんと覚えておきなさい」
 
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「私、産めるでしょうか?」
 
「あんたの生年月日・日時・出生場所は?」
「1998年2月27日 4:45 呼子町です」
 
女医さんはノートパソコンを取り出すとホロスコープを表示した!
えっと、この人お医者さんだよね?占星術師じゃないよね?
 
「ああ。あんたは2024年1月に赤ちゃんを産むよ」
と女医さんは言った。
 
「本当ですか!?」
 
早百合は本当に自分にも子供が産める気がしてきた。
 

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「赤ちゃん産みやすくするのにちょっと加工しようか」
と医師は言った。
 
早百合のお股は今、ポールが無くなり、ボール2個が取り出された袋だけが残っている。女医さんはその残った袋をハサミで真ん中から左右に切り分けてしまった。そしてピンセットで押し込むと、きれいな割れ目ちゃんの形になるので、凄ーいと思う。
 
ここで医師が電気ドリル(直径が太い!)を出してくるのでギョッとする。でも医師は早百合の表情は気にせず、ドリルのスイッチを入れ、割れ目ちゃんのいちばん奥(早百合からはよく見えない)に回転しているドリルを突っ込み、穴を開けちっゃた!
 
きゃー、何て乱暴な!
 
「このドリルはちょうどおちんちんの太さなんだよ。だからこれを使うと、おちんちんが入るサイズの穴が作れる」
 
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「おちんちんって、そんなに太いんですか?」
「ああ。あんたは性交経験が無いから見たことないんだね。あんたがお股に取り付けていたような小さなものじゃないよ。本当の男の子のおちんちんってかなり太いから」
 
そうだったのか。やはり、私についてた、おちんちんってきっとニセモノだったのね。
 
女医さんは、棚から何か箱を取ってくると、その中に入っていた玄米?をその開けた穴の奥にピンセットで押し込んだ。
 
「これは1粒の種。この種は4年掛けて育つから、4年後には、あなたは生理も始まって、男の人とセックスすれば、赤ちゃん産めるようになるよ」
 
「ほんとうですか!?」
 
「あんたの骨盤は女性型に発達しているから大丈夫。ちゃんと妊娠を維持できるよ」
 
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それは・・・きっと小学5年生の時以来女性ホルモンを飲んでいるからだろうなと早百合は思った。お母ちゃんのお陰で、自分は女性らしい肉体を獲得できた。
 

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「じゃ健診はおしまい!」
「ありがとうございました!」
 
健診だけじゃなかった気もするが。
 
それで早百合は服を着て退出するが、その時、この女医さんの胸にも∞のようなマークが付いているのに気づいた。この病院のマークだろうか?
 
診察室を出てから早百合は、渡すと言われていたボール(ball)とポール(pole)を受けとっていないことに気づいたが、別に要らないやと思った。代わりにホール(hole)開けられちゃったし。
 
それでタブレットに従って内科に行く。ここでたぶん最後かな。順番を待ち、名前を呼ばれたところで診察室に入る。医師はここまでの検査内容や問診表の内容をモニターで見ているようである。
 
「どこか調子の悪い所とかはありませんか?」
「特に無いです」
 
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「ちょっと服をめくってください。下着はそのままでいいですよ」
 
それで服をめくると医師は聴診器を当てて心音?などを聞いている後ろを向いて背中にも聴診器を当てられた。
 
「問題無いようですね」
 
それで解放される。少し待っててくださいということで待っていたら、内科の受付の人に呼ばれて健康診断書(封印されている)を渡された。それをそのまま会社に提出してくださいということだった。ここでタブレットは返却した。
 
それで会計に行く。
 
診察券を精算機に入れる。表示された金額を見て仰天する。
 
880,000円
 
と表示されている。こんなに払えないよう!どうしたらいいの?
 

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そこで目が覚めた。
 
早百合はそっと自分のお股に手をやってみた。
 
悲しくなった。
 
ちなみに「右に3回まわし、ぐいっと引いて、左に4回まわす」というのも、してみようと思ったが、3回まわすというのが、そもそもできなかった。2回半くらいが限度で、それもかなり痛かった。
 

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早百合は翌日、新天町の路上に店を出していていつも客が少なそうだな思っていた40代くらいの占い師さんに相談してみることにした。客の多い人だと、落ち着いて相談できないし、次の客にも相談内容を聞かれそうだし。そもそもそういう“人気占い師”さんって、概してトークのうまい人が多く、占い自体は大したことないのではという気がしたからである。
 
しかし占い師さんは、相談内容が深刻そうだったので「別に高額料金は取らないから事務所に行きましょう」と言って、タクシーで占い師さんの事務所まで行った(タクシー料金は占い師さんが出そうとしたが、早百合が払った)。
 
それでたくさんタロットや占いの道具?に、大きな水晶玉やペンジュラムなども並び、お香が焚かれた、落ち着いた雰囲気の事務所の応接セットで、早百合は相談することになった。
 
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早百合は、自分が法的にも肉体的にも男であることを打ち明けた上で、昨夜見た夢の夢解きを依頼した。
 
占い師さんは「あなたが男だなんて信じられない!」と言った上で、早百合から生年月日・日時・出生場所を聞き、ノートパソコンでホロスコープを出したり、何だか細長い棒がたくさんあるのをジャラジャラさせて「えき」とかいうのもやってくれた。
 
タロットでも見てくれたが、出て来たカードで Atargatis (Princess of Wands)というのが、お股の所に大きく開いた口があり歯も見えている人魚の絵が絵が描かれているのを見た時はギョッとした。
 
占い師さんに尋ねると、こういうのを Vagina dentata(歯のある膣)と言い、こういう女性とセックスすると噛まれて、ペニスが無くなってしまうという伝説が、わりと昔から洋の東西にあるらしい。
 
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「ちんちん無くなるっていいですね」
「こういう人とセックスしてみたい?」
「私のちんちん、立たないから無理です」
「あら、残念ね。中国の伝説では、どんな男と結婚しても初夜に男がペニスを噛みちぎられて亡くなってしまう女が居たので、鋼鉄のように硬いペニスを持つ男と結婚したら、歯が全部折れてしまって、その後は幸せに暮らしたんだって」
 
「それ噛みちぎられて亡くなった男たちは?」
「まあ不幸な事故ということで」
「いいんですか〜〜!?」
 

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なおアタルガティスというのはシリアの女神で人魚の姿をしており、豊穣と漁業の女神であったらしい。
 
「アタルガティスに“歯のある膣”があったという話は聞いたことないけど、この女神の神殿にはペニス(と睾丸)を切断して女の衣装を着た神官が仕えることになっていたらしいですよ」
と占い師さんが言ったので、早百合はその話を聞きたがった。
 
ある時、ストラトニーチェ(Stratonice)という王妃がアタルガティスの神殿を作らなければというお告げを夢に見た。そこで王は王妃と一緒にコンバブス(Combabus)という男を建設場所に行かせ、神殿を作らせた。神殿ができてから王妃とコンバブスが戻って来た時、王はコンバブスを逮捕して死刑にすると言った。彼が王妃と密通しているという噂があったからである。実を言うと、元々そういう噂があったので、わざと2人だけにして証拠をつかもうとしたのである。王はコンパブスが王妃の部屋に入って行くのを見たという証人もあると言った。
 
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コンバブスは王に言った。
 
「神殿建設に行く前に私が王に預かって欲しいと言ってお渡しした箱がありましたよね」
「ああ、そういえば預かったな」
「その箱を開けてみてください」
 
それで王が箱を開けてみると、中には切断されたコンバブスのペニスと陰嚢が入っていたのである。それで彼の無実は証明され、王は彼に謝って、彼を神殿の神官に任命した(偽証した男を死刑にした)。
 
それでその後、神殿には去勢した男性が仕えるようになったのである。
 

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「男性器を切除して女の衣装を着て神殿に奉仕するっていいですね」
と早百合は言う。
「女のようにお化粧もしていたらしいですよ」
と占い師さん。
 
「すごーい」
「でもキリスト教の初期の信者となったアブガル王(?-AD 50)が去勢を禁止してその習慣は無くなったらしい」
「キリストの時代になって禁止ということは、この風習は随分昔に行われていたんですね。そんな時代にも去勢があったんですか?」
「昔は死亡率も高かったろうけどね」
「でしょうね!」
「アナトリア(トルコ)のキュベレという女神も信者がペニスを切断してそれを奉納する習慣があったらしい。奉納した人には、女の服が与えられて、それ以降は女として暮らす」
 
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「それもいいなあ。その時代に生まれてたら、私絶対、奉納してる」
「あなた、前世でそんなことしてるかもね」
「ありそう!」
 

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