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■春化(10)

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それで夢中になってそれをいじっていたが、やがて「気持ち良さのピーク」に到達した気がした。それで指を動かす速度を落とす。少しずつゆっくりにしていく。そして2分ほどした所で指を動かすのをやめた。
 
指は停めたものの、まだ心臓がドキドキしている。脳内はまだ「気持ち良さ」で満ちている。
 
ドアが開く音がする。
 
ギクッとする。
 
服の乱れをさりげなく直す。ウェットティッシュで指を拭く。
 
まだ心臓はドキドキしているし、脳内に「気持ち良かった」余韻が残っている。
 
入ってきたのは、さっきの看護婦さんたちだった。「失礼しまーす」と言ってカーテンをめくって中に入ってくる。
 
今度は子供は連れていないようで2人だけである。子供たちはナースステーションにでも置いて来たのだろうか。
 
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「検温しますね」
と言って若い看護婦さんが、再び体温計を出してH君の脇にはさんだ。
 
15秒ほどでピピッとなる。体温計を取り外す。
 
「36.7度です」
「あら、さっきより高くなっている。体調悪くない?」
と訊かれてギクッとする。
 
「大丈夫です」
 
と答えたものの、心当たりがありすぎる。
 
きっと“運動”したから体温があがったんだ。
 
脈拍とかも測られたらやばいなあと思ったものの、それは測られなかった。
 
「大丈夫ならいいかな。何かあったらナースコールしてね」
「はい」
 

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それで看護婦さんたちは出て行った。
 
H君はしばらくドキドキしていたが、本でも読もうかなと思った時、また急にお腹が痛くなった。さっき痛くなったのと同じ感じである。H君はよほどナースコールしようかと思ったが、今呼ぶと、女の子みたいになっているお股を見られて騒ぎになる気がした。それで目を瞑り、お腹に手を当てて温め、しばらくじっとしていた。
 
下腹部でお腹の中身が移動でもしているような感覚なのである。
 
そして10分ほどで、その感覚は終了した。
 
良かった。おさまったと思う。
 
H君はそのまま目を瞑っていたら眠ってしまった。
 

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30分ほどで目が覚める。
 
トイレ行ってこようと思う。
 
ちょっと不純な動機もある。女の子みたいになっているお股からのおしっこを再度経験してみようという魂胆なのである。
 
あれも悪くない気がするなあ。明日になったら、ちんちんがある状態になるからこれを体験するのは今夜が最後だし、などとも思う。
 
それでトイレの前まで来た時。H君は迷った。
 
これまでは何も考えずに男子トイレに入っていた。でも考えた。
 
俺、今女みたいになってるだろ?だったら、男トイレに入ってはいけなくて、むしろ女トイレに入らないといけないってことは?
 
彼はそこで10秒くらい悩んでいたが、思い切って女子トイレに入ってしまった。
 
結構ドキドキする。見つかったら痴漢と思われないかな?でもその時はお股を見てもらえば、俺が女だということを納得してもらえるかも。
 
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初めて入った女子トイレは異世界のようだった。
 
小便器が無く、個室のドアだけが並んでいる。
 
それが異様に感じた。
 
女子トイレって、こうなっていたのか!と驚く。H君はいちばん手前の個室のドアをそっと開けると、中に入った。奥の方の個室まで行ったら、何かあった時に入口まで行くのが大変で見つかりやすいから、できるだけ手前の方の個室にしておこうと思ったのである。そしてこれまで男子トイレの個室でしていたのと同じようにズボンとパンツを降ろして便器に座る。
 
これ犯罪じゃないのか?という気持ちもするが、俺今女なんだから、女トイレを使う権利があるはず、などと自己弁護する。
 
それでおしっこをする。
 
え!?
 
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とびっくりして、おしっこを停める。
 
何?この感覚?
 
と思って、自分のお股を見たH君はまたもや悲鳴をあげそうになった。
 
そこには余計なもの・・・ではなく、H君にとって大事なものが付いていたのである。
 
なぜ付いてるの〜〜?まさか今眠っている間に手術が終わっちゃったとか?
 
H君は頭の中が混乱した。
 
でもこんなの付いてるのに女トイレ使っているのが人に見つかったら、俺痴漢として警察に突き出されてしまうかも、と恐くなった。
 
5分後ではなかったが、30分後の意外な結末だった。
 

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翌日に予定されていた、ちんちんの移植手術は中止になった。
 
夜中に女トイレを使ったことは誰にも秘密である。あの後、急いで出たので、ちゃんと流してきたかどうか不確かだが、確認しに戻る勇気なんて無い。
 
H君にとって1度だけの女子トイレ体験となった。
 
そして結果的に、男性器を息子に提供した後、男の形に復帰するか、いっそ女の形にしてもらうか、若干悩んでいた?H君のお父さんは、せっかくの“性転換”チャンスを失うことになり、男のままの人生を歩むことになった。
 
でも「女になれなくて残念だったね」などと言って、H君のお母さんが買ってきたスカートを穿いてみて、お父さんは、恥ずかしげな表情をしていた。その様子がなんだか“可愛い”感じがした。お父さんのスカート姿には違和感がなく、お父ちゃん、これいつも穿いててもいいのでは?という気がした。
 
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スカートを穿いているお父さんを見たH君は、俺ももし女になっていたらスカート穿くことになっていたのかなあ、などと思いながら両親の楽しそうなやりとりをながめていた。
 
「今度は女物のパンツも買って来ようか?」
「俺のはハミ出ると思う」
「ハミ出るようならお医者さんに切ってもらえばいいのよ」
「あまり切られたくない」
「でもHにあげるつもりだったんでしょ?無くてもいいんじゃない?」
 
まさか、父ちゃん、本当にちんちん切ったりしないよね?
 
などと思いながら、たった1度だけ経験した、女のお股からのおしっこの記憶を呼び戻していた。あれはあれでいい気がするなあ。あそこいじるのも気持ち良かったし。女の子にあんなのが付いてるなんて全然知らなかった。
 
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翌年、H君には13歳年下の妹が生まれ、その子のお世話でおしめ換えなどして、H君は女の子のお股をよく観察?することになるのだが、そのことはまだ誰も知らない。
 

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「これはこれで気持ち良かった」
と慶太は言った。
 
「俺、こういうのするの初めてだったんだけど、うまくできたかなあ」
と不安そうに学は言った。
 
「それはちゃんとできたと思うよ」
と慶太は答えた。
 
慶太の方はこの仕事を始めてから、そういう趣味なのかと誤解されて彼女に振られるまで、数回恋愛をして、セックスした相手だけでも3人いるらしい。
 
しかし学はその手の経験は無かった。中学生時代、お互いけっこう意識していた女の子はいたものの、別の高校に進学したのでそれっきりになったし、デートも告白もしていない。1度だけ、偶然映画館で遭遇し、隣り合う席で映画を見たのが良い想い出だ。なんであの後、お茶にでも誘わなかったのだろうと悔やんだけど、当時はそういう勇気も無かった。あれが唯一の恋愛経験である。
 
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実を言うと大学時代に男子!のクラスメイトからデートに誘われたことがある。「男の子には興味無いので」と言って断ったが「レズなの?」などと言われた。別に女装とかもしてなかったのに!?あれはいまだに謎である。
 
もちろん学はソープとか風俗にも行かない。慶太はソープは経験無いものの、風俗には何度か行ったことがあるらしいが、この仕事を始めてからは契約上常時女装していなければならないので、原理的に(?)行けなくなり、性欲の解消が大変みたいなことを言っていた。毎日オナニーしていたみたいだし。なお学はオナニーは週に1回程度である(若い男にしては頻度が少ないことに学は気づいていない)。
 

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「俺たち、いっそこういうことになっちゃう?」
と学は尋ねた。
 
慶太は考えているようだった。
 
「何なら指輪買ってやろうか?俺、お前のこと嫌いでもないしさ。料理とか掃除とかは今まで通り俺がするし、別に奥さんとかしなくてもいいよ。何なら結婚式あげてもいいい。契約上、どちらもウェディングドレスということになるけど、最近そういうカップルわりと多いし」
 
「指輪?結婚式?」
 
「どう?」
 
慶太はかなり考えていた。そして言った。
 
「僕は嫌だ!」
 

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(2019年)8月8日(木)朝。
 
昨夜“性転換”して女の子になってしまった理都は、朝のジョギングに出た。千里さんからも言われたし、少し頑張ってみようと思った。
 
ところが自分が凄く疲れやすいことに気づく。
 
これまでは2kmくらい全力疾走しても全然平気だったのが、500mくらいで息があがるのである。
 
なんで〜〜?
 
と疑問に思うが、きつくても走っている内に、ひとつのことに思いが至った。
 
女の子になって筋肉が落ちたんだ!
 
そういえばこの身体は昨日までより華奢な感じがする。全体的に脂肪が厚くついていて柔らかな感じの身体なのだが、筋肉が少ない分、体力も多分落ちているのだろう。
 
女の子らしい身体なのは嬉しいが、体力の無いのは困ると思った。こんなんじゃ今度の合宿は辛いぞ。
 
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どうする?
 

理都は走りながら考えていたのだが、出た結論はひとつである。
 
練習するしか無い!
 
昨日、千里さんも自分は元男の子でその頃は女みたいに体力が無いと言われていたけど、女の子に変わってからしっかり鍛えて、男に負けないような身体を作ったと言っていたではないか。だから自分もたくさん練習すればいい。
 
合宿開始までわずか11日だから、その間に上げられる体力は大したことないだろうけど、それでも何もしないより毎日がんばった方が少しでも強くなれる。
 
理都はそう思った。
 
それで普段は朝のジョギングは公園を2周(3km)+公園までの往復(0.8×2=1.6km)で合計4.6km走るのが、この日は公園を倍の4周走って合計7.6km走った。帰宅して母から
「今日は遅かったね」
と言われたので
「合宿に行く前にたくさん鍛えておこうと思って」
と答えた。
 
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「おお、やっとやる気を出したか」
と姉は言った。
 

母が言った。
 
「あんた今まであまり練習してなかったでしょ?急に練習たくさんして大きな負荷をかけたら、身体壊すよ。今日は休み休みやりなよ」
 
「そうしようと思ってた」
 
千里さんも休んでいる内に筋肉はできるんだと言ってたもんね。
 
ちなみに母は理都が“女子の”合宿に参加するということを知らない。
 
「それと、筋肉を育てるためにはその材料が必要。あんたお肉嫌いみたいだけど、たくさんお肉食べた方が良い。今日のお昼は親子丼にでもしよう。たくさん、タンパク質を取った方がいい」
 
「頑張る」
 
「お昼から親子丼というのは嬉しいな。だったら晩御飯はスキヤキとかしない?」
と月紗。
 
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「いいよ。今夜はスキヤキね。ただし予算の都合で豚肉ね」
と母。
 
「豚肉かぁ。でもいいよ」
と月紗は言った。
 

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それで理都は朝御飯の後2時間仮眠し、10時にまた公園まで走って行くと、一周だけジョギングした後は、鉄棒をしたり、ベンチのシート部分の下を利用して腹筋をしたり、シャトルランみたいなことをしたりして筋トレ的なことをした。懸垂ができなくなっていたのは我ながら衝撃だったが、この日は鉄棒で前回り・後回りなどをたくさんした。
 
お昼に整理運動代わりに1周走った後、自宅に戻り親子丼を食べたらまた2時間くらい寝た。そして夕方4時に再度公園に行くと公園を6周(9km)走ってから帰ってきた。
 
理都はしばらくはボールには触らなくてもいいと思った。
 
今自分に必要なことは少しでも筋肉を増やし、鍛えることだ。
 
ボールプレイはたぶん筋力が付けばちゃんとできるようになる気がした。
 
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理都は合宿までの期間、このように毎日を送った。母は理都のために毎日、タンパク質たっぷりの料理を作ってくれた。この日が豚肉ですき焼き、翌日は鶏肉を1kg投入したカレー(父が「肉が多い!」と驚いていたが、半分くらい理都が食べた)、土曜日は豚肉たくさんの焼きそば、翌日は挽肉倍量の麻婆豆腐、という感じである。
 
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