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■続・サクラな日々(13)

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10年後。
 
椎名君たちのグループは各々が仕事で地方に分散してしまい、なかなか気軽に一緒に深夜のドライブという訳にはいかなくなってしまった。椎名君は東京にいたが高梁君はあちこち転勤して最近は名古屋、深谷君は地元の新潟に戻り、私達は金沢の関連会社に長期出向で移動していた。
 
しかし結果的には上信越道−長野道−中央道−東海環状道−東海北陸道−北陸道という「ループ」の路線に全員アクセスできるので、2ヶ月に1度くらい、このループのどこかに集まって、各々の子供まで連れて休日のドライブを楽しんでいた。男の子達4人の団結は固いようであった。なお、椎名君と花梨は予定を少し変えて大学を卒業して1年後の春に結婚したし、深谷君は麻耶と、高梁君は美沙と、そのまま順調に結婚していた。女組4人もずっと仲良くしていた。
 
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私達が金沢に転勤になった翌年、亜紀さんたちも大阪から金沢に転勤になり、私達は「味噌汁の冷めない距離」に住むようになって、けっこう双方の家を訪問していっしょに御飯を食べたりもしていた。亜紀さんはこの10年間に双子2組を含めて7人の子供を産んでいた(内5人が金沢に来てから産んだ子)。進平達のお母さんは頻繁に新潟からJRでやってきては孫達と遊んでいた。
 
そして、この亜紀さんの子供7人の内の下の双子2人が私達夫婦に特になついていたので亜紀さんは「お前達、いっそハルさんとこの子供になる?」などと訊いた。その2人が「なる!」などと言ったので、その2人は私達が育てることになった。
 
なお、進平は就職して1年後に私にダイヤのプラチナリングのエンゲージリングを贈ってくれていた。私はマリッジリング、エメラルドのリング、エンゲージリングという3つの指輪を左手薬指に重ねてはめて、記念写真を撮った。
 
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また亜紀さんの2人の子供を私達が育てるようになった頃、風史兄の一家(こちらは子供が3人)も高岡に転勤してきていたし、莉子が富山の大学の教官の職を得て、こちらに引っ越して来た。彼女も結婚し2人の子供がいた。
 
わたしたちはしばしば莉子たちも含めて4家族(私達夫婦・亜紀さん夫婦・風史兄夫婦・莉子夫婦)で会って、一緒に食事したり、遊園地に行ったり、夏だと一緒にプールに行ったり、などもしていた。親子総勢20人になるので、ちょっとした団体さんであった。実際団体割引で入場できることもよくあった。
 
なお妃冴は大阪で高校の先生をしていて結婚して子供が3人いた。涼世は大学卒業後都内でプログラマーをしていたのだが、結婚をして主婦になってこの時期は長野在住であった。子供は1人であった。私達4人も年に1度くらい、結果的に全員がいちばん集まりやすい、涼世のいる長野に子連れで集まって、カラオケなどしたりして楽しい時を過ごしていた。(たいてい私が亜紀さんちのエスティマを借りてうちの2人の子を乗せ、富山で莉子たちを拾って長野まで走っていた。妃冴も大阪から車で来ていた)私達女の子4人の団結も固く、ふだんはネットでお互いの日記にコメントしあって楽しんでいた。
 
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あの出会い系サイトは私が金沢に来た翌年に残念ながら潰れてしまったが、店長の茂木さんは2年後に再起して、東京と名古屋にわりとまともなレストランをオープンした。その名古屋店の店長には清花が就任した(名古屋は清花の出身地で、彼女は当時、地元に帰って、コンビニの店員などのバイトをしていたのであった)。
 
実はこの会社の設立の時には私も400万だけ出資した。(出資の内訳は清花も400万、茂木さんが1200万で合計2000万の資本金。それで私と清花は20%の株主である)一応取締役にも名前を連ねているが(清花が専務・私が常務)、経営には実質的にタッチしていない。
 
「俺、最初メイド・キャバクラ作るつもりで準備してたんだけどさ、なぜか準備進めている内にまともなレストランになっちまってた」
などと茂木さんは言っていた。
「キャバクラなら私達出資してないよね」と私と清花は言った。
「うん。レモンとミュウミュウが出資してくれたおかげで株式会社にできた。出会い系は個人事業だったからなあ」
「売上年間2億の個人事業も凄いですよ」
「その2割くらいを君たちふたりで稼いでくれていたけどね」
「法律の改定が無かったらまだ続いていたでしょうね」
「政府も思いつきで法律作るよなあ。まあ、引き際だったかも知れないけど」
 
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このレストランはウェイトレスさんの制服がメイドさん風で、ちゃんと頭にはホワイトブリムまで付けていたが「お帰りなさいませご主人様」みたいな特殊な言葉は使わないし、オムレツにテーブルで文字を描いたりもしない(オーダーの時に頼めば一応、厨房内で指定の文字は描く)という、基本的には普通のレストランということではあった。しかし、制服が似合うかどうかをウエイトレスさんの採用基準にしていたようであったし、その筋のマニアさんたちの間ではかなり評判になって、ファンサイトもいくつも立ち上がっていた。ウェイトレスさんの給料も通常のファミレスのホールスタッフの給料より結構高めであった。
 
「結局最初の企画の中で生き残ったのは『メイド』だけなんだ?」
 
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「そうそう。メイド喫茶になりかけた時期もあったんだけど、最終的に東京店のシェフを引き受けてくれた広田君がうまい飯が食える所が良いって主張してさ。最近の外食産業は、うまいけど高い店と安いけど素人のバイトがチンするだけって店ばかりだったじゃん。ちゃんとした味が出せて高くない店を作りたくなった」
 
東京店・名古屋店とも本格的なレストランで調理を経験していたしっかりしたコックさんを雇い、料理の味にかなりこだわっていた。おかげでメディアにもよく取り上げてもらった。また両店のシェフさん同士は良い意味でのライバル意識を持ってくれていた。メニューは地域の特産食材を使うものなど一部を除きほぼ統一で、双方のシェフさんと茂木社長・清花・私の五者会談で季節毎に決めていたが、実際には東京店と名古屋店で同じメニューでも味が異なるので、両方の食べ比べレポートのような記事が季節毎に毎回ネットには出ていた。
 
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ちなみにその東京店シェフの広田さんは学生時代、出会い系サクラを一時期していて、茂木さんとの面識が古くからあったのであった。出会い系サクラをやっていた人の中にはその後様々なジャンルで活動している人がいて、茂木さんは実に広い人脈を持っていたのである。
 
なお美味しいのに値段がファミレスとそんなに変わらない値段に抑えられたのは大手の食材卸業者に茂木さんが個人的なコネを持っていたのも大きかったが、基本的には(怪しくない範囲で)安い食材に徹底的にこだわったことと、農家と直接契約で野菜やお肉などを仕入れるシステムを作ったこともあった。牛肉や豚肉なども牛や豚をまるごと1頭買い上げるし、天災などで生産が充分できなかった場合も、ある程度支払う条件でその代わりふつうに市場に出回る価格よりかなり安く売ってもらっていた。
 
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そのあたりも広田さんの意見がかなり入っていた。実際高い食材を使っても安い食材を使ってもそんなに味の違いは無い。調理方法や使う調味料など料理人の腕に関わる部分のほうがずっと大きい、と広田さんも名古屋店のシェフの森本さんも言っていた。御飯なども高い米など使っていないのに「この店は御飯が美味しい」
などと結構書かれていた。この店では炊飯器で御飯を炊いたりはせずちゃんとかまどを使っていたし、パンやうどん、ピザ生地、パスタなども自家製であった。ナンを焼くためのタンドールも設置されていた。
 
私は「金沢店作るから店長やってよ」とずっと言われているのだが、「いつまで金沢にいれるか分からないし」と言って断っている。
「引っ越した時は誰かに引き継いで、また君が引っ越した先に支店を作るから」
などとも口説かれているので、そのうち口説き落とされてしまいそうな気もする。金沢店を作るとしたら頼みたいシェフさんというのも候補者がいて内諾は取れているらしい。
 
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実際、進平は「俺達も金沢にいれば子供達を産みの親から引き離さなくて済むし」
などといって、転勤命令が出たら会社を辞めるかもということも言っているので、それを考えると、私も金沢でビジネスをしていいのかもという気もしている。進平は金沢市内の独立系の自動車販売店から誘われているようだった。また、智和さんの方は金沢校の新規開校に伴ってこちらに異動してきたのだが、金沢校が潰れない限りは異動はないらしい。
 
「清花は結婚しないの?」
ある時、子供2人を連れて名古屋の清花の家に行った時、私は訊いた。
「1度離婚経験してるとさ、ダメな男とかすぐ分かっちゃうし、いい男は既に相手いるし」
「でもその気になって探せばいい人見つかるよ」
「面倒くさいもん」
「結局はそれか・・・・でも清花あと4-5年くらいならまだ子供産めるでしょ。今の時期はけっこうチャンスだと思うけどな」
「今から子供か・・・・子供だけ産んでもいいかなあ。結婚せずに」
「うん、それもいいけどね」
「でも可愛いね、晴音の子供たち」
「うん。大変なことも多いけど」
2人の子供はさっきから清花にもなついて、ジュースをもらったりしている。
 
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「双子だよね?男女なのに顔が似てる」
「うん、よく似てるよね。こないだ入れ替わられていたのに1時間くらい気付かなかった」
「あはは、漫画みたい」
「弟君がスカート穿きたがっていたから穿かせてあげた、なんて言ってたけどね」
「うーん。さすが、晴音の息子だ。女の子になりたいって言い出したらどうする?」
「それはその時悩む」
「可愛ければ問題無いんじゃない?お姉ちゃんも美人に育ちそうだし、姉弟揃って成人式に振袖着せてあげられるかもよ」
「そんなことになったら産みの親の亜紀さんから何と言われるか・・・・」
「あはは」
 
「でもひょっとしたら、元々そういう子で、晴音母さんの所に来ればそういう自分の生き方を認めてもらえるかもと思って、晴音の子供になりたいって言ったのかもよ」
「うーん。。。。」
「子供って、けっこういろんな事よく考えてるから」
「あ。それは思うことある」
 
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「でもこのふたり、顔は似てるけど、性格はけっこう違うのよね。お姉ちゃんはしっかりもので、弟君はちょっと甘えん坊。でも凄く仲良くて。喧嘩してるの見たこと無いし、悪戯した時とか、かばい合うから、ホントはどちらがしたのか、私にも分からないことがある」
 
「そういうのも面白いね」
子供たちの頭を撫でる清花の顔はとても優しい顔をしていた。
 
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