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■夏の日の想い出・アイドルを探せ(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2013-10-18
 
2008年(高2)の春。私は(自分としては)KARIONへの参加を断念し、KARIONの方の音源製作の合間を縫って3月から4月に掛けて、雨宮先生の指導の下、デモ音源(『花園の君/あなたがいない部屋』)を制作。それを畠山さんに聴いてもらって別途ソロシンガーとしてデビューする道を模索しようと思っていた。
 
ところがデモ音源が一応4月下旬にできあがったものの、雨宮先生は「何か足りないものがある」とおっしゃって、後で連絡すると言われた。しかし、全然連絡が無かった。
 
私はこちらから雨宮先生に連絡する方法を確保していなかったので、困ったのだが、5月下旬にやっと連絡があり、あの音源は声が1本では寂しい。二重唱にしようとおっしゃって、それで私が2パート吹き込み、多重録音でデュエットにした。それでまた連絡するとおっしゃったのだが、その後また全く連絡が無かった。
 
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私は、そのデモ音源のデータのコピーも持っていなかったので、本当に困ってしまった。そんな時、書道部で政子と何気ない会話をしていた時、私はどうせデュエットにするのであれば、(楽曲の共同制作者でもある)政子とデュエットしたいという気持ちが起きてきた。
 
そこで政子を誘ってスタジオに行き、5月から6月に掛けて、ふたりで音源製作をした。この2つ目のデモ音源(『雪の恋人たち/坂道』)は6月15日(日)に録音終了した。
 
私はこの音源製作の時、ずっと女の子の服で政子と会っていたのだが、政子は終始
「女の子の冬子ちゃん、可愛いなあ」
などと言って、私の身体にあちこち触ったりしながら
 
「この胸、ほんとにパッドなの?」
「やはり、おちんちん無いよね? あの後、取っちゃった?」
 
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などと言いつつ、楽しそうに歌っていた。女の子の格好をした私を愛でることで、政子の調子も上がるようであった。
 
(私はこの年のゴールデンウィークに政子に男性器を見られて触られている)
 

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デモ音源の録音が終了した6月15日は夕方から、津田先生がご友人主催の演奏会に出ることになっていて、私は政子と別れた後、そのままそちらの会場に向かった。服装は政子と会った時のまま。私服の女の子の服である。
 
会場で振袖を着せてもらい、控室で事前に先生と少し練習をしていた。その時に訊かれた。
 
(この付近の話は後に津田先生の娘さん・麗華さんから聞いたものであり、私自身はこの時の記憶が全く無い)
 
「なんかハードディスクを持ってるね。パソコンか何かのデータ?」
「あ、いえ。友人とちょっとスタジオでデモ音源を制作したもので、そのプロジェクトデータを吸い上げてきたんですよ。スタジオではPro Toolsで制作しましたが、自宅でCubase使ってミックスダウンして mp3 にまとめて、それで芸能事務所とかに持ち込もうかなと思って」
 
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「へー。君もいよいよ歌手デビューしようという気になったんだ?」
「ここしばらくライバルと思っていた子がメジャーデビューしたので刺激されて」
「ふーん。何という子?」
 
「絹川和泉って子なんですが、3人組で KARION という名前です。私が作った音源は別の友人と組んだもので、まだ名前は決めてないのですが、2人組です」
 
「カリオンね。。。知らないや。今度調べておこう。ね、冬子ちゃん、もし良かったら、そのデータちょっと貸してくれない? 私も聴いてみたい」
 
「はい、いいですよ」
 
ということで、私はハードディスクごと、データを津田先生に渡し、次のお稽古の時に返してもらって、それから私は 自宅のパソコンに入れている Cubase でミクシング作業を始めたのであった。
 
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(推測なのだが、この時先生は実際には○○プロに行って、そちらの付属スタジオのPro Tools環境で音源を聞き、専門の技術者の人にミックスダウンしてもらって、それを★★レコードの加藤課長に聴かせている。そこから★★レコード内で、私と政子をメジャーデビューさせるプロジェクトがスタートした模様なのだが、当時私も政子もそんな企画が進行しているなどとは夢にも思わなかった)
 

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この2008年6月は色々なイベントが同時進行していた。
 
政子とふたりで音源制作をしている一方で、和泉とふたりでKARIONの初アルバムに向けて新曲を何曲か書いていた。和泉が忙しいので、そのスケジュールの合間を縫っての作業になったが、何度かのメールでのやりとりと、数回実際に会っての調整で全部で3曲の新曲を仕上げた。
 
『Gold Dreamer』『Snow Squall in Summer』『Phantom Singer』といった曲でどれも和泉の透明感のあるボーカルとグロッケンの美しい音を活かした名曲である。(当時は作詞少女A, 作曲少女B のクレジットで発表している)
 
また中学の陸上部の先輩、絵里花さんの先輩で、晃子さんというインディーズ歌手に誘われ、晃子さんとデュエットでライブをすることになり、その打合せや練習をしていた。一方、6月22日に幕張で行われるイベントにドリームボーイズが出演するので、私は何度かその打ち合わせや練習に出ていった。
 
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イベント前日の6月21日も晃子さんとライブの打ち合わせをした後、都内某スタジオに移動して、ドリームボーイズのダンスチームの練習に参加した。
 
22日のイベントは2部構成で、10時から14時までの4時間が《アイドルフェスタ》。16組のアイドルが15分の持ち時間で次々と登場して歌う。そこには KARION も出るので、和泉から「出ない〜?」と誘われたものの「パス」と言っておいた。
 
1時間の休憩をはさんで、15時からが《ロックフェスタ》となり、20時までの5時間に、30分ずつの持ち時間で10組のバンドが出演して演奏する。そちらにドリームボーイズが出演することになっていたのである。
 

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そして2008年6月22日。この日は実に様々な出来事の起きた日であった。
 
私はとにかくドリームボーイズのバックで踊るのに、一応朝から(女子制服を着て)千葉まで出かけて行った。朝から来ていたのはドリームボーイズのベースの大守さんと、ダンスチームのリーダーの葛西さんの2人だけだったので、3人で簡単に打合せて、後は出番が15時から(トップバッター)なので、13:45から一度練習用に確保してもらっている近隣のスタジオで合わせることにし、それまでは適宜定時連絡を入れることにして、いったん解散した。
 
私はバックステージパスを首から提げているのだが、観客席にも自由に出入りできるので、そちらでしばらく出場しているアイドルを見ていたら、トントンと肩を叩かれる。
 
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「前田社長?」
「久しぶり〜冬子ちゃん。あ、僕、また降格されたんだよ」
「降格!?」
 
「社長を辞任して○○プロに舞い戻って、また課長になった」
「へー!」
 
「また前と同じようにJ-POPの担当なんだけどね。実は**君が自分の会社を作るのに辞めたんで、その後釜に座らされた」
 
「**さん、芸能事務所でも作るんですか?」
「それがギターの制作会社なんだな」
「凄い!」
 
「今日は冬子ちゃん、出演者?」
「はい。ドリームボーイズのバックで踊ります」
「まだ、あれやってるんだ?」
「ええ」
 
「もう君はとっくに歌手としてデビューしてるものと思ったのに」
「そろそろしたいですけど、まだです」
 
「したい? じゃ、うちの浦中に話付けてあげようか?」
「今デモ音源を作っているんですよ。完成したらお聴かせしますから」
「おお、楽しみだね」
 
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「でも幾つかの事務所から声掛けられてるから」
「あはは、君は最初からそうだったからね。何、最後は契約金競争で」
「あはは」
 

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前田さんは忙しいようで、携帯の番号を交換した後、新しい名刺だけ渡して、どこかに行ってしまう。
 
私は前田さんと話したので、早くデビューしたいという気持ちがにわかに強くなり、座っている気分ではなくなったので、席を立って少しそのあたりを歩いていた。
 
するとバッタリと KARION の美空と遭遇する。
 
「あれ?蘭子、参加パスなんて言ってたけど、来てくれたの?」
「あ、いや。ごめーん。今日は私、ドリームボーイズのバックダンサーだから」
「ああ、そういえばそんなのしてるんだったね?」
 
それでしばらく美空と立話をしていたのだが、そこに小風もやってくる。
 
「おお、蘭子がいる! 今日はそれじゃ私たちと一緒に歌ってくれるね?」
「違う違う。私は別口だよぉ」
 
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などと言っていたのだが、そこに更に和泉、そして最後は畠山さんまで来て
 
「ここに来た以上、4人で並んで歌ってもらおう」
などと言われる。
 
「いや、もうKARIONは3人というので定着しているから、いきなり4人並んでいたらびっくりしますよ」
と私は言うが
 
「いや、KARION知らない人の方がまだまだ多いから平気」
 
「ライブではいつも3〜4人のコーラス隊入れて、曲によってけっこうその内の数人が前に出てきて一緒に歌ったりしてるからさ、KARIONの人数ってファンの間でも、あまり一定していないと思われている節がある」
 
「そうそう。KARIONって7〜8人のグループで、私と小風・美空はその中核メンバーと思われている節がある」
 
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「だから、今日、蘭子が私たちと並んでいても誰も何とも思わない」
 
「うむむむむ・・・・」
 
私はもう説得されてしまいそうな感じだったが
 
「伴奏かコーラスでならいいよ」
と言ってしまった。
 
「じゃヴァイオリン弾いてもらおう」
「ああ。今日のバックバンドには、ヴァイオリン入ってなかったからね」
 
「でもヴァイオリン持って来てない」
と私は言ったが
 
「すぐ用意させるよ」
と畠山さんは言い、千葉市内のレンタル楽器店に電話してヴァイオリンを1丁確保し、会場に来ている事務所のスタッフさんのひとりに指示して、すぐ取りに行かせた。
 
「1時間以内には戻ると思うから充分間に合うね」
 
それで少し遅れてやってきた相沢さん・黒木さん・木月さんらと顔を合わせると
 
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「お、蘭子ちゃんだ。今日は君がヴァイオリン弾くのか」
などと言われて、取り敢えず握手した。
 
ドリームボーイズの大守さんにこの件を電話して報告すると「時間は充分あるからノープロブレム」と言ってもらった。
 

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それで結局、小風たちと一緒に先に歌っているアイドルたちの歌を聴いていたら、携帯にメールの着信がある。
 
前田課長だったので「ちょっとごめん」と言ってロビーに出て電話をすると
 
「ね、ね、冬子ちゃん、伴奏頼まれてくれない?」
などという。
 
「誰のですか?」
「貝瀬日南(かいぜ・ひな)ちゃんって言って、去年の秋にデビューした子なんだけどね」
 
「へー」
「予定していた伴奏者が急病で出てこられなくなって」
「ちょっと待ってください」
 
プログラムを確認する。KARIONは13時から15分。貝瀬日南は12時半から15分である。掛け持ちできないことはないが、慌ただしい。
 
「私、さっき別の事務所の人と会って、13時ちょうどからのKARIONの伴奏頼まれたんですよ」
と言うと、前田さんは
 
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「冬子ちゃんって、相変わらずだねぇ」
と言って笑ってる。
 
「15分時間があれば大丈夫と思うなあ。そちらの責任者の人と直接話できない?」
 
などと言われるので、畠山さんの電話番号を教えて直接話してもらった。結果、掛け持ちOKということになった。
 
それで打ち合わせにと思って前田さんと落ち合うと
「今日出てくるキーボード奏者にこれ着せようと思って衣装用意してたんだよ」
などと言って、黄色いドレスを渡されたので、取り敢えずもうその場で着替えちゃった!
 
「凄い。人前で着替えちゃうなんて!」
と言って日南ちゃんが驚いているが
「時間節約です」
と私は言って、それで日南ちゃんとも握手した上で、演奏予定の譜面を見せてもらった。
 
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「じゃ、その服は私が更衣室に持って行ってロッカーに入れとくよ」
と日南のマネージャーさんが言うのでスポーツバッグごと預ける。
 
あ!そういえば私、KARIONの方は譜面を見てないと思ってその件をメールすると「用意しとく」と相沢さんから返信があった。
 

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