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■夏の日の想い出・セーラー服の想い出(12)

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「和泉は高校はどこ行くの?」
「◎◎女子高に行こうかなと思ってるんだけどね。先輩から誘われてて」
「へー」
「中高一貫校に途中から入るのって、ちょっと勇気いるけど、聞いてみたら高校1年の間は、高校から入った子だけで1クラスにしてくれるらしいから割と溶け込みやすいかな、と」
 
「◎◎女子中3年に、ボクの小学校の時の友達がいるよ」
「へー」
「田坂由維って子だから」
「メモしとこ。入ったら声掛けてみよう」
 
「冬子はどこに行くの?」と和泉。
「うーん。公立だろうなあ。この辺だと※※高校かなあ」
「ふーん。でもあそこあまり合唱部強くないよ。私と一緒に◎◎女子高に来ない?」
 
「それは多分入れてくれないかと」
「なんで?」
「男子はさすがに門前払いだよ」
「あ、そうか! 忘れてた」と言ってから、和泉は
「じゃ、高校受験前に性転換しちゃえばいいよ」と言った。
 
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若葉がパチパチと拍手した。
 

月曜日、Sはやっと出てきたが、病み上がりでまだ顔が青白い感じだった。朝はクラスメイトの女子たちに囲まれて、いろいろ受け答えしていたが、まだ少し辛そうだった。
 
昼休み、ふだんなら校庭横の芝生に誘うところだが、外の風に当てるのはよくないだろうと思ったので、ボクは教室の中で、彼女のそばに行って、いろいろ話をした。
「あ、そうだ。これ修学旅行のおみやげ」
と言って小さな箱を渡す。
「何かな?」
と言って取り出す。
 
「わあ、きれいな匂い袋」
「好みの合うかどうか心配だったんだけど」
「うん。素敵。私こういうの好き。ただ、私まだ鼻がきかなくて」
「身体が良くなってから、嗅いでみて」
「うん」
 
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ボクが女子制服を着てることは、誰かがSに言うかもな、と思っていたのだが、結局誰も言わなかったようであった。またこのあとずっと卒業まで、ボクは教室では男子の格好をしていたので、結局ボクの性別のことに、Sは卒業式が終わった後でボクが本人に直接告白するまで、気付かなかったらしい。(気付かなかったことにしてくれていたのかも知れないけど)
 
Sがインフルエンザから回復してから1週間後くらいの時。ボクは合唱部の練習が終わって帰る時、トイレに行きたくなって、校舎の外にあるトイレに入ったが、出ようとした時、外側でSの声がした。ギョッとして個室の中で様子を伺っていたら、Sは中に入らず、Sの友達がトイレの中に入ってきたようであった。どうもSは外で待っているようである。
 
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しかし、ボクも日奈を外に待たせている!
 
仕方無いので、ボクは個室の中で男子の格好に着替えた。そして手を洗い、様子を伺って、Sが向こう側を見ているのを確認してトイレの中から出てきた。
 
「あれ?唐ちゃん」
「あ、Sちゃん。今帰る所?」
「ううん。まだいったん部室に戻らないと。でも今友達がトイレに入ってて・・・、ね?唐ちゃん、今女子トイレから出てこなかった?」
 
「え? あれ?入るの間違ったかな?」
「逮捕されちゃうよ−」
「ごめんごめん」
 
そこにSの友達が出てくる感じだったので、ボクはSにさよならと言って、日奈の所に戻る。日奈が苦しそうに忍び笑いをしていた。Sたちが校舎の方に行ってからボクは再度トイレに入って女子制服に戻って下校した。
 
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「二度と男子制服では下校しません」
の誓約書があるから、男子の格好では帰れない!!
 

7月16日。合唱コンクールの東部大会があり、ボクたちの学校も、和泉たちの学校も出て行ったが、やはり地区大会を勝ち抜いてきた学校ばかりなので、東部大会のレベルは凄かった。
 
「これはさすがにかなわん!」という感じの歌唱をたくさん聴くことになる。しかし、それだけに開き直って、のびのびと歌うことができた。
 
結果は参加21校中で、ボクたちの学校が12位、和泉たちの学校は11位だった。このハイレベルの中で戦ったにしては、良い成績で、ボクたちは喜んだ。
「じゃ、今の1年生、2年生に頑張ってもらって、来年はぜひ都大会進出を」
「無理ですよ〜」と2年生のソプラノの聖子が言うが、「聖子ちゃん、新部長よろしくね〜」と倫代が言い、みんなが拍手をしていた。「えー!?」と本人は言っている。
 
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しかし聖子はここ3ヶ月ほどで物凄く成長したのだ。ボクに失恋したのが原動力になったのかも知れないなと思うと、ちょっとだけ心が痛んだ。彼女とはまた高校のコーラス部で再会することになる。
 
解散したあと、会場の近くを駅の方へ歩いていた時、和泉とばったり会ったので、ボクらは通りからちょっと離脱し、公園のベンチで少し話した。
 
「やっぱり東部大会で上位に入る学校は何だかレベルが違うね」
「たぶん物凄い練習してる。あとやはり上手く歌うだけでは、都大会まで行けないね」と和泉は言った。
 
「ああ。個性が必要だよね」
「そうそう。目立ったものを持ってないと、審査員に良い点を付けてもらえないよ。答案を完璧に書いて通過出来るのは地区大会まで。光る答案を書けないと、都大会までは進出出来ない」
「じゃ、全国で優勝する所とか、どういう所なんだろう?」
 
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「なんか想像が付かないななあ・・・」と和泉は遠い所を見る目をした。
 
「ね、和泉」
「うん?」
「アマチュアの頂点が見えないならさ。いっそプロの頂点とか目指してみない?」
「ああ」
 
「プロって、まさに個性の勝負だよね」
「うんうん。上手なだけで売れた人なんて、いまだかっていないと思う」
「ボク、もっともっと個性を磨くよ」
「冬は今でもかなーり個性的だよ」
「それは和泉も。ボクも和泉も、たぷん全体の均質性を保たないといけないアマチュアの合唱という世界では頂点に立てない気がする」
「うんうん。ドロップアウトしそう」と和泉も言う。
 
「色々楽器を勉強しようかなあ。それと理論面とかも」とボクは言う。
「まあいいけど、夢中になりすぎて高校受験失敗しないようにね」
「うんうん」
「こないだ、冬子は※※高校に行くって言ってたけど、あそこ確認したけど、バイト禁止でしょ。もう少し自由な学校にした方がいいよ」
「それは実はちょっと考え始めていた。それとあそこ校則厳しいみたいだからボクみたいなのは難癖付けて退学にされそうな気もして」
「それあり得るよ。冬子って特に押さえつけられると反発するタイプでしょ?」
 
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「うん、確かに。◎◎女子高はバイトしたり、音楽活動とかしてもいいの?」
「成績で学年100人の中で30位以内に入っていれば、してもいいらしい」
「わあ」
「冬子も、自由な学校を探してごらんよ。それか性転換して◎◎に行くか」
「ふふふ」
 
「でも決めた」と和泉は言った。
「ん?」
「実はね。★★レコードから、うちのレッスン受けてみないかって誘われてたんだよね」
「へー。凄いじゃん」
「レッスン通ってみる。でもこういうの、少しでも可能性のある子に大量に声掛けてるんだと思うけどね」
「でも注目されたってのは、第一歩だよ」
「うん、そうだよね」
 

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ボクは翌日からは、合唱部の朝練も無くなったので、朝は8:30までにワイシャツとズボンの格好で出かけた。その朝。
 
「あれ、まだあんた行かないの?」と姉が言った。
「うん。合唱部の大会終わったから、もう朝練無いから」
「へー」
 
それでボクがワイシャツとズボンで出かけようとしたら姉は
「なんで、そんな格好で出かけるのよ?」
と言った。
「だって、朝練無いから」
「何かすごく違和感があるよ、そんな格好してる冬を見ると」
「そ、そう?」
 
学校に出て行っても、数人の女子から「ちょっとちょっと」と腕を掴まれ小声で言われる。
「なんで、そんな格好で出てくるのよ?」
「え? もう合唱部の朝練は終わったから」
とボクが言うと
「朝練、無くても女子制服で通学してくればいいのに」
「そうかな?」
 
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そういう訳で、ボクはこの日、久しぶりに男子生徒として1日を過ごした。
 

ところがその晩、若葉から電話が掛かってきた。
 
「冬、合唱部の方の大会は終わったのね」
「うん。終わった」
「じゃ、約束。水泳部の方に参加してよ」
「ああ、いいよ。御免ね。遅くなって」
「明日、朝練やるから」
「ああ」
「朝、7時に学校に出てきてくれる?」
「早朝から寒そうだね」
「身体を動かせば暖まるよ」
「そうかな」
 
「朝は『制服』で出てきてね」
「へ?」
「だって、冬は女子水着を着るよね?」
「うん。女子水着しか着れないというか」
「ということは、着替えは女子更衣室だよね?」
「まあ、そうなるかなあ・・・」
「ということは、女子制服を着てきてくれないと」
「うっ・・・」
 
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「放課後も練習はあるからね」
「あはは、ということは・・・・」
「明日から、冬子は朝は女子制服で出てきて、帰りは女子制服で帰ることになるね」
「またそうなるのか!」
 

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そういう訳で、翌日火曜日から、またまたボクの女子制服での通学は再開してしまった。
 
ボクが朝6:40にセーラー服を着て出かけようとしていたら、姉が
「あれ?やはりそちらの制服にするんだ?」
と言う。
「うん。水泳部の朝練に参加するから」
「なるほど」
 
ボクが女子制服で学校の校門をくぐったら、ちょうど他の部の朝練で出てきていた同級生と遭遇する。
 
「あれ、またそちらにしたんだ?」
「いや。水泳部の朝練に参加するので」
「やはり、冬子ちゃんはそちらの格好の方が似合ってるよ。男子の格好してたら、何だか違和感ありすぎ」
「そうかな?」
 

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そういう訳で、ボクの女子制服での通学はその後、夏休みが始まっても続き、8月13日の水泳部の大会まで続いたのだった。
 
長かったなあ。5月末からだから2ヶ月半、女子制服で通学しちゃったな・・・・などと思いながら、お盆を過ごしていたら、8月16日の晩に、チアリーディング部の協佳から電話が掛かってきた。
 
「冬〜、水泳部の大会終わったんだっけ?」
「うん。終わったよ」
「じゃ、チアリーディングの方に来てよ」
「えっと・・・・」
「9月は運動部の大会多いからさ。あちこちに出張して応援のチアするのよね。だから8月後半は練習〜」
「あ、でもボク、9月17日の陸上部の大会と18日の合唱部の合唱祭に出ないと」
「ああ、それは選手兼チアで行けばいいよ」
「ひぇー!」
 
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「明日から朝練やるから」
「朝練?」
「暑くなってからじゃ練習辛いじゃん。だから朝7時から10時くらいまで毎日練習するよ」
「分かった。練習参加する」
「練習には『制服』着て来てね」
「へ?」
 
「部員全員女の子だし。着替える所に男子の格好した子がいたら困るもん」
「女子制服着てても、ボク男の子だけど」
「嘘つくのは良くない。冬は中身は女の子のはず」
 
という訳で、ボクの女子制服での通学は、またまた続いていったのである。
 
ボク、果たして男子制服でまた通学できる日は来るのだろうか・・・・ボクはちょっと不安になってきた。
 
 
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■夏の日の想い出・セーラー服の想い出(12)

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