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■夏の日の想い出・ボクたち女の子(8)

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9月11日に『青い鳥』の撮影が終わると、すぐにアクア主演『ピーターパン』の撮影が始まった。主な配役はこのようになっている。
 
ウェンディ:アクア
フック船長:アクア(二役)
ピーターパン:七浜宇菜
ティンカーベル:坂田由里
ジョン :水森ビーナ
マイケル:羽田小牧
ウェンディの父:松田理史
ウェンディの母:フック船長と同じ配役
タイガーリリー:恋珠ルビー
 
スミー水夫長:岩本卓也
スターキー:大林亮平
その他の海賊:∞∞プロ
 
ロストボーイ:倉岡典彦、南野安弘、白井久我、佐藤敦矢、中原和正・宏正(劇団桃色鉛筆)
 
タイガーリリーの父:鞍持健治(特別出演)
タイガーリリーの母:沢田峰子(特別出演)
リトル・ホーン:槙原歌音
リーン・ウルフ:鈴本信彦
その他のピカニニ族の男女:○○プロ
 
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人魚メルリン:花貝パール
その他の人魚たち:信濃町ガールズ東北
 
語り手:元原マミ
 

超多忙な水森ビーナをジョン役で起用した。実は彼は松梨詩恩のドラマでスタンドインを務める予定でスケジュールが入っていたのが、9月上旬の話し合いで、スタンドイン役からは外してもらうことになった。それでこの撮影の時期、ぽっかりとスケジュールが空いてしまったので、このドラマに投入されることになった。初男役である!
 
羽田小牧ちゃんは先日櫛稲田姫の役をして、その“美少女ぶり”が話題になったのだが、本人から「あまり女の子役はしたくないです」という主張があったので、今回は男の子役をアサインした。
 
でもこのドラマが放送された時には「ジョンもマイケルも女の子が演じたんだね」と言われた!
 
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小牧ちゃん(中2)は実は当初ジョン役の予定で、マイケルは中学1年生の諸星竜也君が予定されていたが、8月下旬に舞台公演でステージから転落して足首を捻挫。このドラマは結構足を使うので、可能なら降板したいという申し出があった。ちょうどビーナが空いたのを、松梨詩恩が出るドラマの監督・白原俊樹さん(河村監督のお友達)から聞き、ビーナにマイケル役でオファーを出した。ビーナのスケジュールが空いたその晩に河村さんから電話があったので、コスモスが「インサイダーだ!」と言っていた。しかしビーナは小牧より年上なので、ビーナがジョンで小牧がマイケルになった。
 
ロストボーイの役は、劇団桃色鉛筆の小学4〜6年生の子役さんたちが演じる。
 
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「なんかこの配役、例の映画とかなりだぶってません?」
と岩本卓也君が言っていたが
 
「映画の撮影が延長された場合に備えて、9月までは予定を空けていた人か多かったみたいだから、結果的に“アクア・グループ”で声を掛けてみたら似た構成になっちゃったのよね」
 
と美高さんは言っていた。
 
確かに岩本卓也・松田理史・元原マミ・大林亮平・沢田峰子・七浜宇菜などはアクアとの共演が多く、“アクアグループ”という感じになってきている。演技力の高い人たちばかりである(ギャラも高い!)。
 

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今回、ティンカーベルに『青い鳥』でチレット役を熱演した坂田由里が起用された。実はティンクには大学1年生の名越礼夢ちゃんが予定されていたのだが、コロナに罹ってしまい、急遽代役が必要になった。
 
『青い鳥』の演技で、美高監督が坂田由里をとっても気に入っていたので
 
「日程が空いてたら出てくれない?」
と声を掛けたことから実現した(コスモスと美咲は彼女の予定を大仙イリヤに振り替えた)。ティンクは結構難しい役どころである。ウェンディを殺そうとしたかと思えば助けたり、その揺れ動く女心の表現は、結構な演技力を要求する。できる人の限られる役である。
 
「ティンカーベルはオフショルダーのマイクロスカートですか?」
「君が着たいならそれでもいいけど」
とは言われたものの、やはりゴールデンの時間帯に流されるということで、肩は出すものの、ワンピースの丈が膝丈になった。女子高生の絶対領域は隠されることになる!靴は白いローヒールである(原典では white slipper と書かれる。シンデレラのガラスの靴も slipper)。髪はお団子にするが、これは自毛で作ることができた。
 
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多くのティンクはブロンドの髪になっているが、これはアメリカとかで撮影するからブロンドになるだけなので、日本で制作するなら本人の自然な髪(栗色)のままで良いだろうということにした。
 
彼女はコスモスとの話し合いで、この撮影でも『青い鳥』と同様、ギャラの本人取り分をA契約の人と同じ4割にすることになった。
 

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そういう訳で『ピーターパン』の撮影は、9/12-25(日〜土)の14日間で行われた。スペシャル版なので、普段のものより、制作時間が倍とってある。
 
地下の家のセットは、ロミオとジュリエットの大広間のセットの“内部”に鉄骨とアクリルガラスで組み上げた(工務店の施工)。建築費が2000万円もかかったが、アクアのドラマなので、スポンサーさんが出してくれた。
 
アクアが主演するとなると、予算が物凄く潤沢になる(でないとそもそもアクアのギャラを払えない!)。今回は高額ギャラの俳優がぞろぞろ使われている。また今回の撮影ではピアノ線で吊っての撮影や落差のある所を滑り降りたり転落!したりという演技があるので出演者は全員保険に入ってもらったが、アクアの保険料は凄まじかった!(制作部長がうめき声をあげて悩んだ)
 
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ロンドンのダーリン家は、ハリボテの家、子供部屋のセット、庭と犬小屋のみが作られた。これも大広間の中に建てている。費用は300万円である。地下の家を本式に工務店に依頼したのは、やはり安全性を考えてである。ナナは動物タレントを扱っている事務所から本物のニューファンドランド犬を借りて撮影している。
 
なお、こういうセットを室内に造り込んだのは、やはり雨のシーズンということで天候に左右されずに撮影を進めたいからである。人魚の入江 (The Mermaids' Lagoon) もこの室内に造り込んだ(水道代が恐ろしかった:池の水を引き込もうという意見もあったが、衛生を優先させた。何と言っても高ギャラの人が多い)。
 
船はシンデレラやシンドルバッドでも使用したガレオン船を使う(本当はフックの海賊船はブリッグだが、さすがに新たに作れないのでガレオン船を流用する)が、天候勝負なので雨が降ってない時間を使って、海賊とのバトルシーン、最後の航海シーンを撮ることになっている(実際には9/15-16日の午後に晴れたのでそこで撮影した)。今回は船から転落するシーンが多数発生している。一応周囲に充分なクッションを置いて撮影しているのだが、海賊役の人たちは「結構恐かった」と言っていた(水音は後から効果音で加えている)。
 
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むろん怪我人は出なかった。
 
海賊がピーターたちを狙って大砲を撃つシーンは、ドローンによる空撮である。これも上記の日程で撮影している。この船に備えられている大砲は全部ハリボテなのだが、それでも派手な音と火花だけ出る花火に大砲の筒の中で点火して、これを撮影している。大砲自体は先に水で濡らして延焼しないようにしている。
 
ロストボーイたちがティンカーベルに欺されてウェンディを弓矢で射るシーンもこの晴れている時間帯に撮影している。
 

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物語のあらすじ。
 
ロンドンのダーリン家には、ジョージ・ダーリン(松田理史)、メアリー・ダーリン(アクア)の夫婦、そして子供のウェンディ(アクア)、ジョン(水森ビーナ)、マイケル(羽田小牧)が住んでいた。
 
(子供を演じてるのが3人とも男の娘??)
 
子供たちは“ネバーランド”について語り合っていた。
 
「入江があってフラミンゴがそこを飛んでるんだよ」
「フラミンゴの上を入江が飛んじゃダメ?」
「それは難しい気がする」
 
「砂浜にボートがひっくり返してあって、僕はそこに住んでるんだ」
「森の中に小さなおうちがあって、私はそこに住んでるの」
「勇敢なインディアンが居て、僕は彼らと一緒にティーピーに住んでるんだ(*2)」
 
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「入江があったら、きっと人魚なんかも泳いでるかもね」
「きっとそういう所には海賊とかもいて、財宝を隠してるんだ」
「たくさん動物が居て、私はオオカミをペットにしてるの」
 
(*2)ティーピー(tee-pee)はアメリカ大陸の草原で暮らし移動しながら狩猟を中心として生活していた人たちが使用していた、円錐形で移動可能な夏用住居(冬の間は村で暮らす)。“ティーピー”という単語はスー族の言葉。
 
簡単に折りたためて馬などに載せて移動できる。テントに似ているが、頂上部分に穴があるので、中で煮炊きなどをしやすい(雨が降っている時は穴は塞ぐ)。
 

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ネバーランドについて、ウェンディは母とも会話した。
 
「ピーターパンはお母さんも知ってるよね?」
とウェンディが母に訊くと
 
「なんか昔聞いたことがある気はする」
と母も言うが、記憶が不確かなようであった。
 
「そうだ。子供が死ぬ時、寂しくないように付き添ってあげるのがピーターパンという話も聞いたことある」
と母は言う。
 
(この場面は実は2人のアクアが共演しているのだが、母はちゃんと30歳くらいに見えてウェンディは中学生に見えるので凄いと言われた。ここで母を演じているのがFでウェンディはMである。一部の視聴者は母娘か姉妹の俳優さんが演じているのかと思ったらしい)
 

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ある日ピーターパン(七浜宇菜)はこの家を訪れていて、お母さんに見つかり、逃げだそうとした時に、子守犬のナナ(ニューファンドランド種)が急いで窓を閉めたため、影がはさまって取り残されてしまった。お母さんは残されたピーターの影をクローゼットに入れておいた。
 
数日後、ダーリン夫妻が近所の家に招かれてパーティーに行った夜、ピーターパンがやってきた。先日落として行った影を取り戻すためである。
 
(アクアと松田理史が腕を組んで歩いて行くが2人は恥ずかしがらずにちゃんと普通に演技したので美高さんが2人を褒めてあげた)
 
影は一緒に来たティンカーベル(坂田由里)が見つけてくれたものの、自分の身体にくっつかない。困っていたら、ウェンディが目を覚まし、影を糸でピーターの足に縫い付けてくれた。
 
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この影は、ピーターの扮装をした七浜宇菜を白い布を貼った壁の前に立たせ、影ができている所をマーカーで縁取りし、切り取って黒く染めたものである。この場面で撮影したビデオでは、逆方向からのライトを当てて宇菜の影ができにくいようにした上で、それでも残った影を画像編集で消去している。
 

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喜んだピーターはウェンディをネバーランドに招待する。結局2人の弟、ジョンとマイケルも一緒に行くことになる。
 
全員ティンカーベルに妖精の粉を掛けてもらい、空を飛んでネバーランドを目指す。子供たちがちょうど窓から飛び出した時に両親が帰宅。両親は子供たちが空を飛んで行くのを驚いて見ていた。
 
ウェンディたちは、2時間45分で目的地に到着するが、ここで“ネバーランドが現実のものになる”。
 
ジョンはフラミンゴの飛んでいる入江を見る。そこにひっくり返したボートがあるので
「ジョン、あなたのおうちがある」
とウェンディは指摘する。
 
「入江には人魚もいるみたい」
「ティーピーが並んでる。インディアンがいるみたい」
 
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ピーターは彼らがネバーランドのことをたくさん知っているようなので驚いていた。
 
(原作では"The island come true"と書き"The Neverland had again woke into life."と書いていて、ネバーランドが子供たちの想像から生まれるものであることを示唆している。ピーターパンはまさにユング心理学者がいう所の“永遠の少年”であり訪問者がある度に、グレートマザーの中から新たに誕生するのである)
 
 

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海賊船が大砲を撃ってきたため、ピーターとウェンディたちはバラバラになる。
 
ピーターがウェンディに親切しているのに嫉妬したティンカーベルは島に居る子供(ロストボーイ)たちに、ウェンディのことを「大きな鳥」だと教え、ピーターがあの鳥を撃つように言っていたと嘘を言う。
 
(ここのティンクの表情がほんとに嫉妬にくるった女という感じで坂田由里は名演技だと言われた)
 
それで子供たちが弓矢で射ると矢がウェンディの胸に命中し、ウェンディは墜落する。
 
落ちてきたのを見て人間だったことを知り、慌てる子供たちだが、矢はウェンディが付けていた木の実のペンダントに当たっており、ウェンディは生きていた。しかし墜落のショックでしばらく動けないようなので、子供たちはウェンディの身体の上に、小さなおうちを建ててしまう!
 
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(撮影では本当に寝ているウェンディ(アクア)の上にロストボーイたちが材料を運んで来たり、釘を打ったりして家を建ててしまう。実際には大半の作業は大道具係さんたちがしている)
 

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やがてピーターパンが戻って来る。ピーターは彼らのことを紹介した。
 
「子守女がおしゃべりに夢中になっている間に、赤ん坊がベビーカーから転がり落ちて、7日間発見されなかったらネバーランドに連れて来られるんだ」
 
(このあたりはウェンディの母が語ったことと重なっており、ネバーランドというのが、この世とあの世の境にあることを示唆している)
 
「でも男の子ばかりなのね」
「女の子は慎重だから、ベビーカーから転げ落ちたりしないんだよ」
「へー!」
 

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こどもたちが1人ずつ紹介される。
 
のんびり屋のトートルズ (Tootles):でもリーダー格、気取り屋のニブス (Nibs), 少しおでぶさんのスライトリー (Slightly)、巻き毛が可愛いカーリー (Curly), そして、ふたご (Twins)!!
 
「君たち、名前は無いの?」
とウェンディは実際に双子の2人に尋ねたのだが
 
「ピーターが“ふたご”というのを理解できないから、考えたくないというので名前もらえないの」
などと2人は言っている。
 
「じゃ私が名前を付ける」
とウェンディは言うと
 
「ノーラン(Nolan)とブライアン(Brian)とかどう?」
「いいかも」
と2人は気に入ったようだ。
「どちらがノーラン?」
「それは君たちが決めて」
と言うと、ふたりは話し合っているようであった!
 
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それで、ふたごにはやっと名前が付いたものの、ピーターは相変わらず“ふたご”としか呼ばないのであった!
 

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みんながネバーランドに到着するなり大砲を撃ってきた海賊についても、ピーターは説明した。
 
「海賊フックと手下たちだよ。手下の中でもスミーという奴とスターキーという奴は気をつける必要がある」
 
「フック?」
「右手の先が鉄のフック(鈎:かぎ)になってるからフックという。彼は噂によると黒ヒゲ(Blackbeard)海賊団の甲板長をしていたこともあり、ジョン・シルバー(*3)が恐れた唯一の男らしい」
 
(*3)ジョン・シルバーは、R.L.スティーブンソンの小説『宝島』に出てくる片足の海賊。別名バーベキュー(Barbecue).
 

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「でもどうして右手がフックなの?」
「以前僕が彼と闘った時に、彼の右手の先を切り落とした。それで彼は切り落とされた右手の先に鉄の鈎を付けたんだよ」
 
「へー!」
 
その切り落とされた右手の先を“クロコダイル”が食べちゃって、クロコダイルはフックの味が気に入ったらしく、ずっとフックを付け狙っている、というのまではピーターは説明しなかった。
 
 
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夏の日の想い出・ボクたち女の子(8)

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