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■夏の日の想い出・天使の歌(15)

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7月6日(土)朝10時(*8)、★★レコードを退任したMM系の元取締役たちが新しいレコード会社MSMを設立することが明らかになった。7月中に設立し営業を開始する方針だという。
 
新会社の役員は、無藤鴻勝会長、村上社長、佐田副社長、黒岩専務、河内常務、といったものである。
 
MSMはMega-wave Stardom Musicの略とされたが、多くの人はMurakami Sada Mutoh ではないかと考えた。
 
★★レコードの社員でMM系の人が★★レコードを退職してそちらに移籍するのでは?という観測があった。大量の退職者が出ると★★レコードの業務に支障が出るのではという憶測、そしてライオン・ペアズによるTOBの可能性が消えたことから、★★ホールディングの株は7月第2週にはストップ安を続けて暴落することになる。投げ売り状態になって、数千万円単位の損失を出した人が続出したようである。
 
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7.8 3500 7.9 2800 7.10 2300 7.11 1800 7.12 1400
 
私は証券会社の人から、★★ホールディング株の相場が下がっているが売らなくてもよいかと連絡があった。私はこの暴落で株を買い増すあるいは買い集める人が出る可能性を考え、TKR防衛のため、そのままキープしておきたいと伝えた。それで246万株をそのまま維持することにした。
 

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(*8)例によってまともにボイド (7/5 15:24 - 7/6 13:24) の真っ最中である。
 

★★レコードでは、週明けの7月8日以降、MM系の社員の大量退職が始まった。この第2週はその影響で全く業務が行えなくなった。
 
★★レコードに所属していたアーティストの中で主として個人事務所に所属していたアーティストが20名ほど(最終的には100組ほど)、MSMが提示した好条件に釣られて、そちらに移籍することを表明した。
 
年度途中での移籍には違約金が必要である。しかしMSMはその違約金を代替負担するとした。なお移籍した場合、今後数年間は★★レコード時代にリリースした楽曲を録音することができない(ライブ演奏はOK)。また★★レコード時代に制作した音源に関しては、アーティストの意向と無関係に★★レコードが出版可能である一方、アーティスト側は自分が演奏した音源であるのに使用できない。
 
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音源はそれを制作する時にお金を出した人のものなのである。
 
(ローズ+リリーやKARIONなどのようにアーティスト側が製作費をほとんど自分で出していて、代表原盤権を持っている場合を除く。★★レコードはこれが緩やかなのでそのような制作方法を認めている。大手レコード会社ではこの方式を絶対に認めない会社が多いが★★レコードは新興会社なので許容的である)
 

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滝口さんが主宰していた戦略的新人開発室(村上系)、日吉さんが主宰していたメディアミックス推進室(佐田系)は、スタッフのほぼ全員と所属アーティストの中で芸能事務所に所属していないアーティストの大半がMSMに移籍した。
 
戦略的新人開発室が管理していたフローズンヨーグルツも移籍する。実は卍卍プロ所属のアーティストは全員移籍した。三ノ輪会長はMSM自体に少し出資したようである。
 
しかし、スタッフの中にもこちらに残った人がいる。戦略的新人開発室の副室長だった明智さんなどがそうである。メディアミックス推進室が管理していた三つ葉も★★レコードに残留する。三つ葉は明智さんが担当することになり、制作部に合流することになった。明智さんは制作部係長の肩書きを与えられ、三つ葉以外でも、戦略的新人開発室・メディアミックス推進室に所属していて、★★レコードに残留したアーティスト全てを当面担当することになった。
 
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KARIONを担当していた土居さんは元々村上系の人なのでMSMに移籍したが、その後任はしばらく決まらなかった!会社側もとても細かい担当まで決めている余裕は無い状態だったであろう。
 

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★★レコードでは、紙矢法務部長の指揮の下、セキュリティ対策プロジェクトチームUTAC“アンタッチャブル”or "Urgent Team for Access Control" (緊急アクセス制御チーム)が発足した。本来ならITに詳しい朝田さんか佐蔵さんが指揮すべき所を紙矢さんが指揮することにしたのは“嫌われ役”を引き受けたからである。新任の取締役を嫌われ者にしてはいけないとして紙矢さんが買って出たのである。
 
UTACは、退職社員によるデータ持ち出しを絶対にさせないため、7月6日にMSM設立が明らかになった直後、いったん全社員のパスワードとIDカードを一斉に無効にした。それで退職しない社員もコンピュータは使えないし、資料庫・倉庫などにも立ち入ることができず、何も仕事ができないので悲鳴があがった。
 
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ライブなどのため、またCD発売などのためにどうしても必要なものは、UTACのスタッフが立ち会って作業させた。
 
UTACでは、町添系社員の多い制作部や、遵法精神の高い法務部などから順に1人ずつ面接しながら新しいパスワードとIDカードを渡していった。面接の際、辞めてMSMに行きたいのであれば正直に申告して欲しいと言った。その場合、即退職届を提出してもらうが、退職金も夏のボーナスも払うとした。しかし行かないのであれば、向こう1年は(特別な事情が無い限り)退職しないことと、あらためて会社の守秘義務や個人情報保護などの精神を遵守する旨、宣誓して欲しいと言った。それで宣誓書に署名した社員にだけ、新しいパスワードとIDカードを渡した。サインしてくれた社員には夏と冬のボーナスを20万円または3割(の多い方)上積みすることも約束した。
 
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UTACは物凄く手際が良かった。恐らくは総会直後から準備を始めていたのだろう。セキュリティやネットに関するスキルの高い専門家、法律や労働問題に詳しいスタッフから構成されていたし、派閥色の強い社員は創業者系・MM系ともに含まれていなかった(それでMM系社員からも信頼された)。作業手順書や特権IDカードなども用意されていた。
 
しかしこういう厳しい体制で臨んだおかげで、顧客データ、音源、ソフトウェア資源(仕様書を含む)などの流出をほぼ防ぐことができた。
 

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★★レコードは大量社員離脱をきっかけに社内改革を行った。
 
村上社長就任以来、実際問題としてほとんど同じ業務をする部署が複数できていたものが多くあった。町添新社長は7月12日、社内に業務整理プロジェクトチームを作り、それらをどんどん統廃合していき、社内の業務の流れを大胆に整理する方針を発表した。
 
機能不全に陥った大阪支店だが、経営陣は連休明けの2019年7月16日(火)に、神戸支店・京都支店と組織統合して、関西支店にすると発表。それで第3週の終わりまでには、何とか機能回復することができた。神戸支店長を新しい関西支店の支店長・制作部長、京都支店長を副支店長・営業部長に任命した。
 

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★★レコード本社の制作部は取締役に選任された加藤次長が制作部長となり、南課長が制作部次長になって、氷川上級係長がJPOP部門の課長に昇格した。
 
「課長になったんですか!おめでとうございます」
と私は氷川さんに言ったが
「これで私の結婚は遠のいた」
などと本人は言っていた。
 
確かに結婚などしている暇が無いかも知れない!
 
「氷川さん、主婦やってくれる男の人を捕まえればいいです。女の人でもいいけど」
と政子は言っていたが
「そうだね。この際、主婦してくれるなら性別は問わないことにしようか」
と氷川さんも言っていた。
 
彼女はしばしばバイセクシャルっぽい発言がある。
 

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宮古島に行って来て、私の作曲能力は回復し、ローズ+リリーの次期アルバム、KARIONの次期アルバムも制作出来るメドが立った。しかし私は取り敢えず新しいローズ+リリーのシングル『Atoll-愛の調べ』の制作に入った。
 
カップリング曲は八重干瀬で書いた『秘密の大陸』、そして上島雷太先生から頂いた『麹(こうじ)の力』である。
 
上島先生は休業中にたくさん曲を書いていたのだが、やはり事件の後なので、イメージ悪化を恐れて、使用をためらうアーティストが多い。また上島先生の曲は“早い・安い・易しい”というのが良い所だったのだが、その用途では松本花子さんの作品でもだいたい行ける。また松本花子さんは、歌手自身が詩を書いて、それを“持ち込み”しても、それにあわせた曲を付けてくれるので、20代の歌手にこれが結構好まれていた。
 
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そういう訳で上島先生の作品は“余っている”状況なので、使わせてもらうことにしたのである。
 

『Atoll-愛の調べ』の音源製作は私が東京に戻った翌日、7月6日から始めて10日間、まさに★★レコードが大混乱になっている時期に進めた。
 
氷川さんはJPOP部門の課長になってしまったので、その混乱している社内を何とか落ち着かせるべく、たくさんの社員と面談をしたようである。これはかなり精神的に消耗する作業だったようで
 
「参った参った」
と言っていた。本当はローズ+リリーの制作に顔を出す暇も無かったはずだが、きっと息抜きがしたかったのだろう。
 
「先輩に誘われて行くか行くまいか迷っているという子に言ったのよ。迷うならやめとけって」
と氷川さん。
「それ恋愛なんかと同じですよね。付き合うかどうか迷う相手ならやめた方がいい」
と私が言うと
「女の子になるかどうか迷っているなら思い切って女の子になっちゃった方がいいよね」
などと政子は言っている。
 
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取り敢えず政子の発言は黙殺する!
 

「それにさぁ。すぐにも営業始めると言っているけど無理だよね」
と氷川さんは言う。
 
「そんなに早く営業開始できる訳無いですね。何にも準備してなかったろうし」
「いきなり全国5ヶ所に営業所作ったみたいだし、それが全部大都市の一等地。物凄い家賃が必要」
 
「だけどそもそもテーブルとか椅子とかパソコンとか買うのでも適当に買う訳にもいかないし、レコード会社始めるなら、どこか他のレコード会社に、製造あるいは流通を委託するか、あるいはどこかの流通業者と契約しないといけないけど、火中の栗を拾うレコード会社があるとは思えないし、メジャーの流通をやっている業者は、いきなり設立されたレコード会社を相手にしてくれない」
 
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「インディーズの流通業者とかディストリビューターを使うしかないですね」
 
「CDをプレスするにしてもどこかと契約する必要があるけど、大手はいつも枠一杯だから、中小の工場と契約するしかない」
 
「すみません。その枠いっぱいの所にいつも割り込んでいて」
と私はマジで謝る。
 
「音源製作するにも、ある程度の規模のスタジオと契約するか、あるいはスタジオも自前で用意するか。スタジオを作ろうとしたら音響機器、録音機器とソフト、楽器とかで軽く数千万円飛ぶし、そのスタッフも確保しないといけない」
 
「機器の調整と技術者集めるのだけで3ヶ月は掛かりますよ。そうそう数の出る機器ではないから、今日頼んで明日という訳にはいかないし、防音工事にも時間が掛かるし、良い技術者は希少です」
 
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「下手すれば自主制作並みの品質になるだろうね」
「でしょうね」
 
「だいたい会社としてまともな業務をするのに、会計ソフト・受発注管理ソフトなどの業務ソフトを導入するにも、パッケージのカスタマイズ作業に数ヶ月かかる。音楽制作を管理支援するソフトは、セミオーダーに近くなるから使えるようになるまで半年以上は掛かる」
 

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「どう考えても設立準備で1年掛かりますね」
 
「その間は普通ならせいぜい20人程度の少人数で進めるべきで、MM系の社員が仮に400人くらい一斉に移籍したとしたら、その人たちの給料・社会保険料だけでボーナスも含めて毎月平均3億円くらい必要。家賃だってあんな一等地に借りたら5ヶ所あわせて1億掛かる。でも400人にさせる仕事がある訳無い。当然売上げも上がらない。営業畑の人が多いけど、CD制作しないと売る物が無い」
 
「そしてその制作部門が弱いんですよね」
「大阪支店の鈴原制作課長は優秀な人だけどポップスやロックにはあまり強くない」
と氷川さん。
 
「強くないというより、ロックが理解できないみたいですよ。****なんてただの騒音だと言ってたし」
となぜかここに来ている鮎川ゆま。
 
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「ひっどーい、私、****大好きなのに」
とマリ。
「まああの発言でかなり敵を作ったね」
「でも****はアンチも多いよ」
「まあそれはありますね」
 

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「ポップスなら、滝口さんのチームと、日吉さんのチームの方が強いのでは?」
と私は言ったが
「あそこから出た人で売れた人いる?」
と氷川さんは尋ねた。
 
「三つ葉だけですね」
「三つ葉は★★レコードに残ると言明したからね」
 
これはΘΘプロのシアター春吉氏が報道各社にFAXを送り、
 
《三つ葉はΨΨテレビ、★★レコードと共同にて進めてきた企画で御座りますゆえ、MSMに移籍したりは致しませぬ。★★レコードにて制作を続けて参る所存にて候》
 
と花押!付きのメッセージを出している。
 
「まあそれで三つ葉に楽曲を提供しないといけない。シアターさんから直接頼まれた」
と私は言う。
「ケイ、Trine Bubbleにも頼まれているんでしょ?」
とマリが言う。
 
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「そうそう。そちらは町添さんから頼まれた。最近★★レコードから出た新人の中では一番元気があるから。“新生★★レコード”の再建の核にしたいみたいですね」
 

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「でもマリちゃんにならって、私も赤ちゃん産もうかと思ったけど、今年は無理っぽい」
などと氷川さんは言っている。
 
「氷川さん、誰の赤ちゃん産むんですか?」
と政子が訊くが
「それを今から見つけなきゃ」
 
と氷川さんは言っていた。しかし私には“精子提供者は既に居る”ように聞こえた。それでも今の状況ではとても結婚なんてできないだろう。
 
鮎川ゆまが
「真友子ちゃん、私の赤ちゃん産んでくれない?」
と言うと、氷川さんは
「精子があるなら」
と答えた。
 
「氷川さん油断しないで下さい。ゆまさんは既に何人かの女の子に赤ちゃん産ませてますよ」
と政子は言っていた。
 

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夏の日の想い出・天使の歌(15)

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