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■夏の日の想い出・天使の歌(5)

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(C)Eriko Kawaguchi 2019-02-02
 
震災復興イベント2日目の午後。15時からはFlower Fourである。政子がまたまた異様に興奮していた。ほんとに政子は男の娘好きである。
 
“准子”の中の人、森原准太は2月24日に結婚式を挙げた後、25日から3月8日までカナダに新婚旅行に行ってきた。帰国して1日おいてこのイベントに参加してくれている。全くお疲れ様である。
 
Flower Fourのメイクは各々自分でやるということで、政子がたくさん練習させている亮子(亮平)と、元々メイクができた!?らしい真樹以外のメイクはかなり酷い状態だったのだが、今年は桜野みちるが准子(准太)についてきてメイクをしてあげて、
 
「俺だけ酷いメイクになってる」
と言っていた道子(道雄)もついでにみちるがし直してあげたので、わりときれいな“女子”4人のユニットになっていた。
 
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「みちるちゃん、准子ちゃんにお化粧の練習させなよ」
と政子が言うと
「そうだね。毎日メイクしてから出勤してもらおうかな」
とみちるも言っている。
 
「それ性的指向を誤解されるから」
 
そういう訳で、Flower Fourが出演の準備をする間“男の娘控え室”には、政子とみちるもずっと居た。
 

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Olive LemonとFlower Fourが予定の時間より早く演奏終了してくれたので、KARIONは16:02から始めることができた。それでこれを16:55で終わらせて、XANFUS以降の演奏時間を予定通りに戻すことにする。KARIONの音楽活動は秋のツアー以来だが、昨年はアルバム『1024』を作ったのとそのツアーをしたの以外ではほとんどまともな活動ができていない。ローズ+リリーを復活させたらKARIONも頑張らなきゃと私は思った。
 
17時からのXANFUSの演奏を経て18時からはローズ+リリーの演奏となる。
 

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演奏は私がギターを弾きながらふたりで歌う『城さんの赤ちゃんが風邪引いた』から始める。そして観客に挨拶した後、マリが赤ちゃんを産んだばかりなので、座って歌わせてもらうことを言い、拍手をもらう。
 
それからスターキッズ(但しKBは詩津紅で月丘はMarimba)を入れて、復興支援ソングとして定着している『神様お願い』を演奏する。
 
「震災から8年経って、常磐線などもかなり復旧して全線開通が見えてきましたけど、まだ立入できない地区もあります。国ももっと本腰を入れて復旧作業をして欲しいんですけど、文句ばかり言っていても仕方無いので、私たちは自分たちでできる範囲のことをして行きたいと思っています」
と私は言った。
 
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政子に発言させるともっと過激なことを言うので、私があまり政治的な発言にならない範囲で意見を述べさせてもらった。
 
「それでは次は来月発売予定のアルバム『戯謔』から『H教授』」
 
新しいアルバムが発売予定というのは、ほとんどの観客に初耳だったようで、ざわめきもあったが、この長い曲『H教授』を歌っていると、かなり反応が良かった。この曲はこのアルバムに入れて正解みたいだなと私は思った。
 
この歌は実は最初悲劇的な終わり方をしていた。教授がひたすら時代遅れの研究を続け、奥さんはネットに触れて外の世界に戻り教授はひとり取り残される、というものだった。しかし千里の勧めでハッピーエンドに改訂している。そして今日の演奏を終えた後の観客の物凄い拍手を聴いて、やはりハッピーエンドで良かったようだと私は思った。伝書鳩を飛ばしたあたりで観客が凄く不安そうな空気になったのが、その後の展開でホッとした表情になったのである。
 
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なお私が発音した「ぎぎゃく」という言葉の漢字が分かった人は皆無だったようである。国語辞典を引けば「戯謔」しか無いと思うのだが、ネットでは正解が分かるまで、偽逆、擬虐、技客、議脚、などなど多数の当て字が提示されて「どういう意味だろう?」と議論されていたようである。
 

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宮本・香月・ゆま・世梨奈・美津穂・千里・葉月・レイアが入ってくる。
 
「それでは次は今年の秋か年末くらいにリリース予定のアルバム『十二月』に入れる予定の『ヴィオロンの涙』を演奏します」
 
と言って演奏する。続けて同じ『十二月』に入れる予定の『紅葉の道』を歌い、人気曲の『青い豚の伝説』『コーンフレークの花』と歌った。ここまで演奏陣は変わらないが『コーンフレークの花』ではXANFUSの音羽と光帆が出てきて、フェイクファーのコート→フリースジャケット→トレーナー→Tシャツ→スリップドレスまで脱いでくれた。脱ぐ度に歓声があがり、マリがしばしば振り返って見ていた。
 
その後、予定では『フック船長』を歌うつもりだったのだが、前奏が違う!?
 
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見たら千里がバヤンを持ち、宮本さんがバラライカを持っており、始まったのは『雪を割る鈴』である。え〜〜!?と思いながら歌う。音羽と光帆はスリップドレスのまま、この曲のダンスを踊っていた。
 
そしてトラベリングベルズの黒木・木月・鐘崎・児玉の4人により鈴が運び込まれてくる。そして振袖を着たアクアが登場すると
 
きゃー!!!!!!!
 
という物凄い声。
 
この曲の前半が終わった所でアクアは「えい!」と声を掛けて剣を振って鈴を割った。
 
曲はアップテンポに変わる。そしてアクアは振袖のまま踊っている。音羽と光帆の踊りは前半のゆっくりした踊りと違い、激しい踊りに変わっていた。
 

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そして終曲。アクアが振袖の袖の中からお玉を2つ出して私と政子に渡す。客席から「ピンザンティン!」という声が掛かる。
 
それで『雪を割る鈴』を演奏したメンバーが全員残り、各自お玉を振ったりしながら『ピンザンティン』を演奏した。客席でも多数のお玉が振られる。これはローズ+リリーのライブでは定着した光景である。この日はローズ+リリーのファンが多数「布教用」に余分にお玉を持って来ていて、他の人にも渡したりしたようである。
 
これが終わった所でいったん全員ステージから降りる。
 
アンコールの拍手が鳴り響く。
 
その間にマリはあやめにおっぱいをあげながら、自分では浪江焼きそばを“一気飲み”した!私は例によって飲み物だけ取る。
 
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「行くよ」
 
それでまたさっきステージに居た人が全員でステージに戻る。
 
マリが観客にアンコールの御礼を言う。
 
「みんなアンコールありがとう!嬉しいよ!それでは皆さんの拍手にお応えして『女の子になろう』」
 
「ちがーう」
 
「『男の子にあって女の子にないもの』だっけ?」
「『影たちの夜』です。スターキッズの皆さん、よろしく」
 
それで近藤さんたちが笑って『影たちの夜』の伴奏を始めるので、私たちはそれに合わせて歌った。千里や葉月たちも一緒に歌ってくれた。
 

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演奏が終わると、私とマリだけを残して全員ステージを降りる。
 
スタッフの手でスタインウェイのコンサートグランドがステージ中央に押されていく。私はその前に座り、マリはその左隣に座る。
 
『あの夏の日』を演奏する。
 
そしてその歌の余韻が消えた所で大きな拍手があり、私たちは立って挨拶する。それで終わり・・・・
 
と思ったら、そこにゴールデンシックス、オリーブ・レモン、フラワーフォー、KARION, XANFUS そしてアクアまで入ってくる。司会をしてくれている振袖姿の川崎ゆりこが自分のマイクで言った。
 
「それでは本当に最後の曲です。『花は咲く』。会場のみなさんも一緒に歌って下さい」
 
それで今日の出演者全員で『花は咲く』を歌って、今年の震災復興支援イベントを終えた。
 
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大きな拍手の中、幕は降りた。
 

福島ムーランパークの体育館地下に大広間があるので、そこで打ち上げをした。宿泊できる部屋もあるので、そこで多くの人が泊まった!これはここが合宿所としても使用出来るように設計されているためである。
 
私と政子は翌日3月11日朝から新幹線で仙台に移動した。和実が入院している病院に行くと、病院の廊下に青葉と千里が居た。見ているとスマホを使っているので、千里3だと分かる。昨日演奏に参加してくれた千里はガラケーを使用していたので千里2である。
 
「もう少しで帝王切開が始まるよ」
と千里が言った。
 
「よくここまで無事で来たね」
「うん。奇跡だと思う」
と青葉は言っていた。
 
そして10:31 (2019.3.11 10:31)。「おぎゃー」という元気な産声が聞こえた。私たちは喜んでお互いに握手を交わした。
 
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「青葉疲れたでしょ。少し寝てくるといいよ」
と千里が言う。
「そうする。しばらく、ちー姉お願い」
「任せて」
 
それで青葉は休憩室に行って少し寝るようであった。
 

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「男の娘だったはずが2児の母か。凄いな」
と私が言うと
 
「私も2児の母」
と千里が言う。千里が言うのは、たぶん京平君と緩菜ちゃんだろう。この千里は早月ちゃんのことは認識していると思うが、由美ちゃんのことは認識しているのだろうか?後で千里2に訊いてみようと私は思った。その千里(千里3?)が
 
「冬だって2児の親だ」
と言うので、私は咳き込む。
 
「2児?それ詳しく」
と政子は言っている。
 
千里が言うのは、私が遺伝子上の父であるあやめ(母=政子)と、政葉(母=若葉)のことだろう。どちらも各々の母が私の精子を勝手に使って産んだものである!
 
「まあ私たち隠し子が多いよね。政子だって、さほりちゃんのこと隠してるし」
と千里が言うと
「ちょっとぉ!」
と言って政子が焦っている。
 
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「さほりって誰?」
と私が訊くと
 
「冬は気にすることないよ」
と千里は言った。
 

産まれた赤ちゃんはすぐに保育器に入れられた。これから2ヶ月間、ここで育てることになる。和実と淳は産まれた子供に予定通り「明香里」という名前を付けた。
 
医師は「母・月山和実、父・月山淳」という出生証明書を書いた。淳がそれで出生届けを提出したが、淳は父親なのに女性の身体だし、母は元男性というので、区役所では出生届けの受け取りを保留し、職員が病院まで来て、事情聴取が行われた。
 
和実は自分は半陰陽であると主張。それで区役所側では希望美が産まれた時の記録なども確認して、和実には小さな卵巣があるという医師の診断書を確認の上、翌日、区長決裁で出生届を受理した。これで明香里は、淳と和実の実子として戸籍に記載された(希望美は特別養子縁組でふたりの子供にされている)。
 
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千里も和実も子供を2人産んでいるが、千里は他の女性が産んだことにして諸問題を回避。それに対して、和実は正面突破をした感じである。
 
もっとも淳はもう性転換手術をしてしまったので、これ以上ふたりの間に子供が産まれることは無い。
 

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アクアは今回は予定通り2月中旬までに『少年探偵団II』の撮影を終えて、下旬からは『ほのぼの奉行所物語II』の撮影に入った。『少年探偵団II』の最後の方は、また“アメリカから遊びに来たアクアの従妹のマクラ”を使って北里ナナ絡みの撮影をして映像合成の手間を省いたようである(後で私にグチをこぼしていた)。
 
さて今回の『ほのぼの奉行所物語』では“中町奉行所”を巡る騒動が描かれる。
 
江戸町奉行所は、初期の頃は町奉行に任命された旗本(ごく初期は大名)が自分の邸宅を奉行所として使用していた(御白州も奉行の自宅の庭である)が、やがて固定の場所が設定されるようになり、北町奉行所は常盤橋内、南町奉行所は鍛冶橋内に設定された。どちらも現在の東京駅八重洲口の近くである。鍛冶橋というと現在は近くにバスセンターがある。常盤橋は近くに日本銀行がある。
 
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ところがここにもうひとつ町奉行所ができるところから話は始まる。
 
歴史的な経緯を言うと、それまで常盤橋内に北町奉行所があり、鍛冶橋内に南町奉行所があった所に、新たに3つ目の奉行所が呉服橋内にできた。ここは北町奉行所のある常盤橋より少し南、南町奉行所のある鍛冶橋よりは北なので「中町奉行所」と呼ばれた。
 
(北町奉行所・南町奉行所などは通称であり、正式にはどちらも単に「町奉行所」である)
 
それでしばらく3奉行所体制が続くのだが、1707年に北町奉行所が常盤橋内から数寄屋橋内に移転してしまう。ここは現在の有楽町マリオンの近くであり、鍛冶橋よりも南である。それでいちばん南にある奉行所を北町奉行所と呼ぶのは変だということで通称が変わってしまったのである。
 
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数寄屋橋に移転した奉行所:北町奉行所→南町奉行所
鍛冶橋にあった奉行所:南町奉行所→中町奉行所
呉服橋に新設された奉行所:中町奉行所→北町奉行所
 
奉行の方も宝永4年4月22日(西暦1707年5月23日)付けで呼ばれ方が変わった。
 
丹羽遠江守:中町奉行→北町奉行
坪内能登守:南町奉行→中町奉行
松野河内守:北町奉行→南町奉行
 
しかし1719年に坪内が町奉行を退任すると、新たな中町奉行は任命されず、中町奉行所は消滅することになる。
 
この時期は実は本所深川奉行(定員2名 1693-1719)も設けられていたので、江戸の町を5人の奉行が管轄していたことになる。つまり1719年には5人からいきなり2人に減らされた。但し町奉行所に“本所方”(与力1名・同心2名)が設置された。
 
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なお大岡忠相(大岡越前守)が南町奉行に任じられるのはこの大統合の直前1717年である。
 
今回はこの騒動(本来は17年間)が1年ほどの間に起きたことにして、圧縮して描かれることになる。
 

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夏の日の想い出・天使の歌(5)

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