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■夏の日の想い出・天使の歌(10)

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ところで4月、アクアは高校3年生になった。2014年、中学1年の夏にロックギャルコンテストで優勝。2015年1月にデビューして以来、4年間男子アイドルのトップの座に立っているが、まだ彼に対抗するほどの10代男子アイドルは出てきていない。
 
弘田ルキアは女装させたくなるような可愛い顔とある程度の歌唱力で、一定のファンを獲得したものの、声変わりが来た後、人気が急落している。彼は後に女性ホルモンの服用で声変わりを抑えていたものの、バストが膨らみ始めたのでホルモンの使用を中止し、結果的に声変わりが起きたことを告白している。
 
(それでアクアの声変わりが起きない問題では、やはりアクアは去勢しているのではという説と、実はホルモンで抑えているから、その副作用で胸が膨らんでいるはずという説が出ているが、後述の医学的チェックでどちらも否定されている)
 
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ワイルド・ドッグスはむしろ男らしさを前面に出した3人組であるが、彼らの人気は一部の女子中生たちに限られており、その野性的な言動が、女子大生やOL層・主婦層にはむしろ反感を持たれている。男性ファンはほとんど居ない。
 
キャロル前田も中性的な雰囲気で10代男女を中心とするファン層を形成し、ある程度のセールスがあって、一時はアクアのライバルと言われた。しかし、本当は女の子になりたいと告白して、実際去勢手術も受けていることを認め、その後やはり人気が急落した。特に男性ファンがほとんど離れてしまった。告白後は堂々と女性の格好でTV出演しており、セクマイの人たちには人気がある。恐らくその内性転換手術も受けるのだろう。
 
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アクアは毎年1回程度、彼と直接利害関係の無い人達が指名した医師の診察を受けさせられ、間違い無く男子であり、陰茎も睾丸も存在していて(但しどちらも小学生並みのサイズ)、精原細胞も活動しており精液には濃度が低いものの精子が存在し、胸も膨らんでいないことを確認されている。(実際にこの診察を昨年・一昨年に受けたのはアクアMである。今年もたぶん彼が受けることになるだろう。Fは普通の女の子だし、Nには睾丸が無く微かに胸があるので受診させられない)
 

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「でもこれまでは上島のおじさんが設定してくださった学業絶対優先条項のおかげで、何とかなってましたけど、来年高校を卒業した後が怖いです」
とアクアは言っていた。
 
アクアは人前では「上島先生」と言うが、私や千里など親しい人の前では子供の頃からそう呼んでいたように「上島のおじさん」と言う。この条項は上島先生のこの業界における絶対的な立場から保証されていたものだが、現在は上島先生からアクアのことで後事を託された東郷誠一さんが代わって目を光らせている。
 
「こないだ葉月ちゃんが、アクアちゃんが高校卒業した後が怖いですと言ってたよ」
「あの子はボクよりもっと大変そう!」
 
「まあ葉月は1人しか居ないからね」
 
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「その件ですけど、最近マジで3人分お仕事している気がするんですけどぉ!?」
 
口をとがらせて文句を言う様が凄く可愛い。そんな表情をされると理性を失いそうだ。
 
「そうかなあ。もっと忙しくしてる子もいると思うけど」
「そういう子って、ほとんど学校に行けない状態なのでは?」
 
「まあ少しきついかなと思ったら、コスモスに言ってお仕事減らしてもらうといいよ」
 
「コスモス社長、上手いんです。気付くと私全部お仕事引き受けてしまってるんです」
 
私は笑いをこらえきれない気分だった。まああの子はやり手だよなあ。
 
「ところで君、Fだよね?」
「そうですけど」
「うん。そんな気がした」
 
「でもケイさん、ちゃんと見分けられるんですね。山村さんはボクたちが服を交換してると、入れ替わりに気付かないみたい。ボク結構男装してるし、Mは女装好きだし。学校にスカート穿いて出て行くの、ボクよりMが多いですよ」
 
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と高校の男子制服を着たアクアFは言った。
 
へー!肉体的な性別と連動してないのか!
 
「つまりアクアの方が山村さんより上手(うわて)ってことだね。千里は君たちを見分けるでしょ?」
と私は訊いた。
 
「2番の千里さんも3番の千里さんもちゃんとボクたちを見分けてくれます。1番さんとはあまり会わないけど、あの人はボクが3人いること自体気付いてないみたいです」
 
「アクアは2番と3番の千里を見分けられる?」
 
「もちろんです。1番さんはパワーが低いし、京セラのガラケー持っているから分かりやすいです。2番さんと3番さんはどちらも東芝のガラケーとシャープのスマホの2台持ちですけど、少し話していれば性格の違いで分かりますよ。2番さんは適当で物忘れが多く、3番さんはクールで緻密なんです」
 
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とアクアは言ったが、私は彼女の言葉に衝撃を受けた。
 
2番も3番もガラケーとスマホを持っているだと!?
 
「千里さんが3人いることを知っている人がだいぶ増えたから、あれわざと混乱させようとしてガラケー出したりスマホ出したりしてるんじゃないかな。お互い、相手の行動を把握しようとして周囲の人間を利用しているんですよ。多分あの2人タヌキとキツネの化かし合いしてます」
 
マジ!?
 

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ところでアクアと葉月は4月2-3日に免許を取得し、4月4日には結城先生の指導を受けてたくさん路上練習をしたのだが、その後、4月5-7日(金土日)にアクアの方は都内のスタジオに入って、北里ナナのシングル『招き猫の歌/白雪姫』の歌唱録音をした。アクア自身はこの曲は自動車学校の合宿に入っている間にたくさん練習をしていたので、録音はスムーズに進行。予定通り、7日の夕方までに完了した。そしてアクアが音源製作している間、葉月はプーケットに行き、彼(彼女?)としては初めての写真集撮影をするということだった。
 
もっとも私は“彼が彼女になって帰国しないか”不安である。葉月は
「性転換手術したら何日くらい休まないといけないんですかね?」
などと私に尋ねていたし!
 
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ところでドライバー会社の★★情報サービスであるが、昨年春の上島先生の離脱で上島先生を担当していた川村・津島は、川村は王絵美さんを担当し、津島は千里のサブ担当になっていた。それが今春、上島先生が復帰したので、川村さんを上島先生の担当に戻すことになった。代わって王絵美さんの担当には、佐良さんの知り合いの熟練ドライバー、碓井玲花さんを採用して担当に当てることで王さんとの話がまとまった。UDPは活動停止するが、王さんの使用料金はUDP事務局が引き続き払ってくれる。もっともUDPの活動資金の大半は上島先生が権利を譲渡した上島作品の著作権使用料(年間たぶん数億円)なので、結果的には上島先生が払っているようなものである。
 
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津島さんが
「あのぉ。よかったら醍醐先生の担当はもう1人くらい入れてもらえません?」
と染宮専務に言った。
 
「醍醐さんの担当ってそんなに大変なの!?」
と染宮は驚き、醍醐の第1担当である矢嶋美里さんとも話し合う。
 
「たぶん千里さんは6人かひょっとしたら10人くらいいますよ」
と矢嶋さんも言う。
 
「嘘!?」
 
それでふたりが過去に経験している「複数の千里から同時に遠く離れた場所に呼ばれる現象」について説明すると、染宮専務は「うーん・・・」と悩んでいた。
 
結局、矢嶋さんの妹で国内A級ライセンスを持っている矢嶋春花さんを醍醐の第3担当として採用することになった。
 
千里は「忙しくさせてごめんねー」と言って、毎月の料金を今まで2人分(醍醐春海と葵照子の分)払っていたのを3人分払ってくれることになった。実際には千里2が調整して、津島さんを主として千里1、春花さんを千里3の担当にして、美里さんを千里2の担当にしたようである。
 
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しかしそれでも“千里を運んでいる最中に別の千里から連絡がある”現象は頻繁に起きているらしかった! やはり千里はどう考えても6人か9人いるようだと私は思った。
 

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なお、上島先生は昨年春の事件のあと所有していた車(レクサスGS450h)も処分してしまっていた。その件で、§§プロの社長を辞任して沖縄宮古島の実家に戻ることにした紅川さんが
 
「車を宮古島まで運ぶと料金掛かるし、ベンツ走らせるような道も島内には無いし。上島君、ボクが使っていたベンツに乗らない?」
 
と上島先生に言った。
 
「お心遣いありがとうございます。でも僕は今謹慎明けの身だから、そんな車に乗っていたら『何も反省してないようだ』とか言われてしまいます」
 
「そうかもね。だったら、女房が使っていたアクアとかは?」
「ハイブリッドいいですね」
 
ということで、上島先生は沖縄から戻ると、紅川知世子さんが使用していたアクアを無料で譲り受けて使うことにしたのである。5年経ったアクアの法的な“残価格”は20万円程度なので自動車取得税も掛からないし、贈与税の対象にもならない。自動車保険については上島先生が昨年車を手放す時に休止扱いにしていたので、それを復活させることにした。
 
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それで川村ドライバーはこのアクアを主として運転することになる。
 
紅川さんのベンツは「ベンツを所有していると何かの時に使うかも」と私とコスモスが話し合い、私が個人で買い取ることにして、§§ミュージックの研修所に駐めておくことにした。時々動かしていないとバッテリーもあがるし、傷みやすいので、週に1度程度、山下ルンバに運転してもらうことにした(後述)。
 

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上島先生の新しい住居は水戸市内の2DKの木造アパートである。この場所もごく少数の知り合いにしか教えていない。
 
事件の前には、国分寺の先生の御自宅は毎日「上島邸詣で」の歌手やレコード会社の担当などであふれ、応接室で先生が曲を書くのを待っていたのだが、そのような光景も消滅し、ここは純粋に上島先生が奥さんと子供と一緒に暮らす場所である。
 
謹慎が解けた後、雨宮先生がこの場所を見つけて契約し、上島先生は4月上旬にここに住み始めたが、アルトさんも5月下旬には美音良ちゃんと一緒に沖縄から戻り、3人で暮らし始めた。私はその後で、千里と一緒にそのアパートを訪れたが、家賃3万円というそのアパートを見て、上島先生が本気でまた仕事をするつもりだということを認識した。
 
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木造アパートなのでグランドピアノなどは置けない。先生のお仕事の道具は88鍵の電子キーボード(ヘッドホンで使用)である。これは実は松浦紗雪さんが自分が使用していたものを先生に譲ったものである。
 
上島先生の過去作品の印税は全てUDPに渡るようになっているので、上島先生は現時点では収入ゼロである。アパートの家賃も1年間は雨宮先生が払ってくれることになっているし、生活費については、春風アルトさんが過去の作品の印税から当面出すことにしているが、実際には紅川さんが支援している(このことは上島先生には当面言わない)。上島先生の子供を産んだ元愛人さんたちへの仕送りも取り敢えず来年の3月まで私が継続送金することで、春風アルトさん・福井新一さんと合意した。
 
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上島先生の復帰第1作は山折大二郎さんの『太鼓音頭』、続いて松浦紗雪さんの『渋谷で待ってて』、更にローズクォーツの新譜用に『シーサイド・トレイン』という曲を頂いた。UTPの大宮副社長と上島先生の話し合いで、しばらくローズクォーツは上島先生から毎回楽曲を頂くことになった。
 

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なお、沖縄に移住する紅川会長の足立区にある御自宅だが、ここは研修所にもなっており、現在でも数名の研修生がここで暮らしている。それで誰か研修所で暮らしている子たちに「家族同様の感覚で」御飯を作ってあげられる人が住む必要があった。
 
この寮生たちのお世話係を高崎ひろかのお母さん・天羽亜矢子さんにお願いすることにした。2人の娘がタレントをしているという立場から、研修所に住む10代後半の女の子たちのお母さん代わりという役目はとっても適任である。亜矢子さんは3月いっぱいで今の仕事(工務店の事務員)を辞め、江戸川区内のアパートを解約して、紅川さんの家に引越してくることにした。
 
彼女には§§ミュージックからではなく、サマーガールズ出版から寮母さんとしてのお給料を払う。これは§§ミュージックの利害に左右されない立場で寮生たちと接して欲しいからである(§§ホールディングからサマーガールズ出版に業務委託費を払う)。
 
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江戸川区のアパートは、ひろかの妹・松梨詩恩が3歳の時以来中学卒業まで母と暮らした場所である。現在詩恩とひろかは、詩恩の高校通学の便を考えて赤羽駅近くの賃貸マンションで一緒に住んでいるのだが、詩恩が高額納税者なので(詩恩の)高校卒業後どこか便利な場所に、ひろかと2人でマンションを買って母も含めて3人で住もうよと言っていた。それでふたりが適当な物件を探しているということを知ったコスモスが提案したものである。
 
「結果的に全然便利じゃない気がする!」
とひろかは言っていたが。
 
それでも江戸川区のアパートよりは駅に近い。今までのアパートなら小岩駅まで15分ほど(詩恩の足で。お母さんの足なら20分)歩く必要があったが、研修所は五反野(ごたんの)駅から歩いて5-6分の所にある。しかもタクシー会社と契約しているので“パス”を持っている人は無料でタクシーを利用できる。実際、研修生は(安全のため)駅から研修所まで歩いてはいけないと厳命されており、必ずタクシーを使う。これまで寮生たちの食事などのお世話をしてきた紅川知世子さんも自分のアクアよりタクシーで駅やスーパーなどと往復していた。
 
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ちなみに「五反野(ごたんの)駅」を「五反田(ごたんだ)駅」と勘違いして駅前で途方にくれた伝説があるのは、方向音痴で有名な?品川ありさである!
 

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夏の日の想い出・天使の歌(10)

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