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■夏の日の想い出・天使の歌(6)

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呉服橋内に新しい町奉行所ができる少し前、南町奉行所の与力・北山啓吾(演:光山明剛)が、捕り物の際に崖から落ちて大怪我をしてしまう。医者からは全治半年と言われ、それでは与力のお務めができないのでと、辞任を申し出た。その直後、北山の部下の同心・立花勘兵衛(演:佐川伝二)が“水戸黄門”こと徳川光圀公の御前で大失敗をして「お前、あれは切腹しないといけないぞ」と同僚から言われて青くなる。
 
しかし、病床の北山が息子の一太郎に背負われて奉行所に出てきて「部下の失態は上司の自分の責任である。自分が代わりに腹を切るので、自分の首を水戸光圀公に差し出して、代りに立花は許して欲しい」と御奉行に訴えた。
 
南町奉行・坪内能登守(演:風上信助)は「あの件は私も謝りに行ったが、ご老公は『よいよい』と笑っておられたぞ。光圀公はまことに寛容なお方じゃ。立花は謹慎半年」と言ってくれた。それで命拾いしたものの、立花は謹慎だけでは申し訳無いと言い、自主的に辞表を提出。それは認められた。
 
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それで同心を辞めた立花は毎日北山の家にお見舞いに行き、病床の北山と囲碁を打って時間を過ごす日々となるが、それを立花のライバルであった北町奉行所の同心・山門新五郎(演:藤原中臣)や北山のライバルであった北町の与力・南川昇平(演:香川満夫)などは寂しい思いで見ていた。(アクアが演じているのは南川昇平の息子と娘の2役)
 
ここまでが第1回目である。
 
(今回のプロットは裏事情から言うと、実は坪内能登守を演じている風上さんが今年の9月から別の局のドラマで主演することになっており、来期以降このシリーズが続いても出演できないので、それに合わせて企画されたものである)
 

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第2回目はその4ヶ月後から始まる。唐突にもうひとつ町奉行所を作るという話が出て、丹羽遠江守(演:沢田光蔵)が任じられる。新しい町奉行所は呉服橋内に作られた。これが、北町奉行所より南、南町奉行所より北にあることから中町奉行所と呼ばれることになった。
 
新しい奉行所ができて、そこの与力・同心が必要である。そこで南町奉行の坪内が大怪我して療養していたもののかなり体力を回復してきていた北山を与力として推薦。丹羽新奉行も面接をして彼を気に入り採用した。それで北山の口利きで立花も中町奉行所同心として復職したのである。それでここから今回の物語の中盤すぎまでは、南川たちの北町奉行所、北山たちの中町奉行所、そして北山の元部下の同心・藤沢理太夫(演:中橋智也)などのいる南町奉行所、という3つの奉行所の与力や同心たちの日常模様が描かれていく。
 
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「でも懐かしい。僕は若い頃、この中町奉行所の同心役をしたことあるよ。役名も無い、その他大勢の同心だったけどね」
と藤原中臣さんは、アクアや葉月たちに語った。
 
「わりと有名な話なんですか?」
「いや、あまり知られていない。奉行所を巡る話では幕末近くに、北町奉行を務めていた遠山の金さんこと遠山景元が策略に引っかけられて大目付に左遷されたもののそこから大反撃して南町奉行に返り咲く話とかはわりと有名」
 
「すみません。知りません」
とアクア・葉月。
 
「まあ最近は時代劇あまりやらないからなあ」
と藤原中臣さんは嘆くように言った。
 

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「今回描いている時期って、陰間茶屋ができ始めた頃だよね」
と藤原さんは言った。
 
「カゲマって、男装の女性でしたっけ?」
「女装の男性!」
「あ!今のは言い間違いです」
 
「江戸時代の芝居小屋では風俗の乱れを防止するため、女性の役者を使うことが禁止されていた。それで女役を演じる才能のある人が女形(おやま)となった」
 
「あ、そのあたりの話は聞きました」
「それで女形として修行中の役者さんは、女の仕草とかを自然にするため、普段から女の服を着て出歩いたりして、センスを磨いたんだな」
「なるほどー。それって女の人になりたい男の人とかではないんですか?」
 
「そういう人もいたかも知れないけど、むしろ女の服を着せたら美人になるような人だったと思うよ。アクア君みたいに」
「ああ」
「アクア君も時々スカート穿いて学校行ったりしてるんでしょう?」
「今通っている高校って男子が3学年で9人しかいないから、なんかスカート穿いても抵抗無いんですよねー」
などとアクアは言っている。
 
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それ嘘だ。アクアさんは元々スカート穿くのに抵抗が無い、と葉月は思った。
 
「そういう修行中の女形たちの中で、まだ役をもらえていなかった若い子を、出演しないで楽屋にいて、他の役者さんのサポートだけをしているというので外に出ない者のいる部屋ということで陰間(かげま)と呼んだんだよ」
 
「へー!」
 
「それでその子たちって可愛いもんだから、その子たちを抱きたいと思う男たちが現れる」
「うーん・・・」
 
それボクもアクアさんも危ないよな、と葉月は思った。雨宮先生とか蔵田先生とは絶対2人だけにはなるなと山村さんから言われたし。
 
「それでお小遣いも稼げるし、結構そういう求めに応じる子も出てくる。そういうのが日常的に行われるようになって、結果的に、若い女形たちと遊べる場所が成立してしまったのが陰間茶屋だね。それがこの中町奉行所ができた頃のこと」
 
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「そういう経緯でできたんですか」
「だから陰間茶屋の多くは芝居小屋の近くにあったんだよ」
「へー」
「当時はそうやって男の人に抱かれるのも女性的な感覚を発達させるのに良いということで、修行の一環として捉えられていたんだよね」
 
「うっそー!?」
「でも多分、アクア君とか、葉月ちゃんのお祖父さん(柳原蛍蝶)クラスは1晩500万円くらい取る。ボクみたいな下っ端は1晩30万円くらい」
 
アクアと葉月は顔を見合わせた。
 
「それけっこう料金が高くないですか?」
 
「そうだよ。可愛い陰間は貴重だから、花魁(おいらん)並みの料金を取る。下っ端の陰間でも、だいたい2時間くらい遊んで5万円。1日貸切ると30万円くらい取ったらしい」
 
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「凄い」
「まあ庶民の男にはとても手が出ない存在だったのが陰間だね」
「へー!」
 
「私がその当時生まれていたら、それで稼ぎたい気分」
と葉月が言う。
 
「ああ。君がその時代にもし男の子として生まれていたら、一晩100万円くらい取る高級陰間さんになったかもね」
と藤原さんも笑って言っていた。
 

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今回のドラマでは昨年同様、主題歌を神尾有輝子さんが、エンディングをアクアが歌う。
 
第1期エンディング曲は『鍛冶橋から呉服橋まで』という曲で、マリの歌詞に私が曲を付けて、ゴールデンシックスの花野子に調整してもらったものを使用した。
 
これは南町奉行所(鍛冶橋)の与力・同心だった北山と立花が中町奉行所(呉服町)の所属になったことを意味するが、実際の歌詞の内容は鍛冶橋のバスセンターで降りた、大阪から来たカップルが、呉服橋の付近まで歩いていく様子を描いたもので、この曲のPVでは、北山啓吾の息子役の松田理史君と娘役の岡原襟花ちゃんが、江戸時代の服装をして歩いて行く様子が使用されている。
 
(松田君のファンと襟花ちゃんのファンが悲鳴を上げていたが「僕たち兄妹役なんですけど」と松田君が困ったような顔でコメントしていた)
 
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そして今回の番組中盤に描かれる奉行所移転騒動(15回目頃に予定)では、エンディングに第1期のと歌詞違いの歌『常盤橋から数寄屋橋まで』が使用される。同じくアクアが歌う。音源製作は一挙にやってしまい、こちらの曲は物語の展開に合わせて公開される予定である。PVは松田君と襟花ちゃんが、前作と同様、常盤橋から数寄屋橋までドラマの衣装を着けて移動する様子を撮影したものであるが、こちらは乗馬での移動にした。
 
(襟花は女性ではあっても武家の娘のたしなみとして乗馬はできる設定である。この撮影のため、ふたりは乗馬の訓練を受け、撮影にはとてもおとなしい性格の馬を使用した。なお、馬は自転車と同じ《軽車両》の扱いなので、車道の左端を通行しなければならない。念のため警察に照会して、問題ないことを確認してもらっている。但し撮影する日時を指定された)
 
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第1期エンディング『鍛冶橋から呉服橋まで』については、加糖珈琲+琴沢幸穂の『白い霧の中で』というファンタジックな歌がカップリング曲となった。濃霧が発生している時に満月が昇ってきて、霧に月光が乱反射し、ホワイトアウトして、視界が全く効かなくなった中、恋人たちがお互いを求めて彷徨うという曲である。恋人たちはアクア自身が男女双方を演じている。むろん撮影では実際は今井葉月がボディダブルを演じたので、例によって「アクアと葉月は最後の所で本当にキスしたのか?」という論争を引き起こす。
 
インタビューされたアクアは「寸止めですよぉ」と答えていた。
 
第2期エンディングのカップリング曲は、加糖珈琲+琴沢の『集団旅行』という、かなり際どい歌詞の歌である。アクアも18歳なので『白い霧の中で』とは別の意味で“おとなの世界”を歌わせたものである。
 
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歌詞の中には一切卑猥なことばは出て来ないのに、かなりエロティックなことが起きているかのように想像してしまうという、大学生時代のマリが結構書いたような歌詞を加藤珈琲(田代蓮菜)は書いていた。聞いたら、実は新婚の頃に書いたものらしい。「こういう歌詞は新婚の人にしか書けん」と言っていたが、だったらあの時期のマリは新婚気分だった??
 
この第2期主題歌を収録したCDには更にもう1曲、岡崎天音・大宮万葉の作品『ラブ・キャンディ』が含まれている。
 
実態としては『ラブ・キャンディ』と『集団旅行』をカップリングしたCDにおまけで『鍛冶橋から呉服町まで』の歌詞違いの曲を収録したものであった。
 
『鍛冶橋から呉服橋まで/白い霧の中で』は3月13日(水)に、『常磐橋から数寄屋橋まで/集団旅行/ラブ・キャンディ』は7月10日(水)に発売された。
 
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3月22日(金)、龍虎の学校でも西湖の学校でも後期の終業式が午前中に行われたが、その日の午後、ふたりは都内の自動車学校に入校した。
 
合宿のバイク免許取得コースを受けるのである。龍虎にしても西湖にしても俳優志望なので、ドラマや映画の撮影では運転する場面を撮ることもある。その場合、免許を持っていないと不便である。それで免許を取らせて、定期的に練習もさせようと、私とコスモスは話し合った。但し事故防止のため、当面日常の運転は禁止として免許証を事務所で預かる。ふたりともまだ18歳未満なので、とりあえず普通二輪免許を取らせることにして、この日から行かせたのである。
 
二輪免許を取得するのに必要な教習時間は下記である。
第1段階 技能9時間 学科10時間
第2段階 技能10時間 学科16時間
 
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それで第1段階は9÷2=5日、第2段階は10÷3=4日、それに卒業検定まで入れて10日掛かりそうだが、多くの合宿コースでは5日目午前中の第1段階最後の実車で「みきわめOK」になると、午後から第2段階の実車に入るのである。それで9日間で卒業できるようになっている。これが仮免試験のある普通車とは違うところだ。
 
つまり順調に行けば22日に入校すると3月29日(金)までに課程を修了。万一1日遅れたとしても30日(土)までに修了し、4月1日(月)に卒業試験を受けて合格すれば、4月2日(火)に運転免許センターに行って、そこで学科試験に通ると普通二輪免許を取ることができることになる。
 

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入学時に必要な書類は住民票と写真付き身分証明書である。住民票はふたりとも取ってきているので提出する。
 
龍虎と西湖は同じくらいの時刻に入校手続きするつもりだったのだが、学校が終わる時間が違ったので、ずれてしまった。
 
龍虎は学校が11時半頃に終わったので、その後、緑川志穂の運転するVolvo V40で自動車学校に入った。これが12時半頃である。一方西湖はホームルームが12時過ぎまであったので12時半頃に桜木ワルツの運転するAUDI A3に乗って自動車学校に向かった。到着したのは13時頃である。
 
入校者へのオリエンテーションは14:00から始まるので、ふたりとも余裕で受付に行くことができた。
 

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夏の日の想い出・天使の歌(6)

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