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■夏の日の想い出・天使の歌(4)

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氷川さんと秩父さんに来てもらい、鱒渕・風花・七星に、その場にたまたま来ていた鮎川ゆま、そして和泉も入れて緊急会議を開いた。
 
「ローズ+リリーのシングルは2018年1月の『Four Season』以来、1年以上出ていません。出すべきだと思っていました」
と鱒渕さんが言った。
 
「私も気になっていたんだけど、ケイちゃんがあまりにも多忙な状態だったから、言い出せずにいた」
と氷川さん。
 
「よし、出そう」
と和泉が言って話は決まった。
 
「収録曲目はどうする?」
 
「ひとつは『草原の夢』を使いましょう。あれは『戯謔』のハイテンションな雰囲気には合わないと思ってラインナップに入れなかったんだけど、逆に底抜けに明るいこの『天使の歌声』とは世界観が大きく違わないんですよ」
と風花が言った。
 
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「歌詞が短いけど」
「私が補作するよ」
とマリが言うので
「頼む」
と言った。
 
「『出現』とかはどうですか?」
「うん。あれも使えると思う」
「あれも歌詞が短いから誰か補作を」
「あれ、千里が補作したいと言ってた」
「マジ?だったらやってもらおうかな」
「丸山アイちゃんも補作したいと言ってた」
「嘘?そんなに人気があるの?」
 
「それがどうもその件でふたり何か揉めてるみたいで」
「へ?」
「丸山アイちゃんが、どこかに新しい大陸を作ろうよと言ったら、千里が反対してるとかで」
 
「大陸を作る!?」
「火山でも噴火させるとか?」
「地球が壊れそう」
 
「それって丸山アイちゃんが歌った『あなたと私の新大陸』なのでは?」
「あれは、アイちゃんから千里へのメッセージらしい」
「なんか良く分からないけど、険悪になっている訳ではないなら問題無いよ」
 
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「あれ実は鱒渕さんに関する話らしいよ」
「え?嘘!?」
と鱒渕さんは驚いている。
 
「『天使に逢えたら』のニューテイクを入れたらどうでしょう?」
という意見も出るが
 
「それは反対」
と和泉が言う。
 
「私も反対。久しぶりのオリジナル・シングルに過去の作品のニューテイクが入っているというのは、ケイの創作能力が枯渇してるのではと思われる」
と鮎川ゆま。
 
「そっかー」
 
「他の人の作品を入れるのもダメ?」
「それは問題無い」
「アーティスト同士のお付き合いで、お互いに融通しあうということだから」
 
「よし。だったら頼もう」
と言ってゆまはどこかに電話した。
「おはよう、万葉ちゃん」
と言っているので、ゆまの電話の相手は青葉のようである。
 
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「ローズ+リリーのシングルを作るのよ。1曲提供してもらえない?2〜3日中に」
 
随分無理を言うなと思った。
 
「うん。それそれ。セナの方で。OK。よろしく〜」
 
それでゆまは電話を切った。
 
「大宮万葉さんに1曲書いてもらうの?」
「ううん。ケイに1曲書いてもらうことにした」
「は?」
「それでケイに発注してもらうことにした」
 
「ケイはここにいるけど」
「だから別のケイに頼むんだよ。青葉ちゃんを通して」
 
「やはりケイって複数いるんだ!」
 

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●草原の夢
 
天然のトンネルを抜けて、車を降りたら
おいしそうな草原が広がっていた
黄色や緑の草々が
そよ風にゆらゆらと揺れて
いらっしゃい、と挨拶している
 
お日様はポカポカと
暖かい陽気を送ってくれて
誘われた紋白蝶が
ひらひらと舞う
 
私たちも、大きな歓声を上げて
思いっきり草の中に走り出す
そして笑いながら
柔らかい土の上で戯れる
 
のどかな、のどかな
春の一日
 

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●出現
 
それは海の中に沈んでいました
どこを見ても波しか見えませんでした
 
しかし、その日、島は姿を現しました
その巨大で美しい姿を
 
見えなくてもやはり
島は昔からそこにあったんだろうね。
 

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●ねこ
 
こねこねこねこ ねこは見ていた
窓の桟の バスケットのそばで
毛布をかぶって ねこは見ていた
 
人間ってほんとに 変なことする
不思議な生き物 なんだねって
あきれた顔して ねこは見ていた
 
受話器を持って おじぎをする人
画面を見てて 笑い出す人
 
このこねこのこ ねこは見ていた
 
お日さまポカポカ いい天気
吹く風そよそよ 気持ちよく
 
すてきな顔した 恋人たちは
朝からいちゃいちゃ じゃれている
 
このこどこのこ ねこは見ていた
 

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2019年3月9-10日(土日)、今年は福島市で東日本大震災復興支援イベントを行った。"08年組"(KARION, AYA, Rose+Lily, XANFUS)が主催して、2014年以降、3月11日に近い土日にライブをやって“入場料収入”の全てを被災3県(宮城・福島・岩手)に寄付する。出演者はギャラ無し、アゴ・アシ・マクラ(食費・交通費・宿泊費)は自腹である。但しグッズを会場で販売した分の売上げはもらっていい。
 
(2013年にもイベントをしているが、これは被災地の人を無料招待するイベントで、入場料は発生していない)
 
このイベントは運営や設営のスタッフも、アクアのイベントで警備・運営をする人たち以外は交通費自腹(お弁当だけ渡す/2日とも参加の人には夕食と宿泊のクーポンも渡す)になっている。それでもこれは「結果的にタダで聴ける」というので、わりと参加者があるのである(過去にイベント運営の経験がある人限定)。
 
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また、出演者の中で、あまり経済的な余裕が無い§§ミュージックのアイドル歌手たちの交通費・食費・宿泊費は、アクア(稼ぎ頭)・コスモス(社長)・私(オーナー)の3者で折半して出してあげている。
 
またトラベリングベルズの交通費・宿泊費・食費は私と和泉の折半、スターキッズの分は私とマリの折半。XANFUSの分は・・・今年は私が出すことになった!
 
アクアは3月9,10日の2日間とも午前中に出演する。彼だけで1万枚×2日のチケットが瞬殺である。1億6千万円の寄付をすることができる。ノーギャラで2度も歌ってもらう(どころか後輩たちの交通費・宿泊費まで負担する)のは申し訳ないが、
 
「大丈夫です。いつもファンの人たちからたくさん応援してもらっているからこういう時はご奉仕です」
と“アクアたち”は言っていた。
 
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私と政子は前日の8日、うちの母・政子の母と5人であやめのお宮参りをしてから、政子の母と一緒に福島に移動。ホテルにチェックインしてから、あやめのお世話を政子のお母さんに頼み、私と政子は打合せに出た。
 
打合せに参加したのは私と政子、風花、若葉、和泉、カノン、光帆、大林亮平、鹿島信子、秋風コスモス、TKRの松前社長、イベンターの代表、警備会社の代表、それに司会をする姫路スピカ(9.AM)・桜野レイア(9.PM)・花咲ロンド(10.AM)・川崎ゆりこ(10.PM)である。
 
「亮子ちゃんが来てないけど」
とわざと政子が言う。
「僕はここにいるけど」
と大林亮平。
「Wooden Fourの亮平君じゃなくてFlower Fourの亮子ちゃんが見たい」
「委任状もらってきたから」
「嘘!?」
 
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それで亮平が「事前打ち合わせに関する全てを大林亮平さんに委ねます/大林亮子」と書かれた委任状を見せるので、政子はぶつぶつ言っていた。政子の性癖を知っている松前さんがおかしそうにしていた。
 

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9日朝は、こけら落としになるので、オーナーの若葉、アブクマーズの球団社長と選手たち、福島市長、まで参加してテープカットが行われた。現在アブクマーズは福島市市街地の福島中央体育館を使用しているのだが、来週からはこちらにフランチャイズを移して今期残りの試合はここですることになる。今日は先にライブで使わせてもらう。
 
このテープカットの後、入場になるが、厳重な入場管理をしているので、アブクマーズの球団社長や選手たちが驚いていた。彼らには特別に席を用意したのだが「アクアってこんなに歌が上手かったのか!」と驚いていた。
 
「これ電気的に修正しているとかじゃないですよね?」
「生の歌ですよ」
 
「でもアクアちゃんって可愛いね。お嫁さんにしたい」
「そういう意見はありますが、アクアは男の子ですが」
「え?嘘!?」
 
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どうも選手の半数くらいがアクアを女の子歌手と思い込んでいたようであった。(実際9日に歌ったのはアクアFである)
 

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今回のイベントでは、9日はF、10日はMが歌ったようである。9日のライブを聴いたファンは「今日のアクアちゃん、すっごく女の子っぽくて可愛かった」と言っていたし、10日のライブを聴いたファンは「今日のアクアちゃん、男の子っぽくて少しがっかり」(!?)と言っていたようである。
 
どうもアクアは女の子らしくなっていくのが人気の維持に必要なようである!?
 
事務所には「私が費用を出してアクアちゃんの性転換手術の予約をしてあげたいので、時間の取れる日を教えてください」などという電話もしばしば掛かってくるらしい!
 

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イベントの司会者だが、9日のアクアのステージでは姫路スピカ、10日のアクアのステージは花咲ロンドが務めていた。9日午後の§§ミュージック総出演では桜野レイアが務めた。レイアは司会者もしつつ自分のステージもある。彼女は2月にデビューしたばかりではあるが、研修生としてあるいはプライベートに様々なバンドのメンバーとして多くのステージを経験しているので、舞台度胸はあるし、機転も利く。
 
「でも今年はコスモスちゃんのステージは無かったのね」
と私は秋風コスモスに言った。
 
「なんか若くて歌の上手い子が多いから私はいいかなと思って。川崎ゆりこにトリを取らせたし」
「来年更に2人くらいデビューさせたらあふれちゃうかな?」
「その時は1人20分にするか2日間やるか。来年は3月7-8日にします?14-15日にします?」
「私もカレンダー見て悩んだ。11日が水曜日だから、どちらもあり得るんだよね」
「もし08年組が14日か15日に出るなら7日は若い子たちに30分ずつやらせて、8日は、白鳥リズム・姫路スピカ・高崎ひろか・品川ありさ・川崎ゆりこの5人に1時間ずつでもいいかも」
 
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「ああ。そういうやり方もあるよね」
「7日のトリは今井葉月でもいいと思いますよ。彼女も充分スターですよ。実際、葉月へのファンレターは、ひろか・ありさ・ゆりこの次くらい。リズムより多いんですよ」
「へー!」
 
しかしコスモスはわざと“彼女”と言ったなと思った。しかも“葉月”を“ようげつ”ではなく“はづき”と発音した。
 
「葉月ちゃんと結婚したい、葉月ちゃんと恋人になりたい、という男の子からのファンレター多いです」
 
「なるほどねぇ」
 
「葉月の写真集くらい出してもいいかもという気がします」
「写真集ね。いいんじゃない?企画進めてよ」
「じゃ可愛い水着とかも着せてプーケット辺りで撮影してきて」
 
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それって写真撮る前にプーケットの病院で手術しちゃうんじゃないよね?と訊きたくなったが、怖くて訊けなかった!
 

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3月10日の午後から08年組の演奏がある。司会は川崎ゆりこが務める。
 
アクアのライブが12時まであったので、その後、興奮冷めやらぬ客を何とか退場させて、その後、掃除をして、破壊された椅子を交換して!12:20には入場を始めた。ファンクラブを通して買った人が半分くらい居て、その人たちは顔認証で入場できるので13:05くらいに入場が完了し、少し予定を遅らせて13:15くらいに最初のゴールデンシックスの演奏を始めた。
 

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今日のゴールデンシックスは、
 
Pf.花野子 Gt.梨乃 B.千里 Fl.小風 Cla.美空 Dr.桜野レイア
 
というメンツだった。
 
「いつの間にかゴールデンシックスと愉快な仲間たちに引き込まれちゃったんです。この会員バッヂ渡されました」
とレイアは言って金色の六芒星のバッヂを見せていた。
 
(金色の六芒星でGolden Sixというダジャレらしい)
 

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ゴールデンシックスは14:10まで演奏してもらって良かったのだが、14:05で演奏を終了したので、次のOlive Lemonは14:08から始めることができた。
 
昨年初登場した時のOlive Lemonは
 
Gt.丸山アイ B.フェイ Dr.ヒロシ KB.谷崎聡子
 
だったが、谷崎聡子はまだ産後間もない鹿島信子の代理であった。今回は信子が出られるのでこのようになった。
 
Gt.丸山アイ B.鹿島信子 Dr.ヒロシ KB.フェイ
 
例によって全員女装である。とは言っても、アイ・信子はふだんから女装だし、フェイは男装・女装の両方をファンの前に曝している。ヒロシは通常は男装なので、このヒロシの女装にかなり黄色い声援が飛んでいた。
 
衣装への着替えは、アイ・信子は当然女性用控え室、ヒロシは男の娘用控え室であるが、フェイに「今年はどうする?」と訊いたら
 
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「今年は男の娘用控え室使おうかな。ボクは男の娘じゃなくて普通の男の子だけど」
などと言っていた。
 
でも赤ちゃん(歌那ちゃん:2歳)を連れていて、時々おっぱいもあげている“男の子”というのはレアである!?
 
例によって14:46には観客と一緒に1分間の黙祷を捧げた。
 
 
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夏の日の想い出・天使の歌(4)

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