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■夏の日の想い出・辞める時(15)

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それで千里は出羽に来ていた。
 
「今夜は随分略式の来かたをしたね。せめて随神門から石段登っておいでよ」
と巫女姿の美鳳さんは言った。
 
「緊急事態だったので。勾陳の不始末は私が謝りますから、あの子を女の子にしてあげられませんか?」
 
「人間の性別をそう簡単に変えられるのは困るんだけどね。そんなに簡単に変えられるものなら、千里だって中学生の内に完全な女の子に変えてあげていたよ」
 
「でも女の子に変えて数時間とか数日で男に戻したのなら、まだマシですが、3ヶ月経って、本人が戸籍上の性別を変更し、女の子として周囲に受け入れてもらった後で戻すのは、どうにもならないほどの混乱を招きます」
 
「あいつ、私がちょっと目を離した隙に困ったことして。でも理由もなく性別を変える訳にはいかないよ。あの子は大変だろうけど、男として何とかしてもらうしかないし、女の子になりたいなら性転換手術を受けてもらうしかない」
 
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「目を離した隙というと、美鳳さんにも落ち度があったということですよね?」
「お前、私の揚げ足を取るつもりかい?」
と美鳳さんが少し怒ったような顔をする。
 
ところがその時、清らかな声が掛かった。
 
「美鳳、千里、ちょっと」
「大神様?」
 
千里は声のした方を見た。
 
「美鳳、この子をちょっと貸して」
「はい」
 

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それで千里は不思議な空間の中に来た。
 
「まあ確かにこのままにすると大騒動になる」
「ですから何とかしてあげてください」
 
「いくつかの解決策がある。あの子を男の子に戻して、あの子がずっと男の子であったかのようにみんなの記憶を改変してしまう手」
 
「お言葉ですが、それは物凄い歪みを生むと思います。もう記憶の修正だけでは済みません」
 
「あの子が最初から存在しなかったことにしてしまう手。実はこちらの方が歪みは小さくて済む」
 
「私は納得できません」
 
「では第三の手」
 
と言って大神様は思いもよらぬ提案をした。
 
「あの時のおちんちんとタマタマって、出所はここだったんですか!」
「ドミノ倒しだね」
 
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「私、元々誰の睾丸が誰の身体にくっついているのか、だんだん分からなくなってきました」
 
「知っての通り、あんたの父ちゃんの睾丸は元々あんたのもの。だからいつでも新鮮なあんたの精液を採取できる」
「・・・・」
 
「あんたの父ちゃんは絶倫だからさ、阿部子さんの卵子に父ちゃんから搾り取った新鮮な精液を受精させてごらんよ。悲惨に生殖能力の弱い貴司君の精子よりは受精卵が育つ可能性あるよ。それだと京平はあんたの遺伝子上の子供として生まれるだろ?」
 
「・・・やってみます」
 
「それで本当に育つかどうかは私も確信できないけどね」
「神様にも分からないことあるんですね」
「分からないことだらけだよ。だから面白いんだけどね」
「そうかも知れませんね」
 
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「彪志君の睾丸は、元々青葉のもの」
「へー」
「どうせ2人で子作りするんだから問題無い」
「青葉の卵巣と子宮は?」
「彪志君の亡くなった姉のものだよ」
「つまりあのふたり、生殖器が交換されているようなものですか!でもお姉さんって、亡くなったのは小さい頃だったのでは?」
「別の女性の身体の中で培養していたからね」
「複雑ですね」
 
「あんたは自分の卵巣と子宮と膣の出所を覚えてるよね?」
「私に卵巣とか子宮とかあるんですか?」
 
「ふふふ。本当に記憶を消されたふりしてる。だいたい自分に卵巣や子宮が存在していること、その膣がおちんちんを改造して作った人工物ではなく本物であることを、あんたみたいに勘の強い子が気付かない訳無い」
 
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「・・・・」
 
「まあいいけどね。しかし青葉も美鳳もあんたに卵巣と子宮があることに気付いていない。気付いたのは天津子だけ。あと貴司のお母さんはもしかしたらと思っている。だからこそあんたの方を貴司の嫁とみなしている」
 
「・・・・」
 
「ああ。それで、もし貴司君とこの子供、妊娠が成功したら、あんたの子宮で育てるから。阿部子さんの子宮ではどっちみち臨月まで胎児が育たない。あの子は脳下垂体が壊れてるんだよ」
 
「つまり私が妊娠するんですか?」
「そのあたりは世間的に矛盾が生じないようにやるけど、実際に妊娠することになるからよろしく」
「私バスケしたいから妊娠で休みたくないんですけど」
 
「そのあたりもうまくやるから大丈夫。バスケもできるようにする。それにそもそも、あんた京平の母親になってやる約束したろ?そしたらちゃんと産んであげなきゃ」
「産めるものでしたら、産んであげます」
「よしよし」
 
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「ところで信子ちゃんの卵巣とか子宮の出所は?」
「遺伝的にわりと近い人のものだよ。だからあの子が将来子供を産んでも大きな問題は起きない。ちゃんと信子ちゃんに似た子供が生まれるよ」
 
「またドミノ倒しですか?」
「まあ世の中どこかでどうにかなってるものさ。性器は天下の回り物」
と言って大神様は笑った。
 

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元の空間に戻る。
 
この瞬間、千里は今まで大神様と話した会話の内容をほぼ忘れていて、あれ〜、私今、大神様と何話したっけ?と思った。
 
「美鳳。話が付いた。私が許可するから、あの子を女の子に戻してあげなさい。その時、取り外した陰茎と陰嚢を私にちょうだい」
 
「大神様がおっしゃるのであればそうします」
 
それで美鳳は東京の方向を見た。
 
「女の子に戻しました」
 
「ありがとうございます!」
と千里は嬉しそうに言った。
 
「ついでにちょっとサービスしておきました」
と美鳳さんは言ったが、サービスって何だろうと千里は思った。
 
「ではこれを」
と言って美鳳は手にした男性器セットを大神様に渡す。
 
「ちょうど20歳くらいの男の子のが欲しかったのよ」
と大神様が言う。
「ああ、それであの子のを取っちゃおうという訳でしたか」
と美鳳。
 
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千里は「へー」と思った。男性器を欲しがる人もあるのか・・・と考えてから普通の男の子なら万一何かで失ったら欲しいかもね、と思い直した。
 
「でもあの子、内性器は完璧に女の子のものを持っていましたが、あれは元々持っていたんでしょうか?勾陳がどこかで調達してきたんでしょうか?」
と美鳳は疑問を呈する。
 
「紹嵐光龍もいろいろあちこちで悪戯してるようね」
と大神様がおっしゃる。
 
「悪戯するのが勾陳としてのお仕事なので。でも今回は少し反省しているみたいですよ」
と千里は言った。
 
「まあいいや。じゃ勾陳は1週間メシ抜き・1ヶ月メスの龍のナンパ禁止で」
と美鳳さん。
 
「伝えておきます。ナンパ禁止のほうが辛そうだ」
と千里は答えた。
 
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千里は《くうちゃん》に新小岩のマンションに戻してもらった。時計を見ると4時である。
 
『起こさなきゃいけないかな?』
 
『あんなことが起きて疲れているし、もう少し寝せておいてあげようよ』
と《りくちゃん》が言う。
 
『じゃ、こうちゃん、この子を私のインプに乗せて』
『了解〜。しかしナンパ抜きは辛い』
などと言いながら《こうちゃん》は信子を千里のインプの後部座席に乗せた。毛布と布団を掛けてあげる。
 
『あんたたちもオナニーするの?』
『しなかったらナンパの我慢はできん』
『男の子って大変ね〜。あんたも睾丸取ってもらう?』
『やだ』
 
『勾陳、女装は好きなくせに』
と《せいちゃん》から言われている。
『女装だからいいのであって、女になれというのは嫌だ』
『よく分からん』
『女装してオナニーするのが最高に気持ちいい』
『一度警察に通報してやろうか?』
 
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《たいちゃん》が信子の旅行用バッグや、愛用のベース、ノートパソコンとMIDIキーボードの入ったカバン、朝着るつもりで用意していたふうの旅行着などを車に運ぶ。
 
『忘れ物は無いかな。パスポートは持ってる?』
『大丈夫』
『じゃ出発』
 

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それで千里はインプを運転して成田空港に向かう。5時半頃、ゲートの少し前でいったん車を停め信子を起こす。
 
「あれ?私眠ってたみたい。ここは?」
「成田空港だよ。疲れているみたいだから、起こさずにここまで連れてきた」
「わぁ。すみません。でも私・・・・」
 
「あそこ触ってごらんよ」
 
それで信子は自分の身体を確かめているようだ。
 
「きゃー。おちんちんとタマタマ無くなってる!嬉しい!」
「良かったね」
「割れ目ちゃんとクリちゃんとおしっこ出てくる所とヴァギナもある」
「無いと困るよね」
「おっぱいもある〜。助かったぁ」
 
「きっと悪い夢でも見たんだよ」
「千里さん、何をしてくださったんですか?」
「私はしがない巫女だから仲介しただけ。もし山形県の方に行く機会があったら、鶴岡の近くの羽黒山神社にお参りしておいて」
 
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「羽黒山ですね!分かりました!」
 
と言ってから信子は不安そうに言う。
 
「また・・・・男に戻ったりしませんよね?」
「もう大丈夫だよ。上の方と話が付いてるから」
 
「なんか色々事情があるんですね」
「世の中に現れている現象は、ほんの表層なんだよ。その水面下には色々なものが動いているのさ」
 
信子はハッとしたような顔をした。
 
「これ使う?」
と言って千里は五線紙を渡した。
 
「ありがとうございます。鴨乃清見先生」
「うん。いいアーティストになってね。信子ちゃん」
「はい!」
 
「じゃ検問行くから、着換えた方がいいかも」
「わ!私パジャマのままだ!」
 
それで目隠しを張って信子を着換えさせ、そのあと検問を通って空港内に入った。
 
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信子は千里に空港第1ターミナルまで送ってもらい、よくお礼を言って車を降りると4階の出発ロビーに行った。ζζプロの内海さん、%%レコードの森尾さん、そして織田姉弟が来ているので手を振る。その後、詩葉と菊代が一緒に来て(昨夜は詩葉のマンションで一緒に寝たらしい)、続いて花純、少し遅れて清志、最後に正隆が来た。正隆が来たのは集合時刻の1分後で
 
「リーダー遅い」
とみんなから言われ
「ごめーん」
と謝っていた。
 
搭乗手続きの開始時刻になるのでカウンターに行くが、数人前に並んでいた30代くらいの女性が
「お客様、パスポートが違います」
と言われている。
 
「あら、私のパスポートよ」
とその女性。
「でもこのパスポートは男性のものですが」
「私、男だけど」
 
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などとやりとりしている。信子たちは顔を見合わせた。
 
「信子ちゃん、あんたのパスポートは女性になっているよね?」
と内海さんが確認する。
「はい。ちゃんとFになっています」
と言って信子は自分のパスポートを見せた。
「良かった良かった」
 
カウンターの方はまだ揉めている。
 
「お客様は女性に見えますが」
「あら、男に見えない?」
「あのぉ、性転換なさったのでしょうか?」
「性転換とかしてないわよ。私ふつうに男だけど」
 
その女性(?)は普通に女の声で話している。結局
「お客様、ちょっとこちらへ」
と言われて奥の方に案内されていた。
 
その姿を見送った信子たちは、ふつうに問題無く搭乗手続きをして荷物を預けた。その後、セキュリティチェックも問題無く通過する。ここで正隆がライターで引っかかったが、内海さんから睨まれて、ライターはタバコと一緒に内海さんに渡していた(未成年喫煙も厳しく禁止されている)。
 
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その後、3階に降りて、自動化登録をした上で自動化ゲートを通過、出発の1時間半前には無事「出国手続き後エリア」に入った。ここで朝御飯を食べながら出発時刻を待った。
 

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朝食を食べた後、森尾さんと内海さんが何か2人だけで話したいということだったので8人のメンバーは先に搭乗口まで行くことにする。
 
レストランを出てすぐの所で、さっき空港カウンターの所で揉めていた女性(?)が缶コーヒーを飲んでいた。信子はその女性と目が合ってしまう。
 
「何か?」
と言われてしまうので
 
「あ、いえ。さっきは航空会社カウンターの所で大変でしたね」
と信子は言った。
 
「ああ。あなたたち近くに居たわね。まあいつものことだから気にしてないけどね」
 
と彼女は言ったが、彼女がちゃんと自分たちを認識していたことに少し驚いた。この人、観察力が高いみたい。
 
信子は千里から「観察力」はクリエイターには大事なことと言われたことを思い起こしていた。
 
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「性別は・・・直されないのですか?」
「私は自分の性別認識は男だから男のまま」
「でも女性の格好なさっているんですね!」
「あなた大丈夫?私、女装でもしているように見える?」
と向こうが聞いてくるので
 
「見えます!」
と小枝が言った。
 
「女装でなかったら、女性コスプレか何かでしょうか?」
と信子は言った。
 
「ああ。コスプレに近いかも知れないわね。私はこういう服が好きだから着ているだけ。別に女になるつもりもないし」
と彼女(?)は答えた。
 
好きだから着てるだけ、ってそれ凄くしっかりした考え方だぞ、と信子は思った。自分は流されすぎているのかも!?女の身体になっちゃったから、女の服を着ているけど、本当にそれでいいのか?と一瞬考えたものの、自分は元々女の子の服を着たいと思っていたから、これでいいんだと再確認できた。
 
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でも「着たい服を着てるだけ」って、何か昔の歌にそんな歌詞があったなと思ったものの、信子は思い出しきれなかった。
 
「トイレとかはどちらを使われるんですか?」
と詩葉が尋ねる。
 
「以前は男子トイレ使っていたけど、毎回混乱を引き起こすから最近はトラブルを避けるために女子トイレ使っている」
 
「そのほうが無難という気がします!」
 
「ところであんたたちは何かのグループ? バックギャモン団体戦のチームとか?」
「すみません。バックギャモンって分かりません」
「私たち、スカのバンドなんです」
「へー。何て名前?」
 
「実は4月末くらいにデビュー予定なんです。よろしかったら」
 
と言って信子は自分の名刺(リダンダンシー・リダンジョッシー ベース&ボーカル/“nobu”鹿島信子と書かれ、公式サイトのQRコードが印刷されている)と、CDを1枚渡した。
 
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「このCDは自主制作版で音質とかもよくないのですが」
と信子は断っておく。
 
このCDは自主制作版に入っていたベージュスカとボーン女子で一緒に演奏した3曲を収めたものだが、ボーカル部分は現在の信子の女声で吹き込み直している。プロモーション用に50枚ほどパソコンでコピーした。
 
「ふーん。じゃこれもらっておくね。今度デビューするなら頑張ってね」
「はい!ありがとうございます。よろしくお願いします」
 
結局信子たちは彼女(?)と5分くらい立ち話をしてから別れた。
 

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■夏の日の想い出・辞める時(15)

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