広告:SHINY-Shiny前髪斜め-さらさらボブフルウィッグ4色ウイッグ-wig
[携帯Top] [文字サイズ]

■少女たちのBA(11)

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 
前頁次頁目次

↓ ↑ Bottom Top

準決勝の相手は1月の大会でも準決勝で当たった増毛のC小学校である。1月は強い人を先鋒・中堅・大将に置くという布陣をしていたが、今回はその3人が中堅・副将・大将になっていて、先鋒・次鋒には新しい人が入っている。こちらの先鋒・如月、次鋒・聖乃が向こうのその新しい人2人に勝った。中堅の真南は向こうとかなりいい勝負をした。お互いに1本ずつ取り、延長戦でも決着が付かなかったが、判定でこちらの勝ちとなった。こちらの技術が向こうの技術を上回っていたと判断されたようである。
 
ということで、ここでも、玖美子と千里の出る幕がないまま、決勝戦になったのである。
 
決勝戦の相手はJ小である。今回の向こうのオーダーはこのようになっている。
 
↓ ↑ Bottom Top

田・沢口・大島・前田・木里
 
メンバーは変わっていないが、長身の田さんを先頭に置いている。
 
春の大会では、田さんと対決した中堅の真南が相手の身長にビビって勝負にならなかったのだが、今回はビビったりはしない如月が相手である。如月は最初1本小手を取られたものの、その後、胴・面と取り返して逆転勝ちした。
 
これが大きかった。
 
次鋒の聖乃は前回当たった大島さんには相性が良かったのだが、パワー勝負の沢口さんには分が悪い。1本取られた後、1本取り返しはしたものの、再度1本取られて負けてしまった。
 
中堅の真南はタイミング勝負の大島さんにうまくやられて2本立て続けに取られ敗戦。ここまでこちらの1勝2敗である。如月が田さんに何とか勝ってないと最初の3人で勝負がついてしまっていた所だった。
 
↓ ↑ Bottom Top


玖美子が出ていく。向こうの副将・前田さんと対決する。
 
前回玖美子は彼女と互角の勝負をして、ジャンケンで負けた。
 
そして今回も2人は互角であった。
 
それでまたまたジャンケンとなる。
 
今回は玖美子が勝った!!
 
それで2勝2敗となって、大将戦に優勝がかかる。
 

↓ ↑ Bottom Top

木里さんは、ジャンケン負けろ!と念じていたような気がした。千里との対決が物凄く楽しそうである。
 
双方礼をして、試合を始める。
 
千里は対戦していて、相手が凄く強くなっているのを感じた。春から相当練習したんだろうなと思う。こんなに頑張っている相手に、自分みたいに練習サボってばかりいる者が勝つのはよくない気もしたが、そういう相手だけに千里は全力勝負である。一切の手抜きはしない。
 
隙あらば打ち込んで行く。まずは1本取る。
 
どちらも気合充分で積極的に攻めるので、春同様、かなり見応えのある勝負となった。際どいタイミングで向こうが1本取る。
 
3本勝負であるから、次1本取った方の勝ちである。
 
激しい攻防の末、そろそろ時間切れか?と思った頃、一瞬やられた?と思った。しかし千里の足さばきが僅かに早く、有効打にならなかった。千里は回り込むが向こうもすぐ向き直る。千里が打ち込む。相手がかわす。返し胴が来るかと思ったが、彼女は敢えてそれをせず、千里が体勢を整え直した瞬間、打ち込んでくる。でもかわす!そして最後、双方打ち込んでいった所で、両者同時に面が決まった気がした。
 
↓ ↑ Bottom Top

相打ちは有効打とはみなされない。それで残心(ざんしん)を残したままいったん離れて体勢を整え直す。でももう時間切れ・延長戦かな?と思った。
 
ところが「面あり!」という声が掛かる。
 
え!?と思って審判を見ると、千里の方の旗が挙げられている。嘘!?木里さんのも決まった気がしたのに。
 
1本決まったので、試合は終わりである。双方下がって礼をし、チームの所に戻った。時計は2:29になっていた。後1秒の所で勝負が決まったようである。
 
「相打ちかと思ったのに」
「いや。千里の面が僅かに早かった。だから木里さんの面は無効」
と玖美子は言った。
 
「時間差があったんだ!」
「差は多分0.05秒くらい」
「そんな短い時間差、よく分かるね!」
「見てれば分かるよ。お互い実力が拮抗してたら、そのくらいの勝負はよくある。全日本とか行くと0.01秒差の勝負とかもある」
「ひぇー!?」
 
↓ ↑ Bottom Top

こういう微妙な時間差というのは、千里は中学になってバスケを始めてからは、24秒オペレータを務めている時に、いやというほど経験することになる。
 

↓ ↑ Bottom Top

ともかくも今回は千里の勝利でN小が春夏連覇した!
 
木里さんは物凄く悔しがっていた。そして千里に
「次は中学に行ってから勝負」
と言ったが、千里が剣道は小学校だけでやめるつもりというと、凄く残念がっていた。
 
「ソフトボールの方に専念するの?」
「いや、ソフトもやめるつもりで」
「じゃ何するの?」
「うーん。何だろう」
「決まってないなら剣道しようよ」
「そうだなあ」
 
なお木里さんは、後で審判さんから、返し胴を取れそうな所で取りに行かなかったことを注意されたらしい。彼女としては、返し技ではなく、きれいに1本決めて勝ちたかったのだろうが、結果的には消極的と判断されたようだ。確かにあそこは取りに来られたら避けきれなかったと千里は思った。
 
↓ ↑ Bottom Top

「これが実戦だったら、勝てる所で勝たないと死ぬよ」
と言われたらしい。
 
まあ実戦という話になると、そもそも礼とか形もあったものではないかも知れないけどね!戦場だと、剣道では(現在では)反則になる足払いとか、男の人同士だと蹴り上げ!とかもあったというし(女子には効かない技だ)。戦場だと地面の土を握って相手の顔にぶつける目潰しなどもあったようだ。
 

↓ ↑ Bottom Top

お昼を食べるが、今回は性別確認などはされなかった!
 
午後から個人戦になる。参加者は90人ほどで、1回戦→2回戦→3回戦→4回戦→準々決勝→準決勝→決勝
となる(男子は5回戦まであった)。
 
千里は玖美子から「最後の大会なんだから、万一手抜きしたら裸にして鞭打ち100発」などと言われたので、少し真面目にやることにした。
 
私の裸見られたら、父から日本刀で斬られそうだ、という気もした。
 
(かわす自信はあるけど)
 
千里は前回3位なのでシードされていて、2回戦からだったが、簡単に2本取って勝つ。3回戦も楽勝であった。4回戦の相手はわりと強かったものの、千里の敵ではなかったので、やはり2本で勝った。次は準々決勝。もうここでベスト8である。
 
↓ ↑ Bottom Top

準々決勝の相手は、K小の大将・広島さんであるが、彼女は対戦前に何だかバツが悪そうな顔をしていた。ああ、この人が細出さんと私の性別のことで話していて、私が性別確認される元を作った人だなと思った。
 
でも礼をして蹲踞(そんきょ)して構えた所で向こうは気持ちを切り替えたようである。相手が神経を集中したのが分かる。
 
彼女はスピードのあるタイプだった。何のそぶりも無い所から一瞬で仕掛けてくるが、こちらもしっかり防御するので、1本が決まらない。逆にこちらが、相手の振りかぶった隙に胴を取った。しかしその後、彼女のスピードある攻撃で面を取られて1対1である。
 
向こうは何度か仕掛けてくるが、千里がうまく防御するので決まらない。
 
↓ ↑ Bottom Top

彼女が一瞬時計を見た。
 
その瞬間、千里が素早く面を打つ。向こうも慌ててこちらに面を打ちに来たが、千里の面の方が明らかに早く決まった。
 
それで千里の勝ちとなった。
 
試合中は試合に集中しなきゃね!
 

↓ ↑ Bottom Top

準々決勝に勝ったのは、千里、S小・井上さんに勝ったJ小の副将・前田さん、M小・吉田さんに勝った玖美子、そしてB小・桜井さんに勝ったJ小・木里さんである。何とBEST4に、N小とJ小の大将・副将の4人が残った。しかし団体戦とは違う組みあわせになった。
 
広島・村山┓
井上・前田┻┓
吉田・沢田┓┣
桜井・木里┻┛
 
女子の準々決勝と並行して男子の準々決勝もおこなわれていたが、準決勝からは中央の試合場が使用され、1試合ずつ行われる。
 
まずは女子の準決勝である。
 
先に試合のあった玖美子と木里さんでは、2-1で木里さんがまた勝った。そして千里と前田さんの試合となる。前田さんとは1月の団体戦以来だ。
 

↓ ↑ Bottom Top

前回前田さんと対決した時、千里は返し技で2本取って勝っている。でもこの日はまともに攻めて行って勝てる気がした。1月の時は前田さんのスピードが結構脅威だったのだが、この日の千里は彼女の動作がむしろゆっくりなように感じた。
 
相手が面を取りに来る。その竹刀を払ってそのまま面を取って1本。
 
1本取られたので向こうが慎重になっているが、相手の一瞬の呼吸の隙に小手を打ち込む。これで1本取って勝った。試合開始30秒ほどで決着してしまった。
 
男子の準決勝2試合を経て女子の3位決定戦が行われる。
 
女子の3位決定戦は団体戦の副将戦の再現となった。
 
かなり互角の勝負だったが、2分過ぎた所で玖美子が返し技で1本取る。その後はどちらも1本取れないまま時間切れとなったので、1本取っている玖美子の勝ちとなった。団体戦の時はジャンケン勝負になってお互いすっきりしなかったが、今回はきちんと決まった。
 
↓ ↑ Bottom Top

男子の3位決定戦を経て、女子は千里と木里さんとの決勝戦になる。
 

こちらも向こうも気合充分である。最初から打ち合いになる。しかしどちらも相手に決めさせない。打ち合いからつばぜり合いになることもあるが引き際の面や小手狙いもお互い防御して決まらない。短時間で次の動きに行くので審判から「分かれ」と言われることもなく、スピーディーな試合運びとなった。
 
千里的感覚で残り5秒くらいになった所で、相打ち覚悟でお互い面を狙う。
 
「めーん!」
と声を挙げて打ち込んだ。
 
どちらが先に相手の面を打ったか、千里は分からなかった。
 
旗を見る。赤があがっている。
 
負けたぁ〜〜〜!
 
残り3秒あったので、再度相対するが、また双方同時に仕掛けたのはどちらも決まらず、そこで時間切れとなる。結果的にさっきの1本が効いて木里さんの勝ちとなる。
 
↓ ↑ Bottom Top


双方、礼をしてさがった。
 
「千里がちゃんと真面目に戦った」
などと玖美子は言った。
 
「やはり木里さん強いよ」
 
そういう訳で小学校最後の個人戦で、千里は準優勝になったのであった。思えば昨年春の大会以来の準優勝である。木里さんは春夏連覇である。
 

↓ ↑ Bottom Top

男子の決勝戦が終わってから表彰式になる。まずは団体戦で、N小は賞状と優勝旗を渡された。今回は千里が賞状を受け取り、玖美子が優勝旗を受け取った。2位のJ小、3位のS小も賞状をもらった。
 
男子の団体戦の表彰を経て、女子の個人戦の表彰が行われる。優勝の木里さん、準優勝の千里、3位の玖美子が、各々賞状をもらった。
 
その後、男子個人戦の表彰があり、大会は終了した。
 

↓ ↑ Bottom Top

N小・剣道部では、部長の交代があり、女子の部長は如月が継承した。如月は今回BEST16まで行っている(うちってわりと強豪かも!?)。6年生も卒業までは練習に顔を出す。また6年生が抜けると今のままでは1月の大会が人数不足なので、5年生3人が頑張って4年生を勧誘。ミニバスと兼部の由紀ちゃんという子と、卓球部と兼部の五月ちゃんという子を入部させた。これで大会出場資格の無いエヴリーヌ(スポーツ少年団には登録し、スポーツ保険にも入っている)を除いても6人になるので、誰か1人休んでも5人確保できることになる。
 

↓ ↑ Bottom Top

翌日、8月5日(月)には同じR体育館剣道場で剣道の級位審査が行われた。形の演技、そして打ち合いをして、千里、J小・木里さん、K小・広島さん、S小・井上さんの4人が一級に認定された。
 
玖美子も受験したのだが、形がちゃんとできてないので落とされた。玖美子はそもそも寸止めをきちんとできるようにすべきだと思う。痛かった!!J小・前田さん、M小・吉田さんなどは、惜しいが半年後に期待するということで見送りになった。
 
男子はN小では原田君が1級に認定された。彼は個人戦では下の方で負けている。必ずしも強くないが!?(部長の竹田君の方が強い)、形がきれいなので1級が認められたようである。なおN小男子の団体戦は2回戦で敗退した。
 
↓ ↑ Bottom Top


8月6日(火).
 
火曜日なので父は出港中である。
 
千里は、可愛い水色のワンピースを着ると、母と玲羅が呆れたような顔をしているのを黙殺して「いってきまーす」と言って、お出かけする。
 
「待って。駅まで送ってあげる」
と母が言う。
 
この格好をあまり“世間様”に曝したくないのだろう。玲羅までついでに車に乗って、駅前でマクドナルドが食べたいと言っていた。
 
「切符代は大丈夫なんだよね」
「晋治が送って来てくれたんだよ」
「そうなんだ!?」
と母は言ったが、急に不安になったようで
「今日帰るの?」
と訊く。
 
「さすがに小学生がお泊まりデートはしないよ」
「だよね!」
と言ってから更に訊く。
 
「あんた・・・持ってる?」
「蓮菜からもらったの念のため持ってるけど使わないと思う」
「持ってるなら安心ね」
と母は言っていた。私妊娠するんだっけ??
 
↓ ↑ Bottom Top


↓ ↑ Bottom Top

前頁次頁目次

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 
少女たちのBA(11)

広告:アクアランド女子高生セーラー服S-XXL ハイソックス付