広告:ここはｸﾞﾘｰﾝ･ｳｯﾄﾞ (第5巻) (白泉社文庫) |
■女子高校生・夏はスカート(12)
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まゆりは和弥に言った。
「和弥君、取引しない？」
「取引？」
「私が男の子を２人産んであけげるからさ、和弥君の精子をちょうだいよ」
「精子？」
「単為生殖で子供産めたらいいけど、難しそうだし」
「女性が単為生殖したらＹ染色体が無いから子供は必ずＸＸの女の子になって男の子は産まれないと思う」
「そうなのよね。マリア様が男と交わらずに子供を産んだのなら、イエス様は女でなければ理論的におかしい」
「その問題は置いといて、精子を渡して人工授精とかするの？」
「自然授精でいいよ」
「ふーん。でも男の子２人なんだ？」
「それで一人は留萌の跡取りに、一人は姫路の跡取りに」
「なるほど。でもうまい具合に男の子ができる？」
「グリーンゼリーを使えばいいのよ」
「なんだっけ？」
それで、まゆりはグリーン・ゼリーとピンクゼリーについて説明した。
女性の膣内は雑菌侵入防止のため酸性に保たれているが、性交の際に女性が感じるとアルカリ性の分泌液が出て中和される、Ｘ精子は酸に強いがＹ精子は酸に弱い。だから男の子がほしい場合は、排卵日ジャストに女性が充分感じてからできるだけ深い位置で射精すれば良い。また性交の前は数日禁欲しておき、濃い精液にする。逆に女の子が欲しい場合は、排卵日の数日前に、女性があまり感じない内に、浅い位置で射精する。性交前にたくさん自慰して精液も薄くなるようにしておく。
グリーン・ゼリーとピンク・ゼリーは、膣内のＰＨを調整するもので、ピンクゼリーは酸性にして女の子が生まれやすくする。グリーンゼリーはアルカリ性で膣内を中和して男の子が生まれやすくする。
「そんなものがあるのか」
「女の子が生まれたら、ちんちん取り付ける手術かクリトリスを巨大化してペニスに変える治療をして男の子に変える手もあるけど。睾丸は２人の息子に和弥君の睾丸を１個ずつちょうだいよ」
「睾丸をあげるのは構わないけど、性転換手術よりはゼリーがいいね」
（和弥本人は知らないが和弥の身体に付いている睾丸は本当は彼の父・民弥の物：“ドミノ移植”の結果。和弥本来の睾丸はバス事故により失われた）
「取り敢えず自然授精の練習してみない？コンちゃん付けずに生でしていいよ。赤ちゃんできるのは歓迎だし。ちなみに生理は２週間前にあったから今日は排卵日に近くて男の子ができやすい」
「考えておくよ」
「どのくらい考えるの？」
「じゃ、クリスマスまでに」
「指輪は安いのでいいから」
「検討しとこう」
8月17日(木)、甲子園でＨ大姫路は準々決勝で、田中将大を擁する駒大苫小牧と対戦し、5-4で敗れて今回はBEST8で終わった。でも青沼君はこの試合で田中からホームランを打ち、秋からの一軍入りを有力にした。何と言っても今大会実力No.1の田中将大から打ったというのが価値が大きい。本人曰く
「タイミングだけでも合わせようと思って振ったら当たった」
「でも田中君って兵庫県出身だよね」
（田中将大は兵庫県伊丹市の出身）
「チームメイトになってた可能性もあるよね」
「よく兵庫から北海道とかまで思い切って行ったよな」
私も北海道から兵庫まで来たけどね。
片倉が買収したパン屋さん・銀馬車ではお惣菜パン、例えばホットドッグとかハムチーズサンドとかに姫路市内の姫北ハムと言うところのソーセージやハムを使用していた。
その日、姫北ハムの北社長は桜製菓の本社を訪れると、いきなり土下座して「お願いがあります」と言った。
「一体何ですか」
と驚いた片倉が言う。
「資金繰りが逼迫してもうどうにもなりません。そちらでうちの会社を救済合併とかしてもらうわけにはいかないでしょうか」
聞くと、こういう状況にあると言うことだった。
・以前ハムやウィンナーを買ってくれていた東西屋という地場スーパーが倒産し、売上が減っている。代わりに進出している全国スーパーは全国企業のハムやウィンナーしか扱ってくれない。
・５年前に新工場を建てる時に地元の信用金庫から借りた借金がもう返せない状況にある。
・社員が配送トラックをスーパーの店舗に突っ込ませる事故を起こし、その賠償金が払えない。
・労働者側と話がこじれて未払いと認定された時間外労働手当を5000万円ほど払わなければならないが、資金確保のアテが無い。
・銀行・信用金庫・信用組合などからは全部融資を断られた。
片倉と交野は話し合い、ハム屋さんを持てば何か役立ちそうということから、ここを救済合併することにした。姫北ハムは万桜ホールディングの４つめの子会社となった。そして結果的にここに豚を納入していた５軒の養豚場も実質支配下に入れることとなった。
片倉は最初に“未払い残業代”をきちんと払うとともに、タイムカードを導入した。ほかにトイレを快適に改造したり、社員食堂を設置したりした。また制服も男女共通の動きやすいものに更新した。片倉は全社員の前で
「君たちは人材ではなく人財だ、君たちが会社の財産だ」
と演説した。また全社員とひとりひとり食事を交えながら対話をした（これは銀馬車の社員ともやっているし、桜製菓の社員とは昔からしている）。これらの職場改革で社員のモチベーションがあがり、取引先からの評価も上がって営業力も上昇することになる。
片倉は姫路市内で移動ホットドッグ屋さんをしている“姫路ドッグ”というところに、姫北ハムのソーセージを買ってもらった。また、姫路市内で５つの店舗を持つスーパー、プリンセスにここのハムやウィンナーを扱ってもらった。また姫姫弁当というお弁当屋さんでもウィンナーやベーコンを買ってもらった。市内の料理店にも積極的に営業してまわった。それで販路を開拓してここの売上を回復させていった。
また片倉は大手通販サイトに売り込みを掛けて化学調味料・保存料を使ってない“姫路ノン・ケミカル”シリーズのハム・ウィンナーを通販で販売した。“自然豊かな播磨の高原で育った豚、赤穂の天然塩を使った名品です”などといったキャッチフレーズで売り込んだが、図らずも有名タレントさんが「ここのウィンナー美味しいよ」とブログに書いてくれて売上は伸びた。
（でも後で分かったことだが、このタレントさんが食べていたのは実は化学調味料を使った“濃味”という製品だった！）
しかしそういったことで売上が伸びた結果、銀行への返済などは実際には天野産業の資金を投入するまでもなく返済できたのであった。しかしこれは片倉・交野の経営手腕によるものが大きい。
消費者の健康志向で実際によく売れたノン・ケミカルは味が淡泊で日持ちしない問題はあるものの、姫路ドッグが全部これに切り替えたし、銀馬車もそうした。スーパーでもこれが特に売れた。むしろ“姫北ハム”というと“ノン・ケミカル”というイメージが広がった。たくさん売れるので養豚業者さんには飼う豚の数を増やしてもらった。山中の千里の土地に豚舎を増築したところもある（“自然豊かな播磨の高原”のイメージには合うかも）。
九重は千里の所に来ると嬉しそうに言った。
「千里、ハム屋さんを買ったんだろ」
「うん」
「ハムの材料は豚だよな」
「まあ大半がそうだね」
「豚が処理できるなら、猪も処理できるよな」
「まあ似たようなものかもね」
それで、千里は姫北ハムの工場設備が空いている時に播磨牧場で養殖している猪を処理してもらったのである（実際にはラインを増設し、古いラインを猪用に転換した）。それでできた猪ハム・猪ウインナーは、千里は「こんなの売れないよ」と言ったのだが、予想に反して結構売れたのである。ホットドッグ屋さんでも銀馬車でも猪ドッグに固定ファンが付いてしまった。そうして播磨牧場の製品が（峠の丼屋さん以外で）初めて市場に出回ることになった。それで九重達は猪を飼う頭数を増やした。
なお、猪の餌は、飼っている所に生えている竹のほか、小豆・大豆の輪作で作っているトウモロコシ・サツマイモ、また小麦や稲の麦穂・稲穂などもあげている。それらは養豚場のほうで豚の餌にも使用した。（但し養豚場の餌の大半は“配合飼料”）それで千里の畜産？事業と農業事業とがうまく融合したのである。
千里たちは７月にローカルな製紙会社・播磨製紙の経営を引き継いだのだが、８月になって、そこと資本関係は無いものの同じ銀行がメインバンクになっていた播磨合板という会社の面倒も見てもらえないかと打診され、経営を引き継ぐことになった。
きーちゃんは、播磨製紙の社長になってもらった桂さんの友人の男の娘（まだ女性にはなってないが、多分時間の問題）でやはり神戸市に住んでいた杉田葉子さんという人に社長をしてもらうことにした。
彼女は桂さんとは、神戸市内の公認会計士事務所の同僚だが、元ＳＥで、中小企業の経営者と多くの交流があり、経営センスも発達している。
千里は所有林からミズナラ・コナラ・白樺などを切り出して、たくさん安価に合板を生産させ、ここの経営を軌道に乗せた。合板はそのままホームセンターなどに納入するほか、家具の製作所に本棚や机などの材料として買ってもらったり、工務店関係にも納入した。針間工務店や“ユーニン”でも壁などの材料として買った。
（コナラや白樺の幹からは合板材料（薄板：ベニヤ）を取り、切れ端や小枝などを製紙材料に回す）
8月21日から一週間、Ｈ大姫路の剣道部男女28名は千里の自宅で夏季合宿を行った。
「道場付きの家って凄い」
「道場の方が広いから、住宅付きの道場だな」
「ドミトリーは１階が男子で２階が女子ということで」
「１フロアに８室、16名収納出来るからそれで足りるはず」
部屋をひとつ開けて説明する。
「入口入ったところがキッチン付きの居室。奥にカプセルベッドが２つ。横に並べてるから、片方が寝相が悪くてもあまり気にならないと思う。ベッドの上は荷物置きね」
「カプセルの下にはクッションがあるからオナニー程度の振動は伝わらないけど、音楽とか聴く時はヘッドホンで」
「キッチンには湯沸かしケトルと電子レンジ・オーブントースターを置いてるから、お茶とか入れたりカップ麺作ったり、食べ物チンする時は適当に」
「お風呂は個室風呂を交替で使って。あとで時間割りを配ります」
実際はドーミトリーの各フロアに１つずつ設置したバスルームのほか、本館（千里たちの住居）１階の３つの浴室を女子用に、地下の客用浴室を男子用に割り当てた。それで男子15分・女子20分ずつの割り当て時間表を作った。時間オーバーして裸のまま追いだされた子は多数だった。
「次合宿する時までに個室にせめてシャワールームを。バスタブまでなくてもいいから」
「では検討課題に」
「自由恋愛は否定しないけど、相手が嫌がったり、躊躇ったら潔く諦めること」
「セックスする場合は必ずコンドームを使うこと」
「フェラまでにしときなさい。フェラでは妊娠しないから」
「妊娠すると大会に出られないぞ」
「妊娠させた側も選手には選ばないからそのつもりで」
「セックスよりフェラの方が気持ちいいぞ」
「フェラは男の娘でもしてあげられるし」
「プールに行くときは必ず２人以上で」
「万一溺れたら一緒に行ってた人は非常ブザーを押して」
「一人で助けようとすると大抵自分も引きずり込まれるから」
「必ず徳部さん（九重）や花井さん（ロデム）とか、大人の人を呼んで。彼らはライフ・セービングの訓練も受けてるから」
それで全員に女子用の競泳水着を配った。
「何でも女子部員たちの希望で男子でもプールではこの水着を着けてほしいらしい」
「水着のお股の所に出っ張りが出来るのが嫌な人は出っ張りができなくなるようにしてあげることが出来るそうだから、天野さんに申し出て」
「お股をすっきりした形にして、胸の所にはちゃんと膨らみがあるように改造してあげるから、遠慮無く言ってね」
「私も改造してもらおうかなぁ」
などと清香が言っている。
「あ、さやかちゃんは、ちんちん取って来期からは女子の部に出るといいね」
「男子はみんなちんちん切ってもらって女子になろう」
「悩む〜」
などと谷口春恵が言っている。この子は冗談なのか本気なのかよく分からないがよく「女の子になりたい」と言っている。自宅の自分の部屋では女の子パンツとスカートを穿いてることがあるらしいし（つまり女の子パンツとスカートを持っているということ）、女子制服を着せたら喜んでいたし、女の子のように描いた自画像を美術展に出していたし。
福田一鉄も「女の子になるのもいいけどなあ」などと言っている。彼は両親が女の子が欲しかったのに男の子ばかり産まれたというので、小さい頃は女の子の服を着せて育てられていたらしい。それで今でも女の子の服を持っているし、母がスカートを買ってきてくれたりするし、そういう服を着るのは好きだと言っている。ただ彼は女の子の服を着ても男にしか見えないという問題がある。彼が中学の女子制服（親が買ってくれた）を着た写真とか見せてもらったが、確かに男にしか見えなかった。でも人数合わせで中学の時女声合唱に女子制服で並ぶだけ並んだことがあるらしいし、小学校の鼓笛隊ではスカートのユニフォームでファイフを吹いていたとも言っていた。
また彼は
「鉄という字は金を失うと書くから、小学１年生の時に手術して金玉を取ってもらった」
とも言っていたが、小学１年生の去勢手術をしてくれる病院があるとは思えないので単なる願望だろう。彼は声変わりしているから思春期前に睾丸を取ったというのはあり得ないし、睾丸が無いのにあの体付きというのも説明困難である。
「ちんちんってお股の真ん中に生えてて邪魔じゃん。そんなの取ってすっきりしたお股になろうよ」
「いや、邪魔じゃないし、チンコ切られるとか絶対に嫌」
と２年生男子の布施君が言っている。たぶん彼が普通の男の子の感覚だろう。１年生の特待生３人は３人共普通の男の子とは感覚が違う。多分３人ともペニスが無くても平気。公世はそもそも現在ペニスが存在するのかという問題もあるが。
ちなみに公世は元々白い道着を使っているが、谷口君と福田君も
「白い道着着てもいいですか？」
というので、顧問の先生は許可した。更に１年生の一般部員４人まで
「あんたたちも白着なさい」
と言われて白い道着を着せられたので、結局、１年の男子全員が白い道着で合宿に参加することになった。
さて実際の水着姿だが「ちんちん切ってもらおうかな」と言っていた清香にはペニスの存在を思わせるような突起は見られなかった。２〜３年生の男子は確かに男性器があるようなシルエットが認められた。彼らは「あまり見られたくない」と言って、その後、トランクス水着の重ね穿きを許してもらった。谷口春恵と福田一鉄は明確なペニスの形までは分からないものの、お股に盛り上がりがあり、男性器の存在を想像させた。この２人はサポーターか何かを着けているようだった。但し福田君の盛り上がりはとても小さく本当に睾丸が無いのかもという気もした（単に体内に押し込んでいるだけかも）
公世の水着姿はお股に盛り上がりが全く無くスッキリしたフォルムである。
「やはり女の子だったのね」
と双葉に言われていた。
「アンダーショーツ着けてるから目立たないだけでちんちんはあるよ」
「往生際が悪い」
全くである。しかも胸の所は明確に膨らんでいる。Ａカップはあるように見える。
「おっぱいもあるじゃん」
「水着のバストカップのせいだよ」
「往生際が悪い」
全く。なお福田君にも胸に膨らみが認められたがこれは単なる胸筋と思われた。お相撲さんのおっぱいと同様のものである。
「それと僕納豆が好きだからイソフラボンの効果もあるかも」
「ああ、やはりイソフラボンは効くのね」
「ルリちゃんも納豆食べよう」
「あんなの人間の食べ物じゃない」
でもルリは胸の膨らみがとても小さく「やはり男の子だったのね」と言われていた。
でもほんと男の娘には納豆お勧めです。（味噌汁・豆乳もね）
（ビールに枝豆とかも女性ホルモン類似物質がたっぷり）
まゆりは和弥に言った。
「和弥君、取引しない？」
「取引？」
「私が男の子を２人産んであけげるからさ、和弥君の精子をちょうだいよ」
「精子？」
「単為生殖で子供産めたらいいけど、難しそうだし」
「女性が単為生殖したらＹ染色体が無いから子供は必ずＸＸの女の子になって男の子は産まれないと思う」
「そうなのよね。マリア様が男と交わらずに子供を産んだのなら、イエス様は女でなければ理論的におかしい」
「その問題は置いといて、精子を渡して人工授精とかするの？」
「自然授精でいいよ」
「ふーん。でも男の子２人なんだ？」
「それで一人は留萌の跡取りに、一人は姫路の跡取りに」
「なるほど。でもうまい具合に男の子ができる？」
「グリーンゼリーを使えばいいのよ」
「なんだっけ？」
それで、まゆりはグリーン・ゼリーとピンクゼリーについて説明した。
女性の膣内は雑菌侵入防止のため酸性に保たれているが、性交の際に女性が感じるとアルカリ性の分泌液が出て中和される、Ｘ精子は酸に強いがＹ精子は酸に弱い。だから男の子がほしい場合は、排卵日ジャストに女性が充分感じてからできるだけ深い位置で射精すれば良い。また性交の前は数日禁欲しておき、濃い精液にする。逆に女の子が欲しい場合は、排卵日の数日前に、女性があまり感じない内に、浅い位置で射精する。性交前にたくさん自慰して精液も薄くなるようにしておく。
グリーン・ゼリーとピンク・ゼリーは、膣内のＰＨを調整するもので、ピンクゼリーは酸性にして女の子が生まれやすくする。グリーンゼリーはアルカリ性で膣内を中和して男の子が生まれやすくする。
「そんなものがあるのか」
「女の子が生まれたら、ちんちん取り付ける手術かクリトリスを巨大化してペニスに変える治療をして男の子に変える手もあるけど。睾丸は２人の息子に和弥君の睾丸を１個ずつちょうだいよ」
「睾丸をあげるのは構わないけど、性転換手術よりはゼリーがいいね」
（和弥本人は知らないが和弥の身体に付いている睾丸は本当は彼の父・民弥の物：“ドミノ移植”の結果。和弥本来の睾丸はバス事故により失われた）
「取り敢えず自然授精の練習してみない？コンちゃん付けずに生でしていいよ。赤ちゃんできるのは歓迎だし。ちなみに生理は２週間前にあったから今日は排卵日に近くて男の子ができやすい」
「考えておくよ」
「どのくらい考えるの？」
「じゃ、クリスマスまでに」
「指輪は安いのでいいから」
「検討しとこう」
8月17日(木)、甲子園でＨ大姫路は準々決勝で、田中将大を擁する駒大苫小牧と対戦し、5-4で敗れて今回はBEST8で終わった。でも青沼君はこの試合で田中からホームランを打ち、秋からの一軍入りを有力にした。何と言っても今大会実力No.1の田中将大から打ったというのが価値が大きい。本人曰く
「タイミングだけでも合わせようと思って振ったら当たった」
「でも田中君って兵庫県出身だよね」
（田中将大は兵庫県伊丹市の出身）
「チームメイトになってた可能性もあるよね」
「よく兵庫から北海道とかまで思い切って行ったよな」
私も北海道から兵庫まで来たけどね。
片倉が買収したパン屋さん・銀馬車ではお惣菜パン、例えばホットドッグとかハムチーズサンドとかに姫路市内の姫北ハムと言うところのソーセージやハムを使用していた。
その日、姫北ハムの北社長は桜製菓の本社を訪れると、いきなり土下座して「お願いがあります」と言った。
「一体何ですか」
と驚いた片倉が言う。
「資金繰りが逼迫してもうどうにもなりません。そちらでうちの会社を救済合併とかしてもらうわけにはいかないでしょうか」
聞くと、こういう状況にあると言うことだった。
・以前ハムやウィンナーを買ってくれていた東西屋という地場スーパーが倒産し、売上が減っている。代わりに進出している全国スーパーは全国企業のハムやウィンナーしか扱ってくれない。
・５年前に新工場を建てる時に地元の信用金庫から借りた借金がもう返せない状況にある。
・社員が配送トラックをスーパーの店舗に突っ込ませる事故を起こし、その賠償金が払えない。
・労働者側と話がこじれて未払いと認定された時間外労働手当を5000万円ほど払わなければならないが、資金確保のアテが無い。
・銀行・信用金庫・信用組合などからは全部融資を断られた。
片倉と交野は話し合い、ハム屋さんを持てば何か役立ちそうということから、ここを救済合併することにした。姫北ハムは万桜ホールディングの４つめの子会社となった。そして結果的にここに豚を納入していた５軒の養豚場も実質支配下に入れることとなった。
片倉は最初に“未払い残業代”をきちんと払うとともに、タイムカードを導入した。ほかにトイレを快適に改造したり、社員食堂を設置したりした。また制服も男女共通の動きやすいものに更新した。片倉は全社員の前で
「君たちは人材ではなく人財だ、君たちが会社の財産だ」
と演説した。また全社員とひとりひとり食事を交えながら対話をした（これは銀馬車の社員ともやっているし、桜製菓の社員とは昔からしている）。これらの職場改革で社員のモチベーションがあがり、取引先からの評価も上がって営業力も上昇することになる。
片倉は姫路市内で移動ホットドッグ屋さんをしている“姫路ドッグ”というところに、姫北ハムのソーセージを買ってもらった。また、姫路市内で５つの店舗を持つスーパー、プリンセスにここのハムやウィンナーを扱ってもらった。また姫姫弁当というお弁当屋さんでもウィンナーやベーコンを買ってもらった。市内の料理店にも積極的に営業してまわった。それで販路を開拓してここの売上を回復させていった。
また片倉は大手通販サイトに売り込みを掛けて化学調味料・保存料を使ってない“姫路ノン・ケミカル”シリーズのハム・ウィンナーを通販で販売した。“自然豊かな播磨の高原で育った豚、赤穂の天然塩を使った名品です”などといったキャッチフレーズで売り込んだが、図らずも有名タレントさんが「ここのウィンナー美味しいよ」とブログに書いてくれて売上は伸びた。
（でも後で分かったことだが、このタレントさんが食べていたのは実は化学調味料を使った“濃味”という製品だった！）
しかしそういったことで売上が伸びた結果、銀行への返済などは実際には天野産業の資金を投入するまでもなく返済できたのであった。しかしこれは片倉・交野の経営手腕によるものが大きい。
消費者の健康志向で実際によく売れたノン・ケミカルは味が淡泊で日持ちしない問題はあるものの、姫路ドッグが全部これに切り替えたし、銀馬車もそうした。スーパーでもこれが特に売れた。むしろ“姫北ハム”というと“ノン・ケミカル”というイメージが広がった。たくさん売れるので養豚業者さんには飼う豚の数を増やしてもらった。山中の千里の土地に豚舎を増築したところもある（“自然豊かな播磨の高原”のイメージには合うかも）。
九重は千里の所に来ると嬉しそうに言った。
「千里、ハム屋さんを買ったんだろ」
「うん」
「ハムの材料は豚だよな」
「まあ大半がそうだね」
「豚が処理できるなら、猪も処理できるよな」
「まあ似たようなものかもね」
それで、千里は姫北ハムの工場設備が空いている時に播磨牧場で養殖している猪を処理してもらったのである（実際にはラインを増設し、古いラインを猪用に転換した）。それでできた猪ハム・猪ウインナーは、千里は「こんなの売れないよ」と言ったのだが、予想に反して結構売れたのである。ホットドッグ屋さんでも銀馬車でも猪ドッグに固定ファンが付いてしまった。そうして播磨牧場の製品が（峠の丼屋さん以外で）初めて市場に出回ることになった。それで九重達は猪を飼う頭数を増やした。
なお、猪の餌は、飼っている所に生えている竹のほか、小豆・大豆の輪作で作っているトウモロコシ・サツマイモ、また小麦や稲の麦穂・稲穂などもあげている。それらは養豚場のほうで豚の餌にも使用した。（但し養豚場の餌の大半は“配合飼料”）それで千里の畜産？事業と農業事業とがうまく融合したのである。
千里たちは７月にローカルな製紙会社・播磨製紙の経営を引き継いだのだが、８月になって、そこと資本関係は無いものの同じ銀行がメインバンクになっていた播磨合板という会社の面倒も見てもらえないかと打診され、経営を引き継ぐことになった。
きーちゃんは、播磨製紙の社長になってもらった桂さんの友人の男の娘（まだ女性にはなってないが、多分時間の問題）でやはり神戸市に住んでいた杉田葉子さんという人に社長をしてもらうことにした。
彼女は桂さんとは、神戸市内の公認会計士事務所の同僚だが、元ＳＥで、中小企業の経営者と多くの交流があり、経営センスも発達している。
千里は所有林からミズナラ・コナラ・白樺などを切り出して、たくさん安価に合板を生産させ、ここの経営を軌道に乗せた。合板はそのままホームセンターなどに納入するほか、家具の製作所に本棚や机などの材料として買ってもらったり、工務店関係にも納入した。針間工務店や“ユーニン”でも壁などの材料として買った。
（コナラや白樺の幹からは合板材料（薄板：ベニヤ）を取り、切れ端や小枝などを製紙材料に回す）
8月21日から一週間、Ｈ大姫路の剣道部男女28名は千里の自宅で夏季合宿を行った。
「道場付きの家って凄い」
「道場の方が広いから、住宅付きの道場だな」
「ドミトリーは１階が男子で２階が女子ということで」
「１フロアに８室、16名収納出来るからそれで足りるはず」
部屋をひとつ開けて説明する。
「入口入ったところがキッチン付きの居室。奥にカプセルベッドが２つ。横に並べてるから、片方が寝相が悪くてもあまり気にならないと思う。ベッドの上は荷物置きね」
「カプセルの下にはクッションがあるからオナニー程度の振動は伝わらないけど、音楽とか聴く時はヘッドホンで」
「キッチンには湯沸かしケトルと電子レンジ・オーブントースターを置いてるから、お茶とか入れたりカップ麺作ったり、食べ物チンする時は適当に」
「お風呂は個室風呂を交替で使って。あとで時間割りを配ります」
実際はドーミトリーの各フロアに１つずつ設置したバスルームのほか、本館（千里たちの住居）１階の３つの浴室を女子用に、地下の客用浴室を男子用に割り当てた。それで男子15分・女子20分ずつの割り当て時間表を作った。時間オーバーして裸のまま追いだされた子は多数だった。
「次合宿する時までに個室にせめてシャワールームを。バスタブまでなくてもいいから」
「では検討課題に」
「自由恋愛は否定しないけど、相手が嫌がったり、躊躇ったら潔く諦めること」
「セックスする場合は必ずコンドームを使うこと」
「フェラまでにしときなさい。フェラでは妊娠しないから」
「妊娠すると大会に出られないぞ」
「妊娠させた側も選手には選ばないからそのつもりで」
「セックスよりフェラの方が気持ちいいぞ」
「フェラは男の娘でもしてあげられるし」
「プールに行くときは必ず２人以上で」
「万一溺れたら一緒に行ってた人は非常ブザーを押して」
「一人で助けようとすると大抵自分も引きずり込まれるから」
「必ず徳部さん（九重）や花井さん（ロデム）とか、大人の人を呼んで。彼らはライフ・セービングの訓練も受けてるから」
それで全員に女子用の競泳水着を配った。
「何でも女子部員たちの希望で男子でもプールではこの水着を着けてほしいらしい」
「水着のお股の所に出っ張りが出来るのが嫌な人は出っ張りができなくなるようにしてあげることが出来るそうだから、天野さんに申し出て」
「お股をすっきりした形にして、胸の所にはちゃんと膨らみがあるように改造してあげるから、遠慮無く言ってね」
「私も改造してもらおうかなぁ」
などと清香が言っている。
「あ、さやかちゃんは、ちんちん取って来期からは女子の部に出るといいね」
「男子はみんなちんちん切ってもらって女子になろう」
「悩む〜」
などと谷口春恵が言っている。この子は冗談なのか本気なのかよく分からないがよく「女の子になりたい」と言っている。自宅の自分の部屋では女の子パンツとスカートを穿いてることがあるらしいし（つまり女の子パンツとスカートを持っているということ）、女子制服を着せたら喜んでいたし、女の子のように描いた自画像を美術展に出していたし。
福田一鉄も「女の子になるのもいいけどなあ」などと言っている。彼は両親が女の子が欲しかったのに男の子ばかり産まれたというので、小さい頃は女の子の服を着せて育てられていたらしい。それで今でも女の子の服を持っているし、母がスカートを買ってきてくれたりするし、そういう服を着るのは好きだと言っている。ただ彼は女の子の服を着ても男にしか見えないという問題がある。彼が中学の女子制服（親が買ってくれた）を着た写真とか見せてもらったが、確かに男にしか見えなかった。でも人数合わせで中学の時女声合唱に女子制服で並ぶだけ並んだことがあるらしいし、小学校の鼓笛隊ではスカートのユニフォームでファイフを吹いていたとも言っていた。
また彼は
「鉄という字は金を失うと書くから、小学１年生の時に手術して金玉を取ってもらった」
とも言っていたが、小学１年生の去勢手術をしてくれる病院があるとは思えないので単なる願望だろう。彼は声変わりしているから思春期前に睾丸を取ったというのはあり得ないし、睾丸が無いのにあの体付きというのも説明困難である。
「ちんちんってお股の真ん中に生えてて邪魔じゃん。そんなの取ってすっきりしたお股になろうよ」
「いや、邪魔じゃないし、チンコ切られるとか絶対に嫌」
と２年生男子の布施君が言っている。たぶん彼が普通の男の子の感覚だろう。１年生の特待生３人は３人共普通の男の子とは感覚が違う。多分３人ともペニスが無くても平気。公世はそもそも現在ペニスが存在するのかという問題もあるが。
ちなみに公世は元々白い道着を使っているが、谷口君と福田君も
「白い道着着てもいいですか？」
というので、顧問の先生は許可した。更に１年生の一般部員４人まで
「あんたたちも白着なさい」
と言われて白い道着を着せられたので、結局、１年の男子全員が白い道着で合宿に参加することになった。
さて実際の水着姿だが「ちんちん切ってもらおうかな」と言っていた清香にはペニスの存在を思わせるような突起は見られなかった。２〜３年生の男子は確かに男性器があるようなシルエットが認められた。彼らは「あまり見られたくない」と言って、その後、トランクス水着の重ね穿きを許してもらった。谷口春恵と福田一鉄は明確なペニスの形までは分からないものの、お股に盛り上がりがあり、男性器の存在を想像させた。この２人はサポーターか何かを着けているようだった。但し福田君の盛り上がりはとても小さく本当に睾丸が無いのかもという気もした（単に体内に押し込んでいるだけかも）
公世の水着姿はお股に盛り上がりが全く無くスッキリしたフォルムである。
「やはり女の子だったのね」
と双葉に言われていた。
「アンダーショーツ着けてるから目立たないだけでちんちんはあるよ」
「往生際が悪い」
全くである。しかも胸の所は明確に膨らんでいる。Ａカップはあるように見える。
「おっぱいもあるじゃん」
「水着のバストカップのせいだよ」
「往生際が悪い」
全く。なお福田君にも胸に膨らみが認められたがこれは単なる胸筋と思われた。お相撲さんのおっぱいと同様のものである。
「それと僕納豆が好きだからイソフラボンの効果もあるかも」
「ああ、やはりイソフラボンは効くのね」
「ルリちゃんも納豆食べよう」
「あんなの人間の食べ物じゃない」
でもルリは胸の膨らみがとても小さく「やはり男の子だったのね」と言われていた。
でもほんと男の娘には納豆お勧めです。（味噌汁・豆乳もね）
（ビールに枝豆とかも女性ホルモン類似物質がたっぷり）
