広告:三者三葉中央女子高制服(男性用LLサイズ)
[携帯Top] [文字サイズ]

■女子高校生・夏はスカート(3)

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 
前頁次頁目次

↓ ↑ Bottom Top

2006年5月28日(日).
 
川添慎(さくら)は朝食の後、剣道部副部長の美波君から掛かって来た電話に出て5分ほど話したのだが、その後母が言った。
「あんたその携帯だいぶ使ってるよね」
「中学3年の春に買ってもらったから3年ちょっとになるかな」
母は言った。
「あんた知ってる?携帯の通信方式がCCCとかってのに変わるから
もう古い携帯は使えなくなるんだってよ」
 
それって10年くらい前の相当古い携帯の話じゃないかと思う。母は“使えなくなる”詐欺に簡単にひっかかりそうだ。
 
「あんたの携帯、もう3年も使ってるなら危ないよ。新しいのに買い変えた方が良い」
 
慎(さくら)は答えた。
「買って3年程度の携帯が使えなくなるというのは眉唾だけど新しいの買ってくれるのなら歓迎」
「じゃ買いに行こう。学割とかあるからあんた制服着て」
「うん」
 
↓ ↑ Bottom Top

それで慎(さくら)は(男子)制服を着てきた。ところが母は言う。
「なんでそんな服着るのよ。ちゃんと女子制服着なきゃ」
[ぼくは男子だけど]
「でも女子になったんでしょ?」
「なってないよー」
「ともかくちゃんと女子制服着なきゃ」
 

↓ ↑ Bottom Top

母がしつこいので、慎(さくら)はまあいいかと思い、女子制服に着替えてきた。
「よし出掛けよう」
 
それで母と一緒に車で出掛ける。慎(さくら)はバスでなくて良かったと思った。女の子の格好で出歩くのにもだいぶ慣れたが、まだバスに乗るのは少し恥ずかしい。
 
町の携帯ショップに行く。
 
「娘の携帯を買い替えたいのですが」
と母は言った。母から“娘”などと言われるとドキッとする。さくらは少し恥ずかしくなって俯いた。
 
「買い替える機種はもうお決まりですか」
「いいえ」
といって母は店内を見ている。母は1000円とか2000円とかいう値段の端末が並んでいる付近に目を奪われる。「この付近、随分おやすいですね。何?この1円って」
「これは3年前の型なのでお安くなってます」
「3年前じゃ今この子が使ってるのと大差無いわ」
「今お使いの端末は?」
 
↓ ↑ Bottom Top

慎(さくら)が使用中の端末を見せると
「ああ。これは2002年型ですね」
と言われる。
「2003年に買ったのに」
「きっとその時も安くなってた1年前のモデルを買ったんだよ」
「ああ、そうかも」
 

↓ ↑ Bottom Top

結局母は昨年のモデルで3000円になっている端末がいいと言う。
「ああ、これはカメラの性能も320万画素あってお勧めですよ」
「色はこれだけ?」
「その色だけが売れ残っているので。他の色もお取り寄せはできますが定価販売になります」
と店員さん。
 
その端末はド派手なピンクというか薄紅色というか、そんな感じの色である。
 
「でも女子高生さんには合うと思いますよ」
 
そうだね。“女子”高校生には合うかもね。
 
母は言った。
「安いし。これにしようよ」
 
え〜!?“僕が”この色を使うの?
 
でも母はその端末に決めてしまった。カウンターに行って契約する。お店の人は棚からその端末の新品を取りだした。箱にはcolor:cherry pink と書かれている。
「ああ、この色はチェリーピンクと言うのね」
「はい。日本語で言うと桜色ですね」
「あら、この子名前が“さくら”なのよ」
「それはお名前にぴったりですね」
「昔チェリーピンクとかいう歌が無かったっけ」
「チェリーピンク&アップル・ブロッサム・ホワイト。ペレス・プラード楽団ですね(*1)」
「アァ〜うっ!てのね」
「そうです、そうです」
 
↓ ↑ Bottom Top

分からん。
 
(*1) “チェリーピンク&アップル・ブロッサム・ホワイト”は原題で、最初にフランスのルイギがヒットさせた後、^ベンチャーズなど、様々なアーティストが演奏している。ペレス・プラードは“セレソ・ローサ”のタイトルでカバー・ヒットさせた。この曲は他にも“チェリーピンク・チャチャ”など様々な名前で呼ばれている。筆者の友人のエレクトーン奏者・渡辺知子がライブの冒頭でいつもこの曲を弾いていた。
 
セレソ・ローサ
 

↓ ↑ Bottom Top

取り敢えずアドレス帳をコピーしてもらい、さくらはこの可愛い色の
携帯を使うことになったのである。学割にしてもらったが、身分証明については制服を着ているので充分ですよと言われ、生徒手帳の提示までは求められなかったのでほっとした。女子制服着てるのに男名義での生徒手帳では変に思われるだろう。
 
しかしこの携帯、女の子モードの時はいいけど、男の格好している時は恥ずかしいぞと思った。
 

↓ ↑ Bottom Top

2006年6月1日(木).
 
全国的に衣替えである。
 
姫路の千里たちの家では朝御飯の時、千里と清香が夏服セーラー服を着ているのを見て公世は言った。
「あ、そうか今日から衣替えか」
「きみちゃんもセーラー服着ない?まだ教室冷房入らないし、スカートの方が涼しいよ」
 
小糸が何やら服を持ってくる。
「公世さんの夏服セーラー服はこちらに」
「ありがとう。でもぼくは男子制服着なきゃ」
と言って、公世は自分の部屋に行くと半袖カッターと学生ズボンを穿いてきた。
 
「上がワイシャツだとしてもボトムは膝丈スカートとか穿けばいいのに」
「そんなの服装違反」
「だったらやはりセーラー服を」
「いやズボンにする」
「暑いのに」
 
↓ ↑ Bottom Top


旭川。B大旭川高校。
 
その日の朝、鞠古君が教室に入ってくるとざわっとした。
 
ひとりの女子が訊く。
 
「どうしてスカートなの?」
「いや、何か暑いじゃん。スカート穿けば少しは涼しいかなと思って穿いて来た」
「足の毛は?」
「全部剃った」
「お疲れさん」
「でも真剣に訊くけど、その格好でバスに乗って来たの?」
「そうだけど」
「恥ずかしくなかった?」
「別に」
「スカートよく穿くんだっけ?」
「よくというほどではないけど、姉貴がいるから、小さい頃から結構穿かされてた」
「ああ、お姉さんのいる弟は大抵スカートはかされてるよね」
 
「あれ?でもそれうちの制服のスカートだね。うちの女子制服持ってたんだ?」
「ここに入る時、従姉がくれた。女子制服とかもらっても困ると言ったんだけど、せっかくだから女子高生になりなよとか言われて」
「うん。ちょっと手術受けて女子高生になったら?」
「女の子になるのも楽しそうだけど、まだ男を辞める決断はできない」
「ちょっとちんちん切るだけじゃん」
「簡単に言うなよ。あの手術すげー痛いらしいし」
「ああ。確かに痛そうだね」
「ちんちん切るのはそんなでもないけど、ヴァギナ造るのが無茶苦茶痛いらしい。身体に穴開けないといけないから」
「なるほどー」
「大変そう」
 
↓ ↑ Bottom Top


「でも今日、校門の所で生活指導の先生に何か言われなかった?」
「何で学校指定のブラウス着てない?と言われたけど、うっかり全部洗濯してと言ったら気を付けるようにとだけ言われた」
「完璧に女子生徒と思われてるな」
「まあ普通男子がスカート穿いてるとは思わない」
「明日はちゃんと学校指定のブラウス着るよ」
「明日もスカート穿くんだ?」
「だって涼しいし」
「やはり女の子になる手術受けたら?」
「お股に邪魔なものが無くなれば風通しも良くなるよ」
「悩むな」
 
彼はその日一日スカートで過ごしたが、先生たちから注意されたりはしなかった。ただ休み時間にトイレに行こうとして困った。
 
男子トイレに入ったら
「スカート穿いてる奴は女子トイレに行け」
といって追い出される。しかし女子トイレには入ったら (入っちゃうところが凄い)
「いくらスカート穿いててもあんた男でしょ。女子トイレ使用禁止」
といってやはり追い出された。
 
↓ ↑ Bottom Top

「俺はどこでトイレすればいいんだぁ!?」
 
でも男女の保健委員で話しあい、女子トイレの使用を許してもらった。女子に対して無害そうに見える鞠古君だから許してもらったのだと思う。普通の男子なら男子トイレの個室を使えと言われている。まあ普通の男子はスカートを穿かないが。
 

↓ ↑ Bottom Top

6月1日、川添慎(さくら)はカッターにズボンで登校した。ところが学校の門のところで服装チェックの先生に言われる。
「君は何でズボンとか穿いてるの?」
「ズボンじゃなかったら何を穿くんです?」
「女子の制服はスカートに決まってる」
「ぼく男子ですけど」
「アホなこと言うな」
 
しかしこの時はちょうど近くに生徒会長の吉川君が居て
「先生、こいつ間違い無く男子です」
と言ってくれたので、先生は首をひねりながらも通してくれた。
 
でも教室に入り彼が
「暑いねー。まだエアコン入らないの?」
などというと、他の女子が言う。
「暑いよね。でもエアコンまだみたい。でもさくらちゃん、ズボンとか穿いて見るからに暑苦しそう。スカートにすれば少しは涼しいよ」
「そうそう。さくらちゃんスカートにしなよ」
「みんなに言われたから来週一週間はまた女子制服着る。でも今週は男子制服」
「来週女子制服なら今日からフライングで」
「さくらちゃんが女子制服着てても誰も変に思わないよ」
「変に思わないとか以前に男子であるとは思わないよね」
「今朝校門のところで女子と間違われて『なんでズボンとか穿いてる?』と言われた」
「だから女子制服にしよう」
「女子制服持って来てたりしない?」
「実は持ってる」
「だったら着替えよう」
「どうしよう」
「迷うなら女子制服だよ」
「着替えちゃおうかな」
 
↓ ↑ Bottom Top


それで女子保健委員の森田さんが保健室に連れて行ってくれて、さくらは女子制服に着替えてしまった。森田さんからは
「ほんとなさくらちゃん、女子制服が似合うよ」
と言われた。教室に戻ると拍手がある。
 
「ズボンよりは少しは涼しい」
「女子はいいなあ」
などと桑田君が言っている。
 

↓ ↑ Bottom Top

「いっそ、冬は女子もズボンでもよくて夏は男子もスカートでもいいことにすればいいのにね」
「ああ冬は女子のスカート辛そう」
「東北とかは女子は冬はズボンらしいね」
「東北で冬にスカートだと凍死しかねない気がする」
「冬の女子ズボンは歓迎されるけど、夏に男子にスカートでもいいよと言ってもあまり穿く人はいないかも」
「そうかな。俺はスカートでもいいと言われたら穿きたい」
などと桑田君。
「穿いちゃえ、穿いちゃえ」
「でも俺のスカート姿は変態にしか見えないらしい」
「まあ似合う人と似合わない人はあるかもね」
 
「あ、私はスカートが似合わない」
とバレー部の原田さん(女子バレー部だから推定女子)。
「確かに好恵ちゃんは私服はいつもパンツルックだね」
「私制服以外のスカート持ってないし。校門の所の服装チェックで『君なんでふざけてスカートとか穿いてる?』と叱られたのも多数。実は今朝も叱られた」
「大変ネ」
「好恵ちゃんはそろそろ性転換手術を受けたほうがいい」
「それって、男から女への?女から男への?」
「もちろん、ちんちん切って女の子になる手術だよ」
「ちんちん切ったらオナニーできなくなる」
「女の子オナニーを覚えればいいんただよ。男の子オナニーよりずっと気持ちいいらしいよ」
「そうなの?」
と彼女はさくらに訊いたが
「知らん」
とさくらは答えた。実はさくらは女の子オナニーが未体験である。
 
↓ ↑ Bottom Top

さくらは翌日も男子夏服で登校したものの、すぐ女子制服に着替えた。でも週明け5日からは女子制服で登校し、校門のところではノートラブルだった。ただしバスの定期券でトラブった。
 
(月曜日はたまたま彼を知っている男子生徒が「こいつ罰で女の服着てるけど男ですから」と証言してくれて何とかなった。でも下校時と火曜日からはUカードを使って定期券は使わなかった。)
 
でも罰で女の服って何?(ペティコート・パニッシュメント??)何したら女の服を着せられるの?やはりオナニーの罰??? ただし慎(さくら)は女子制服登校を始めた4/38以来オナニーをしていない。
 

↓ ↑ Bottom Top

さくらは6月5-9日に女子制服で登校したが、その時、学年主任に声を
掛けられた。
「川添さん、このところその制服で登校してるね」
「すみません。私、自分の性別のことでみんなに誤解を与えたから、お詫びなんです。でもこれ服装違反になりますよね」
「ちゃんと制服着てるんだから違反にはならないと思うよ。でもその服着てて、身分証明に困ること無い?」
「実は先日携帯ショップで困りました。お店の人は制服着てることで
高校生と認めてくれたのですが」
「ああ。だったら、その制服着た写真の生徒手帳を作ろうよ」
「そんなの作ってもらえるんですか?」
 
それで学年主任は、さくらを会議室に連れて行き、白い壁を背景に
デジカメで写真を撮った。
「じゃこれで生徒手帳作らせるね。君、女子としての名前は?」
「ひらがなで“さくら”です」
と言って“川添さくら”と書いた紙を渡した。
 
↓ ↑ Bottom Top

「了解。今週中にはできると思う」
 
実際には翌日の昼休みに職員室に呼ばれ、女子モードの生徒手帳を
渡された。身分証明書欄には女子制服で写った写真が転写されており、3年1組4番という出席番号もこれまでと同じだが、名前は川添そくら、性別は女と印刷されていた。川添慎の生徒手帳は返せと言われるかとも思ったが、特に何も言われなかったので、両方持っておくことにした。
 
慎(さくら)はこの“川添さくら”名義の生徒手帳を6月10日にはプールの入場で提示することになる。
 
またそのプールに行った日は茂から
「さくらちゃん、可愛い携帯使ってるね」
などとも言われた。
 

↓ ↑ Bottom Top

↓ ↑ Bottom Top

前頁次頁目次

[*前頁][0目次][#次頁]
1  2  3  4  5  6  7  8  9 10 11 12 
女子高校生・夏はスカート(3)

広告:akazumoms-耐熱ウィッグ-特注上質-キレかわセミロング-フルウィッグ-クシ、ネットつき)-ダークブラウン