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10月30日(木)、東京の品川プリンスホテルでプロ野球のドラフト会議がおこなわれ、青沼君はオリックス・バッファローズから6位指名された。彼は入団する方針のようである。桜井君はどこからも指名されなかったので関西独立リーグに行くことを考えているようだ。このリーグは来年度、大阪・神戸・明石・和歌山の4球団で発足予定である。近日中におこなわれる合同トライアウトを彼は受けるようである。彼は大学に行くだけの頭が無い。
(このリーグには神戸サンズに女子選手・吉田えりが参加して注目される。桜井君は明石レッドソルジャーズに入った)
特待生クラスの子は大学進学は無理という子が多く(九九の怪しい子もいる)、プロや実業団を目指す人が多い。スポーツはやめて一般の会社に就職するという人も3割程度居る。スポーツ経験者は営業部員として使えることが多いので、多くの企業が歓迎する。
そんな中で剣道部の特待生6人中4人が大学を目指しているのはかえって特異である。
福田君は警察に行くつもりのようである。春恵は一応大学進学の可能性を模索しているが、無理なら警備会社に行こうかと言っている。柔道部の3人は全員警察志望である。この3人も福田君も既に警察の採用試験には合格している。福田君はインターハイに出たことで試験免除だったらしい。面接だけ受けている。その時性別について訊かれたので正直に話したが、できるだけ配慮すると言われたらしい。取り敢えず警察学校在学中は女子の制服を著てもいいよと言われたらしい。彼は女の服を着ても男に見えるが、元々女性警察官には男っぽい人もけっこういるから問題無いと言われたらしい。(もはや性転換するしかないのでは?親は喜ぶだろうし。彼は既に女性器も装備しているからあとペニスを除去するだけである)
春恵の場合は、いっそ僧侶(尼僧?)を目指す手もある。尼僧の修行をしているお寺に照会してみたところ、戸籍上男でも身体が女なら受け入れると言われたらしい。むしろ“業(ごう)”を持つ人は歓迎と言われたという。それにしても大学を出てからにしたらとも言われたのでFランクの大学への進学も検討しているようである。(4年間女子大生してから尼さんになってもいいかもね)
きーちゃんが京都南邸の近くに20坪の土地を確保してくれたのでそこに小さな宿舎を建ててそれを小糸・百合の宿泊場所にすることにした。南邸とは20mほど離れている。また思った通り、きーちゃん自身は伏見区に別の家を確保したようである。そこで男の娘の改造をするつもりだろう。千里の南邸からは1kmほど離れている。味噌汁の冷めない距離??
和也とまゆりは星月を連れて11月2日(日)に桜ジェットで姫路に戻った。10月は北海道の七五三だったが、11月は内地の七五三である。
また11月3日は立花K神社の例祭なので、その神事も行う。
千里は例祭当日北町社の境内に出店を出して“2009年のえとは丑です”と掲示し、各種の牛人形を売った。常滑焼きの陶器人形が7体、会津のヤング工房から仕入れた首振りベコ人形が5個、留萌の“しらかば工芸”の木人形が3個、イーグレットの紙人形も2個売れた。
(出店に立ったのはシレーヌ)
千里はベコ人形がたくさん売れたのでヤング工芸店に連絡し、新たに20個送ってもらった。
この他にプリンセスの近隣店(橘丘新町店)に依頼して、おでんの出店も出したらこれがよく売れた。また大学生のグループが「たこ焼き屋さん出してもいいですか?」と言ってきたので、まゆりが許可した。ただ「その場で包丁は使わない」とか手指の消毒励行などの一般的な衛生上の注意はした。プロパンのガス台でたこ焼きを焼いていた。10個入り500円で売っていた。この店も結構お客さんが来ていたようだった。でも最後は500円で2パックとかにしていた!
出店が出ているのを見てヤクザっぽい人が来たが、千里の顔を見ると退散した。
11月2-9日、“東の千里”はインドネシアのスマトラ島メダンでおこなわれた、アジアU-18女子バスケットボール選手権大会に日本代表として出場した。結果は優勝で日本は来年のU19世界選手権の出場権を獲得した。
11日、帰国した千里は羽田から伊丹行きに乗り、貴司に会いに行った。千里はお土産のビカアンボン(インドネシア特にメダンで有名なケーキ)を渡して帰ろうとするが貴司が停める。結局2人は貴司のマンションで一晩一緒に過ごし、千里は翌朝きーちゃん(2番)に転送してもらい旭川に戻った。
実際は千里が羽田から伊丹行きに乗ったのと同時刻にきーちゃんは羽田から新千歳行きに乗っており、翌朝は位置交換したのである。2017年までは、きーちゃん(2番)は位置交換のみを使っていた。当時は転送ワザが使えなかった。
むろんインドネシアの試合に出たのは完全女子のY1(ゆき)であり、貴司に会いに行ったのは貴司が大好きなBw(ブレンダ)である。
Bw/Bs-Y1 の入れ替えは深川司令室や関東臨時出張司令室(大田区)でグレースがしている。この3人は長期記憶が共有されている。
まゆりが和也に言った。
「星月をベビー水泳教室につれていきたいのよ。12月13日」
「こんな冬に水泳なの?」
「プールは温水プールだし暖房も入ってるからむしろ暑いくらいらしいよ。お風呂に入るみたいなものよ。でも2人連れて行くにはおとなが2人必要だし」
「でもまだおむつ取れてないのにプールとか入れるの?」
「プール用に水遊び用おむつというのがあるのよ。その上に水着を着せればOK」
「へー。そんなのがあるんだ」
と言ってから和也はハッとした。
「僕は何を着ればいいの?」
「和ちゃんはおむつも使ってないし普通の水着着ればいいと思うけど」
「でもそれだと胸を見られちゃう」
「普通に女子用水着を著れば胸は水着の下に隠れるよ」
やはり女子用の水着を着るのか。でも・・・
「女子用の水着を着た場合、胸が膨らんでるのも分かるけど、おまたに膨らみがあるのも見られてしまう」
「だったら、ちんちん取っちゃえば」
「え〜?」
「だってちんちんなんて使わないし」
「うーん・・・」
「おしっこするのには特にちんちんが無くてもできる。セックスしなくても人工授精で子供作れるから、ちんちんをぼくのヴァギナに入れる必要も無い、結局ちんちんなんて無用の長物だよ。取っちゃってスッキリしたお股になろう。そしたら水着のお股に膨らみができることもない」
「ちんちんが無くなったら僕男では無くなってしまう」
「とっくの昔に和ちゃんは男を辞めてたと思うけど」
「そんなぁ」
「オーリタに頼んだら痛み無しでちんちん取ってくれると思うよ」
確かに彼女なら嫌だと言ってもちんちんを取って女の子みたいな形にしてしまいそうだ。
「呼んだ?」
と言ってオーリタが顔を出す。
「和ちゃんがちんちん取ろうかどうしようかと悩んでるのよ」
「そんなもの取っちゃおう。ちんちんなんて何の役にも立たない無用の長物だよ」
「取りたくない」
「じゃ取り敢えず割れ目ちゃん作ってあげるから。そしたらちんちんは割れ目ちゃんの中に隠せるよ」
「え?」
「はい。作ってあげたよ。じゃちんちんは来週無くしてあげるね」
と言ってオーリタは帰った。
和也はお股を確認した。
「これ、このままでいいかも。ちんちんを割れ目の中に隠して水着を著ればお股に膨らみはできないよ」
「それで来週、ちんちん取ってもらうのね」
「いや取らずにずっとこのままのほうがいい」
と和也。
「まあ、僕もちんちん割れ目の中に隠してるからお揃いだね」
「そういえばそうだった」
まゆりはまだペニスを付けたままだが、陰裂の中に隠しているので下着姿になっても変な膨らみとかは現れない。
「ぼくたちふたなり夫婦だね」
とまゆりは言っていた。
「確かにふたなりかも」
「男の子のシンボルのちんちんと女の子のシンボルの割れ目ちゃんの両方があるからね」
「まあぼくはちんちんのある女で、和ちゃんは割れ目ちゃんのある男で、形は似てるけどベースは違うね」
それでも何か既にほとんど女になってしまったみたいだ。女と違うのはおしっこの出てくる位置くらいか。
オーリタに言うと即女と同じ位置からおしっこが出てくるようにされかねないから、そのことには触れないようにしとかなくちゃ。。
まゆりは採精が終了したあと、ペニスから尿道は取り外されたので、現在まゆりのおしっこは女の位置から出るようになっている。立ち小便できなくなったというので本人は不満なようだが。
「和ちゃん可愛い水着買ってあげるね」
「あはは、お手柔らかに」
この流れだとやはり次の子供は僕が産むのかなあ。お産って凄く辛そう。半端な痛みじゃ無さそうだし。(かなりその気になって来てるね?)
11月9日(日)、受験生にとって最後の模試がおこなわれ、千里たちはもちろん受けた。
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女子高校生・3年の秋(12)