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■女子高校生・3年の秋(8)

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10月は衣替えである。千里や清香は冬服セーラー服で登校した。例によって公世にもクリーニング済みの冬服セーラー服を渡したが拒否して男子冬服で登校した。
 

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10月になりセンター試験の申し込みが始まった。大学を受ける人は、センター試験を利用しない私立に絞っている人を除き全員申し込んだ。
 
公世は性別を男子にして出願した。これで彼は全ての入試を男子として受けなければならないことになる。
 
片山雅は姉から
「大学の在学中に性別変更するより最初から女で通したほうがいい」
と唆され、つい出来心?で、女のほうに丸を付けて提出した。これで彼は女子大生になることになった。現在既に女子高生だし!
 

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女のほうに丸を付けた出願票を出してしまってから雅は悩んでいた。
 
「女ということにして出願しちゃったけど、大学に入るときに住民票とかチェックされるんじゃないかなあ。でもぼく多分住民票では男になってるよね?」
 
悩んでいるうちに0時になったら時報と同時に小さな女の子が出現する。
 
「こんばんは。ぼくは“男の娘の味方”魔女っ子千里ちゃんだよ。雅ちゃん何かお悩み?」
 
雅は正直に今悩んでいたことを言ってみた。
 
「なぁんだ。だったら戸籍上の性別を訂正すればいいんだよ。そしたら、それが住民票にも反映されるから。これにお父さんかお母さんの署名もらって」
と言って、魔女っ子千里ちゃん(オーリン)は雅に書類を渡した。
 
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性別訂正届
神戸家庭裁判所姫路支部御中
平成20年10月3日
 
氏名 片山雅
生年月日 平成2年9月4日
住所 兵庫県姫路市◇◇XX番XX号
本籍地 兵庫県姫路市◇◇XX番地
戸籍筆頭者:片山亨
 
性別が誤っていたので正しい性別を届出ます。
 
訂正前性別:男
訂正後性別:女
 
申請者署名:
 
「署名もらったら、ぼくにちょうだい。処理しておくから」
「うん。こんなんで性別変えられるの?」
「性別の間違いって結構多いんだよ」
「ふーん・・・」
 

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玲羅は毎晩オーリタと一緒に数学や化学のお勉強をしているのだが、ある晩言った。
 
「今日学校で現国の時間に四字熟語の穴埋め問題やってたんだけどさ」
「うん」
「O肉O食というのの正解は弱肉強食でしよ」
「うん」
「でもある小学生が別の回答をしたというのよ」
「焼肉定食」
「それそれ。これ有名なんだ?」
 
「国語は先生と生徒のゲームという考え方では弱肉強食が正解だけど大学入試に出たら両方正解とせざるを得ない問題だろうね」
「ああ」
「O光石Oというのもある」
「電光石火?」
「それが正解だけど出光石油という解答があるんだなぁ」
「それわざとやってない?」
「空前絶後を食前食後、一石二鳥を一泊二日、無我夢中を無理心中、用意周到を用意ドン」
「用意ドンはさすがに無茶」
 
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「それからこれは博多(はかた)の出身者とそれ以外を見分ける問題と言われる。中OO端」
「中途半端じゃないの?」
「それが一般の人の答え。ところが博多の人はこれを中洲川端(なかす・かわばた)と解答する」
「地名か何か?」
「うん。こういう名前の地下鉄駅があるんだよ」
「なるほどー」
 

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玲羅はふと訊いた。
 
「そういえばオーリタやオーロラの服ってたいてい金色だけど何か意味があるの?」
「私たちは金色の女神様・朝日姫のみことにお仕えしているから、そのユニフォームみたいなもんだね」
「へー」
「だからボールペンも金色だし腕時計も傘も金色だし」
「ああ、突然雨が降った時にオーロラさんに助けてもらった時、金色の傘使ってた」
「まあ私たちは関わっている人たちからの救難信号を受信するから私たちでできる範囲のことはしてあげるよ。代わりに試験に解答してとかはだめだけどね」
「あはは。でも普通の服の時もあるね」
「そんな時にはたいてい金のブレスレットとかネックレスしてる」
「なるほど」
「でも半分は趣味だね」
「ああ」
「ちなみに、こういうものもある」
と言って、オーリタはパンティの中から金色の銃を取りだした。
 
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「凄い所に入れてるね」
「普通こんなところまで身体検査しないからね(*8)」
 
(*8) 昔『太陽にほえろ』という刑事ドラマで女捜査官がパンティの中に拳銃を隠して敵陣に潜入するエピソードがあった。
 

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「でも俺のパンツの中にはマグナムが入っているとか言う男は結構居るよ」
「そういう奴に限って小さい気がする」
「するする」
 
「でも金色の銃って凄いね」
「これはM36 Gold って普通にガンショップで売られている製品だよ」
「日本では普通にはガンショップが無いんだけど」
「確かにね。昔『黄金銃を持つ男』って映画があったけど(*9)、女が持てば“黄金銃を持つ女”だね」
「おお格好良い」
「ただしこの銃の金色は本物の金ではなくて酸化チタニウム」
「ああ、金色の物質はたくさんありそうだね」
「この携帯の金色はアルミニウム薄膜で金色にしたものだしね」
「へー。あ、その携帯の番号教えて」
「いいよ」
 
それで玲羅は赤外線で電話番号とメールアドレスをオーリタと交換した。
 
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(*9) 007シリーズの映画。ボンド役はロジャー・ムーア。敵役の黄金銃を持つ男スカラマンガはクリストファー・リー。この映画のレプリカの銃も発売されたことがある。セットにされた銃弾には007の刻印があった。
 
クリストファー・リーはドラキュラが当たり役だが、この映画でも怪しい雰囲気たっぷりだった。彼は原作者イアン・フレミングの親戚で原作者は彼を第1作の敵役ドクター・ノーに推していた。そのせいか、この作品はアジアの孤島の秘密基地という設定が第1作と似ている。
 

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雅に教頭先生が声を掛けた。
 
「片山さん、センター試験の出願票は出した?」
「はい。書いて投函しました」
「性別はどっちにした?」
「女に丸を付けました」
「了解。だったら、学校から大学に出す調査票も女子で出すから」
「ありがとうございます」
「念のため性別変更届出しておいて」
「性別変更届けですか」
「ちょっと来て」
 
それで教頭先生は雅を連れて事務室に行くと、職員の人に言って届けのフォームをプリントしてもらった。
 
性別変更届
3年9組 片山雅
 
性別が変わりましたので届けます。
 
旧性別 男
新性別 女
旧氏名 片山雅
新氏名
保護者氏名
 
「名前は変えたんだっけ?」
「いえ。変わってません」
「だったら、この新氏名のところは“同上”で。あとお父さんかお母さんに名前書いてもらって」
「はい」
 
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雅は帰宅すると母に言った。
「大学を女子として受験するんで高校からも書類を女子として出してくれるらしいんだけど、そのために性別の変更届を出してと言われたんだけど」
 
それで教頭先生にもらった書類と、ついでに昨夜オーリンからもらった書類も出す。
 
「OKOK」
と言って、母は2枚の書類に署名捺印をしてくれた。
 
雅は2枚の書類のうち裁判所宛の物をその晩オーリンに渡し、学校宛のものは翌日担任に提出した。
 
 
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