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■女子高校生・春は桜(1)

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“サクラマス”は桜の花が咲く頃に水揚げのシーズンを迎えるので“桜”の名前がある。少し時期のずれる皐月鱒というのもある。ただ養殖物には、わざと時期をずらしているものもある(例えば北海道大樹町の養殖サクラマスは年末が出荷のピーク)。富山の名物“鱒寿司”は昔は富山湾で穫れた桜鱒を使っていたが最近はほとんどが北海道産である。
 
“鮭(さけ)”(サーモン)と“鱒(ます)”(トラウト)の違いは一般的には、色が濃く味も濃いのが鮭、色が鈍く味が淡泊なのが鱒という感覚の人が多く、スーパー等では結構な値段差がある。筆者の友人は“鮭の南蛮漬け”は安い鱒で作ると言っていた。確かにああいう強い味付けをするなら魚自体の味は関係無い気もする(もっと安い鱈でも良かったりして)
 
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しかし実は鮭と鱒の間には明確な生物学的線引きは無く、習慣で呼び分けている部分が大きい。海で獲ったら鮭で川で獲ったら鱒という説もあるが、北海道では川での鮭鱒の捕獲が禁止されており、“北海道産の鱒”の多くは河口付近の海で獲られた“海鱒”である。また山女(ヤマメ)も鮭の仲間で“海に行かない鮭”である。子供の頃充分餌が得られた個体は川が気に入ってヤマメになり、あまり餌が得られなかった個体は海に行って鮭になるともいう。元々同じ種類なので、山女と(川に帰ってきた)鮭の間で生殖する場合もある。都会に行った若者と村に残っていた娘とのUターン婚?
 
筆者は30年ほど前にある食品卸業者で“(ブランド名)鮭弁当用鱒”なる商品を見たことがある(どうせ鮭と鱒の区別はつくまいということか。食べる側は赤魚か何かでもよかったりして)。
 
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2006年4月4日(火).
 
西宮市のM女子大で入学式が行われ、前橋、七瀬、虹彩(こうさい)の3人が入学した。3人の登録名は、前橋善枝 、七瀬鏡子、前橋虹彩(こいろ)である。
 

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4月5日(水).
 
神戸大学で入学式が行われ、令明(れいめい)と追風(ついふう)が入学した。2人の登録名は、南田令明(のりあき)、南田追風(おいて)である。千里Aが「令子・風子」と命名しようとしたが拒否された。
 
「せっかくだから“女子大生”になりなよ」
「まだ500年くらいは男の人生を楽しみたいです」
「チンコまだ無くしたくないし」
「女装とか一度するとハマりそうだし」
 
女物の服や下着をプレゼントしたが、虹彩にあげていた。
 

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4月6日(木).
 
兵庫県立大学で入学式が行われた。九重・清川はこれに学生服を着て参加した。こいつらはセーラー服をあげたら喜んで着そうな気がしたのでやめといた!(集中講座の時は南田兄弟がスカートを返すので自分たちも返していたが、惜しそうな顔をしていた)登録名はいつも使っている徳都縦久、清川諭吉である。
 

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4月6日(木).
 
西宮市のT大学で入学式が行われ、南田兄弟が入学した。2人の登録名は、南田一郎、南田二郎である。千里Aが「さくら・つばき」と命名しようとしたが拒否された。
 
「可愛い振袖も用意したのに」
「息子から義絶されます」
 

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4月9日(日).
 
“東の千里”千里(F)は高校に入ったら別れることにしていた貴司と“最後のデート”をすることにしていた。千里(F)は11日午後から入学式なので、11日午前中に留実子の姉・敏美に髪を切ってもらうことにしている。
 
待ち合わせ場所に来た千里を見て、貴司はドキッとした。パンプスを履いた千里はあまりに可愛かった。お散歩して、お昼を食べて、また午後散歩していたら、ティーンズ向け雑誌の記者に声を掛けられ、モデルをお願いされる。それで千里は貴司と一緒に写真に写った(この写真を見られて貴司は新しく作ったガールフレンドに速攻で振られることになる)。
 
ゲームセンターに行ったあと、雪が酷くなったので、美輪子が迎えにきてくれ千里と貴司は美輪子のアパートにそのままお邪魔した。
 
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アパートには美輪子のフィアンセ・浅谷さんが来ていた。千里は彼に
「初めまして」
などと挨拶するが、浅谷さんは
「“初めまして”は無いよー」
などと言う。貴司がフォローして
「毎日会ってる人に“初めまして”と言ったり、朝から一緒に居るのに唐突に“お早うございます”と言うのは、千里の平常運転です」
と言う。
 
美輪子も
「千里って、昔からそれが酷いね」
と言っていた。
 

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浅谷さんがヴァイオリンを持って来ていたことから3人で合奏しようということになる。
 
パッヘルベルの『カノン』を弾くが、浅谷さんのウァイオリンを貴司が借り、美輪子のヴァイオリンを千里が借り、3本目のヴァイオリンのパートは美輪子がキーボードで弾いた。貴司が1本目のヴァイオリンを弾いたが途中で分からなくなり適当に弾いていた。しかし千里も美輪子も貴司のメロディーに付いてきて、なんとか最後まで弾き通した。
 
「ごめんなさい」
「でも美輪子も千里ちゃんも細川君の演奏に付いていったから何となくまとまっちゃった」
と浅谷さん。
「クラシックに詳しくない人だったらこういう曲だと思ったかもね」
「いやパフォーマンスするとき“絶対停めない”というのがプロだよ」
「その意味では貴司の演奏はプロの演奏だったということになる」
「お恥ずかしい」
 
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そのあと、美輪子と浅谷さん、千里と貴司で各々の部屋に引き籠もり、お互い「見ざる・聞かざる・言わざる」ということにする。
 
2人は部屋の中で自然にキスして、そのまま初めてのセックスをしてしまった。貴司は「とうとうしちゃった」と思いながら、心地良い眠りに落ちて行った。
 
千里としては「お別れに記念のセックス」程度の気持ちだった。物理的には初めてのセックスであっても、気持ち的には処女はとっくの昔に貴司にあげていたつもりだったから、物理的にもセックスすることで気持ちの区切りを付けたい気分だった。貴司の度重なる浮気にも疲れ果ててたし。
 
しかし貴司は千里ととうとうセックスしてしまったことで、別れがたい気持ちになってしまう。
 
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貴司が目を覚ますと千里はN高校の女子制服を着ていた。
 
「それで通学するの?」
「そういうわけにはいかないだろうなあ。男子制服を着るよ(男子制服ってあるんだっけ?)」
「だって中学時代ずっと女子制服で学校に通っていたのに」
「そうだっけ?」
 
(“この”千里は実はほとんど中学には出ていない)
 
千里は“最後の”交換日記を付けると「はい、今日の分書いたよ」と言って貴司に渡した。
 
千里Bが携帯を持っていなかったこともあり、2人はずっと交換日記を付けていた。もっとも本当にBが書いたのは1割程度で大半はGの代筆である。Vは「そんなの書いてたら私が貴司君を好きになってしまう」と言って1度も書いてない。Gは小説でも書くような感じでかなり過激なことを書いており、貴司は千里の日記を読んで毎夜オナニーしていた。Gは自分のヌード写真や女性器の写真まで貴司に送っていた。
 
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「貴司が欲しい。貴司のちんちんがほしい。貴司、ちんちんを切り取って私にちょうだいよ。毎晩なめなめしてあげるから」
「身体から切り離したら気持ち良くない。ちんちん無いと困るし。おしっこもできない」
「ちんちん無くなったら、おしっこは女の子と同じようにすればいいんだよ。ちんちん無ければ浮気もできないだろうし」
 
貴司は数年後にほんとに浮気防止のためペニスを没収され、何年も女と同じようにおしっこをすることになるとは思ってもいない。
 

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「これで私たちの交換日記も終わりね」
と千里は言ったのだが、貴司は《この子を失いたくない》という気持ちが強くなった。それで提案した。
 
「交換日記これからも続けない?」
「でもこれ普通郵便にはおさまらないから送料高いよ」
「ルーズリーフにするんだよ。ルーズリーフ1枚ならミニレターで送れて1日60円で済む」
 
(この当時は封書80円ハガキ50円でミニレターは60円)
 
「だったら、いっそのことミニレター自体を交換日記にすけばいい。パンチ穴開けて綴じていく」
「あ、その手があったか」
「送付前にコピー取るかスキャナで読み取っておけば双方に全部の日記が残る」
「なるほどー」
 
それで2人は交換日記を続けることになった。
 
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但し恋人としての“交際”は今回のデートで終了で、お友達として交換日記を続けることにしたのである。この時点では貴司としては、新しい彼女作っちゃったし、という気持ちもあった。ただ千里を“キープ”しておきたいと思った。一方の千里は、男の子みたいに髪を短く切ったらさすがに貴司の彼女ではいられないと思っていた。
 

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2006年4月10日(月).
 
この日の午後H大姫路高校では入学式が行われた。例によって校門の所には服装チェックをする先生が立っていた。公世は、いったんとがめられたものの校長印が押された“異装許可証”(男子制服を着ても良いという許可証)で通してもらった。むろん千里と清香は何も言われなかった。しかし「帰れ」と言われている子が結構あったようである。
 
(千里の髪は長すぎるのだが、結んでいるのでOKとされた。また務めている神社の宮司名で「巫女をするのに長い髪が必要」という異装申請書を書いてもらい、以降結ばなくてもOKとされるようになった。でも運動する時に絡みやすいので、だいたい髪ゴムで結んでいた)
 
入学式では青崎さんという女子の入学生が入学者代表として決意の言葉を朗読した。たぶん入試成績1位だったのであろう。
 
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入学式のあとはスポーツ特待生を集めた1年9組の教室に入る。担任は徳永和夫先生という30代の先生である。このクラスの生徒は33名である。生徒手帳が配られたが、千里は33番であった。つまり出席番号の最後である。
 
公世は生徒手帳を受け取りに行く時、「くどうきみよさん」と呼ばれて「はい」と男声で返事をして受け取りに行ったので、首をひねっている生徒もいた。本人は女子に見えるが、男子制服を着てるし、男の声で返事をしたから男子なのかな?と思ったようである。
 
実は“パス”について声の問題はとても大きい。
 
むろん公世の生徒手帳はセーラー服写真が貼られていて性別も女になっている。女子の生徒手帳を持つことについては本人も妥協している。
 
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(この高校のモデルである姫路の私立高校の当時の制服はセーラー服。2022年にブレザーの新制服になったが惜しむ声が多かった)
 

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各自簡単な自己紹介をする。名前と出身校(出身地)、競技名、それにひとこと、と言われた。剣道部は男子3名・女子3名が入っている。6人というのは柔道と並ぶ大勢力である。
 
しかしさすがスポーツ特待生は広い地域から来ている。それでも半数くらいは関西や中国だったが、九州・東海・北陸などから来ている子もいた。もっとも北海道は千里たち3人のみである。
 
木里清香(9)
「北海道留萌市R中から来ました木里清香です。女子剣道です。剣道するのと食べるのと寝るのが大好きです。父が仕事の都合で姫路に異動したので付いてきました」
 
工藤公世(11)
「北海道留萌市S中から来ました工藤公世(くどう・こうせい)です。下の名前は“公共”の“公”に“21世紀”の“世”で本当は“こうせい”ですがよく女の子っぽく“きみよ”と読まれるので、もうどっちでもいいです。男子剣道です。留萌も漁業の町ですが姫路もお魚が美味しいので好きになりました」
 
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公世か女子の風貌ながらも男子制服を着て男声で話し、男子剣道部というのでやはり男子なのかな?と首を傾(かし)げている生徒も多かった。
 
島根双葉(17)
「たつの市*中から来ました島根双葉です。女子剣道部です。苗字は島根ですが、生まれは岡山県です。そして兵庫県で育ちました。ちなみに母の旧姓は広島です」
 
かなり笑い声が出ていた。
 

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谷口春恵(21)
「山口県宇部市*中から来ました谷口春恵(たにぐち・しゅんけい)です。男子剣道部です。ぼくの名前は“春の恵み”と書くのでよく“はるえ”さん?と読まれて女の子と間違えられます。高校時代夏休みにマクドでバイトした時、女子制服渡されたので仕方無くそのまま女子制服着てシフトに入りました」
 
爆笑となる。女子制服を着てバイトしたというのはさすがにジョークだと思うが男子にしては長い髪(たぶん校則ギリギリ)だし甘いマスクなのでほんとに女装が行けるのでは?と一瞬思った。彼はお寺の二男らしい。“しゅんけい”はお寺さんっぽい名前である。
 
福田一鉄(29)
「奈良県東吉野村*中から来ました福田一鉄です。女子剣道部です」
 
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と彼が言ったので「え〜〜!?」という声があがる。彼はガッチリした逞しい体格である。
 
「というのは冗談で男子剣道部です。中学時代の友人たちによると、僕はたとえ性転換手術を受けても女湯で痴漢として逮捕されるそうです」
 
みんな大笑いしている。
 
「僕の名前は戦国時代に稲葉一鉄という武将がいたのにちなむらしいです」
 
千里は最後に自己紹介した。
「北海道留萌市S中から来ました村山千里です。女子剣道部です。木里さんとは小学校中学校と通じてライバルだったので、高校は同じ所に行こうと約束していました。彼女が姫路に来ちゃったので私も一緒に姫路まで付いて来ました。ついでに同じ学校の工藤君も誘って北海道から3人で来ることになりました。私の出席番号は33ですが、私の誕生日が平成3年3月3日で、どうも私は3に縁が深いようです。住所まで3番地の33号です。いつか剣道で3本勝ちをしたいです」
 
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最後は爆笑になったものの(剣道は2本取ったら勝ちになって試合は終わるので3本勝ちはあり得ない)、3と縁があるというのには、みんな感心していた。
 
ちなみに「3の倍数と3の付く数字の時、阿呆になります」などのネタで一世風靡した“世界のナベアツ”こと渡辺あつむ(現・桂三度:三度は“渡”を分解したもの)はだいたい2007年頃から広く知られるようになった。つまり物語時点ではまだほぼ知られていない。
 

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公世の性別について、数人のクラスメイトが千里に!尋ねた。
 
「あの子は中性なんだよ」
「ああそういうことか」
「医学的診断では男子の部に出ても女子の部に出てもいいらしい。でも本人は男子の部に出たいし、男子高校生になりたいと言うから、男子制服を着てるし男子剣道部に入る。でもまあ女子に見えるよね。大会の時には男子トイレを使おうとすると叱られるから仕方無く女子トイレを使ってる。この学校では“みんなのトイレ”を使うように言われてた」
 
「ああ、さすがにあの子が男子トイレ使ってたらレイプされかねないよね」
「そうそう。それを教頭先生から言われて妥協してた。更衣室は個室、身体測定も個別」
「まああの子が男子更衣室に入って来たら他の男子が困るよね」
 
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「でも男の子の声なんだね」
「どちらも出るよ」
「へー」
「でも長時間男声を維持するのは難しいみたい」
「なるほどー」
 
「ちんちんはあるの?」
という核心を突く!質問があるが
「それバラすなと言われてるから内緒」
「なるほどねぇ!」
 
ということで、実際ペニスは付いてないのだろうとみんな思ったようである!
 
「なんでわざわざ内緒とか言うんだよ!」
と本人は後で抗議していたが。
 

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旭川。
 
4月11日(火)の午前中。敏美が美輪子のアパートにやってきた。
 
「千里、お友達のお兄さんに髪を切ってもらうと言わなかった?」
「はーい。千里ちゃんのお友達の留実子の兄・敏美でーす」
と彼女は言った。
 
「なるほどー。類は友を呼ぶとはよく言ったもんだ」
と美輪子は呆れていた。
 
敏美に髪を切られる間、千里(F)はずっと目を瞑っていた。全部終わってから鏡をみたが、中途半端な短髪にするより五分刈りのほうがよけいスッキリしていいと千里は思った。
 
「じゃこの切った髪は私がもらうね」
と敏美は言う。
「はい、そういう約束でしたから」
 

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「予想通りだったね」
「髪を切ったのはWだったね」
「直前まではBwだったけど『いやだ。やはり切りたくない』と言って逃げてWに交替したね」
「BsとY1は『髪切るって言ったのあんたでしょ?私は嫌だよ』と交替拒否したからね」
 
「そもそも本当は髪なんか切る必要は無かったのに」
 

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女子高校生・春は桜(1)

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