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■女子高校生・春は桜(8)

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2006年6月17-18日(土日)、北海道ではバスケットのインターハイ予選が函館市で行われ、東の千里はこの大会には男子として出場。貴司の在籍する留萌S高校との決勝戦(正確には決勝リーグ最終戦)で激戦を演じた後、試合終了後に大勢の観客の見る中で貴司とキスするということをして厳重注意をくらい「村山さんは以降ちゃんと女子の部に出てください」ということになるのだが、この土日は、西の千里も姫路市体育館で剣道のインターハイ予選に出場した。
 
H大姫路のオーダーは前述の通り、横山・武原・島原・村山・木里である。
 
1回戦不戦勝の後、2回戦では最初の3人が勝って勝ち上がる。3回戦では横山は負けたもののその後の3人で勝ち上がる。「やはり私に回ってこない」と清香が文句を言っている。しかし準々決勝では武原さんも負けたので、双葉・千里・清香の3人で勝って勝ち上がった。
「やっと試合できた」
「良かったね」
 
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準決勝のW学院戦も、決勝戦のE高校戦も同じパターンになった。先鋒・次鋒で2敗のあと、双葉がE高校中堅の吉岡さんを倒し、千里がE高校の副将・湯中さんを瞬殺。清香も相手大将の西川さんを瞬殺してH大姫路は兵庫県予選で優勝。インターハイ出場を決めた。
 

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「すげー強い女子が居る」
と女子の決勝戦を見た川添慎は言った。
 
「どうする?さくらちゃん、明日の個人戦、女子に出たら、村山さんや木里さんと対戦できるよ」
 
彼は真剣に悩んだ。
 
男子の団体決勝では、2勝2敗のあと、H大姫路の公世とE高校・慎の大将戦に結果が委ねられる。これに公世が勝って、男子でもH大姫路がインターハイ代表に決まった。
 

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その日の夕方、宿舎で夕食を取ったあとコンビニに行って来た慎は、ホテルに戻る途中、30代の女性と遭遇した。
「あ」
「あ」
 
「また会ったね」
「こないだはありがとうございました」
「また女の子に変えてあげようか」
「明日男子の試合に出ないといけないから」
 
「そう?じゃ今夜はちょっとだけ」
と言って貴子さんは慎の手に指でちょっだけ触った。
 

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翌朝、ホテルの部屋で目覚めた慎は、身体に少し違和感を感じたので期待してお股に触ってみたが、ペニスはあったので、がっかり!した。ただ少し縮んでる気もした。それより胸が膨らんでいるのに気がついた。
 
「ちょっとだけ女性化して胸が膨らんだのかも」
 
彼はこの胸なら“あれ”が必要だと思い、スポーツブラを着けた。
「うん。これで大丈夫」
 
その後、トイレに行ったが睾丸が小さくなりペニスが下向きに垂れていて、おしっこがまっすぐ下に落ちて行くので「あ、おしっこしやすい」と思った。先日の女の子になった時のことを思い出し、ペニスとか玉とかがそもそも無かったらもっと楽なんだけどとも思った。
 

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日曜日の個人戦。
 
“川添さくら”が出場しなかった女子の部では、村山千里・木里清香の2人が圧倒的な強さで勝ち上がり、この2人がインターハイ代表に決まった。2人による決勝戦は決着が付かず判定で引き分けとされたので、抽選により、村山が1位相当、木里が2位相当として本戦に行くことになった。
 
男子の部では、川添慎は順調に勝ち上がり、準決勝でH大姫路の谷口春恵を破り、決勝進出するとともにインターハイ出場を決める。しかし“はるえ”とか女の子みたいな名前なのに、本人は結構がっちりした男だった。今年のH大姫路はなんでこんなに性別が微妙な選手がいるんだ?と思った。
 
決勝の相手は準決勝でW学院の山本を破ったH大姫路の工藤公世である。昨日はまだ何で彼女は男子の部に出てるんだと思って混乱している内に負けてしまったが、今日は少し気持ちの整理が付いたので集中して対戦できた。慎はこの試合で女声で掛け声を出した。それで男子の決勝戦なのに双方女声で「面」とか「胴」とかいう声が飛び交う不思議な戦いになった。彼女のほうも慎の女声を聞いて少し混乱している感じだった。それで昨日の対戦よりかなりイーブンに近い試合となった。それでもやはり実力差は埋められず時間内に2本取られて敗れる。それで男子個人戦は1位・工藤公世、2位・川添慎ということで決着した。2人共インターハイに行く。
 
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表彰式が終わった後、慎はH大姫路の村山さんに声を掛けた。
「すみません。お手合わせしてもらえませんか」
「いいですよ」
 
それで体育館の隅で対戦した。ギヤラリーが凄かった。結果は1分で2本取られて慎の負けである。ちなみに慎が村山に声を掛けたのは慎の目には村山の方が木里より強く感じられたからである。
 
その後、W学院の山本君も木里さんに声を掛け、廊下で対戦した。これも見物人が凄かった。慎も見ていたが、山本君は木里さんに瞬殺されていた。
 
「凄いな。村山・木里は男子の川添・山本より強いのか」
「当然だろうな。村山さんと木里さんと男子の部で優勝した工藤さんは同じ家に住んでて毎日無限に対戦してるらしいけど、工藤さんは村山さんにも木里さんにも勝てないらしいから」
 
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うん。村山さんのほうが工藤さんより強く感じた。しかしその3人でひたすら対戦してたら強くなる訳だ。でもやはり工藤さんも女子だよね。女同士だからこそ同じ家に住めるのだろう。それなのに、なんで工藤さんは男子の部に出てるのかな。
 

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公世の性別については西川百合が聴き込んできた。
 
「H大姫路の島根さんに聞いたんだけどね」

(千里や清香より、まだ双葉の方が話しかけやすい!口も軽そう!に見える)
 
「工藤さんはちんちんは付いてないから法的には女性らしい。生徒手帳でも女子だって」
 
慎は少しほっとした。あの子にちんちんが付いてるのとか想像できない。慎は工藤さんのことをギリシャ神話の強い女神。アルテミスかアテナイのように感じていた。アルテミスにちんちんが付いてたらオリオンも浮かばれまい。
 
(さくらちゃんにちんちんが付いてたら松下君も浮かばれまい)
 
「でも中学の時、大学病院で検査されたら、医学的には結構微妙らしくて、男子・女子どちらに出てもいいと判定されたらしい。でも本人は男子のほうに出たいと言って、それで剣道連盟からも承認されたらしい」
 
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慎は彼女の気持ちが分かる気がした、自分でも男女どちらに出てもいいと言われたら男子に出たいと言うだろう。だって強い人と対戦したいもん。もっともこの大会では男子の誰よりも女子の村山・木里のほうが強い。
 
「でも彼女は女子に出たら村山・木里の壁に阻まれてインターハイ行けなかったね」
と西川百合は言った。
 
それは自分も同じだなと慎は思った。
 

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実はこの日慎は朝一番に顧問と一緒に事務局に呼び出されたのである。
 
「川添慎選手は女性になる手術を受けられたとお聞きしたのですが」
 
なんでそういう話が事務局に伝わってるんだ?と思う。
 
しかしなんか面白そうなのでそのまま聞いておく。
 
(事務局の人は慎の胸が膨らんでいるのを見て頷いていた)
 
白衣を着た女性看護師さんに
「口腔内の粘膜を採らせてください」
と言われ、綿棒を口のなから入れられ、口壁に押しつけられこすられる。少し痛い。しかしそれで何か調べているっぽい。やがて結果が出たようである。
 
「染色体の検査をさせて頂いたのですが。あなたの性染色体はXYで男性の染色体なので、せっかく手術を受けられたのに申し訳無いのですが、今大会は男子の部に出ていただけませんか、不満があれば、改めて中央の方で審査してもらいますが」
「男子の部に出るつもりですが」
と慎が言うと、事務局の人はほっとしたようであった。慎は思った。
 
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やはりそう簡単には女子ヘの出場は認めないよな。女になったからと言って最近まで男だった選手の女子への出場を認めたら、そこそこ強いけど男子では優勝できない選手が続々と性転換手術を受けて、女子の部はチンコ切った元男だらけになってしまう。でも元々女になりたかったという人は認めてあげてもいいから、転校選手なんかと同じで女になってから最低2〜3年経ってからでないと女子の部には出られないとかの制度がいいんじゃないかなあ。そしたら小学生の内に女になった人は高校の大会から女子の部に出られるし、中学生までに女になった人は社会人の大会には女として出られることになる。
 

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その他言われたこと
 
・白い道着の着用を認める(紺色でもよい)
・竹刀は男子基準で(女子基準の竹刀は不可)
・福祉上の観点から、女子トイレ・女子更衣室の使用は認める。
 
それで“女子トイレ使用許可証”“女子更衣室使用許可証”という定期券サイズの紙をくれた。
「逆に男子トイレ、男子更衣室を使うのは?」
「女性がそれを使うのはお控え頂ければと」
「分かりました」
 
ということで慎は、男子トイレの使用が禁止され女子トイレを使ってねということになった。でも顧問は慎が男子と記載されたエントリーシートを提出したので事務局の人は満足そうだった。(女子と記載したものは用意してない)
 

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「ということで女子トイレ・女子更衣室を使ってということだけど」
「慣れてますし問題無いです」
「学校でも使ってるね」
 
実際には彼はホテルで既に道着を着てきているので更衣の必要は無い。トイレは普段から女子トイレを使っているので何の抵抗もなく女子トイレに入った。慎が女子トイレに慣れているせいか、違和感とかが無く“女子トイレ使用許可証”を提示する必要も無かった。(紺色道着の女子も多い)
 

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話を聞き“女子トイレ使用許可証”“女子更衣室使用許可証”も見た西川さんは
 
「性転換おめでとう。でも残念だったね。女子の部の出場が認められなくて」
などと言っていた。
 
実は川添慎が女の子になる手術を受けたらしいという情報で昨夜緊急役員会が開かれたらしい。そこで染色体を検査させてもらったらどうかという案が出た。
「万一染色体も女だったら?」
「それなら本当に女ということだから女子の部に出場を認めていいと思う」
「認めるの〜?」
「女子の部には村山・木里が居るから簡単には優勝できないよ」
「男子の部より厳しかったりして」
 
うん。きっとそうだ。
 

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ともかくも慎は男子の部で準優勝して男子としてインターハイに行くことになった。代表に決まった後の公世との決勝の時
「そういえば工藤さんは白い道着だな」
と思った。本人が女子だから白を着るのだろう。自分はどうしよう。白を着てもいいと言われたけど。
 
大会が終わってから姫路駅で電車を待っていた時、湯中みどりが言った。
「朝から気になってた。ちょっと触らせて」
と言って、彼女は慎(さくら)の胸を触った。
「安心した」
と彼女は言っていた。
 

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剣道連盟の本部からあらためて性別に関する照会があったので慎はこう回答した。
 
・現時点で性転換手術は受けてないし、大会までに受ける予定もない。自分は男子であり、男子の部に出場したい
 
すると向こうからはこう言ってきた。
 
・男子の予選で準優勝しているから本戦の男子の部への出場を認める。
・女子の部で準優勝以上したのではないから女子の部への出場は認めない。
 
・名前を女性名に改めたい場合は早めに連絡を(女性名で男子の部に出るのは構わない)。
・白い道着の着用を認める(紺色でもよい)
・男子の部に出る場合、竹刀は男子基準で(女子基準の竹刀は不可)。現地では男子用の検印をもらうこと。
・福祉上の観点から、女子トイレ・女子更衣室の使用は認めるが、更衣はできたら宿舎で済ませておいてほしい。
 
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・男子として取った三段の段位は女子の部に出る場合もそのまま有効とするので、女子の試合に出るときに三段を名乗って良い。しかし今後女子として四段を取っても男子の部では認証しないから男子の試合では三段を名乗ること(段位試験は男子として受けても女子として受けてもよい)。
 
それで“女子トイレ使用許可証”“女子更衣室使用許可証”という定期券サイズの紙も送ってきた。そういうわけで彼は本戦でも女子トイレを使うことになった。でも県大会でも女子トイレに入ったし学校でいつも女子トイレを使っているから問題無いだろうと思った。
 
 
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