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■女の子たちのアジア選手権(1)

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(C)Eriko Kawaguchi 2015-05-29
 
千里はまた夢を見ていた。バスケットの試合をしているようだ。久井奈先輩が居てこちらを見てパスをくれる。スリーポイントラインの外側に自分が居るのを確認して撃つ。
 
でも外れる。
 
あれ〜? 感触は「入った」感じだったのに。
 
向こうがボールを取って攻めてくる。あれれ?ボールを運んできたのは貴司だ。私、男子の試合に出てるんだっけ?でも今久井奈さん居たし。久井奈さん性転換して男になったりしてないよね? それとも貴司が性転換して女の子になっていたりして!? うーん。その時は私レスビアン覚えなくちゃ。どちらもおちんちんが無い状態でセックスするのって、どうやるんだっけ??
 
そんなことを考えながら貴司の前に出てディフェンスしていたら、貴司は見知らぬ女の子にパスした。彼女がきれいなフォームでシュートする。
 
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ボールはバックボードにも当たらず、そのままネットに飛び込んだ。
 
審判がスリー成功のジェスチャーをしている。
 
くっそー。
 
こちらの攻撃。暢子から久井奈さんにボールがスローインされ、久井奈さんが攻め上がる。また自分にパスが来る。よし今度こそは。
 
撃つ。
 
外れる!?
 
うっそー。なんで!??
 
絶対、今の感覚は入ったと思ったのに。
 
また向こうは貴司がドリブルで攻め上がってくる。そして先ほどの女の子にパスする。彼女がまた撃つ。
 
入る。
 
そんなあ。
 
その時、貴司がこちらに寄ってきて言った。
 
「千里、どう?僕の新しい彼女。彼女スリーが百発百中なんだよ。僕は彼女がスリーを外した所見たことないんだ」
 
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なんだとぉ!?
 
千里は嫉妬の心が燃え上がり、睨むようにその彼女を見つめた。
 

そこで目が覚めた。
 
しかし千里はしばらくそれが夢なのか現実なのか判別できずに悩んだ。洗面台に行って顔を洗う。うがいをしてからトイレに行く。おしっこをする。自分におちんちんが無いのを確認して少し安心する。おちんちん無くなって良かった。そして安心したら、だんだん腹が立ってきた。
 
『こうちゃん』
『へーい』
 
《こうちゃん》は寝ていたのか、寝ぼけたような返事をした。
 
『貴司の彼女との交際、徹底的に邪魔して』
『おぉ、そうこなくちゃ』
『また次の彼女作られると面倒だから別れさせなくていいから、絶対にキスとかセックスとかできないようにして』
『OKOK。いっそ貴司君のちんちん取っちゃおうか?』
『うーん。私がレスビアン分からないから、それは取らなくてもいいや』
『了解〜』
 
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それで《こうちゃん》は楽しそうに大阪に飛んでいった。
 

千里はその日4時から朝ご飯とお弁当を美輪子の分まで2人分作り、5時にはやっと起きてきた美輪子に「行ってきまーす」と言って、学校に飛び出して行った。そして鞄を教室に置くと、朱雀に行って体操服に着替える。そして1人で黙々とバスケの練習を始めた。
 
充分ウォーミングアップしてからシュートしてみる。
 
よし。
 
入るじゃん!
 
千里が黙々とシュート練習をしていたら、1年生の久美子が出てきた。
 
「千里先輩、おはようございます! 早いですね!!」
「久美子ちゃん、ちょうど良かった。一緒にシュート練習しようよ」
「はい!」
「シュートしたらゴールの方に走って行く。ゴール下に居た側は落ちてきたボールを掴んでスリーポイント・ラインまでドリブルしてくる」
「分かりました」
 
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それでふたりで1本交代で練習していたが、千里は久美子の撃つフォームがおかしいと思った。
 
「久美子ちゃん、ちょっと待って。ここでね、もっとしっかり腰を落とした方がいいよ。そうそう。そこから勢いよく膝を伸ばして。そうそう。それで身体が伸びきる心持ち一瞬前にボールを離すんだよ」
 
「わっ、凄く飛んだ」
「うん。今の感覚覚えてて。それで軌道を調整しよう。強くリリースする場合は低い軌道でもいい。ゆっくりリリースする時は50度の方角に」
 
「45度じゃないんですか?」
「うん。45度で投げるといちばん遠くまで届くというのは、到達先の高さが発射位置と同じ高さの場合なんだよ。久美子ちゃん、身長165cmくらいだから発射点は180cmくらいかな。バスケットゴールまでの高低差が125cmくらいだと思うから・・・・」
 
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千里は携帯で計算サイトを呼び出し、数字を入れる。
 
「最も到達距離を稼げる角度は50.2度だね」
「へー!」
「高低差125cmの場合、50度で撃つ場合は初速32.1km/h 滞空時間1.178s, 30度で撃つなら初速38.1km/h 滞空時間0.735s, 70度で撃つなら初速37.8km/h, 滞空時間1.879s」
 
と言って千里は計算結果の表を見せる。
 
「50度から離れると低くても高くても初速が必要なんですね」
「そうそう」
「でも滞空時間は角度が高いほど長くなるんだ!」
「実際そうでしょ?」
「ちょっとやってみます」
 
と言って久美子は低い弾道と、高居弾道を撃ち比べてみた。
 
「ほんとだ。すごーい! これ微積分とかですか?」
「三角関数と二次方程式だよ。ボールの軌跡は放物線だから」
「あ、そうか」
 
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「あとはたくさんシュートしてこの距離からはこのくらいの勢いで届くという感覚を覚えていくんだよ」
「やはり練習あるのみですよね」
「そうそう。今から頑張ってればインターハイではレギュラー取れるかもよ」
「頑張ります!」
 

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2008年10月17-19日(金土日)、DRKの最後のCDの制作を行った。
 
受験の準備が忙しくなることから、教頭先生からこのバンドの活動は10月31日までと言われていたので、今回の制作で活動は終了ということになる。
 
今回は前回欠席したインターハイ・バスケ組が参加できたので、こういうメンツでの制作となった。
 
Gt1 梨乃 Gt2 鮎奈 B 智代 Dr 留美子 Pf 花野子 Fl 恵香・布留子 Ryuteki 千里 Tp 京子・美梨耶 Gl 蓮菜 Vn 孝子・麻里愛 Leier 鳴美
 
14人編成で、田代君がプロデューサーである。例によって田代君は札幌から遠征してきて、この3日間は蓮菜の下宿先に泊まったようである。どちらも各々恋人がいるのに、この2人の感覚はどうにも理解不能だ。同じ布団で寝たけどセックスはしてないよなどと言っていた。もっとも蓮菜のおばさんは、まだ蓮菜が田代君と交際していると思っている。
 
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最初に制作したのは花野子が書いた『女子高生の内幕』というコミカルな曲である。ライトな雰囲気に仕上げるので、千里はこの曲では龍笛でなくキーボードでオルガン系の音を入れた。
 
次に千里が書いた曲で前回の制作の時に演奏できなかった『白い記憶』という曲を収録する。千里の龍笛の他に、恵香が篠笛、孝子がアイヌの伝統楽器トンコリ(五弦の竪琴)を弾いている。トンコリは知人の知人から借りて、その時1時間ほど弾き方を教えてもらったらしい。
 
「でも田代君がいるとすいすい進む〜」
という声が出る。
 
「おまいら、勝手に意見出すだけで収拾しようとする意志がないだろ?」
と田代君の弁。
 
1曲目を金曜日の内に仕上げ、2曲目も土曜日の午前中に仕上がり、お昼を食べてから3曲目の練習していた時、ふらりと月夜・美空の姉妹がやってきた。
 
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「こんにちは〜」
「どもども〜」
 
と声を掛け合う。
 
「こういう時、おはようございますと言うんだっけ?」
と花野子。
 
「そうそう。どんな時刻だろうと、その日最初に会った時はおはようございます」
と美空が言うと
 
「元々おはようございますというのは、そういう挨拶だったんだよ。芸能界はその本来の用法がまだ活きている。朝だけ使うというのは、本来の使われ方から少し変化した使い方」
と千里は解説する。
 
「そういうのって何が本来かが忘れられているものはよくあるよね」
「5月5日は元は女の子の節句だったらしいね」
と京子。
「へー」
「女児節と言っていたらしい。それがいつの間にか男の子の節句に変わってしまった」
 
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「女の子が男の子になっちゃったのか」
 
「そもそも端午って、午(うま)だから、午の月の午の日だったんだよね」
と千里が言う。
 
「午の月?」
「十二支と十二月がきれいに対応するから、毎年寅月が1月。午月は5月」
 
何人か指折り数えて「おぉ」と納得している子がいる。
 
「だから端午の節句は5月の最初の午の日だったんだよ。ところがどこかで誤って5月5日になっちゃった。だから今のこどもの日は端午じゃなくて端五だよね」
 
「同音異義語との取り違えも割とある」
「江戸時代の関所は死体は通せなかった。それで死体を運びたい人がこれは死んでいるのではなく寝ているという方便を使って通過させた」
 
「まあ、袖の下があれば通すでしょ」
 
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「それでその内、寝ている人を通してはならんって御触れが出た。それで『寝た子は通すな』という話になった」
 
「それが『寝子は通すな』となって、いつの間にか『猫は通すな』って話にすり替わったという話」
 
「なんかそれは意図的な改変という気もする」
 
「まあ関所なんて袖の下次第」
 
「女性が関所を通るときに、大名の妻や娘じゃないかって確認する検査官で検見(けみ)の婆という人がいたらしいけど、大名の息子が女装してないかってので胸とかも触っていたらしい」
 
「ほほぉ」
「で、その胸を触られる時に身体が随分密着するじゃん。その時、さりげなく検見の婆の懐に幾何(いくばく)かのお金を放り込む」
 
「すると、問題ないということで通れる訳か」
 
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「しかし大名の妻や娘を識別できる人って、その人本人もかなりの家の出身の女性だよね?」
「だろうね。奥向きの仕事をしていた中臈(ちゅうろう)とかかもね」
 

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